- 最終更新日:
- タレントマネジメント
- 人材管理
進捗管理の見える化とは? 方法やコツを紹介
関連資料を無料でご利用いただけます
環境の急激な変化や多様な働き方の推進により、リモートワークが一般的になっている昨今、業務や個人ごとの進捗管理の必要性を感じている企業担当者は多いのではないでしょうか。どのような環境でも、チーム全体が同じ認識を持ち、業務を遂行するには進捗管理の「見える化」が必要です。
当記事では、進捗管理の「見える化」を通して、マネジメントの効率化やチームの生産性を上げる方法を紹介します。
目次(タップして開閉)
業務進捗管理の「見える化」とは?
業務進捗管理の見える化とは、従業員一人ひとりの業務・作業状況を目に見える形で明らかにし、チームで共有する管理方法を指します。カレンダーやホワイトボードなどアナログのツールを使う方法や、エクセルやシステムなどのデジタルツールを使い、数値やガントチャートで見える化する方法があります。どのような方法においても「進捗状況が自然と目につく」状態であることが見える化の基本です。
業務の進捗管理を見える化することで、それぞれのタスク状況が把握しやすくなるだけでなく、作業時間や工程も明確になります。また、マネージャー層は部下の進捗状況を把握できることで、チーム全体をバランスよく管理することが可能となります。
「見える化」の重要性
上述したように進捗管理の見える化は、チーム全体の進捗を把握することに役立ちます。しかし「見える化」の有用性はそれだけにとどまりません。ここでは進捗管理の見える化が重要な理由について説明します。
業務進捗や現状の方向性の把握
まず第一に、進捗管理を見える化することで、個人およびチーム全体の業務進捗が明確になります。たとえば、「メンバーの大半は8割ほど業務が完了しているのに、5割程度しか完了していないメンバーがいる」などが一目瞭然です。
そのような場合、手が空いているメンバーがタスクに遅延が生じているメンバーのフォローに入ることも、スムーズに行えるでしょう。チーム全体で現状を把握できれば、効率よく業務を遂行するための計画を立てることができます。
さらに、進捗管理を見える化することは、業務の方向性も把握できます。目指すゴールから逸脱した業務を行っていたり、遠回りとなるような業務を行っていたりする場合も、見える化によって早期に軌道修正が実行できます。
トラブルやミスの回避、軌道修正
進捗管理が見える化できていない場合、「納期まであと2日だから、恐らくこのあたりまでの作業は完了しているだろう」というように感覚値で業務の進行度合いをはかってしまうことがあります。
その場合、蓋を開けてみれば、全体の半分くらいしか作業が完了していなかったというような事態に陥り、結果的に納期に間に合わないというようなケースもあるでしょう。
また、進捗を把握できていなかったために、納期ギリギリに慌てて作業を実施し、ミスやトラブルが頻発するといったケースも考えられます。進捗管理を見える化することで、「この作業は今日までに完了させる」「この作業は来週の◯日までに終わらせる」と明確に期日を設定することや事前にミスを回避したり軌道修正できる可能性も高まります。
コミュニケーションコストの削減
進捗管理を見える化していない場合、それぞれのメンバーがどのような業務をどのくらいのボリュームで抱えているのか、どのくらいのペースで業務を遂行しているのかを把握しにくくなります。
例えば自分のタスクに余裕がない場合に、誰に助けを求めればよいのかがわからず、結局自分でなんとかしようと追い込まれてしまうということも考えられます。
一方、進捗管理が見える化していれば、メンバー間の仕事量が明確になり、手が空いていそうな人を見つけやすくなります。闇雲にサポートの依頼をする必要がなくなるため、余計なコミュニケーションコストを削減することができます。その分、業務に集中することができるのも進捗管理の見える化が重要視される理由といえます。
優先順位(プライオリティ)の確認・共有
業務にはそれぞれ優先度があります。当然優先順位が高く、重要な業務から処理していく必要があります。しかし、進捗管理が実行できていないと、簡単かつ重要ではない業務から手をつけてしまう人も少なくありません。
そのような場合、納期間際になっても重要で緊急性のあるタスクが処理できていないという事態に陥りやすくなります。進捗管理の見える化が行われていれば、業務の優先順位も把握でき、かつそれをチーム全体にも周知することができます。
もちろん重要ではない優先順位の低い業務も処理しなければなりませんが、そのような業務は、効率的に優先順位の高い業務を進めていくなかで発生する隙間時間を活用して遂行できるようになります。
進捗管理を「見える化」するメリット
進捗管理を「見える化」する重要性について理解したところで次に、より具体的なメリットについて説明していきます。
業務状況が社内で共有できる
進捗管理を見える化することで、チーム内で誰が、どのくらい業務を進めているかが共有できるため、メンバー同士でお互いを補うことができます。マネージャー層もチーム全体の業務状況が把握できれば、業務負担に偏りが見られる場合は、適宜フォローを行いやすくなるでしょう。
業務はチームが一丸となって遂行するケースがほとんどです。進捗管理の見える化は、チーム全員が業務内容や方向性、納期などのスケジュールを共通認識しながら進めていけることがメリットのひとつに挙げられます。
状況により上司などがサポートしやすい環境ができる
従業員全員が同じスピードや能力で業務を遂行できるわけではありません。進捗管理の見える化によって明らかになった進捗状況に合わせ、上司はフォローアップ体制を整える必要があります。
たとえばあるメンバーがほかの人よりも進捗に遅れが見られるときは、比較的タスクに余裕があるメンバーを効率よくサポートに回すことができます。また、業務の進行が遅れているメンバーがわかれば、なぜ進捗が遅れているのかを個別にヒアリングすることができるでしょう。
もし、精神的な負担が大きいような場合は、業務ボリュームを減らすなどの対応が可能です。単にスキルが足りていない場合は、ほかのメンバーに業務を代わってもらうなどの指示も出しやすいでしょう。
スキル不足による進捗遅延の場合は、後にその従業員に対し、スキルを補う研修などを行うこともできます。このように、進捗管理の見える化は、メンバーを管理するマネージャー層の業務効率化にも効果的です。
見える化による業務の生産性向上
先にも述べましたが、進捗管理の見える化を行うことで、業務の優先順位も把握しやすくなります。緊急度の高い重要な業務なども可視化できるため、期日を決めて取り組むべき課題がわかります。
業務の優先順位が明確になれば、その業務を進めることに集中することができ、作業の効率化が望めます。業務の進捗が遅れる原因は、従業員個々のスキル不足によるケースもありますが、多くの場合は非効率的な業務の進め方を行っているケースです。
緊急性がなく、あまり重要ではない業務は単純作業であることが多いため、従業員はついついそのような業務から進めようとしてしまいます。業務の優先順位を把握し、まずはそうした業務から進めていくことができれば、結果的に生産性は向上し、チーム全体にもよい影響をもたらします。
「見える化」の失敗例
進捗管理の見える化は、適切に行う必要があります。間違った方法を実行してしまうと、進捗管理を円滑に実行することができません。ここではよくある「見える化」の失敗例を紹介します。
優先するタスクが整理されていない
よくある失敗例の一つに、優先するタスクがきちんと整理できていないことが挙げられます。
進捗管理はチーム全体が円滑に業務を遂行するために行うものです。タスクを整理していくなかで、一見重要度が低そうなものでも、それが完了しないとその次のタスクを処理できないものもあるはずです。
優先順位の高いタスクというのは、手間がかかるものや時間がかかりそうなものばかりではありません。最優先で終わらせなければ別のタスクに影響が出るものも、重要度が高いタスクであるということです。タスクの優先順位を整理する際は、全体の業務を把握し、適切に実行することを心がけましょう。
メンバー同士の共有ができていない
進捗管理を見える化しても、メンバー全員に共有されていなければ意味がありません。一方は見える化された進捗状況に沿って業務を遂行しているのに、もう一方は見える化されていることを把握していなければ、業務進捗にバラつきが発生してしまいます。
結果的に、チーム全体が共通認識を持っている状況から外れ、別々の従業員が同じタスクを同時に進めていたり、認識のズレからトラブルが発生したり、協力体制が整わなかったりと、さまざまな悪影響をおよぼします。
進捗管理の見える化は、必ずメンバー全員が把握し、誰でも一目で状況確認が行える環境で実施しなければなりません。見える化はアナログ・デジタルなどさまざまな方法で実施できますが、クラウド上で進捗を管理できるツールなどであれば、いつでもどこでも確認できるので便利です。
基準の共有ができていない
情報の共有ができているのに、進捗管理がうまくいかない場合は、基準が統一されていないケースが挙げられます。タスクを処理するにあたり、未着手・着手・完了といったそれぞれのステータスを設けるはずですが、メンバー一人ひとりの基準が異なっていると、うまく進捗管理は行えません。
ひとつのタスクに対し、どの状態になれば「完了」なのかなど、明確な基準を設け、それを全員が共通認識する必要があります。進捗管理の見える化を進めるには、要所要所でルールを設定することも大切です。
進捗状況が最新に更新されていない
進捗状況はどのような方法で管理するにせよ、常に最新状態でなければなりません。進捗を報告する方法が複雑だったり、共有に関するルールが煩雑な場合、ついつい報告を後回しにしてしまい、最新の情報を担保することができなくなります。
チャットツールを使った進捗管理の方法もありますが、ほかの情報に埋もれてしまったり、かなり遡らないと情報が確認できなかったりすると、適切に「見える化」できているとはいえません。チーム全体が常に正しい情報をすぐに確認できる環境を整えることが大切です。進捗管理の見える化は、それが実現できるツールを活用するとよいでしょう。
進捗管理が「目的化」している
進捗管理の見える化は、従業員個々やチーム全体の進捗状況を共有し合い、効率的に業務を遂行するために行うことであり、あくまでも、KPIに対し成果を上げること、クオリティの高い成果物を納品することが目的です。
見える化を実行しているにもかかわらず、成果物のクオリティが担保できていなかったり、チーム内でトラブルが頻発したりする場合は、進捗管理することがゴールとなってしまっているケースが考えられます。
進捗管理することが目的にすり替わってしまうと、納期に間に合わない可能性が出てきたときに、なんとか強引にタスクを完了させようと焦ってしまったり、進捗に遅れが出ているメンバーが責められたり、チーム全体に悪い影響を与えてしまいます。
そのような環境では生産性の高い業務進行は望めません。環境が悪化すれば、従業員エンゲージメントが低下し、離職の原因ともなり得ます。
>>>無料でお役立ち資料をダウンロード 人材情報を見える化『スマカン』サービス紹介 |
業務進捗を「見える化」する方法とは
進捗管理を見える化するにはまず、業務を見える化しなければなりません。どのような業務があり、どのような計画で進めていくのかを把握していなければ、進捗管理を実行することができないからです。ここでは業務の進捗管理を進める前に行う業務の「見える化」に関する方法を紹介します。
現状の課題の把握
業務を見える化するには、まず現状を把握しなければなりません。プロジェクト全体を俯瞰し、誰にどの業務を振り分けているかなどを確認し、そのなかから課題となりそうなタスクを把握しておく必要があります。
上述したように、正しく進捗管理を行うには、優先順位の高いタスクから処理していかなければなりません。チーム内の現状を把握し、どの業務を優先度高く実行すべきなのかや、遅れが発生しそうな業務がどれなのかなどをあらかじめ理解しておきましょう。
業務計画(アクションプラン)の設定
業務の洗い出しや優先順位、課題などが整理できたら、次はKPIによる業務計画(アクションプラン)を立てていきます。明確な業務計画を作成するために、具体的な数値を取り入れたKPIを設定することが大切です。たとえばあるタスクに対し単に「達成する」ではなく、「いつまでに何%の進捗を達成する」というように、具体的な基準を設定するようにしましょう。
また、マネジメント層は業務の割り振りにも注力しなければなりません。個々のスキルや経験、得意・不得意を理解し、適材適所のポジションを用意することが必要です。
スキルがあまり足りていないメンバーに、新しい業務を任せる場合は進捗が遅れることも想定し、フォローに入れるメンバーに若干余裕を持たせた業務割り振りを行うことも大切です。進捗を適切に管理するためにも、業務計画は綿密に設定することを心がけましょう。
関連記事 アクションプランの立て方 |
工程の内容やかかる時間を予測
次は一つひとつのタスクを完了するのにどのくらいの時間が必要かを予測します。ひとつの業務に対し、どのような工程が必要で、どのような作業内容が求められるのか、またそれらすべてを完了するための所要時間をあらかじめ考えることが大切です。
あまりにもギリギリの時間を設定してしまうと、想定外のトラブルが発生した際に納期に間に合わなくなってしまったり、急ぐあまり適当に業務を進めてしまったりするため、余裕を持たせた時間設定を行うことが重要です。ただしあまりにも余裕があるスケジュールを立ててしまうと、ダラダラとタスクを処理するメンバーが表れ、チーム全体の士気が下がりかねません。
各タスクに対し、1時間程度のバッファを持たせるくらいのスケジュールがよいでしょう。
コミュニケーション方法の策定
業務の進捗管理を円滑に進めていくには、チームメンバーやマネージャーとのコミュニケーションは必要不可欠です。しかしコミュニケーション方法がチーム内でバラバラだと、スムーズなやりとりが行えず、進捗管理にも影響してしまいます。
最近は、さまざまなコミュニケーションツールがありますが、業務の進捗管理を適切に行うには、誰でも簡単に使いこなせることができ、最新の情報を追いやすいものを選ぶ必要があります。進捗管理が行えるシステムとチャットツールを併用する方法も一案です。プロジェクトやチームに合ったコミュニケーション方法を策定することが肝心です。
業務の見える化をうまく運用するポイント
業務の進捗管理を見える化できても、適切に運用しなければあまり意味はありません。チーム全体で業務を円滑に進めていくためには、次のようなポイントを押さえ「見える化」をうまく運用していくことを心がけましょう。
チーム内の認識を統一させる
進捗管理の見える化では、チーム内全員が同じ基準を持っている必要があります。進捗率の認識にズレがあると、ひとつのタスクに対し、一方は「あともう少しで完遂する」と考え、もう一方は「まだまだ完遂までは遠い」と考えることになってしまいます。そのような状況は、メンバー間の温度差が広がり、トラブルになるケースも少なくありません。
チーム内で共通の基準を設けるのは、メンバー全員が同じ温度感で業務を進めるためにも重要なことです。たとえば、100枚の資料を作成する業務において、「1枚の資料につき1工数」としたとき、20枚完成していれば進捗率は20%、80枚完成していれば進捗率は80%です。このようにわかりやすい基準を設ければ、チーム全体で同じ認識を持つことが可能です。
定期的にミーティングを実施する
進捗を管理ツールなどを利用した場合、見える化していることで満足し、形骸化してしまう可能性があります。しっかりと中身を把握する意識を持てていなければ、進捗率は把握できていたとしても、チームメンバーの内情まで理解することはできません。
定期的にミーティングを実施し、メンバー間でトラブルが発生していないか、タスクに詰まっている人はいないかなどを確認することが大切です。定期的に顔を合わせてコミュニケーションを取ることで、業務負荷の度合いなども把握することができます。
また、チームメンバー全員が参加するミーティングとは別に1on1などを実施し、マネージャーとメンバーが個別面談を行うのもよいでしょう。進捗管理では、数字だけにとらわれないマネジメントも必要です。
働きやすい環境構築に努める
働く環境が整っていない場合、円滑なコミュニケーションが取りにくく、わからないことや助けて欲しいことがあっても、上司や同僚に声をかけにくくなってしまいます。そのような場合、問題解決を先延ばしにしてしまうケースもあり、納期間際にトラブルが発生する事態も考えられます。
最近ではリモート環境で業務を行う企業も増えていることもあり、メンバーが孤独を感じる傾向にあるようです。そのような環境であっても、伸び伸びと仕事が行えるよう、コミュニケーションを密に取り、働きやすさを感じられる環境づくりを目指しましょう。
たとえば、業務について気軽に相談できるチャットルームを作成したり、雑談ができるオンラインスペースを確保するなども一案です。
業務進捗の「見える化」を効率的に運用するなら
進捗管理の「見える化」では、ホワイトボードに予定と実績を書き込み、メンバー全員が見える場所に設置する方法や、エクセルで進捗管理表を作成し、メンバー間で共有するなどの方法があります。しかしさらに進捗管理の「見える化」を効率的に運用したいと考えるなら、システムやITツールを活用する方法が便利です。
タレントマネジメントシステム「スマカン」は、従業員一人ひとりの情報を一元管理できるだけでなく、個々の目標管理もクラウド上に集約し管理することができます。KPIやアクションプランの進捗管理などが行えたり、1on1の面談ログも管理できるほか、MBOやOKRなどのマネジメント手法に合わせたテンプレートも用意しています。進捗管理の見える化を全面サポートする機能が満載なので、より効率的かつ効果的なマネジメントが実現します。
SHARE
関連資料を無料でご利用いただけます
コラム記事カテゴリ
こちらの記事もおすすめ
スマカンの導入をご検討の方へ
実際の画面が見られる
デモを実施中!