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サードプレイスとは? 意味や具体例、見つけ方もわかりやすく解説
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サードプレイスとは、自宅や職場以外で過ごすための場所です。気軽に訪れることができたり、安心感があったりなど、居心地のよい場所を意味します。
近年サードプレイスが注目されてきているものの、日本では広くその概念が浸透しているわけではないため「サードプレイスの意味がわからない」という人や「サードプレイスが見つからない」という人も少なくありません。
そこで当記事では、サードプレイスの意味をわかりやすく解説しながら、サードプレイスの具体例や見つけ方などについてもご紹介します。
目次(タップして開閉)
サードプレイスの意味とは?
サードプレイスとは、自宅や職場などではない、居心地よく過ごせる第3の場所を指します。「居心地のよい」という点が大切で、以下のような条件を満たした場所がサードプレイスとして該当します。
・誰でも利用できる平等な場所 ・中立性のある場所 ・アクセスがよく訪れやすい場所 ・安心感のある場所 ・誰でも迎え入れられる場所 ・リラックスして過ごせる場所 ・陽気な空気のある場所 |
サードプレイスは、アメリカの社会学者であるレイ・オルデンバーグが、著書『ザ・グレート・グッド・プレイス』のなかで提唱しました。人間は自分のサードプレイスを持つことによって、人生のあらゆる方面によい効果をもたらすとしています。
人々の生活における3つのプレイス
サードプレイス以外の場所には、ファーストプレイスとセカンドプレイスがあります。サードプレイスの意味や役割を理解するためにも、ファーストプレイスとセカンドプレイスも正しく理解しておきましょう。
ファーストプレイス(第一の場所)
ファーストプレイスとは、自宅のことを指します。食事や睡眠、入浴などの基本的生活を行ったり、プライベートな時間を過ごしたりするための場所です。
プライベートな時間を過ごす場所ではあるものの、快適に過ごすために掃除や手入れを行ったり、一緒に暮らす家族への義務や責任を負ったりする必要があります。
セカンドプレイス(第二の場所)
セカンドプレイスとは、学校や職場など、自宅以外で長時間自分が過ごす場所を指します。学生なら学校での学習、社会人なら職場というように、その人の年齢や状況に応じて、生活するために欠かせない活動を行う場所です。
他者とのかかわりややるべきこと、責任も多いため、ストレスを抱えやすいという特徴があります。
サードプレイス(第三の場所)
サードプレイスとは、自分がリラックスして過ごすことができ、行きたいと思える場所を指します。
ファーストプレイスやセカンドプレイスは、生きるうえで必要な場所ですが、義務や責任もともなうためストレスを抱える人も少なくありません。
サードプレイスでは、居心地を重視したり他者とのコミュニケーションから刺激をもらったりする場所であり、日々の生活からリフレッシュすることにつながります。
ただし、ファーストプレイスやセカンドプレイスでストレスなく過ごしている場合など、必ずしもすべての人にとってサードプレイスが必要というわけではありません。
サードプレイスが注目された背景
サードプレイスが注目された背景にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な背景についてご紹介します。
自動車依存型社会
サードプレイスが注目された背景として真っ先に挙げられるのが、アメリカの自動車依存型社会が挙げられます。
アメリカでは、自動車依存が進み、自宅(ファーストプレイス)と職場(セカンドプレイス)を往復するだけの生活となり、社会的なコミュニティやかかわりが希薄になりました。
このような状態からサードプレイスの存在が重視され、注目されるようになったのです。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの流行により、新しい働き方としてテレワークが浸透したり、外出控えをしたりしたことにより、自宅のみで過ごさざるを得ず、ストレスを抱える人も少なくありませんでした。
それによりコロナ禍以降、カフェやコワーキングスペースなどのサードプレイスオフィスが注目されるようになったのです。
自宅でも会社でもない場所を、仕事を行う場所として利用することで、ストレス軽減や仕事への集中力強化などの効果が期待されています。
日本人はサードプレイスを持ちにくい
日本人は、海外に比べてサードプレイスを持ちにくいとされています。その理由を確認してみましょう。
ヨーロッパの文化や考え方との違い
日本人がサードプレイスを持ちにくい理由には、日本とヨーロッパで文化や考え方が異なる点が挙げられます。
ヨーロッパでは、カフェや居酒屋に日々立ち寄る習慣があります。そのため、多くの人はサードプレイスとしてお気に入りの店があるわけです。一方の日本では、カフェや居酒屋に毎日立ち寄るような文化はなく、仕事後はまっすぐ家に帰るのが一般的ではないでしょうか。
このように、日本ではサードプレイスを持つための習慣や考え方が根付いていないため、サードプレイスを持ちにくいことにもつながるのです。
サードプレイスを利用するうえで費用がかかる
日本人がサードプレイスを持ちにくい理由には、飲食店やカフェなどサードプレイスになり得る場所を利用するうえで費用がかかるという点も挙げられます。
特にカフェや飲食店の商品単価が高いと感じるケースも少なくないでしょう。サードプレイスを利用するのに、毎回数千円以上かかってしまっては続きません。
サードプレイスをいつでも気軽に利用するためには、たとえばコーヒー1杯を100〜200円程度で購入できるくらいの料金体系が望ましいでしょう。
サードプレイスは2種類に分けられる
サードプレイスは、目的によって2種類に分けられます。1つめがマイプレイス型、2つめが交流型です。それぞれの違いを解説します。
マイプレイス型のサードプレイス
マイプレイス型とは、1人で気軽に利用して過ごせる場所が該当します。周りの人や環境に邪魔されずに1人で自由に時間を過ごすことができれば、ストレスが軽減したり、リフレッシュしたりできます。
自宅や職場などで、人間関係や仕事の責務でストレスを感じた際はマイプレイス型のサードプレイスを持つことがおすすめです。
マイプレイス型のサードプレイスとして代表的なものに、カフェや飲食店が挙げられます。ほかにも、1人でゆっくりと巡る美術館や博物館などの施設もよいでしょう。誰からも何もいわれずに、自由に自分の時間を過ごすことができるはずです。
カフェをサードプレイスとして利用する際、カウンター席が用意されている店なら、人とのコミュニケーションが生まれやすくなるでしょう。知人の紹介やお店側の紹介などによってこれまで接点のなかった人と知り合いになれる可能性が高まります。
このように、人の紹介によって知り合いが増えたりコミュニティが発生することを「紹介型コミュニティ」と呼びます。
交流型のサードプレイス
交流型とは、さまざまな人が交流しながら過ごせるサードプレイスのことを指します。たとえば、地域のサークル活動や趣味のオフ会などが挙げられます。
同じような趣味を持つ人が集まることで、自分の好きなことに没頭したり、よりリラックスしながら人とコミュニケーションを取ったりすることができるでしょう。
日本のサードプレイスの具体例
サードプレイスには、具体的にどのような場所が該当するのでしょうか。日本においてサードプレイスとして利用される具体例を確認してみましょう。
カフェ
サードプレイスとして挙げられるのが、カフェです。気軽に利用でき、安価にコーヒーも飲めるため、さまざまな人にとってリラックスしやすい場所といえます。混雑状況にもよりますが、カフェでは仕事をすることもできるため、サードプレイスオフィスとしても利用できるでしょう。
たとえば世界的に展開されているスターバックスコーヒーは「サードプレイス」という考え方を軸に展開してきました。日本にも多くの店舗を構えていますが、スターバックスコーヒーは日本上陸以降もサードプレイスの概念を提唱しており、スターバックスの店舗が、家族や職場以外の人が集まるサードプレイスであることを重視しています。
スターバックス以外にも、現在はさまざまなコーヒーチェーン店が展開されているため、カフェはより多くの人のサードプレイスとして利用されているでしょう。
参照:『The third place, needed now more than ever before』STARBUCKS STORIES&NEWS
参照:『「おかえり」「ただいま」が聞こえてくる居心地の良い場所。』STARBUCKS STORIES&NEWS
コワーキングスペース
コワーキングスペースは、年齢や性別を問わず、さまざまな職業の人が仕事や作業を行える場所です。テレワークを自宅以外で行いたい人や仕事の効率を上げたい人にとっても、居心地よく過ごせるでしょう。
地域の活動
日本では、地域ごとのコミュニティを活かした活動が多く行われているため、地域活動もサードプレイスとして利用できます。地域で行っているサークル活動やスポーツ、自治会やボランティア活動などを通して、人とのかかわりを持つことができます。
家庭でも仕事でもない活動を通して、フラットなコミュニケーションを取ったり、気楽な気持ちで参加したりできるでしょう。特にサークル活動は、年代や趣味など自分に合ったものに参加できるため、よりリフレッシュ効果が期待できます。
サードプレイスの見つけ方
サードプレイスを見つけるにはどのような方法があるのでしょうか。自分のとっておきのサードプレイスを見つけるために有効な方法を5つご紹介します。
・散歩をする ・趣味や習いごとを始める ・資格試験の勉強や自己研鑽を行う ・副業を始める ・インターネットやSNSを活用する |
散歩をする
家と会社を往復するだけの生活をしていると、知らないうちにストレスが溜まってしまうこともあるでしょう。
そこで、家の近所を散歩してみることで、知らなかったお店やカフェ、飲食店を見つけることができるかもしれません。外の空気を吸いながら歩くだけでも、気分転換やリフレッシュにもなるのでおすすめです。
趣味や習いごとを始める
趣味や習いごとを始めることもサードプレイスを見つける方法の一つです。これまでやってこなかったことや、興味のあることを始めてみることで、刺激を得られるでしょう。
趣味の集まりや習いごとでは新たな出会いもあるため、自身の学びや発見にもつながるかもしれません。
資格試験の勉強や自己研鑽を行う
自分をレベルアップさせるための勉強もおすすめです。資格試験のためのスクールに通ったり、コミュニティに入ったりすることで、同じ目標を持つ人との出会いにも恵まれ、新たな刺激をもらうことにもつながります。
副業を始める
通常の仕事以外に、勤務時間外や休日に副業を始めてみるのもサードプレイスを見つけるのに効果的です。自分が本当にやってみたいことを副業として始めることで、新たな可能性を広げることにもつながるでしょう。
また、副業を通して出会う人やコミュニティから刺激を受けることや、自分のレベルアップにもつながります。
インターネットやSNSを活用する
インターネット上でオンラインサロンに入ってみたりSNSを活用するのも、サードプレイスを見つける方法の一つです。
インターネット上では、リアルな世界よりも気軽にコミュニケーションを取りやすいでしょう。同じ趣味や興味を持つ人とつながることで価値観の合う友人を作ることができる場合もあります。また、リアルな友達や家族には相談しにくいことも、インターネット上なら気軽に相談できる場合もあるはずです。
ビジネスにおけるサードプレイス
サードプレイスは、一人ひとりの個人としてだけでなく、企業やビジネスにとってもよい影響が期待できます。そこで、ビジネスや企業で取り組むサードプレイスの例もご紹介します。
企業でサードプレイスに取り組む例
企業でサードプレイスに取り組む例には社員食堂などが挙げられます。たとえば夕方以降に社員食堂の照明を落として音楽を流したり、バーとして活用したりする例などがあります。
社内におけるサードプレイスとなるだけでなく、社内コミュニケーション活性化の場としても重宝するでしょう。
サードプレイスがビジネスに与える影響
従業員それぞれがサードプレイスを持つことで、会社やビジネスにもよい影響が生まれやすくなります。サードプレイスを通じて出会った人やコミュニティから、ビジネスにつながったり、連携が生まれたりすることもあるからです。
また、人とのコミュニケーションから、多様な価値観や情報に触れ、新たなアイデアにつながることもあるでしょう。
まとめ
サードプレイスは、職場や自宅以外で過ごす居心地のよい場所を指します。
自宅と職場だけの生活をすることで、知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまっていることも珍しくありません。また、凝り固まった人間関係や環境の中では、価値観も固定化し、新たなアイデアや斬新な考えも生まれにくくなってしまいます。
自分のサードプレイスを見つけることで、ストレスを緩和したり自分の生活を豊かにしたりするだけでなく、家庭や仕事にもよい影響をもたらすため、人生において重要な場所といえるでしょう。
当記事でご紹介したサードプレイスの見つけ方を参考に、自分だけのサードプレイスを探してみてはいかがでしょうか。
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