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HRテックの市場規模とは? 普及の背景と今後の動向や最新トレンドを紹介
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人事領域の業務を効率化するHRテックは、継続的な人手不足や雇用の多様化によって、近年、益々需要が高まってきました。
HRテックの市場規模は年々拡大しており、導入・検討する企業も増えています。
当記事ではHRテックの普及背景や動向、最新トレンドまで解説します。市場や必要性を踏まえて、自社への導入を検討してみてください。
目次(タップして開閉)
HRテックとは
HRテック(HR Tech)とは、クラウドやAIなどのテクノロジーを駆使し、人事分野が抱える悩みを解決できる仕組みや技術、サービスです。
HRテックは「HR(Heman Resounces)=人材、人事」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた言葉。活用される領域は幅広く、採用や育成、労務、評価などが一例です。
HRテックを活用すれば、多忙な人事部門の業務を効率化し、担当者の負担を大幅に減らすことができると期待されています。
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HRテックの市場規模
HRテックの市場規模は、IT技術の進展と企業における需要の高まりによって拡大を続けています。そこで、日本と海外に分けてHRテックの市場規模をチェックしてみましょう。
日本のHRテックの市場規模
日本におけるHRテックの市場規模は、ミック経済研究所によると2021時点で426億円とされています。これは、前年比124.6%という大きな成長です。
新型コロナウイルスによるテレワークの普及によって、特に以下の分野において市場規模が拡大しました。
・人材採用
・人材活用
・人材の定着
・人事業務の可視化
さらに大阪万博を控えた2025年までには、1,710億円の規模になると予想されています。これは、2021年時点の426億円と比較すると、およそ4倍となる数値です。
以上より、ビジネスにおいてHRテックは、今後も需要が高まり続けるといえるでしょう。
参照:『ミック経済研究所「HRTechクラウド市場の実態と展望 2020年度版」を発刊』日本経済新聞
海外のHRテックの市場規模
続いて、海外におけるHRテックの市場規模を解説します。
厚生労働省の資料によると、2019年度のHCM(Human Capital Management)アプリケーションの市場規模は(US$30.8B)です。日本円に換算すると、おおよそ3兆円を超える金額です。
また別の調査機関CB Insights社によると、海外では米国のHRテックにおける取引シェアが高く、全世界のおよそ62%を占めています。米国に続くのはイギリスであるものの、そのシェアは全世界のおよそ6%です。
さらに海外でも、感染症の影響によって、リモートワークやハイブリッドワークが一般的になりつつあります。そのため、HRテックの市場規模は今後も拡大が予想されています。
参照:『HRテクノロジーの現況と今後の展望』
参照:CB Insights社
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HRテックの業界カオスマップとは
続いてHRテックの業界カオスマップについて解説します。
カオスマップは、業界地図と訳されます。特定の業界における商品やサービスを扱う企業をジャンル別にカテゴリー分けした図解と理解するといいでしょう。
HRテックの商品、サービスをカオスマップであらわすと、以下9つに分類できます。
1 | 求人 | 求人サイト、求人マッチング、ダイレクトリクルーティングなど |
---|---|---|
2 | 一般的な採用 | 採用動画、採用管理など |
3 | アルムナイ採用 | 退職者の出戻り支援 |
4 | 労務管理 | 勤怠管理、給与計算システムなど |
5 | 可視化分析 | アンケート機能、スキル分析など |
6 | 外部委託 | 業務を外部に委託するサービス |
7 | エンゲージメント | 人事評価システム、コミュニケーションツールなど |
8 | HCM | 人的資本管理システム、タレントマネジメントシステムなど |
9 | その他 |
>>>人事評価と目標管理の『スマカン』はHRテック業界で30年の実績
参照:『HRテック カオスマップ【2022年最新版】』株式会社Lifeplay『HR Techガイド』
上記を見ると、多様なHRテックの中でも、求人、採用、労務管理に関わる商品サービスが増えていることが見てとれます。また今後は、少子高齢化が加速し、雇用の流動化や多様化もますます進むでしょう。それに伴って、従業員を管理するエンゲージメントやHCM(人的資本管理)に関する市場の広がりが予測されます。
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HRテックの市場規模が拡大している背景
なぜここまでHRテックに注目が高まっているのでしょうか。
HRテックの市場規模規模が拡大の背景について、主なものを3つご紹介します。
・IT技術の進歩 ・人材確保の困難性 ・戦略人事が求められている |
IT技術の発達
HRテックはAI技術の発達などにより、機能が多様化しています。従来HRテックと呼ばれるシステムは、多くの場合オンプレミス型で、自社用の設計が必要でした。カスタマイズ費用がかかるとともに、社内に開発や運用を任せられるエンジニアがいない場合、導入がスムーズにいかないこともあったようです。
しかし、昨今ではSaaS型クラウドサービスが普及し、端末さえあればサーバーにアクセスでき、利便性が上がりました。それにより、導入コストなどのハードルが低くなったため、各社は利便性や業務効率化を目指して導入を検討し、市場規模が拡大していると考えられます。
人材確保の困難性
企業が優秀な人材の確保に苦戦していることも、HRテックの市場規模拡大の背景として考えられます。
昨今は少子高齢化によって労働力人口が減少するとともに働き方の多様化が進み、人材の獲得競争が激化している時代です。そのため、優秀な人材に選ばれ、定着率を高める環境整備が求められています。公平な人事評価の再検討や適材適所の人材配置なども、その一環でしょう。従業員一人ひとりがワークライフバランスを実現できるよう、福利厚生の整備に着手している企業もいるかもしれません。
HRテックの中には、採用や配置のマッチング率を高めるものや業務効率化を進めるものなど、さまざまなサービスがあります。
HRテックの導入によって、採用獲得競争で成果を上げることが期待されています。従業員の定着率向上のためにも、HRテックの導入を進める企業が増えているため、市場規模の拡大を後押ししているのでしょう。
戦略人事が求められている
HRテックの導入によって、人事の在り方を変えていこうとする動きも高まっています。
その一つが戦略人事の推進です。従来のオペレーショナルな人事手法だけでは、人材獲得の困難性など先述したような課題に対処しきれません。今後は経営目標など達成したい未来から逆算した現在の課題対処が求められます。その一環として、戦略人事の重要性が高まっています。
HRテックは戦略人事におけるデータの活用や課題の明確化などに役立てることができるため、導入の動きが加速し、市場も盛り上がりを見せているといえます。
【2022年最新】HRテックのトレンド
ここまでHRテックの市場規模や市場拡大の背景をご紹介してきました。では2022年下半期現在における、HRテックのトレンドはどのようなものになっているのでしょうか。
最新のHRテックのトレンド傾向をご紹介します。
・テレワークに対応できるシステム ・通年採用がかなうシステム ・人事の通常業務を自動化できるシステム |
テレワークに対応できるシステム
ひとつ目は、テレワークに付随した課題解決につながるHRテックの普及です。
働き方改革や新型コロナウイルスの影響から、引き続きテレワーク・リモートワーク対応への需要があるようです。
・業務状況を可視化/連携に役立つもの ・リモート研修支援 ・AIがチームの課題分析を行うシステム ・チームメンバーと離れていてもアイデア創出を促すもの |
通年採用を支援するシステム
HRテックサービスで、通年採用を後押しするHRテックサービスも増えてきたようです。
リモートワークの普及により、会社説明会や選考日程の調整が複雑化しています。それにより、新卒採用にこだわらない企業も増えてきました。
・ダイレクトリクルーティング ・採用動画 ・YouTubeの採用チャンネル作成 |
これらのHRテックサービスに共通するのは、従業員のスキルや経験を管理してパフォーマンスの最大化を目指す、タレントマネジメントの考え方が活かされている点です。
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人事の通常業務を自動化できるシステム
HRテックサービスの多くは、業務を自動化し業務効率化を支援するものです。引き続き、人事担当者の負担軽減に役立つサービスの需要が高いようです。
多様な働き方やテレワークの浸透によって、人事の業務範囲はますます煩雑化しているといえます。戦略人事の重要性も高まり、従来とは異なった取り組み方も求められているでしょう。慢性的な人手不足により、業務過多になっている点も否めません。
こうした背景から、人事の通常業務を自動化できるシステムのトレンドが継続しています。
・勤怠管理システム ・給与計算システム ・社会保険の手続き(労務)システム ・請求書管理システム |
また、離職サインのキャッチや福利厚生整備に役立つシステムも、各社からリリースされているようです。
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HRテック業界の今後の動向
HRテック業界の今後は、AIやIoT、ICTのさらなる進化によって、継続して市場規模の拡大が見込まれるでしょう。
多くの企業が抱えている採用課題の分野では、慢性的な人手不足の影響で、顕在転職者に限らず潜在転職者にもアプローチできる商品が増えると考えられています。
さらに「AIで代替できない仕事」に対応できるHRテックサービスが出てくる可能性もあります。
まとめ
HRテックの市場規模は拡大しており、今後もさらなる発展が見込まれます。
HRテックは組織の人に関わるさまざまな分野をサポートし、特にテレワーク、通年採用、人事業務の自動化などを助けるサービスの好調が顕著です。
HRテックの市場規模拡大を押し上げるタレントマネジメントシステム
HRテックサービスの導入を検討している場合は、網羅的に人事業務に対応するタレントマネジメントシステムが便利でしょう。人材情報を集約して管理し、人材管理や人材配置、人材育成にお役立ていただけます。蓄積したデータをもとに、戦略人事の推進も後押しするでしょう。
HRテックの導入をお考えの場合、タレントマネジメントシステムも検討してみてはいかがでしょうか。
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記事監修
スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎
一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。
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