• 2022.10.20  最終更新日2023.01.27
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エンゲージメント経営とは? 導入メリットと事例、実践方法を解説

エンゲージメント経営とは-導入メリットと事例実践方法を解説

エンゲージメント経営とは、従業員と企業の信頼関係に重きを置く経営方法。社員の定着や確保、サービス品質や生産性の向上につながると注目が高まっています。

しかし、「エンゲージメント経営とは具体的にどんなものかわからない」「取り入れる方法がわからない」という企業の人事担当者や経営者もいるでしょう。

当記事では、エンゲージメント経営の導入メリットや具体的な事例、実践方法などについて解説します。エンゲージメント経営の概要を理解し、自社で導入するべきかの判断や実践する際のヒントとしてお役立てください。

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目次(タップして開閉)

エンゲージメント経営とは

まずは、エンゲージメントという言葉のそのものの意味、エンゲージメント経営の概要、基礎、特徴をご紹介します。

そもそもエンゲージメントとは

エンゲージメントとは、ビジネスシーンで従業員の企業双方の「愛着心」「信頼関係」という意味で使われます。特に授業員の企業に対する思い入れを、従業員エンゲージメントということがあります。

ビジネスではほかにも、顧客エンゲージメントという言葉が存在しているように、エンゲージメントはさまざまな関係性の中で用いられます。生産性やサービス向上のために、必要な要素として近年頻繁に使われるようになりました。

エンゲージメントと従業員満足度の違い

従業員エンゲージメントは、従業員満足度やモチベーションと混同されがちです。しかし、従業員エンゲージメントは、従業員自身の意思や思いより、あくまでも双方の「つながり」に重きを置いています。

従業員エンゲージメントは、従業員が企業に対して「貢献したい」かを測る指標、従業員満足度は、従業員が「満足しているか」を測る指標といえます。

エンゲージメント経営とは

エンゲージメント経営とは、従業員と企業の信頼関係に重きを置く経営方法。従業員の企業に対する愛着心を高めることに着目しているので、従業員エンゲージメントを高めるための取り組みともいえます。

エンゲージメント経営は、従業員一人ひとりが自社に対して愛着を持ち、みずから会社に貢献するようになることを目指すものです。従業員エンゲージメントの向上により、業務のパフォーマンスを上げ、企業全体の生産性やサービス向上が期待できます。

エンゲージメントは離職率と相関する

エンゲージメント経営に注力することで、離職率の低下が見込まれます。エンゲージメントの上昇と離職率の低下は相関すると考えられています。

とある調査によると、エンゲージメントが向上すると離職率が低下する傾向が見られています。

出典:『「エンゲージメントと退職率の関係」に関する研究結果を公開』株式会社リンクアンドモチベーション

エンゲージメントは感情報酬の一つ

エンゲージメント経営が重視されている背景の一つに、感情報酬への着目が挙げられるでしょう。

感情報酬とは、業務を通したワクワクした気持ちや会社に対して明るい感情など、心理的な対価を指します。金銭的報酬や出世など地位に関する報酬だけでは、社員のエンゲージメントを高めパフォーマンスを最大化することは難しいでしょう。

エンゲージメント経営は、経済的・社会的報酬だけでなく、感情報酬であるエンゲージメントを対価として与えるという視点に基づいています。

エンゲージメント経営が重視される背景

エンゲージメント経営が近年、重視されている理由や背景をご紹介します。

労働力人口減少

エンゲージメント経営が重視されているのは、少子高齢化による労働力人口の減少が影響しているでしょう。多くの企業にとって人材の定着は、課題となっています。従業員が退職すると、採用などに多大な労力とコストがかかります。

エンゲージメント経営を取り入れることによって、従業員を定着させると、経営に安定感が出るでしょう。

エンゲージメントが高い企業は、顧客から支持を集めやすい

エンゲージメント経営によって従業員エンゲージメントが高い企業は、顧客からの支持も集めやすいと考えられています。従業員が納得感を持って積極的に企業に貢献したいと働いているので、パフォーマンスも向上し、サービスの質も向上するからです。

エンゲージメント経営が実現している企業は、顧客エンゲージメントも向上し、売上などにも影響するでしょう。

エンゲージメント経営の導入メリット

エンゲージメント経営のメリットをご紹介します。エンゲージメント経営の導入によってどのような効果があるのでしょうか。

離職率の改善

エンゲージメント経営を実施すると、離職率を低下させることができるでしょう。先述の通りエンゲージメントの高さは離職率の低さと相関があるからです。

エンゲージメント経営によって、従業員の企業に対する愛着や結びつきを高められると、人材の定着につながるでしょう。

生産性向上

エンゲージメント経営に注力すると、各従業員の生産性が大幅に向上するでしょう。従業員が積極的に企業に貢献しようとしているのでモチベーションも高く維持でき、ストレスを感じにくい状態にあるはずです。そのような状況下では、個人のスキルも伸ばしやすく、個々のパフォーマンスも最大限発揮できるでしょう。

組織力の強化

エンゲージメント経営によって企業と従業員の結びつきが深まれば、組織力も強化できはずです。先述したように生産性向上が期待できるとともに、時代に適した新しい対策やアイデアが考案されやすくなり、企業力の強化につながるでしょう。

社会的評価の向上

エンゲージメント経営に成功している企業は、顧客エンゲージメントも高い傾向にあるので、より一層社会的な評価も高まりやすくなります。社員を大切にする質の高い企業だと認知されると、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。

エンゲージメント経営は、社会的にもインパクトがあるのです。

エンゲージメント経営の事例

エンゲージメント経営の事例をご紹介します。エンゲージメント経営を導入し、成功するにはどのような取り組みが必要なのでしょうか。

事例1:社内メディアの強化事

あるWeb関連企業のエンゲージメント経営の取り組みは、社内メディアを強化することでした。専門性が高い従業員を特集して社内メディアで周知することで、エンゲージメント向上につながったといいます。

社内メディアは、企業の一員としての仲間意識を強めることにもつながるため、ほかの従業員のモチベーションも刺激したそうです。社内メディアの強化は、テレワーク中のつながり促進対策としても活用できるでしょう。

事例2:エンゲージメントサーベイの実施

あるWebサービス系企業は、エンゲージメント経営の一環として定期的にエンゲージメントサーベイを実施しています。エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメントを数値化する社内調査のこと。単発的な実施ではなく、期間やサイクルを決めた定期的な実施にすることがポイントです。

エンゲージメント経営の継続的な改善・取り組みとして、組織状態の変化をチェックできるため、多くの企業が取り組み始めています。

エンゲージメント経営の実践方法

これからエンゲージメント経営を導入する企業に向けて、実践方法をご紹介します。エンゲージメント経営はどのような流れで進めればいいのでしょうか。

エンゲージメントスコアの測定

まずは、自社のエンゲージメント状態を把握するために、エンゲージメントスコアを測定します。エンゲージメントスコアを測るには、サーベイを実施するのが一般的です。

ビジネスにおけるサーベイとは、企業のさまざまな状態を見るための調査や測定のこと。従業員に各質問へ答えてもらい、エンゲージメントスコアを算出します。

問題点の可視化

エンゲージメントスコアの結果を確認し、自社が抱えている課題を割り出します。「社員教育のための時間が足りない」や「中堅社員の成長機会が不足している」など、具体的な課題点をまとめましょう。

具体的な施策の考案

エンゲージメント測定によってわかった課題を解決するための対策を考えます。研修制度の改善や目標設定方法の見直しなど、細かなガイドラインを作成するといいでしょう。

再測定の実施

対策の実施後、エンゲージメントスコアをあらためて測定しましょう。スコアに改善が見られない場合、異なるエンゲージメント向上施策を打つ必要があります。

エンゲージメント経営を導入するポイント

これからエンゲージメント経営に取り組む場合のポイントをご紹介します。どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

長期的な視点で取り組む

エンゲージメント経営によって効果を出したい場合、長期的な視点で取り組むことが必要です。長期的な計画を立てて、エンゲージメントスコアなどの地道な改善を目指しましょう。

従業員からの意見もくみ取る

エンゲージメント経営において重要なことは、上層部だけではなく、従業員にも相談しながら対策を進めていくことです。現場の声をしっかりと把握し、エンゲージメント向上対策に反映させていきましょう。

エンゲージメントを向上させるには

エンゲージメント経営への取り組みを含めて、エンゲージメントを総合的に向上させるためにはどのような点に注力すればいいのでしょうか。

上司のマネジメントスキルも高める

エンゲージメントを向上させるには、上司のマネジメントスキルも高めなければなりません。適切な業務指導があってこそ、部下のスキルは伸びるからです。力不足を感じる従業員には、セミナー参加などをすすめるといいでしょう。

コミュニケーションを活性化させる

各従業員のコミュニケーションを活性化させると、信頼関係が築きやすくなります。部署を越えたネットワークが構築されると、気軽な相談も実施しやすくなるでしょう。チャットツールや関連システムを導入するのも、1つのアイデアです。

ワーク・ライフ・バランスを整える

子育てや個人の趣味を尊重しながら仕事が行えるように、ワークライフバランスを整えることは不可欠です。業務内容のことばかりではなく、プライベートを重要視する姿勢を見せることが求められます。

エンゲージメント向上にタレントマネジメントシステムの活用も

当記事はエンゲージメント経営のメリットや取り組み方などについて解説しました。エンゲージメント経営は、従業員のモチベーションを高め離職率を下げる可能性があります。それによって労働生産性がアップし、企業力の強化も目指せるでしょう。従業員の定着に課題を抱えている企業は、何か1つでもエンゲージメント経営への取り組みを実践してみるといいでしょう。

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記事監修

監修者

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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