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人事書類の保管期間とは? 一覧や保存方法と管理の見直しまで解説

人事書類の保管期間とは? 一覧や保存方法と管理の見直しまで解説

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人事労務担当者が悩みがちな問題といえば、人事書類の保管期間ではないでしょうか。どの書類をいつまで保管しなければならないのかわからず、頭を抱える人は少なくありません。

当記事では、そんな人事書類の保管期間一覧や管理方法の見直しについて情報をまとめました(2022年9月現在)。よりスムーズに業務が行えるヒントが見つかるかもしれません。適切な情報管理について知りたい方は、ぜひご活用ください。

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目次(タップして開閉)

    人事書類とは

    まず、人事書類の種類について、内容を整理しましょう。

    人事労務関係

    人事労務全般に関連する書類です。労働者名簿や雇用契約書、タイムカード、36協定など。

    人事評価関連

    従業員の人事評価に関わる書類です。身元証明書や休暇届など。

    労災保険関係

    労災保険に関係する書類です。災害保障や請求関係にまつわる書類など。

    雇用保険関係

    雇用保険関連の書類です。離職票や雇用保険被保険者資格取得確認通知書など。

    社会保険関係

    健康保険や厚生年金関係の書類です。資格取得確認通知書や資格喪失確認通知書など。

    賃金関係

    健康保険や厚生年金関係の書類です。資格取得確認通知書や従業員の賃金に関連する書類です。賃金台帳や源泉徴収簿など。

    安全・衛生関係

    安全・衛生にまつわる書類です。安全、衛生委員会議事録など。

    人事書類の保管・保存について

    次に、人事書類の保管・保存内容について見ていきましょう。

    保管と保存の違い

    保管とは、すぐ手に取れるような場所に書類を収納しておくイメージです。これに対して保存とは、社内の保管庫などに書類を閉まっておくことです。細かなイメージの違いはありますが、基本的にはほぼ同じ意味の言葉です。

    人事書類には保存義務がある

    業務上使用する書類には、法律で決められた保管期間が存在します。この期間を守らなかったからといって罰則はありませんが、業務に支障が出る可能性があるため、しっかりと保管しましょう。

    保管の根拠となる法律

    根拠となる法律は、雇用保険法や労働基準法です。たとえば、雇用保険法施行規則第143条では雇用保険に関する書類、労働基準法109条では労働者名簿や賃金台帳などを一定期間保存することが義務づけられています。

    【人事労務担当者必見】人事書類の保管期間一覧

    次に、各人事書類の保管期間をまとめました。

    保存期間2年

    書類名起算日(保存開始日)根拠となる法律
    雇用保険に関する書類
    (適用事業所設置届(控)など)
    完結の日雇用保険法施行規則第143条
    健康保険・厚生年金保険に関する書類
    (資格喪失確認通知書など)
    完結の日健康保険法施行規則第34条、
    厚生年金保険法施行規則第28条

    保存期間3年

    書類名起算日(保存開始日)根拠となる法律
    労災保険に関する書類完結の日労働者災害補償保険法施行
    規則第51条
    労働保険、労働保険料等に関する書類
    (保険関係成立届(控)など)
    完結の日労働保険料徴収法規則第72条
    派遣元管理台帳・派遣先管理台帳完結の日労働者派遣事業法第37条・第42条

    保存期間4年

    書類名起算日(保存開始日)根拠となる法律
    雇用保険の被保険者に関する書類(被保険者資格取得届など)完結の日雇用保険法施行規則第143条

    保存期間5年

    書類名起算日(保存開始日)根拠となる法律
    労働者名簿退職日または、死亡日

    労働基準法第109条、労働基準法施行規則第56条


     

    賃金台帳最後の記入日
    雇入れ・解雇・退職に関する書類(労働契約書など)退職日または、死亡日
    賃金その他労働関係の重要書類(タイムカードなど)完結の日
    身元保証書作成日

    身元保証ニ関スル法律第1条・2条


     

    誓約書等の書類作成日
    健康診断個人票作成日

    労働安全衛生法規則第51条

    ※労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・解雇・退職に関する書類、賃金その他労働関係の重要書類は当分の間は3年でもよいとされています。(2020年民法改正により3年から5年へ)

    保存期間7年

    書類名起算日(保存開始日)根拠となる法律
    源泉徴収簿法定申告期限国税通則法第70〜73条
    給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

    永久保存

    書類名 
    人事に関わる重要書類
    (就業規則、就業規則届などを含む)
    法律による制限はないが、重要書類のため永久保存が望ましい
    従業員の労務・人事・給与・社会保険関係の書類
    表彰や懲戒に関する書類
    労働協約に関する書類

    給与明細に保管・保存義務はある?

    給与明細に、保管・保存義務はありません。給与明細に記載のある関連書類や、給与計算に関わる書類は一定期間保管しなければなりませんが、給与明細そのものは保管しなくてよいです。

    保存義務のない人事書類はどうする?

    給与明細のような保管義務のない人事書類は、一体どのように扱えばいいのでしょうか。

    自社独自のルールを設ける

    「短期・中期・長期」などおおまかでもいいので、書類管理のルールを設けましょう。ルールを決めずにいると、保管義務のない書類が管理しきれず、必要なときに該当書類を取り出せなくなってしまうからです。場合によっては、必要な書類を誤って処分してしまうこともあるので、ルールを自社独自のルールを決めるといいでしょう。

    自社独自のルールで管理する

    設けたルールに沿って、書類を分類して管理していきます。「短期」に分類したものは、1か月後にどう対処するかを決め、「中期」は3か月、「長期」は1年間保管し、その後の対処方法を検討する流れなどが、一つの例です。このルールや流れは、全社的に統一することが求められます。部署ごとにルールが異なると、複数の部署で業務を行う際にトラブルが発生する危険があるからです。

    保管期間を過ぎた人事書類はどうする?

    法律や自社独自のルールに沿って保管し、一定の保管期間を過ぎた書類は、どう処理すればいいのでしょうか。

    廃棄

    これから利用する予定がない書類は、廃棄する方法がスタンダードです。書類の保管場所には限りがあるので、保管期間を過ぎたいらない書類は速やかに廃棄しましょう。なお、マイナンバーが記載された書類(扶養控除等申告書など)は、保管期間終了後の迅速な廃棄が義務づけられています。

    廃棄する際の注意点

    書類を廃棄する際は、情報が流出しないように気をつけてください。マイナンバーをはじめとした個人情報は、外部に漏れると大きな事件に発展する可能性もあります。シュレッダーを利用して、細かく書類を裁断する方法や、業者に依頼して溶解してもらう方法がおすすめです。

    人事書類の適切な保管方法とは

    書類の具体的な保管方法に、適切なルールはあるのでしょうか。基本的に、経理が扱うような帳簿書類は紙のまま保管しなければなりません。しかし、一定の条件を満たせば電子データで保管することも可能です。また、取引先から受け取った契約書や請求書は、スキャンデータの保管でも問題ありません。

    ビジネス書類全体に訪れているペーパーレスの流れは、人事書類も同じです。要件を満たしたものはデータ保存ができるようになりました。保管場所が少ないオフィスなどは、紙媒体以外での保管も考えてみましょう。

    人事書類の保管をラクにするには

    それでは、紙媒体以外でのデータ保存には、どのような方法が適しているのでしょうか。3つの方法をピックアップします。

    電子化

    2019年4月に施行された労働基準法施行規則によって、労働条件通知書が電子交付可能になりました。電子化可能な書類は、なるべく電子に移行してみましょう。また、2022年1月の「電子帳簿保存法」改正により、電子取引で発生した領収書は電子保存が義務化。こういった電子化の流れはこれからも続くと考えられるので、人事書類もできるものから電子化していくとよいでしょう。

    Excel

    人事書類の保管期間などをまとめておく場合は、紙よりもExcelがおすすめです。共通サーバーに入れておけば、社内の誰もが、必要なときにデータを参照できます。ただし、ネットワークが不安定なときは、通信に時間がかかることもあるので、注意が必要です。

    文書管理システム

    現在、紙媒体の書類や電子データを一括で管理する文書管理システムも人気を集めています。文書の保管から廃棄まで、一連の流れをシステム上で行えるため、非常に便利です。セキュリティ強化にもつながるため、多くのメリットがあります。

    そもそも面倒な書類の管理から解放されるには

    人事書類の管理は、さまざまな決まりごとを守りながら、行わなければなりません。この煩雑さから逃れる方法は、あるのでしょうか。

    労働者名簿(従業員名簿)は紙じゃないとダメ?

    特に人事労務担当者が管理に困る書類は、労働者名簿(従業員名簿)です。この書類は、あくまで「いつでも紙に印刷できる状態」であれば問題ないので、電子保存でもルール違反にはなりません。事業所ごとに保管をしていれば大丈夫です。また、一覧表での状態も準備しておくと、いざというときに役立ちます。

    従業員情報をラクに管理するにはクラウドシステムの活用も

    必要なときにすぐ従業員情報を取り出すためには、紙媒体よりクラウドシステムの活用がおすすめです。情報は常に最新の状態を更新しておかないといけないので、クラウドシステムの方が管理しやすいというメリットもあります。ほかにも並行して使用できる機能が多数存在するので、人事労務担当者の業務が全体的に効率化するでしょう。

    たとえばタレントマネジメントシステムは、今注目の人事クラウドシステムです。従業員の基本情報はもちろんのこと、スキルや経歴をクラウド上で一元管理でき、必要なときに必要な情報が取り出せます。人的資本経営の実現に向けて、会社の成長に貢献できる人材の採用、定着、育成に向けて取り組みたい企業にも適しているでしょう。

    『スマカン』で面倒な管理をペーパーレスに

    タレントマネジメントシステム『スマカン』なら、従業員情報をクラウドシステム上でシンプルに管理できます。現在在籍している従業員のプロフィールやデータを一元管理し、人材データベースを作成可能です。今まで紙媒体で管理していた労働者名簿(従業員名簿)を電子データにすることで、情報管理が一気にラクになります。効果的な人材育成や、適切な人材配置にも結びつけられるため、企業力もさらに増すはずです。

    まとめ

    人事労務担当者の業務負担を減らすには、人事書類の管理を見直すことが重要です。タレントマネジメントシステム『スマカン』を活用して、新しい従業員情報管理を始めてみませんか。

    ほかにも、従業員のスキルを管理したり、戦略的な組織シミュレーションの実施を行ったりすることも可能です。人材を扱う業務の効果がより出やすくなるでしょう。離職率の低下にも期待できます。

    自社に必要な機能だけを厳選して利用できるので、費用の無駄もありません。まずは 30日間の無料トラアイルからスタートしてみませんか。 サービス紹介資料はもちろん、人事労務のノウハウに関する資料を無料でダウンロードいただけます。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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