- 最終更新日:
- タレントマネジメント
- 人材育成
アルゴリズムとは? 意味や使い方、具体例をわかりやすく解説
関連資料を無料でご利用いただけます
アルゴリズムという言葉を耳にしたことがある方も少なくないのではないでしょうか。アルゴリズムは、情報通信技術や数学など、さまざまなシーンで必要とされています。
「アルゴリズムの意味がよくわからない」「アルゴリズムはどのようなときに使われているのか」といった疑問を抱えている方もいるでしょう。
そこで当記事では、アルゴリズムの意味をわかりやすく簡単に解説しながら、アルゴリズムの使い方や具体例を交えながらご紹介します。
目次(タップして開閉)
アルゴリズムとは?
アルゴリズム(algorithm)とは、直訳で「算法」や「問題を解く手段」という意味を持つ言葉で、特定の問題や課題を解決する手順や計算方法、処理方法を指します。解決するための手順を示すものであり、その手順に従って行えば、確実に答えに辿り着けるものです。
もともとは、コンピューターのプログラミングで使われていました。大量のデータ処理を通常よりも高速に行うために、コンピュータプログラムに計算手順や解決方法を組み込み、アルゴリズムとしていたのです。
たとえば、一般的な手順を使って取り組むよりも、アルゴリズムに沿った手順で取り組むことで、大幅に時間を短縮して答えを得られるという特徴があります。そのため、大幅な効率化ができ、注目されやすいといえるでしょう。
アルゴリズムとプログラミングの違い
アルゴリズムと混同しやすいものとしてプログラミングが挙げられます。両者は「目に見えるかどうか」に違いがあります。
アルゴリズムは本来抽象的な考え方を指し、形がないものであるため、目には見えません。一方のプログラミングは、アルゴリズムを「コード」などの具体的な形にしたものであるため、目に見えるものといえます。
たとえば、コンピュータで効率的に処理するための作業手順であるアルゴリズムをプログラミングによってコード化して記述します。このように、アルゴリズムとプログラミングは互いに関係しあっているため、混同しやすいものの、異なるものとして理解しておきましょう
アルゴリズムの身近な例
アルゴリズムの身近な例には以下のようなものが挙げられます。
・料理のレシピ ・家具や電化製品の説明書や組み立て書 ・算数における筆算 ・電車の乗り換え案内 |
どれも日常的に使用している一般的なものですが、目的を果たすために準備や手順が整理されていて、使用しなければ時間がかかったり間違ってしまう場合もあるでしょう。しかし上記のようなアルゴリズムを使うことで時間を短縮させながら目的を果たせるはずです。
アルゴリズムの役割と基本的な手順
アルゴリズムにはどのような役割や目的を解説しながら、アルゴリズムを作成する際の大まかな手順をご紹介します。
アルゴリズムの役割
アルゴリズムの役割や目的には、目的を果たしたり問題解決をしたりするためだけでなく、効率化をはかることが挙げられます。アルゴリズムにのっとって取り組むことで、目的までの工程を細分化していき、結果的に時間を短縮させられるのです。
アルゴリズムの手順
アルゴリズムの大まかな手順は以下のような流れです。
手順 | 内容 | 具体的な行動 |
---|---|---|
1 | 解決しなければならない点を理解する | 問題をより細分化し、 問題となっている部分を見つける |
2 | 問題を解決するための手順を作成する | 具体的な手順や順序を明確化する |
3 | 手順を実行する | コンピュータプログラムの作成や手作業で 手順に沿って行う |
4 | テストを行う | アルゴリズムが機能しているか確認し、 必要があれば改良を行う |
このようにアルゴリズムを作成することで、特定の問題を効率的に進められるようになります。
毎回バラバラなやり方やゼロから取り組むことで時間がかかってしまっていたことでも、アルゴリズムがあれば誰もが正しくより速く問題を解決できるようになるでしょう。
アルゴリズムの基本構造
アルゴリズムは、基本的な3つの構造に分類されます。アルゴリズムの作り方としても活用できるため、基本構造をご紹介します。
順次構造
アルゴリズムの順次構造とは、もっとも基本的な構造です。順次構造は、ある行動(命令)を手順通りに実行することで効率化できるものです。
- 1.野菜を冷蔵庫から取り出す
- 2.野菜の皮を向いて切る
- 3.さつまいもの下処理を行う
- 4.茄子を炒める
- 5.茄子を含めた野菜をすべて鍋で茹でる
このように、上から書かれた順番通りに実行するようにアルゴリズムを設定します。
選択構造
アルゴリズムの選択構造とは、複数の処理の中から特定の処理を選択する構造です。ある条件を設定し、その後の手順などを変えるアルゴリズムです。
- 1.明日の天気が晴れたら、公園に行く
- 2.明日の天気が雨なら、自宅で過ごす
このように特定の状況や条件に基づいて、その次にとる行動を変えるためのアルゴリズムです。
反復構造
アルゴリズムの反復構造とは、特定の条件を満たすまで、一連の行動を繰り返すアルゴリズムです。
- 1.縄跳びの練習を行う
- 2.1回のジャンプで2回手を回す練習をする
- 3.二重跳びを行う
- 4.二重跳びができるようになるまで、1~3を繰り返し行う
このように、特定の問題を解決するために必要な手順を繰り返し行うのが反復構造のアルゴリズムです。何かができるようになるまでの「反復練習」をイメージすると理解しやすいでしょう。
アルゴリズムの種類
アルゴリズムは、目的や課題によっていくつかの種類に分類されます。種類の中でもさらに細かい処理方法があるため、具体的な内容を確認してみましょう。
ソートアルゴリズム
アルゴリズムの種類の一つに、ソートアルゴリズムがあります。ソートアルゴリズムは、整列や並べ替えを行うアルゴリズムであり、データを扱う際などの効率化に役立ちます。
ソートアルゴリズムは、ECサイトなどにおいて、価格の安い順や人気順といった並べ替えなどに使用されています。
さらに、ソートアルゴリズムは「バブルソート」「クイックソート」「マージソート」に分類され、扱うデータ量によってどのソートを使用するかが異なります。
種類 | 内容 | 具体的なやり方 |
---|---|---|
バブルソート | 隣り合う値を条件に沿ってデータを整列させるアルゴリズム | 隣り合う値を比較して、交換を繰り返しながら整列する |
クイックソート | グループ分けによってデータを整列させるアルゴリズム | 基準値を決めて、それぞれの値をグループに分類して整列する |
マージソート | 分割や併合によってデータを整列させるアルゴリズム | 整列させるデータを2分割しながら要素同士を整列させ、要素を1つにする |
探索アルゴリズム
探索アルゴリズムとは、複数のデータを探索して条件に合致したデータを探すアルゴリズムのことです。大量のデータから特定の情報を探すために使用され、インターネットの検索エンジンなどにも使用されています。
探索アルゴリズムも「線形探索」「二分探索」「ハッシュ探索」と、さらに細かく分類されます。
種類 | 内容 | 具体的なやり方 |
---|---|---|
線形探索 | 先頭データから順番に条件に合わせてデータを探すアルゴリズム | 整列したデータから、探したい値と同じ可動化を確認し、順番に繰り返していく |
二分探索 | 2つのグループに分け、探索する値を分類していくアルゴリズム | 整列されたデータ群を探索している要素がどちらにあるかの判断を繰り返す |
ハッシュ探索 | 探索する値を直接探さず、データを加工(ハッシュ値に変換)してより効率的に探索するアルゴリズム | あらかじめルールに基づいてデータを変換しておき、探しやすい情報に沿って探索することで探索回数を減らせる |
最適化アルゴリズム
最適化アルゴリズムとは、最小値や最大値を求める問題で効率的に解答を導くために使われるアルゴリズムです。機械学習を始めとした幅広い分野で使われています。
最適化アルゴリズムの基本となるのが「最急降下法」で、今いる位置の付近をみて一番よさそうな方向に進むことを繰り返すアルゴリズムです。
今いる位置から関数の値が最も小さくなる(または大きくなる)方向に進み、値を最小化(または最大化)することができます。
このように、最適化アルゴリズムとは、機械学習などにおいて損失をゼロにする目的のために、効率的に答えへ辿り着けるようにするものといえるでしょう。
アルゴリズムが重要とされる理由
アルゴリズムが注目されていますが、アルゴリズムが重要とされる理由にはどのような点が挙げられるのでしょうか。
大量のデータが生成されている
アルゴリズムが重要とされているのは、膨大な量のデータ分析が必要になっているためです。インターネットの普及と浸透によって、世界には膨大なデータが溢れています。
生成されたデータから有益な情報だけを抽出して処理するためには、効率的に進められるアルゴリズムがなければなりません。
状況に応じてデータ分析や処理を行うアルゴリズムの方法を理解することで、知見を習得したり判断したりできるようになるでしょう。
人工知能(AI)の進歩
アルゴリズムが必要とされるのは、近年人口知能(AI)が進歩したことも理由の一つです。
人工知能は膨大なデータ処理を行うため、学習した過程から処理パターンを見つけます。発見したパターンや特徴をモデル化するのがアルゴリズムであるため、人工知能の発展に大きな影響を与えるとして、重要視されるようになりました。
DX化を促進
アルゴリズムが重視されているのは、DX化を促進するためという理由も挙げられます。
近年企業ではDX化が促進されていますが、DX化を進めるためには、ITシステムの開発や運用が必要であり、こうした分野に精通した人材が必要です。
DX化の推進で必要とされるITシステムやデジタルツールは、一般的にはプログラミングによって開発されているため、プログラミングやアルゴリズムを理解できなければ、適切でスムーズな運用は難しいでしょう。
アルゴリズムのメリット
アルゴリズムは、問題解決のための手順や計算方法を示すものであることはわかりましたが、アルゴリズムを活用することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的なアルゴリズム活用のメリットをご紹介します。
作業を標準化できる
アルゴリズムのメリットの1つめは、誰がやっても同じ結果や答えに辿り着けるようになるという点です。アルゴリズムさえ理解してその通りに作業すれば、基本的に同じレベルで作業の処理ができるようになるでしょう。
最適解を導けるだけでなく、誰でも同じようにできるようになるため、スキルや知見の習得にかかる時間も短縮できる効果があるはずです。
問題がどこにあるか見つけられる
アルゴリズムのメリットの2つめは、問題点がどこにあるのかを見つけ出すことができる点です。
アルゴリズムの手順の中で、間違いが起こりやすい、差が出やすい部分などを発見して改良することで、問題解決がしやすくなります。このように、手順が細分化されていることで、失敗原因などをより早く特定することにつながるのです。
業務効率化が期待できる
アルゴリズムのメリットの3つめは、手順や計算方法にのっとって取り組むことで、無駄な作業を減らせるようになります。アルゴリズムによって最適な作業手順を示したり不要な作業をなくしたりできるので、業務効率化につながるでしょう。
まとめ
アルゴリズムとは特定の問題や課題を解決するための手順や計算方法、処理方法を指します。
アルゴリズムを活用することで、さまざまな問題の解決や目的達成を効率化できるようになります。
特に近年はインターネットの普及や情報技術が進歩したことにより、大量のデータが生成されています。アルゴリズムを活用することで、より効率的にデータを扱えるようになるでしょう。
DX化の促進には、アルゴリズムやプログラミングに関する理解や活用が重要とされていますが、そのためにはITやデジタル分野に精通した人材が必要です。
SHARE
関連資料を無料でご利用いただけます
コラム記事カテゴリ
こちらの記事もおすすめ
スマカンの導入をご検討の方へ
実際の画面が見られる
デモを実施中!