• 2022.07.22
  • タレントマネジメント
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人的資源管理の事例とは? 有効な取り組み方、企業事例、タレントマネジメントとの関連までを解説

人的資源管理の事例とは? 有効な取り組み方、企業事例、タレントマネジメントとの関連までを解説

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「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源のうち、一番重要だとされる「ヒト」に重点を置いた「人的資源管理」。しかし、人的資源管理とは具体的にどのように実施すればよいのかイメージできない方も多いでしょう。

当記事では人的資源管理の具体的な企業事例や有効な取り組み方、タレントマネジメントとの関連性についてを解説します。

目次(タップして開閉)

人的資源管理の概要をおさらい

まずは人的資源管理の意味や目的についておさらいします。

人的資源管理(HRM)とは

人的資源管理は英語で「Human Resource Management」といい、HRMと略される場合もあります。従業員などの人的資源を有効活用しながら経営目標の達成を目指す管理制度のことを指します。

従業員(人材)を、単なる労働力やコストだけでなく、企業の貴重な経営資源と捉える考え方です。企業は経営目標を達成するため、従業員個々の能力やスキル、知識などを最大限に活かした人的資源管理が求められます。

人事労務管理(PM)との違い

人的資源管理は人事労務管理と混同されがちです。人事労務管理は英語で表記すると「Personal Management」です。経営戦略を実現するために行う管理制度を指します。

経営目標の達成を目指し、人材管理を行うという点では人的資源管理と共通しています。しかし人材を貴重な経営資源だと考える人的資源管理とは違い、人事労務管理では人材を労働力やコスト(お金)と捉え、企業の利益を最大化することを目的に従業員を管理します。

端的にいえば、「個人」に重点を置くのが人的資源管理、「企業」に重点を置くのが人事労務管理といえます。

人的資源管理とタレントマネジメントとの関係

人的資源管理とタレントマネジメントは時に混在されがちです。両者とも、人材のスキルや知識、経験などを最大限に活かしながら経営目標の達成を目指す考え方に変わりはありません。

人的資源管理は、企業が目標を達成するために、人材をどのように活かすのかを考えて設計し、それを仕組みにしていく取り組みそのものです。タレントマネジメントはその取り組み、人的資源管理のモデル概念のひとつともいえます。人的資源管理の手段として、タレントマネジメントを実行するというイメージです。

人的資源管理の目的

人的資源管理の目的は、前述したように従業員(人材)のスキルや能力を活かしながら管理し、企業の目標達成を実現することです。具体的にいえば、経営目標を達成するために必要な人材を、スキルや能力を高めながら育成するとともにモチベーションが高い状態で働けるよう労働環境を整備し、継続的に人的資源の確保や向上を目指すことが目的です。

なお人的資源管理を行うには、企業の経営的なメリットと従業員個々の目標達成が通じている必要があります。さらに、短期・長期の視点で進めることが大切です。

人的資源管理の歴史

人的資源管理が日本で注目され始めるようになったのは、1990年代以降のことです。それまでの日本では、終身雇用制度が当たり前でした。年功序列の機会的な人材活用が一般的で、労働者は「コスト」であり「集団」として捉えられていました。

しかし終身雇用制度の崩壊やグローバル化が進んでいくにつれ、企業は従業員を「集団」ではなく「個人」として捉える必要が出てきました。人々の働くことへの考え方の多様化が進むにつれ、1990年代以降は多くの企業で、経営目標の達成のための戦力となる優秀な人材を確保・育成し、適切に管理することが重要であるという考えへと移行していきました。

人的資源管理の課題

人的資源管理は「ヒト」を管理するものです。そのほかの経営資源と違い、感情のある「ヒト」を対象にしているため、管理するのが難しいともいわれています。人材資源管理には次のような課題があり、それを解決しながら進めていく必要があります。

従業員との価値観の相違

企業がよかれと思って与えた業務でも、ある従業員にとっては「やりたくない」「得意ではない」と感じたり、「管理されていることで自由に行動できない」と感じるかもしれません。

人的資源管理では、従業員個々に合わせた育成や、従業員の主体性を重んじる管理が求められます。さらになぜその業務を与えたのかなどの理由をきちんと説明することも大切です。

適切な評価や配置の難しさ

企業の目標達成を最優先に考える人的資源管理(ミシガンモデル)では、従業員個々の人間性や雇用保障が軽視されやすい傾向にあります。

一人ひとりの能力が把握されないまま人事評価・人材配置が行われてしまう可能性があり、適材適所での人的資源を活用できない点も課題といえます。企業は自社の経営目標達成を重視しすぎて、従業員個々への注力を怠らないように努める必要があります。

従業員の本音の見えにくさ

企業と従業員の協調的な関係性を軸に企業全体の成長を目指す人的資源管理(ハーバードモデル)では、従業員の希望に応じた多様な働き方が可能です。そのため雇用調整が容易だと思われがちですが、実際には従業員は不満を伝えられない状況である可能性もあります。

企業は、不満が聞こえないために人的資源管理に成功していると誤認してしまい、気づいたときには従業員エンゲージメントが低下していることも考えられます。

定量的な把握の難しさ

人的資源はデータ化や具体的な数字・数量であらわせるものではありません。一人ひとりの個性や人間性、スキル、能力が異なります。人的資源管理を円滑に進めるためには、従業員個々の目標達成に向けた、適切かつ具体的なマネジメントを行う必要があります。

そのためには、タレントマネジメントなどの取り組みも視野に入れ、慎重に検討しなければなりません。

人的資源管理で必要な取り組みとは?

人的資源管理を適切かつ効果的に実行するために必要な取り組みとはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、人的資源管理を円滑に進めるために実施すべき取り組みを5つご紹介します。

雇用制度を見直す

現代の日本では、働き方の多様性が求められています。かつては正社員で勤めることが一般的でしたが、働き方改革以降は副業や兼業、時短勤務など、従業員個人の生活スタイルに合わせた働き方が主流になりつつあります。

正社員を前提とした雇用管理制度のみでは、対応しきれない時代に突入しているといえるでしょう。適切な人的資源管理を行うためにも、時代にマッチした雇用管理制度を構築する必要があります。

人材育成・教育に注力する

人的資源管理では、従業員個々のスキルや能力を伸ばすための育成・教育制度の充実も必要です。スキルを伸ばすための研修や、足りないスキルを補うためのリスキリングなど、さまざまな教育プランを検討することが大切です。

業務を実践しながら学ぶOJTや、外部セミナーなどを活用したOff-JTのほか、個々のキャリアプランに沿って能力開発を行う、キャリアディベロップメントなども検討するとよいでしょう。

適材適所の人材配置を実行する

人的資源を最大限に活用するためには、適材適所の人材配置が必要です。そのためには、従業員一人ひとりの能力、スキル、経験に加え、本人のキャリアプランなども把握する必要があります。

定期的な1on1や評価面談を実施し、上司と部下がコミュニケーションをはかる機会を設けることも重要です。人事は各部門と連携をとり、必要とされる能力や業務に適した人物像などを把握しておくことも大切です。

従業員が自分の能力を最大限に発揮できる環境で働くことができれば、従業員エンゲージメントの向上にもつながります。

適切な評価を実施する

従業員それぞれの目標の達成度合いや組織への貢献度などを適切に評価することも、人的資源管理を行ううえで重要なポイントです。公平性のある評価を実施し、その結果に応じた報酬を支払うことが大切です。

そのためにはまず、従業員個々の目標をしっかりと管理することも必要です。納得感のある評価を行うことで、従業員は業務に対するモチベーションや成長意欲の向上が望めます。適切な人的資源管理を実行するためには、自社の評価制度の見直しも行うようにしましょう。

従業員目線の人事制度を構築する

従業員目線に立った人事制度の構築も、人的資源管理を円滑に進める材料の一つです。長時間労働を回避するための業務の棚卸しや効率化、リモートワークやフレックスタイム制の導入など、従業員が気持ちよく生き生きと働ける環境を整えるのも人事の役割です。

1人の従業員だけに業務が偏るようなことがないよう、タスクの管理や進捗状況の把握なども実施するようにしましょう。

人的資源管理の具体的な事例とは

人的資源管理を行っている企業では、どのようなことを実践しているのでしょうか。ほかの企業の事例を参考に、自社の人的資源管理を検討するのも一案です。

大手自動車メーカーA社

自動車メーカーのA社では、従業員の育成や開発に積極的に取り組んでいます。

2011年あたりから、人的資材管理の取り組みとしてタレントマネジメントを導入し、優秀な人材の育成や発掘に注力しています。同社では、20代や30代の若手社員から将来の経営層へと育成するため、上司やキャリアコーチによる育成プランを作成し、能力開発をサポートしています。

大手総合小売業B社

総合小売業のB社では、3万人を超える従業員の人的資源管理を行うため、さまざまな取り組みを行っています。

従業員の仕事に対する価値観や求める働き方に応じて、働く地域を選択できる社員郡制度を導入しています。これにより、従業員は個々のライフスタイルに合わせて勤務できます。

また、非正規雇用の従業員に対してステップアップを「希望する・しない」を選べる制度や、スキルアップ研修の導入などを実施しています。

電機メーカーC社

海外に子会社を持つ電機メーカーのC社は、国内外含めたグローバルな人的資源管理を実行しています。

同社では、本社から海外へ派遣する人材を確保し、本社と現地法人が協力し合いながら人材採用・管理・育成するシステムをつくり上げました。国内外における評価や処遇も見直し、本社で統括するマネジメントを実現しています。

グローバル企業では、国内外それぞれの従業員の状況を把握し、統一性のあるマネジメントの実施が大切です。

人的資源管理はなぜ必要?

ここまでは、人的資源管理の基礎知識や実施するにあたって必要な取り組み、実例などをご紹介しました。なぜ企業に、人的資材管理が必要とされているのでしょうか。人的資源管理が重要視される理由は主に次の3つが挙げられます。

ほかの経営資源を動かすため

経営資源を構成する4要素は「ヒト・モノ・カネ・情報」です。「ヒト」にあたる人的資源は、ほかの3要素「モノ(製品やツール)」「カネ(企業の資産)「情報(ノウハウなどの無形資産)」を動かすのに欠かせません。

つまり、人的資源ありきで経営が成り立つといっても過言ではないのです。優秀かつ貢献度の高い従業員を育成することで、企業の成長や経営目標の達成が実現できるため、原動力となる人的資源を管理することが重要視されているのです。

優秀な人材を確保するため

人的資源は、ほかの3つの経営資源と異なり流動的です。「ヒト」には意思があるため、いくら優秀な人材を育成しても、永遠に自社にとどまってくれるかどうかはわかりません。

企業は優秀な人材をできるだけ長期にわたって確保できるよう、ビジョンや長期戦略とともに、時代に合ったマネジメントを行っていかなければなりません。人的資源管理を適切に行うことは、企業が望む人材を確保することにもつながります。

経営目標達成に向けた組織づくりのため

企業が経営目標を達成するためには、自社が求める能力やスキルを持った人材を、適材適所に配置した組織づくりが必要です。

人的資源管理を適切に行うことで、従業員は高いモチベーションと成長意欲を持って働けるようになります。自発的にスキルアップを行うこともあるでしょう。そのような動きは、従業員エンゲージメントを高めるとともに、企業全体の生産性向上にもつながります。

経営目標を達成するためにも、人的資源管理をもっとも重視し、強固な組織を形成していく必要があります。

人的資源管理にはタレントマネジメントシステムの活用も

4つの経営資源のうち「ヒト」を重視する人的資源管理は、企業が目標を達成するために重要です。さらに昨今では、「ヒト」を資源でなく資本と捉える考え方にも注目が高まってきました。

人的資源の有効活用や適切な管理を行う取り組みとして、タレントマネジメントを導入している企業も少なくありません。タレントマネジメントを行うことで、従業員個々のスキルや能力を把握し、適材適所の人材配置が行えます

タレントマネジメントシステム「スマカン」は、人材情報の見える化、人材配置、人材育成、目標管理、人事評価など人的資源管理を多方面からサポートいたします。企業と個人の成長につながる人的資源管理を効率的に実施したい場合、タレントマネジメントシステムを活用するのも一案です。

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