- 2023.03.03
2023.03.19
- タレントマネジメント
- 人材育成
アンラーニングとは|意味やメリット、やり方を理解して人材の成長を促進!

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アンラーニングとは、培った知識やスキルのなかで取捨選択し、新たな知識やスキル、仕事のやり方を習得することです。ビジネスにおける変化や技術革新に対応するには、従来のやり方を続けることが正解とは限りません。そのため、アンラーニングによって必要なスキルを学ぶことが大切です。
しかし、アンラーニングについて詳しく知らなかったり、取り組みに不安を感じていたりする企業も少なくないでしょう。
そこで当記事では、アンラーニングとは何かを解説しながら、メリット・デメリット、アンラーニングのやり方をご紹介します。人材育成や組織力の強化を人事課題とする企業の経営層や、人事担当者はぜひチェックしてみてください。
目次(タップして開閉)
アンラーニングとは?
アンラーニングの意味や定義、理解するうえで前提となる基本的な内容を解説します。
アンラーニングの意味や定義
アンラーニング(unlearning)の意味や定義は、従来の考え方や仕事の進め方、知識やスキルなどを見直して整理したうえで、新たに必要とされるものを学ぶことを指します。アンラーニングは「学習棄却」とも呼ばれ、古い価値観や学びを捨てて、その代わりに新たな価値基準や学びを取り入れることです。
しかし、注意しておきたいのが、これまで習得したものをすべて消し去るということではありません。これまで習得してきたもののなかで、不要なものを選択して捨て去り、新たなものを追加してアップデートするのです。
つまりアンラーニングは、変化に対応できない既存の知識やスキル、進め方などを取捨選択し、ときに修正を行い、必要なものを新たに取り込むことといえるでしょう。
リスキリングやリカレント教育との違い
アンラーニングと混同しがちな言葉には、社会人の学びである「リスキリング」や「リカレント教育」が挙げられるでしょう。
リスキリングは、従業員が状況の変化や技術の進化に対応するために、必要とされる分野を学ぶことです。企業が主体となって学ぶ環境を整備したり、サポートします。リカレント教育は、従業員が主体的に取り組み、知識やスキルを向上させるために学ぶことです。本来、仕事を離れて学び、仕事に復帰するという流れで行うものです。
このようにリスキリングやリカレント教育では、従来の価値観やスキルに新たな内容を追加するものです。一方、アンラーニングでは取捨選択をして、古いものや不要なものは捨てる(停止する)という点に違いがあります。
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アンラーニングが必要とされている理由
アンラーニングが必要とされる理由には、DX化やIT化など技術の進化、働き方改革の促進や人材不足など、ビジネスや社会情勢の変化が挙げられます。こうした変化に対応するために、不足している知識やスキル、価値観を習得するためにアンラーニングが必要なのです。
アンラーニングでは取捨選択を行い、古い価値観やスキルではなく、新たな価値観やスキルを受け入れることが重要です。アンラーニングの繰り返しによって、従業員個人のスキルや価値観がアップデートされるだけでなく、組織としても進化し続けられるでしょう。
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アンラーニングのメリット
アンラーニングを推進するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。企業にもたらされるメリットについてご紹介します。
従業員の意識改革や成長を促進できる
アンラーニングのメリットには、従業員の意識改革が挙げられます。スキルや経験値の高い人材は、それまでの経験で成長した経緯もあるため、変化を好まないケースや新たな学びに抵抗があるケースも少なくありません。
しかし、時代の流れとともに常識やトレンドは変わります。特に近年はITや技術の進化によって激しい変化が起こりつつあるため、従来のやり方では太刀打ちできないこともあるでしょう。
そこで従業員がアンラーニングでの学びを通して、新たなスキルや知識を習得すれば、さらなる成長が期待できるのです。また、新たな知識やスキル、価値観を身につけてさまざまな問題に対応できるようになると、新たなものに対する抵抗感が薄れ、不安が解消しやすくなるでしょう。
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業務効率の向上につながる
アンラーニングでは、これまでの業務の進め方を見つめ直すので、業務効率化や生産性向上にもつながります。たとえば従来のやり方に対して、無駄な作業をなくしたり、作業フローを変えるなどが挙げられます。
新しいやり方を取り入れることで、最初は時間がかかる場合もありますが、慣れると効率化が期待できるでしょう。
変化に強い組織になる
アンラーニングに取り組むことで、組織として状況や時代の変化にすぐに対応する癖がつきやすくなるでしょう。変化の激しい現代だからこそ、いち早く古いルールやこれまでの価値観から脱却しなければなりません。
アンラーニングで取捨選択をしたり、繰り返し新たな価値観を受け入れることに慣れていくと、変化にすぐに対応できる組織へと成長できるでしょう。
マネジメント力強化
アンラーニングは、部下の育成や評価などマネジメント強化にも効果が期待できます。経営層や管理職、現場の責任者などがアンラーニングでマネジメントを学ぶと、時代に合った人材育成や適切な評価にもつながるからです。
部下の成長や正しい評価が行われると、従業員のモチベーションやエンゲージメントが向上し、結果的に業績や組織力にもよい影響が期待できるでしょう。
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アンラーニングのデメリットや注意点
アンラーニングにはデメリットや注意点もあります。そこで、アンラーニングに取り組む企業が注意すべき点にはどのようなものがあるかご紹介します。
モチベーションが低下する可能性がある
アンラーニングは、進め方によって従業員のモチベーションを低下させる恐れがあり、注意が必要です。ときに今までのやり方から、まったく新しいやり方に変更しなければならないこともあるでしょう。これまで培ってきた経験や学習が否定され、無駄になったと感じる従業員も少なくありません。
人事担当者や上長は、アンラーニングで学ぶ人材のフォローをしながら、個々の成長のために必要性を前向きに伝えるようにしましょう。
1人ではなくチーム単位で行う
アンラーニングに取り組む際は、チーム単位で学ぶようにしましょう。1人だけが学んだ結果、新しい知識をいきなり業務に反映してしまうと、ほかの人材やチームに混乱を招いてしまうこともあります。
また、変化に対応するために新たに学ぶこと自体、簡単なことではありません。新たな知識やスキル、考え方を理解するためにも、1人だけに任せるのではなく、ともに仕事をするチーム全体で取り組むようにしましょう。
内省(リフレクション)が大切
アンラーニングに取り組む際は、従業員が内省(リフレクション)することが大切です。内省といっても、これまでの経験や取り組み方などを否定したり、反省するというわけではありません。
仕事への取り組みや考え方などを取捨選択したうえで、必要とされる新たな学びを受け入れ、さらなる成長につながることを意識するようにしましょう。
必要に応じた取捨選択をする
アンラーニングで大切なのは、状況や必要に応じて、考え方や取り組み方の取捨選択を行うことです。
アンラーニングはこれまでの学びや経験を否定することではありません。時代や状況の変化とともにビジネスで求められることも変わります。今必要とされること、近い将来必要とされるであろう点を意識したうえで、取捨選択を行いましょう。
アンラーニングを進めるための4ステップ

アンラーニングを企業が進める手順として主要な4ステップをご紹介します。
1.従業員個人の内省を実施
アンラーニングの最初のステップとして行うのが、従業員個人における内省です。内省を通して、時代や状況に合わないと感じるもの、不要なもの、変化が必要なものなどに気づくことが大切です。
まずはこれまでの考え方や価値基準、行動パターンなどから見つめ直しましょう。実際にテキストにして書き出してみると整理しやすくなるかもしれません。
また、自分のなかで大切にしている価値観やこだわりも洗い出します。今までとってきた行動や持っていた価値観について、大切な理由が曖昧(あいまい)だったり、他者から無理に押しつけられたものだったりする場合も注意しましょう。
2.取捨選択をする
これまでの経験や自分の知識、スキルを踏まえて古いものと新しいものに分けて整理しましょう。なかでも特に古い知識や価値観は捨て去ることになるので、慎重に整理します。取捨選択は判断が難しいため、すべて1人で行うのではなく、チームや上司はサポートするようにしましょう。
3.学びの場を設ける
アンラーニングで新たな知識やスキルを学ぶ場所を提供し、従業員の参加を促します。社会人になると、新たに学ぶ機会は多くないため、知識やスキルの習得だけでなく、刺激にもなるはずです。
たとえば、外部セミナーや社外で実施される講習会に参加すると、成長意欲の高い社外の人と出会えるので、新たな人脈を得られるチャンスといえるかもしれません。
4.効果測定を行う
アンラーニングは、学んで終わりではありません。古いものを捨て去り、新たに習得した知識やスキルを現場で実践したり、役立てることが大切です。
また、アンラーニングは一度で終了させるのではなく、内省や学びを繰り返し行います。時間の経過や状況によって必要とされる知識やスキルは変化するため、知識やスキルを取捨選択し、新たに必要になったものは再度学び直します。
アンラーニングに対して定期的な効果測定も行い、PDCAサイクルを回すようにしましょう。
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アンラーニングにおける人材育成のポイント
アンラーニングにおける人材育成で重要となるポイントについてご紹介します。
学びと実践の両方が重要
アンラーニングは、学ぶことだけが重要なのではありません。提供された学びで新たな知識やスキル、考え方を習得したら、実際に業務に活かすために実践の機会を用意しましょう。
学んだ内容と実践できる機会のセットで提供することで、着実に知識やスキルを身につけ、従業員の成長が期待できます。
評価への反映
アンラーニングで学んだことが身についているか、日頃の業務で活かせているかどうかを確認しながら評価に反映することも大切です。
アンラーニングは学んで終わりではなく、学んだ内容を現場で活かせるようにならなければ意味がありません。学んだあとに現場で実践し、業務に活かせることが、アンラーニングの成果といえるのです。
アンラーニングで学んだ結果、実務に役立っているかどうかを確認したうえで、評価を行いましょう。
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まとめ
アンラーニングは、これまでに習得した知識やスキルのなかから、古く不要なものを捨て去り、新たに学んで新しい知識やスキルを身につけることです。従業員のモチベーション低下や、習得した新たな知識やスキルを現場で活かせるようになるまで時間がかかるなど懸念点もあります。
しかし、時代や状況の変化とともにビジネスで必要とされる知識やスキル、考え方や取り組み方は変わっていくものです。新たな変化に対応できる組織へ成長するためにも、アンラーニングへの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。

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