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ハイポテンシャル人材とは?リーダー候補の発掘と育成

ハイポテンシャル人材とは?リーダー候補の発掘と育成

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「潜在的な力」「可能性としての力」という意味を持つポテンシャル。
人事面、タレントマネジメントの側面から鑑みて将来有望な人材をハイポテンシャル人材と呼びます。将来組織を下支えするリーダー候補となるべき人材です。

優秀なリーダーは一朝一夕に誕生するわけではありません。
昨今の労働人口の減少に伴う働き方の多様化に伴い、早期に適切な人材を発掘し、ハイポテンシャル人材として育成するのが組織にとって急務となっています。
ハイポテンシャル人材をどのように見いだし、育成に注力すべきなのかを解説します。

目次(タップして開閉)

    ハイポテンシャル人材とは

    これまでは、企業・組織の先を見据えた次期リーダー候補の見極めにおいて、従業員個人のスキルや経験などが大きな要素を担っていた側面があります。
    一方で、ビジネス環境のグローバル化やデジタルDX化など時代の変化に適応でき、より効率的かつ公平なマネジメントスキルなど、幅広い能力や視点が求められているのが現状です。

    次世代を担うリーダー候補者の育成は、これまでよりも複雑で困難になりつつあります。環境への即応性(アジリティー)やインクルージョンの意識を持ち、将来の課題を乗り越える成長マインドセットを発揮できる、新たな人事・人材発掘が欠かせません。

    つまり、今後のポテンシャルや可能性を秘めたハイポテンシャル人材を見いだし、育成していくことが重要視されているのです。

    ハイポテンシャル人材の要件

    今後リーダーシップの資質を発揮し、活躍するハイポテンシャル人材とはどのような要件を持つ人物なのでしょうか。以下3つの要件を有している人材が、ハイポテンシャル人材の資質を持つと言えるでしょう。

    アスピレーション 上昇志向 アビリティ 能力 エンゲージメント ハイポ人材

    1.より高い次元をめざす欲求、上昇志向を持っている

    ハイポテンシャル人材はより高い目標を定め、解決への努力を惜しみません。成功のために粘り強く踏ん張るアスピレーション(上昇志向)の持ち主でもあります。他より秀でたいというポテンシャルを持つことも重要な要件の1つです。だからこそ働きが報われるような環境に置かれなければ、活躍は期待できない部分があります。

    2.成果や実績につながる行動特性を持っている

    グローバル化した経済やデジタル化が進むビジネスにおいて、未知の課題に取り組む気概を持った人材が求められています。上位職に就いた際、職務や役割に応じたコンピテンシー(competency)が発揮できる人物こそがハイハイポテンシャル人材に該当します。経験に即し、めまぐるしい環境の変化に対応できるアジリティー(Agility)も求められます。

    3.仕事や組織へのエンゲージメントが高いこと

    個人の成長のみならず、組織と共に成長するために貢献できるかという観点から
    エンゲージメント(engagement)が高いということも要件となります。組織の中で信頼関係を築きながら、仕事で貢献する人材が次世代のリーダーとしてふさわしいと言えます。仕事や組織、チームメンバーにどれだけコミットメントできるかという点も見定めなくてはなりません。

    ハイポテンシャル人材のメリット

    将来性を有するハイポテンシャル人材の登用には次のようなメリットがあります。

    1.組織の未来を託すリーダーをいち早く見つけ、育成を可能に

    組織を担う将来のリーダーは、必要に迫られて探すようでは間に合いません。またリーダー育成には時間がかかるため、早くにリーダー候補となるハイポテンシャル人材を発掘するにこしたことはありません。いち早く有望株を見つけられれば、育成にも効率的に時間を使うことができます。

    2.他社との差別化が図れ、業績向上につなげられる

    ハイポテンシャル人材が早くから能力を発揮でき、高いパフォーマンスが期待できる組織では当然、業績アップも期待できるでしょう。同業他社との差別化もメリットの1つです。

    3.ハイポテンシャル人材以外への影響や相互作用・相乗効果

    高い潜在能力を有するハイポテンシャル人材の活躍は、他の従業員にも大きな刺激となり得ます。問題解決スキルの高さや行動特性、意識面でも組織内の起爆剤となるはずです。

    4.組織の年齢構成のアンバランス解消

    ハイポテンシャル人材は20~30代の若手から発掘、育成するケースがほとんどとなります。超高齢化社会が深刻化する中、高年齢層人材ばかりのアンバランスな組織では将来性も期待できません。組織における年齢構成のゆがみを解消する意味でも、ハイポテンシャル人材の起用は大きな意味を持つでしょう。

    ハイポテンシャル人材を発掘するには

    先述の通り、ハイポテンシャル人材の早期発掘、育成が組織の将来を左右する重要な鍵となります。まずは次世代のリーダー候補となる人材を見いだすところからスタートしなければなりません。人事はもちろんのこと、該当部署、さらには経営陣も交え、さまざまな要素からハイポテンシャル人材要件に合致する人材を見出す必要があります。

    1.新たな人材の採用

    組織内に新風を吹き込む最適な方法が新たな人材の採用です。
    これまでの中途採用においては、前職の経験や実績に重きをおいたキャリア採用をメインとするケースも少なくありませんでした。しかし新たな人材の確保においては潜在的スキルを見越したポテンシャル重視の選考を取り入れるのも一案です。

    経験やキャリアを問わないポテンシャル採用では、応募者のハードルも下がります。場合によっては、一般的な新卒採用では出会えない人材を確保できる利点もあります。20代など若手中心の採用ではあるものの、新卒ほど教育コストをかけずに済むのもポテンシャル採用ならではのメリットです。加えて特定の企業カラーに染まっていない柔軟な人材を採用できる可能性も高くなります。

    2.社内の人材から発掘

    社内からハイポテンシャル人材を選抜する方法もあります。社内の優秀な人材をまずは選び、複数名確保しておきます。その上で、時間をかけて育成プロセスを実施、その結果を鑑みて候補者を絞っていくやり方です。

    あらかじめ選抜の理由や期待を伝えてもいいでしょう。モチベーションアップにもつながります。ただ、周囲との関係性を含め、候補者によりそったアドバイスを行うよう注意も必要になります。

    また人材を選抜後は、客観的な評価が欠かせません。そのため身近な該当部署の関係者だけでなく、人事や経営陣、また目標管理から人事評価、スキル管理までトータルで管理していくのがポイントです。

    ハイポテンシャル人材を育成するには

    ハイポテンシャルなスキルとは、既成の概念を覆すような想定外の出来事が起こったり、従来の慣習が通用しなくなったりする未来に対応できる能力と言い換えられるでしょう。予測不能な未来、VUCA(ブーカ:不安定・不確実・複雑・曖昧(あいまい))時代でも通用するような将来有望な人材を計画的に育成しなければなりません

    1.社内人材の把握

    社内の誰がハイポテンシャル人材かを把握するために、組織側でも見極める基準を設けなければなりません。ハイポテンシャル人材の発掘で重視するポイントは以下となります。

    どのような場面でリーダーシップが発揮できるのか、明確な経営戦略・ビジョンを元に提示する。企業戦略を明らかにすることでハイポテンシャル人材のモチベーションを引き出せるため。
    過去の実績もしくは現状よりも、将来性や未来の貢献度合いを基準に考慮する。その点をハイポテンシャル人材にも積極的に伝える。
    ハイポテンシャル人材と1対1のコーチングもしくはメンタリングの実施。継続したコミュニケーションを欠かさない点を念頭に置く。
    多角的かつ客観的な視点を取り入れる。現ポジションだけでなく、人事や経営部門などを含めた総合的人選を行う。
    戦略的優先事項として組織を挙げて人材発掘や育成に取り組む。

    2.育成計画

    ハイポテンシャル人材の育成には、多角的かつ客観的な視点が必要だとお伝えしました。将来を担う組織のリーダーとしての資質を見抜くために、人事アセスメント研修や人事アセスメントツールの導入を検討しましょう。

    次のような観点が、ハイポテンシャル人材育成のプログラムに求められます。

    ●リーダーとしての素養と個人の性格特性の合致

    積極性や曖昧(あいまい)力(不確実な状態でも挑戦する力)、戦略的未来志向、粘り強さを持つ人物はリーダーとしてのポテンシャルが高いと判断されます。個人としての性格がどこまで合致するのか、またポテンシャルとして伸ばせるのか

    ●ラーニング・アジリティーを持っているか、育成可能か

    経験から学びを得て、未知なる状況でどのように生かし成功に導く能力をラーニング・アジリティーと言います。現状より少し難易度の高いチャレンジや課題を与えることでラーニング・アジリティーを強化できるのです。

    ●モチベーション・エンゲージメント

    将来のキャリアパスなど自らにとってのやり甲斐、日常業務におけるモチベーションや組織に対するエンゲージメントの原動力になる部分はどこにあるのかを見極めます。リーダーとしての役割を担うことそのもの、部下など他人を統率することがエネルギーになるのであれば、ハイポテンシャル人材としての資質が高いと言えるでしょう。

    ●論理的思考、問題解決力

    ハイポテンシャル人材であれば、自らが論理的に問題解決するスキルを持っていると考えられます。さらに、他者の問題解決をサポートする役割を意識的に行える、コーチング視点を持ていれば、リーダーとして成功する可能性は大きいと言えるでしょう。

    人材育成のプログラムの過程で、リーダーとしての資質にとってマイナスとなる
    ディレールメントも当然存在します。ストレス耐性に乏しく感情的になる、独自のスタンスにこだわりがちで業務へのアプローチがワンパターン等など、リーダーシップにおいてはリスク要素となる部分も持つ人材は組織において希有なものではありません。

    ただ、リーダーとして成功する人材に共通の行動特性であるコンピテンシーとは切り離せない側面も多いのです。事前にリスクとなり得るディレールメントが把握できていれば、リスクを回避すべき育成も可能です。リスクマネジメントを含めた人材育成を計画、実行するよう戦略を練る必要があるでしょう。

    ハイポテンシャル人材の目的を明確に

    グローバル化、デジタルDX化が進み、刻一刻と変わる時代の変化に伴い、新たなリーダーの存在は不可欠です。また少子高齢化が社会問題となる昨今、深刻な人材不足により若い世代からリーダー候補を早期に特定、時間をかけて育成しなければならないことから、タレントマネジメントを取り入れる企業、組織が急増しています。

    タレントマネジメントシステムの「スマカン」は、あらゆる人材データやスキルデータを一元管理し、最適な人員配置や人材育成をサポートします。

    将来への可能性を秘めたハイポテンシャル人材の発掘は、組織の経営戦略、成長に欠かせない要素となります。今後も明確な目的意識を持って取り組むべき課題であるのは間違いありません。

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