• 2022.11.18
  • タレントマネジメント
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残業時間(時間外労働)上限は45時間?36協定や超えないための対策も紹介

残業時間(時間外労働)上限は45時間?36協定や超えないための対策も紹介

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残業時間(時間外労働)の上限規制が2019年より順次設けられています。

上限規制が行われたことで、設定された上限を超えて時間外労働をさせてしまった場合、罰則を受けることになるため厳重に注意しなくてはなりません。

しかし、「労働基準法や時間外労働に関わる36協定が理解できていない」という方や「従業員の残業時間(時間外労働)の管理を強化したい」と考えている経営者や人事担当者も少なくないでしょう。

そこで今回は、労働基準法における時間外労働の上限についてわかりやすく解説しながら、従業員の残業時間(時間外労働)を効率的に管理する方法も交えてご紹介します。

※当記事では、一般的なイメージや認識を考慮して、時間外労働を「残業時間」として表現する場面が多くあります。厳密には、残業時間=企業が定める「所定労働時間」であり、労働基準法で上限規制がなされているのは法定労働時間を超えた「時間外労働」という点をご留意ください。
※当記事記事の内容は作成日または更新日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

目次(タップして開閉)

残業時間(時間外労働)の上限規制とは

残業時間(時間外労働)の上限規制は、2019年4月から大企業より順次、労働基準法の改正で設けられました。

この規制により、残業時間(時間外労働)の上限を超過した場合「6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰⾦」として罰則を受けることになるため、企業は残業時間(時間外労働)の管理を強化しなくてはなりません。

残業時間(時間外労働)の上限規制の対象は、36協定を締結した場合や36協定の特別条項を締結した場合においてそれぞれ適用されるものとされています。

36協定を締結した場合
月45時間、年間360時間以内
36協定において臨時の特別条項を締結した場合
・年間720時間以内
・時間外労働と休⽇労働の合計が⽉100時間未満
・複数月(2~6か月平均※)の時間外労働と休日労働の合計が平均80時間以内
・時間外労働が⽉45時間を超えることができるのは、年6回が限度
※「2か⽉平均」「3か⽉平均」「4か⽉平均」「5か⽉平均」「6か⽉平均」

2019年4月には大企業を、2020年4月からは中小企業が対象とされています。ただし、建設事業など一部事業・業務においては、2024年まで適用が猶予されています。また、新技術・新商品等の研究開発業務は、2022年時点で上限規制の適用除外となっています。

上限規制の施行はいつから?

上限規制はすでに施行されていますが、2019年4月の施行当初は経過措置を設定。

具体的には、2019年4⽉1⽇(中小企業は2020年4⽉1⽇)以後の期間に始まる36協定に対して上限規制が適用されました。

2019年3⽉31⽇と2019年4月1日以降をまたぐ36協定は、その協定の初⽇から1年間は当初の締結内容が有効となり、上限規制は適用されません。1年間が経過した以降に、上限規制が適用されるイメージです。

※施行当初における経過措置です

上限が規制される前の時間外労働

上限が規制される以前について、36協定で定める時間外労働は、厚⽣労働⼤臣の告示によって、上限の基準が定められていました。

また、臨時で限度時間を超えて時間外労働を行わなくてはならない理由がある場合には、特別条項つきの36協定を締結すれば、限度時間を超える時間まで時間外労働をさせることが可能でした。

本上限規制は、大臣の告示レベルではなく、罰則つきで上限を規制し、労働基準法に規定されたものです。

残業の上限規制が設けられた目的

残業時間(時間外労働)の規制が設けられたのは、「働き方改革」の一環として、健康確保やワーク・ライフ・バランスを改善するためとされています。

昨今、長時間労働による健康トラブルや少子高齢化による労働力人口の減少の問題が顕著になってきました。

長時間労働は、健康維持を阻害する原因になったり、男女ともに家庭と生活の両立が困難になる可能性が指摘されています。

そこで、長時間労働につながる過度な残業時間(時間外労働)を規制することで、健康確保やワーク・ライフ・バランスを改善させるために設定されることになりました。

残業時間(時間外労働)の上限超過の違反罰則

残業時間(時間外労働)の上限を超過して労働させた場合、企業が6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることになっています。

従来、仮に36協定で設定された残業時間(時間外労働)を超過した場合の罰則規定や特別条項における残業時間(時間外労働)の上限も規定されていなかったため、大幅な改正として注目を集めています。

残業時間(時間外労働)と時間外労働の違い

時間外労働の上限規制について、一般的に「残業時間(時間外労働)」とイメージする方が多いでしょう。

しかし、両者は同じような意味合いでも、厳密には異なるため、違いを理解しておくことも重要です。

残業時間(時間外労働)とは企業が定める「所定労働時間」を超過した労働時間のことを指し、時間外労働とは、労働基準法で定められた「法定労働時間」を超過した時間を指します。

そのため、労働基準法や36協定における「時間外労働」は、1日8時間/週40時間とする法定労働時間を超えたものを指していると認識しておきましょう。

36協定(サブロク協定)とは

残業時間(時間外労働)上限は45時間?36協定や超えないための対策も紹介

36協定とは、時間外労働や休日労働に関する協定です。

労働基準法の原則としては、法定労働時間を「1日8時間/週40時間」とし、法定休日を「週1日」として制定。

2019年の労働基準法改正では、36協定における残業時間(時間外労働)における残業時間の上限規制が設定されたものです。

この法定労働時間や法定休日を超過して労働させた場合は、労働基準法違反に該当します。

法定労働時間や法定休日を超過して労働させる場合は、労働基準法第36条のもと労使協定(36協定)を締結し、労働基準監督署長へ届けを出さなくてはなりません。

企業は協定を締結するだけでなく「届出」を提出して初めて、法定労働時間を超えた「時間外労働」や「休日労働」をさせることができると認識しておきましょう。

※36協定を締結する場合、労働者の過半数が在籍する労働組合や労働者の過半数を代表する者と使用者による書面での協定が必要

36協定上の残業時間(時間外労働)

36協定では、原則として、時間外労働を「月45時間/年間360時間」と定めています。

さらに、36協定における特別条項を締結する場合は、時間外労働を「年720時間以内」としています。詳しい条件もチェックしてみましょう。

【36協定における特別条項を締結する場合(年720時間以内)】

  • ・時間外労働と休日労働の合計:月100時間未満
  • ・時間外労働と休⽇労働の合計について、2~6か月がすべて1⽉当たり平均80時間以内
  • ・複数月(2~6か月平均)の時間外労働と休日労働の労働時間:平均80時間以内
  • ・時間外労働が月45時間を超えられる期間:年6回まで

出典:『時間外労働の上限規制等について』厚生労働省

36協定で決めなければならないこと

36協定を締結する場合は、事前に決めておかなければならない内容があります。

  • ・時間外労働をさせる必要のある具体的な事由
  • ・時間外労働をさせる必要のある業務の種類
  • ・時間外労働をさせる必要のある労働者の数
  • ・1日について延長することができる時間
  • ・1日を超える一定の期間について延長することができる時間
  • ・有効期間

36協定では、時間外労働の時間だけでなく、労働に関する種類や労働者の人数なども決めなければなりません。

具体的な業務内容や理由などが必要となり、36協定届に記載する必要があるため、明確に整理したうえで記載するようにしましょう。

出典:『知っておきたい 36 協定届』厚生労働省

残業時間(時間外労働)上限の規制適用について

残業時間(時間外労働)の上限規制を含め、労働基準法が改正されました。労働基準法は基本的にすべての企業に適用されます。

しかし、残業時間(時間外労働)の上限規制については適用される企業と猶予される企業があるのをご存知でしょうか。

労働基準法適用に関する具体的なケースなどについて、ご紹介します。

残業時間(時間外労働)の上限規制の適用が猶予される業種

残業時間(時間外労働)の上限規制について、以下の業種では猶予や免除が適用されるとしています。

【5年間猶予される事業(2024年3月31日まで)】
・建設事業
・自動車運転の業務
・医師
・⿅児島県及 び沖縄県に おける砂糖 製造業

上記業種について、2024年4月1日以降は上限規制がすべて適用される場合や一部のみ適用など、それぞれ取り扱いが異なります。

厚生労働省や労働基準法を確認し、違反にならないよう注意しましょう。

出典:『時間外労働の上限規制 わかりやすい解説』厚生労働省

残業時間(時間外労働)の規制適用が除外される業務

新技術・新商品等の研究開発業務残業時間(時間外労働)の規制適用が除外される業種として、「業務新技術・新商品等の研究開発業務」が該当します。

ただし、新技術・新商品等の研究開発業務に従事する場合でも、 週40時間を超えて労働した時間が⽉100時間を超えた者は、医師の⾯接指導が罰則つきで義務づけられています。

この場合、医師の意見を踏まえたうえで柔軟な対応が必要となります。

出典:『時間外労働の上限規制 わかりやすい解説』厚生労働省

労働基準法の適用が除外される業種

残業時間(時間外労働)の上限規定については、厚生労働省で明確に定めていますが、そもそも労働基準法自体が適用されない職業や業種もあります。

具体的には、労働基準法第41条では適用除外になる職業や業種について定めているので、チェックしてみましょう。

また、国家公務員についても労働基準法の適用が除外されたり、一部適用される職種などもあります。

出典:『労働基準法』e-GOV法令検索

残業時間(時間外労働)が超えそうな際にすべきこと

残業時間(時間外労働)に上限が設けられたことから、残業時間(時間外労働)の管理に不安があり、法律違反に該当するのではないかと不安を感じている担当者もいらっしゃるでしょう。

そこで、残業時間(時間外労働)に不安がある場合にすべきことをご紹介します。

36協定を確認する

残業時間(時間外労働)の上限を超えてしまうことが不安な場合、まずは36協定を確認することが大切です。

36協定で締結している残業時間(時間外労働)と、自分または従業員の残業時間(時間外労働)を比較してみましょう。

36協定で締結した内容は、一般的に労働組合や就業規則関連の資料として保存されています。

わからない場合は人事担当者が再度周知したり、直接人事担当者へ問い合わせるよう促しましょう。

上司や担当者に相談する

残業時間(時間外労働)について不安がある場合は、上司に相談しましょう。

また、従業員本人が残業時間(時間外労働)を把握しておらず不安がある場合には、上司や担当者などが確認するのが安心です。

確認したうえで残業時間(時間外労働)が多い傾向にある場合は、業務内容を見直すなどの対応をしましょう。

残業時間(時間外労働)に問題がある場合は、上司に伝えたうえで担当者に報告をします。

労働基準監督署に相談する

残業時間(時間外労働)の上限規制について不安がある場合は、労働基準監督署に相談するのも一つです。

上司や担当者などに相談しても納得がいかない場合や、そもそも会社に相談しにくい場合は、労働基準監督署に相談してみましょう。

残業時間(時間外労働)の上限を超過しないために

残業時間(時間外労働)の上限を超えないためには、企業として残業時間の管理を徹底しなくてはなりません。

残業時間の管理について、上限を超えないためにできる対策をご紹介します。

労働時間の把握

残業時間(時間外労働)の上限を超えないためには、まずは労働時間の把握をしましょう。

従業員がどれくらい働いていて、そのうち残業時間がどれくらいなのかという点を確認することが重要です。

また、残業時間が多い理由もヒアリングしたうえで、本人と上司に指導しましょう。

また当月だけでなく、過去の労働時間と残業時間の履歴などもあわせて確認し、残業時間が多い傾向にある従業員も把握するとよいでしょう。

常に残業時間が多い傾向にある従業員には、業務を見直したり、業務を効率化するなどの対応を上司とともに検討するよう伝えるのも大切です。

残業の削減

残業時間の上限を超えないためには、残業時間そのものを削減できるような対応が確実です。

残業時間の削減を目指す場合も、残業の理由をヒアリングしたうえで、理由によって対策を行いましょう。

業務内容の見直しや整理を行ったり、スキル不足や効率化ができていない場合は研修や効率化できる方法を検討します。

また、残業が少ない従業員の働き方などを参考にしてみるのもよいでしょう。

勤怠管理システムの活用

残業時間の上限を超えないためには、勤怠管理システムの活用も効果的でしょう。

システムにはさまざまな機能が搭載されているため、勤怠管理を効率化してくれるだけでなく、残業時間が多い従業員にアラートを出せるものもあります。

効率化だけでなく、より適切な管理を行うためにも、システムを活用すると安心でしょう。

勤怠や労働時間の管理はシステム活用がおすすめ

残業時間(時間外労働)の上限が規制されたことから、企業はますます勤怠や労働時間の管理の徹底を強化しなくてはなりません。

しかし管理する項目が多く、時間やリソースがかかるからこそ、システム活用による効率化がおすすめです。勤怠や労働時間の管理における担当者の負担も軽減することにつながります。

残業時間を含めた勤怠管理を徹底したい場合には、勤怠管理機能が搭載されたシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

残業時間の上限規制は、働き方改革と密接にかかわり、労働者の健康確保やワーク・ライフ・バランスの改善が期待されています。

企業では、これまで以上に労働者の勤怠管理や労働時間の管理を徹底しなくてはなりません。

上限を超えないためには、企業や従業員それぞれの意識とともに、確実な管理が求められています。

意識を強化するとともに、システム活用することで、適切な管理や効率化を期待できるでしょう。

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記事監修

監修者

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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