• 2022.02.21
  • タレントマネジメント

360度評価とは?評価項目や効果を解説

360度評価とは?評価項目や効果を解説

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近年、多くの企業に注目されているのが「360度評価」です。
360度評価は従来の人事評価制度とは異なるため、慎重に検討した上で導入する必要があります。この記事では360度評価の目的やメリット・デメリットを解説し、運用時のポイントや評価項目の例を具体的に紹介します。

360度評価とは?

360度評価とは、仕事上で関係する複数の従業員が評価対象者を多面的に評価する制度です。
従来の人事評価制度では、上司が部下を評価するのが一般的でした。これに対して、360度評価では、上司だけでなく部下や同僚などの評価に加えて評価対象者の自己評価も行われます。
近年は多くの企業が従業員を単なる労働力としてではなく、経営目標達成のために不可欠な人的資源(HR=Human Resources)と捉え、その活用に力を入れています。360度評価は、従業員の配置・評価・育成などHR業務を円滑に遂行するのに役立つでしょう。

360度評価の目的

360度評価の目的は人事評価と人材育成の2つに大きく分かれます。それぞれの目的をしっかり理解しましょう。

評価の客観性と公平性を担保

上司が部下を評価する場合、部下に対する好悪感情や先入観が原因で人事評価エラーが発生しがちです。プライベートな付き合いのある部下には不当に甘い評価をしたり、性別や年齢などを理由に不当に厳しい評価をしたりすることがしばしばあります。このような評価に納得できない部下はモチベーションやエンゲージメントが低下し、場合によっては離職につながりかねません。
360度評価は立場の異なる複数の従業員が評価者となるため、評価の客観性と公平性が担保されて人事評価エラーを排除できます。その結果、評価対象者は評価結果とこれに基づいた昇給・昇進などの処遇を納得して受け入れやすくなります。上司からの不当な評価が原因で従業員が離職するのを防止する効果も期待できます。

評価を通して従業員の成長を促す

360度評価は、評価対象者が自己と向き合い、自らの強みと弱みを把握するきっかけになります。多方面からの評価によって、自分では気づいていなかった長所を知ってモチベーションが向上したり、至らない点が明確になって改善意欲が高まったりします。
他者評価と自己評価の間に大きなずれがあれば、そのずれの原因を考えて、今後の目標や行動を修正することにもなるでしょう。
このように360度評価には従業員の成長を促す人材育成としての側面もあります。人材育成として運用される360度評価では、評価結果を処遇の決定と結び付けないのが一般的です。

360度評価のメリット

360度評価には、評価の客観性と公平性を担保することと従業員の成長を促すこと以外にもさまざまなメリットがあります。代表的な4つのメリットを紹介します。

従業員の人間関係を把握できる

部署やチームで異様に低い評価の従業員がいて、その評価の理由が不明瞭な場合、上司や管理職からは見えないところでいじめやハラスメントが起こっている可能性があります。
人間関係のトラブルが原因で優秀な従業員が離職したり、訴訟を提起されたりすれば、企業にとって無駄なコストが発生するだけでなく、企業のブランド価値やイメージ低下のリスクの可能性があります。こうしたリスクを防ぎ、職場の風通しを良くするのに、360度評価は効果的です。

上司が部下について深く理解できる

上司が部下の状況を適切に把握できているとは限りません。たとえば、上司がいつも出張していたり、部下が働く現場に常駐していなかったりすれば、部下と接する機会が少なくなります。このような場合、部下と一緒に働いている同僚などの評価が上司の見えない部分を補います。360度評価は上司が部下を深く理解するのに役立ちます。

管理職を育成する機会となる

360度評価では上司も部下から評価されます。自分が評価されることで、部下が評価に抱く不安や不満を理解し、自らの評価方法を振り返るきっかけとなります。部下から教育や育成に関する率直な要望をもらえるので、部下に対する接し方を改善するのにも活かせます。

組織内の規範意識が高まる

360度評価が実施されれば、従業員は直属の上司以外の関係者とも良好な関係を築かなければならなくなります。一方、管理職は部下から評価されるため、忙しいからといって部下の教育や育成を怠れません。360度評価によって全従業員が特定の利害関係や自分の都合だけにとらわれず、果たすべき役割を自覚して実行するようになり、組織内の規範意識が高まるでしょう。

360度評価のデメリット

360度評価にはメリットだけでなくデメリットもあります。代表的な3つのデメリットを紹介します。

評価が主観に偏りやすい

管理職は評価者研修などを通して、客観的で公平な評価を行うためのノウハウを学びます。一方、管理職ではない一般従業員の多くはこうしたノウハウを身につけているわけではなく、評価に慣れていません。そのため、評価の基準が好悪感情や人間関係に影響されやすく、評価が主観に偏ってしまいがちです。

評価を気にした行動が発生する

仲の良い従業員同士で互いを高評価にする約束をしたり、仲の悪い従業員同士で低評価の報復合戦が行われたりします。部下から高く評価してもらいたい上司は部下の教育や育成を甘くしてしまい、結果として部下の成長を阻害するかもしれません。また、評価を気にする従業員の間に不信感が芽生え、互いに当たり障りのない行動しかしなくなり、チームワークが悪くなるリスクもあります。

全従業員に負担が発生する

従来は管理職のみが行っていた評価を全従業員が行うため、従業員一人ひとりに負担が発生します。慣れない従業員だと、繁忙期には評価にまで手が回らなくなったり、適当な評価をしたりすることもあるでしょう。評価を回収して確認する人事担当者の業務が大幅に増えて、本来の業務がおろそかになってしまう可能性もあります。

360度評価運用時のポイント

360度評価を運用する際に、メリットを最大化してデメリットを抑制するためのポイントを解説します。

目的を明確にして周知する

360度評価を導入する目的を明確にして従業員全員に周知します。評価結果が待遇に反映されるのか、それとも人材育成の資料として利用されるだけなのかなど、従業員が不安になる部分については特に念入りな説明が必要です。社員教育の一環として、360度評価を導入する前に全従業員を対象とした評価者研修を実施し、デモンストレーションを行ってみるのもよいでしょう。

運用ルールを決めて共有する

360度評価の運用ルールを決めて従業員全員が共有できるようにします。匿名式にするか記名式にするか、フリーコメントに何を書くか、どうしても評価できない場合にはどうするかなどが曖昧なまま運用スタートすると、評価がバラバラになって目的が達成されなくなるので要注意です。また、人事担当者は回収した評価結果のデータをどう管理し、何に活用するのかも事前に決めておきます。

全従業員を評価の対象にする

一部の従業員だけが評価したり評価されたりすると、客観性と公平性が担保されません。評価することに苦手意識のある従業員もいるでしょうが、上司が個別に相談に乗って評価方法を指導するなど、前向きに取り組めるようにサポートすることが大切です。従業員に外国人がいる場合は英語で対応するのがよいでしょう。

執務態度を評価項目とする

360度評価では、業績や能力ではなく、積極性・責任性・協調性・規律性の4要素から成る執務態度を評価項目とします。従業員の業務に対する取り組み姿勢を可視化し、努力やチームワークなどの過程も重視することで、従業員のモチベーションアップを狙いましょう。

数値を平均化して評価得点とする

多数の評価者による評価にはばらつきがあるため、数値を平均化して評価得点とすることが大切です。最高点や最低点をそのまま評価得点とするのは避けなければなりません。一方で、極端に高い評価や低い評価が多い従業員がいる場合、不正や人間関係トラブルが発生している可能性があるので、人事担当者は注意しなければなりません。

定期的にフィードバックを行う

360度評価の結果を定期的に評価対象者にフィードバックします。1on1ミーティングを実施するなどして、従業員の長所を認めつつ短所の改善策をアドバイスし、従業員が成長できるようにサポートします。このとき、評価者が誰か、その評価者が何点をつけたかなどを具体的に知らせる必要はなく、平均化された評価得点をもとにPDCAサイクルを回すきっかけとすることが大切です。

360度評価の評価項目例

360度評価シートに記載する評価項目は30問以内、回答時間15分以内を目安とします。評価項目例を一般職と管理職のそれぞれに分けて紹介します。

一般職の評価項目例

管理職ではない従業員の評価項目は積極性・責任性・協調性・規律性のうち基本的なスキルや態度をメインとします。具体的には以下のような項目が考えられます。

・勤務態度
・業務遂行力
・コミュニケーション能力
・タイムマネジメント
・チームワーク
・ビジネスマナー

たとえば評価項目が「業務遂行力」の欄には、さらに「優先順位を決めて複数のタスクに取り組める」「自らの役割を意識して業務を担っている」などと具体的な評価視点を記載します。

管理職の評価項目例

管理職のシートには、一般職の評価項目に加えて、より高度なヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルに関わる項目を設けます。具体的には以下のような追加項目が考えられます。

・俯瞰力
・柔軟性
・人材育成
・経営理念理解
・リーダーシップ
・ロジカルシンキング

たとえば「ロジカルシンキング」の具体的な評価視点は「複数の物事を整理して体系立てて考えている」「組織やチームの課題を今後の展開もふまえて的確に捉えている」などとなるでしょう。

各項目の評価段階

各項目の評価は4~6段階が一般的です。
5段階評価ならば以下のようになります。

5非常にあてはまる
4あてはまる
3どちらとも言えない
2あてはまらない
1全くあてはまらない

※3は評価不能の場合の選択肢です。

フリーコメント欄

フリーコメント欄を設ける場合は、「誹謗中傷となる表現や感情的な表現を用いない」「問題点の指摘ではその理由と改善策も書く」などとルールを決めておくことが大切です。上司から部下、部下から上司、同僚同士でそれぞれ何を評価ポイントとするかも決めておき、コメントの例文も用意しておくと書きやすくなります。

360度評価を賢く運用するには?

360度評価は一度きりのイベントではなく、継続的に実施していくことが大切です。しかし、前述の通り360度評価は人事担当者の業務に支障をきたす可能性もあるため、紙やExcelで評価シートを管理していては効率的とはいえません。

タレントマネジメントシステム「スマカン」では従業員一人ひとりの情報やスキルを一元管理でき、一元化したデータを人事評価や人材育成にも簡単に応用できます。豊富なテンプレートがありますので360度評価も手間なく導入することができます。

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