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KPIとは? 意味や設定方法、KGIとの違いを簡単に解説!

KPIとは?意味や設定方法、KGIとの違いを簡単に解説!

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KPIとは、企業の目標であるKGIを達成するために、必要な中間指標として設定する目標です。しかし「具体的なKPIの立て方がわからない」「KPI設定の流れを知りたい」という方も少なくありません。

そこで当記事では、KPIを解説しながら、KGIやKFSとの違い、KPIの具体的な設定方法についてご紹介します。これからKPIの運用を始めようとしている企業や、KPIの運用がうまくいっていないという企業の経営層と人事担当者はぜひ参考にしてみてください。

目次(タップして開閉)

    KPIとは?

    KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では重要業績評価指標を意味します。

    KPIは、企業の最終的な目標であるKGIの達成に必要なプロセスにある中間目標であり、ゴールに到達するために達成すべき目標(通過点)といえます。

    Key Performanceとは

    Key Performance(重要業績)とは目標達成の鍵となる要因のことで、KFS(Key Factor for Success=重要成功要因)と呼ばれます。CSF(Critical Success Factor)もKFSとほぼ同じ意味をあらわす言葉です。

    KFSを正しく見極めることで、組織・個人の現状や問題点を把握できると同時に、自社の優位性を活かして他社との差別化をはかるきっかけとなります。

    反対にKFSが不明確なままだと、方向性が定まらず右往左往することとなり、かえって生産性が低下しかねません。

    Indicatorとは

    Indicator(評価指標)とは目標の達成水準をあらわす指標で、具体的に数値化されている必要があります。

    たとえば、営業部ならば「売上高」という指標があり、その「売上高」はさらに「受注数」「受注率」などの指標に分解できます。いずれも数値であらわさなければIndicatorとはいえません。

    漠然と「売上高を上げる」ではなく「6月までに売上高3,000万円を達成する」のように「いつまでに」「どれくらいの数字を」達成するかを明確にし、客観的に評価できるようにすることが大切です。

    KGIやKFSとの違い

    KPIと混同しがちな言葉に、KGIやKFSがあります。どちらもKPIを運用するために正しく理解しておく必要があるため、それぞれ解説します。

    KGIとKPIの違い

    KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」を意味します。「Goal」という言葉の通り、KGIは企業の経営戦略の最終目標を意味します。

    何をどの程度達成させたいのかを、具体的な数値であらわされていることが特徴です。また、このKGIを達成させるために必要なのが中間的目標であるKPIです。

    たとえば、KGIを「来年度の売上1億円」にした場合、そのKPIは「新規顧客数を月300件」「問い合わせ数を月1000件」など、KGI達成に必要とされる具体的な数値を設定します。

    このようにKGIを達成させるために、必要なKPIを設定するため、KGIとKPIはセットとして考えられるでしょう。

    KFSとKPIの違い

    KFSとは「Key Factor for Success」の略で、重要成功要因を意味します。KFSは、KGIの達成において、特に重要な役割を果たす要素を指し、具体的な数値を設定しているKPIに取り組む施策でもあります。

    たとえばKPIが「新規顧客数を月300件」なら、KFSは「SNS投稿」「WEB広告」「SFAやMAツールの導入」が挙げられます。

    KGI達成に重要な要因となるのがKFSであり、さらにKFSを具体的に数値化したもの(KFSをもって取り組むもの)がKPIと理解するとイメージしやすいでしょう。

    KPIを設定する重要性

    KPIを設定する重要性は、KGI達成のプロセスを明確にしたり、課題を発見したりすることにあります。それぞれについて解説します。

    KGI達成のプロセスを明確化

    KPIを設定する重要性の1つに、KGI達成のプロセスを明確にすることが挙げられます。

    KGIやKPIを運用する際、企業の最終目標を掲げたところで、具体的に何をすべきかがわからないと、従業員がバラバラの行動になり、目標達成ができない可能性が高くなってしまうでしょう。

    そこでKPIとして、細かい数値目標が設定されていると、KGIまでの大まかなプロセスが明確になり、何をどうすればよいのかが考えやすくなります。

    また、数値的に大きな目標がKGIとして設定されている場合、従業員にとっては現実味が感じられないこともあります。しかし中間目標が置かれることで、心理的な負担が減り、目標達成がイメージしやすくなる効果もあるでしょう。

    課題を発見

    KPIを設定する重要性のもう1つは、課題を発見するためが挙げられます。仮にKGIが未達成に終わってしまった場合、その失敗要因を発見しやすくなるのです。

    たとえば複数設定したKPIの中で「問い合わせ数を月1000件」というKPIを達成したのに売り上げ(KGI)が達成できなかったケースでは、その後の成約数や商談数、対応に問題があったと仮説が立てられるでしょう。

    このように、KPIを設定することで、どのタイミングで何が問題だったのかなど、KGIの失敗要因として今後の課題を見つけやすくなるのです。

    KPIマネジメントの効果

    KPIを運用して、目標に対する進捗管理などを行うことを「KPIマネジメント」といいます。KPIマネジメントを行うと、具体的な指標をもって効率的に目標達成を目指せるでしょう。

    アクションプラン(行動計画)の具体化

    KPIマネジメントによってアクションプラン(行動計画)が具体化します。

    たとえば、人事部が「6月までに全社員の残業時間を20%削減する」という目標を設定したとします。その場合「残業の事前申請をルール化する」「定時以降の会議を禁止する」などのアクションプランが考えられるでしょう。

    これらのアクションプランを従業員一人ひとりの目標管理シートとリンクさせ、KPIを個人レベルで確実に達成していきます。

    KGI・KPI・アクションプラン

     人事評価との連携で公平性を担保

    KPIマネジメントによって、数値化された評価基準を人事評価と連携できると、公平性の担保が簡単になります。

    数値に基づいた評価には評価者の主観が入らないため、評価される従業員の間に納得感が生まれるでしょう。また、進捗状況を数値化することで、担当業務が異なる部署やチームの評価基準を統一できます。

    PDCAがうまく回り生産性向上

    KPIマネジメントによるプロセス管理で、Plan(計画)→Do(実行)→Check (評価)→Act (改善)のPDCAサイクルがうまく回りやすくなります。

    Check (評価)のタイミングを明確にして進捗状況を常に把握していれば、優先順位の高いタスクをあぶり出したり、目標から乖離(かいり)したアクションを速やかに軌道修正したりできるでしょう。

    Act (改善)も目標との整合性を保ちながら行われるため、本質から外れた改善策に現場が振り回されることもありません。それにより業務の効率化と生産性の向上が期待できます。

    KPIの設定方法

    KPIを設定する際は、KGIやKFSも含めて同時に設定していくのが理想的です。KPIの設定方法として、具体的にどのような手順で行うとよいのかをご紹介します。

    KGIを設定する

    まずはじめに、企業の最終的なゴールであるKGIを設定します。KGIは企業の経営戦略の最終目標かつ、定量的で達成可能な指標を設定しましょう。

    たとえば、「来年度は売上高1億円」のように、「いつまで」に「どれくらいの数字」を達成するかを明確にします。また、この「1億円」が現実的に達成可能か否か、達成できる方法などがあるかどうかを確認することも大切です。

    KFSを設定する

    次に、KGI達成の要素やKPIに取り組む施策にもなるKFSを設定します。

    まずは競合他社や市場を分析しながらKGI達成につながる要因を見つけましょう。KGI達成の要因を見つけるためには、SWOT分析やバリューチェーン分析などが役立ちます。

    SWOT分析は、

    ・強み(Strengths)
    ・弱み(Weaknesses)
    ・機会(Opportunities)
    ・脅威(Threats)

    の4項目に整理して、自社の状況などを分析します。

    バリューチェーン分析は、企業活動で生み出された価値の流れを分析する方法です。

    KGI達成の要因を洗い出したら、特に成功に不可欠な要因をKFSとして設定します。

    たとえば、コロナ禍がきっかけで実店舗を訪れる顧客の数が激減しているなら「通販サイトを充実させてデジタル集客に力を入れる」がKFSとなるでしょう。

    KPIを設定する

    最後にKPIを設定します。KGIを達成するために必要な中間目標として、数値目標をKPIに置きます。さらに、設定したKPIを「KPIツリー」と呼ばれる樹形図であらわすことで、より視覚的に捉えやすくなるでしょう。

    KGIとKFSを踏まえたKPI設定として、以下の具体例が挙げられます。

    KPI設定の例
    KGI来年度の売上高1億円
    KFS顧客分析を行う
    KPI顧客単価30%向上

    さらに「顧客単価30%向上」を細分化したKPとしては「メルマガ配信の開封率を120%達成」や「顧客への商談回数を150%達成」などを設定するとよいでしょう。

    KPIツリーを作成することで、企業の目標を達成するために、組織・チームや従業員個人が具体的なアクションプランを立てやすくなります。

    KPIの失敗しがちな例

    KPIの運用において、失敗しがちな例をご紹介します。

    選択肢の検討が不十分

    KPIで失敗しがちな例の1つめは、KPI設定において、十分に検討されていない状態でKPIを決めてしまうことです。

    適切なKPIを設定できていないと、KGIの達成に効果が出ず、むしろ非効率な取り組みになってしまう可能性もゼロではありません。

    KGIに対して、本当に必要なKPIはどのような指標なのかということを踏まえて、分析やデータをもとにしっかり検討しましょう。

    KPIを状況に応じて変化させていない

    KPIで失敗しがちな例の2つめは、状況の変化に対応せず、一度設定したKPIを変えずにいることです。

    企業の事業戦略が変わり新たな目標を掲げたときなどは、中間指標であるKPIも適宜変更しなければなりません。

    しかし状況が変わっても、一度設定したKPIにこだわりすぎたり、管理が疎かになっていたりしてKPIを変更しないでいると、結果のともなわない指標になってしまうでしょう。

    従業員のモチベーションが上がっていない

    KPIで失敗しがちな例の3つめは、KPIの運用について従業員のモチベーションが上がっていない状況も挙げられます。

    KGIやKPIそのものや、KPI運用のメリット、それぞれの目標の意味を理解できていないと、従業員のモチベーションが上がりにくく、主体的な取り組みや姿勢を促せません。

    実際に目標に取り組むのは従業員であるため、一人ひとりの理解を深められるようにしましょう。

    KPI設定とSMARTの法則

    KPI(KGI)を成功させるコツはSMARTの法則です。

    SMARTとは、

    ・Specific(明確な)
    ・Measurable(測定可能な)
    ・Achievable(達成可能な)
    ・Relevant(関連性がある)
    ・Time-bound(期限がある)

    のそれぞれの頭文字の組み合わせです。

    Specific(明確な)

    KPI(KGI)は、社内の誰が見ても目標達成の度合いが分かる明確な指標でなければなりません。

    「顧客数」「商品購入率」「CVR(コンバージョン率)」など、さまざまな解釈が入る余地のない客観的な評価基準を設定します。

    Measurable(測定可能な)

    KPI(KGI)は、数値化できる定量的な指標でなければなりません。

    測定結果を数値で表しやすい「率」「件数」「回数」などを利用します。「ブランドイメージ」のような定性的な指標を用いる場合も、アンケート調査などによって可能な限り定量的に把握することが大切です。

    Achievable(達成可能な)

    KPI(KGI)は、達成困難なものであっては意味がありません。

    従業員の正しい努力が実を結び、結果が正しく人事評価に反映され、モチベーションアップにつながることが理想です。

    Relevant(関連性がある)

    KGI・KFS・KPIの間には関連性が求められます。

    たとえば、「売上高」は「顧客数×顧客単価×リピート数」に分解できます。顧客数・顧客単価・リピート数はいずれも売上高に直接影響を及ぼす項目なので、KPIにふさわしいといえます。

    Time-bound(期限がある)

    KPI(KGI)には「6月まで」「上半期」「来年度」などの期限を設ける必要があります。

    期限があることで優先順位が明確になり、従業員は「いつまでに何をどうするか?」という具体的なアクションプランを立てやすくなります。

    KPIを成功させるポイント

    KPIを成功させるためには、いくつかのポイントがあります。目標を達成させるためにも、ポイントを押さえて取り組むようにしましょう。

    SMARTの法則を反映させる

    KPIを運用する場合「SMARTの法則」に沿って設定することがポイントです。

    KPIが明確になり従業員も理解を深められるため、より主体的に目標達成に向けて意識的に取り組めるはずです。

    またSMARTの法則を意識した目標は、KGIから逆算されているため、あまり無駄がありません。やるべきことを効率的に進められるため、スピーディーな目標達成が期待できるでしょう。

    KPIはわかりやすい内容で設定する

    KPIは、設定する内容をできるだけわかりやすく、単純化した内容で設定するようにしましょう。抽象的だったり複雑だったりすると、KPIを理解するまでに時間がかかってしまうかもしれません。

    また、1つのKPIにさまざまな要素を入れて複雑化してしまうと、業務効率や生産性が低下し、目標が達成しているか否かの評価もしにくくなる恐れがあるでしょう。

    そのためKPIは、誰がどのタイミングで見ても理解しやすくするのがよいでしょう。

    システムを活用する

    KPIの運用では、多くの項目を管理することになるため、システムによる管理がおすすめです。KPI管理の方法として、手動管理やExcelによる管理もありますが、時間や労力がかかってしまい、非効率といえます。

    システムを活用すると、KPI管理を自動化したり効率化したりすることができます。システムのなかには、データを視覚化やリアルタイムでの進捗確認ができる機能が搭載されたサービスがあります。

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    まとめ

    KPIは、企業の目標であるKGIを達成するために必要な中間指標であり、目標をより具体的に意識して取り組むために有効です。

    しかし、KPIそのものだけを設定するのではなく、KGIやKFSを踏まえて同時に設定することが重要です。「SMARTの法則」をはじめ、設定方法のポイントやコツを正しく理解したうえで取り組みましょう。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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