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GAIT(ゲイト)試験とは? 出題範囲や難易度と活用場面・導入事例について紹介

GAIT(ゲイト)とは? DX時代に求められるITアセスメントツールの目的、活用場面、試験項目、導入事例について

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GAITとは社員のITスキルを可視化できる国際的な試験のことです。

当記事では、GAITの内容と目的、活用場面、導入事例などを解説します。「社員がどれくらいITスキルを身につけているか調べたい」「GAITが自社に合っているのか知りたい」という方はぜひご参考になさってください。

当記事の内容は作成日または更新日現在のものであり、紹介内容が変更されている場合がございます。

目次(タップして開閉)

    GAIT(ゲイト)試験

    GAITは、JTP株式会社が提供しているアセスメントツールです。アセスメントツールとは客観的な基準で人材の能力を評価するための手段のことで、GAITはITスキルの測定を目的としています。まずはGAITの概要についてご説明します。

    GAITはグローバルIT試験

    「Global Assessment of Information Technology」がGAITの正式名称です。グローバルという言葉が入っているように、GAITは世界共通の内容で作成されたITスキルの試験となっています。

    日本語のほかに英語で受験することも可能です。さらに問題は最新の技術トレンドに合わせて常にアップデートされているため、GAITを受験すれば国際基準のITスキルが身についているかを測定できます。

    GAITはITスキルを可視化

    GAITの試験問題は、ITに関する総合力を測定できるように、専門家による検証と分析のうえで作成されています。受験した結果はスコアとレーダーチャートで可視化されるため、従業員がどれくらいの知識を身につけているか、何が得意で何が苦手なのか、などが一目瞭然です。

    普段の業務に対する上司の評価だけでは主観が入り込みやすく、従業員のITスキルを正確に測るのは難しいです。だからこそ、部署や会社全体でITスキルの習得状況を測定する客観的な指標としてGAITを活用する企業が増えています。

    GAIT(ゲイト)はDX時代に必要?

    IT試験と聞くと、エンジニアだけに関係があるものと思われがちですが、そうではありません。

    しかし、GAITはITエンジニアだけでなくさまざまな職種が対象です。その背景にあるのが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進です。

    近年、世界中でデジタル技術を活用して組織やビジネスモデルを変革しようとする風潮が強まっています。ITエンジニアだけでなく、あらゆる業界や職種の人材がITスキルの習得を求められるようになったのです。
    そうしたDX時代における需要もあってか、GAITにもITエンジニア向けとそれ以外の業務担当者向けの2種類の試験が用意されています。

    GAIT(ゲイト)試験の目的

    GAITは合否を判定する資格試験ではなく、高得点を取ったからといって直接的な利益が生じるわけでもありません。あくまでも現状のITスキルのレベルを客観的な指標で測定するための試験です。GAITのスコアを活用する目的があって、初めて機能するものだと言えます。

    目的としては、公平な人事評価の構築、人材育成やキャリアパスの計画、事業領域の拡大による競争力強化などが挙げられます。GAITスコア活用の詳細については後述しますが、なぜ従業員のITスキル習得状況を知る必要があるのか、試験の結果をどう活かしていくのかは、実施前に考えておくことが重要です。

    また、GAITにはITスキルのレベルを測定するために必要なリソースを削減できるという利点もあります。何らかの理由で従業員のITスキルを把握しておく必要があり、社内では手間と時間がかかりすぎている場合には、それらのコスト削減を目的にGAITの導入を検討してもよいかもしれません。

    GAIT(ゲイト)スコアの活用場面

    GAITで測定したスコアは具体的にどのように活用できるのか、人事評価、人材育成、人材採用、人材配置の4つの観点からご紹介します。

    人事評価

    GAITを受験することで、ITスキルの習得状況が明確な数値でわかります。スキルに関する評価を上司が判断しようとすると、どうしても主観が入り込みやすくなるものです。従業員の自己認識と上司からの評価にズレが出てしまうと、評価への納得が得られずモチベーションの低下を招きかねません。

    GAITによって客観的な基準でスキルを測定すれば、評価者によって内容がブレることなく、公平な評価をすることができます。普段の業務やコミュニケーションから従業員のスキルを把握するのも手間がかかるため、GAITの導入によって評価に関する管理職の負担を減らすこともできるでしょう。

    人材育成

    GAITのスコアを見れば、どういったスキルが得意で、どういったスキルが苦手なのかを把握しやすくなります。それを人材育成の参考にすることで、得意を伸ばし苦手を克服するための育成計画を立てやすくなります。

    GAITの試験内容では実務で求められるITスキルが幅広く網羅されているため、どのようなスキルを従業員に習得させるか、自分たちで検討する手間もかかりません。

    ITエンジニア以外の職種にITスキルを身につけさせようとする場合は、何から教えるか迷うケースも多いため、特に役立つでしょう。GAITを定期的に受験すれば、従業員の成長をモニタリングすることができ、継続的なスキルアップにもつながります。

    人材採用

    一人ひとりのスコアを総合して分析すれば、組織としての現状も把握できます。従業員の平均的なスコアがわかれば、応募者に求めるスキルレベル(=採用基準)が明確になるはずです。

    また全体のスコアを見ることで、組織としての得意分野と苦手分野も明らかになります。個人の苦手分野であれば、そこを重点的に学習させることで克服してもらうのも一つの手です。しかし、組織として不足している領域があるのなら、その分野の専門知識を持った人を採用するという手段を取ったほうが効率的な可能性もあります。

    GAITによって組織全体のスキルレベルを測れば、こうした採用に関する判断もしやすくなるでしょう。

    人材配置(組織主導で行うDX化)

    従業員のITスキルのレベルや得意分野がわかれば、その能力を最大限に活かせるような部署に異動させるなどの人材配置にも役立ちます。新しい事業を立ち上げる際に、それを推進していけるスキルを持ったメンバーがいるのかも把握しやすくなるでしょう。

    GAITの受験とそれに伴う学習によってITスキルを身につければ、時代と市場の変化で活躍の場を失いつつあるような非エンジニア職の従業員にも、新しい仕事や部署を用意できるかもしれません。最近注目を集めているリスキリングにおいても活用できるでしょう。

    こうした組織主導で行うDXは、外部の企業や新たな人材の採用に頼ると膨大なコストがかかるため、できるだけ自社内の配置転換によって進めるのが理想的です。そう考えるとGAITは比較的低コストでDXの推進に貢献してくれるといえるでしょう。

    GAIT(ゲイト)の出題範囲・難易度

    GAITには、ITエンジニア向けの「GAIT2.0」とあらゆるビジネスパーソン向けの「e-GAIT2.0」の2種類があります。両方に共通している内容と、それぞれの違いなど詳細な試験内容について解説します。

    なおGAITはどちらの試験内容であってもオンライン上でいつでも受験可能です。

    試験カテゴリ

    GAITの試験内容は、以下の7つの分野から構成され、さらに細かくカテゴリに分かれています。

     試験分野カテゴリ(必要な知識)
    インフラストラクチャ(ハードウェア系)ストレージ/ネットワーク/サーバー など
    OS(オペレーティングシステム)・ミドルウェア系(ソフトウェア系)Windows/Linux/UNIX など
    アプリケーション設計/実装/開発プロセス など
    4クラウドSDx/マネージドサービス/開発 など
    5セキュリティ要素技術/インフラ・クラウド/DXセキュリティ など
    6DX技術AI/IoT/fogなど
    7DX利活用技術利活用/データ利活用 など

    DXを進めるうえで必要な技術要素を網羅しているため、この試験を通じて学習を進めれば幅広い知識を横断的に理解できます。また問題は定期的にアップデートされており、常に最新の技術知識を学べます。

    この内容をベースに、難易度と対象者が異なる2つの試験が存在します。

    GAIT2.0

    GAIT2.0は、ITエンジニア向けの試験です。多様なIT知識に関して、「知っている」だけでなく「使える」「使いこなせる」レベルであることが問われます。自社にエンジニアが在籍していて、ITスキルを可視化したいという場合に受験するべきなのがGAIT2.0です。問題数は160問で試験時間は60分、受験料は9350円(税込)です。

    スコアは990点満点で、点数によって評価が3つに分かれます。700点以上は、ITエンジニアとして十分なスキルを持っているとされるゴールド評価です。480点以上はシルバー評価で、必要事項は理解しているものの弱点の克服が望ましいとされます。それ以下の点数は、スキルレベルの底上げが必要とされるブロンズ評価です。これらの評価を目安に、エンジニアの育成を進めていくとよいでしょう。

    e-GAIT2.0

    e-GAIT2.0は、すべてのビジネスパーソンを対象とした試験です。デジタル技術を扱ううえでの前提となる知識が問われます。DXを進めていくためには、エンジニアだけでなくあらゆる職種の従業員がITスキルを身につける必要があります。そうした背景から、自社にエンジニアはいないものの組織全体のITリテラシーを高めていきたい、もしくは非エンジニアの職種にもITスキルを身につけさせたいと考えている場合に受験するべきなのがe-GAIT2.0です。

    問題数は80問で試験時間は30分、スコアは300点満点、受験料も3300円(税込)と、すべてがGAIT2.0の半分以下のため気軽に受験できます。難易度も抑えられているため、まずはe-GAIT2.0から始めて基礎知識が身についたら、GAIT2.0に移行するのもよいかもしれません。

    参照:『GAITを知る』GAIT公式HP

    GAIT(ゲイト)の導入事例

    GAITは国内の有名な企業でも数多く導入されています。実際に導入した企業では、どういった理由でGAITを選び、どのような効果があらわれたのか、事例をご紹介します。

    GAIT導入で隠れたスキルを発掘

    大手グループのシステムインテグレーターであるA社は、どのプロジェクトにどの人材をアサインするかの判断材料としてGAITを導入しています。TOEICのように共通の指標でスキルが可視化されれば、従業員のキャリアパスが示しやすくなるうえ、優秀なエンジニアがいると対外的にアピールできるという狙いもありました。

    実際に導入して気がついた意外なメリットは、従業員の隠れた能力を発見できるということです。たとえば、ネットワークの専門家だと思っていたエンジニアが、実はセキュリティにも詳しいとわかったことがありました。発見した従業員の新しいスキルに合わせてプロジェクトにアサインしたり、育成プランを検討できますから、A社のケースはGAITによるITスキルの可視化が人材配置や育成に効果を示した事例といえるのではないでしょうか。

    GAIT導入で人材育成を促進

    セキュリティ関連サービスを提供するB社では、エンジニアを継続的に育成する取り組みの一つとしてGAITを導入しています。その背景には、エンジニアが製品の知識だけでなくIT環境全体のサポートが求められるようになっている流れがありました。GAITは幅広いIT知識を問う試験のため、実際の業務では触れることが少ない領域についても理解を深めることができます。

    各領域の中から従業員が自分の得意分野と苦手分野を見つけられたことも、GAITの導入によってもたらされたメリットでした。B社ではエンジニアの意思を尊重して自分自身でキャリアプランを考える方針を取っているため、それに合わせて管理職がアドバイスする際の効果的な指標になっています。

    GAIT導入で公平な人事評価制度へ

    書店やレンタル事業などを展開するC社では、評価制度の構築を目的にGAITを導入しています。B社は事業拡大に伴ってIT人材の採用を拡大していたものの、専門職の評価制度がなく、ほかの職種と同様の基準で評価されていました。そうした背景からIT人材の定着率が課題になっており、彼らの持つスキルを正当に評価するためGAITが導入されたのです。導入後は同業他社や他業種ともスキルを比較できるようになり、社員の評価への満足度も向上しました。

    モバイルコンテンツ配信事業を展開するD社も、同様に人事評価の改善を目的としてGAITを導入しています。従業員のITスキルを評価するため、当初はほかの資格試験や独自の評価テスト開発も考えていました。しかし、資格試験は数が多すぎて公平な基準を作るのが難しく、独自開発は労力がかかりすぎるという問題があります。そうした理由からGAITが導入され、効率的かつ公平な評価制度を構築することができました。

    GAIT導入で組織力強化

    ITインフラをトータルで支援しているD社では、組織の競争力強化を目指してGAITが導入されました。D社は「個人の成長から組織の競争力を強化する」というスローガンを掲げ、社員がやりがいを見い出し、生き生きと活躍できるための自律的な能力開発支援プロジェクトを推進しています。その第一歩として、社員が持つスキルを正確に把握するための方法が求められていました。

    サービスの都合上、従業員が客先に常駐している場合も多いことから、場所を問わずオンラインで受験できるGAITは好都合です。会場の準備や運営、採点などの手間がかからず、コストも抑えられるというメリットもあります。GAITの導入後はスコアを各自で比較できるようにした結果、部署によっては自分たちの弱点を分析したり、目標を立てて自習をしたりするチームも表れ、組織としての成長につながりました。

    参照:『導入事例』GAIT公式HP

    ITスキルの可視化にはシステムの活用も

    GAITは、従業員のITスキルを可視化するための試験です。ITスキルに限らず、適正な人材育成や人材配置のために、企業では従業員のスキル管理が求められています

    タレントマネジメントシステム『スマカン』は、スキル管理に役立つ機能が搭載されたクラウドシステムです。たとえば、GAITのような試験の結果を従業員の情報と紐づけて管理したり、人事評価の機能に連動させて評価基準のベースにしたり、スキル情報をもとに人材配置のシミュレーションをしたりできます。

    GAITを受験するだけでなく、その結果を上手に活用することで、戦略的な人材マネジメントを進められるでしょう。

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