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適切な人事評価面談とは? 進め方のコツやポイント、目的まで解説
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人事評価面談は、評価や処遇を決めるために重要なものです。面談内容によっては、従業員のモチベーションを上げ、人材育成につながります。また、上司と部下の信頼関係の構築にも貢献します。しかし「面談をどのように進めればいいかわからない」「部下にどのようにフィードバックしたらいいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで当記事では、人事評価面談の目的や進め方、実施上のポイント、よくある失敗、質問やフィードバックの例などをご紹介します。人事評価面談のやり方を改善していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次(タップして開閉)
人事評価面談とは
人事評価面談とは、従業員の評価を決めるために上司と部下が話す場のこと。多くの場合、目標と達成状況、現状の課題、今後の目標などについて話します。人事評価面談の内容は従業員の生産性や離職率などにもつながるため、目的やポイントをしっかり理解したうえで実施することが重要です。
1on1ミーティングとの違い
上司と部下の面談というと、人事評価面談は1on1ミーティングと混同されるかもしれません。1on1上司と部下の1対1の面談ですが、人事評価面談とは異なります。大きな違いは内容と頻度、時間です。
人事評価面談は、あくまでも人事評価における評価や処遇の決定や通知の場として設定されます。1on1は日頃の悩みなどその時々で話題がさまざまなのに対して、人事評価面談は基本的に評価に関する話題で進行します。
そして人事評価面談の頻度は半年~1年に1回など年度の節目で実施するのに対して、1on1は週1〜月1回程度で日常的に行うのが一般的です。時間も人事評価面談は1時間以上じっくりやる場合が多いですが、1on1は30分など短時間です。
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人事評価面談の目的
人事評価面談は文字通り従業員の評価を主な目的としていますが、ほかにもいくつか実施する意義があります。人事評価面談の主な目的を4つご紹介します。
現状把握
従業員の現状を明らかにするのも人事評価面談の目的です。たとえば、目標計画の進捗、抱えている業務の状況、直面している課題などを把握します。年度の節目で時間をとって話し合い、改めて状況を整理することが仕事の進め方を見直すきっかけになります。
人事評価面談は、従業員側の業務の進捗などを検証し、マネジメントする側に問題がないか振り返る意味でも重要な機会なのです。
人事考課
人事評価面談を実施する一番の目的は、人事考課のためといえます。人事考課とは、従業員の待遇を決めるために能力や成果などを評価すること。営業成績などの数字や上司の印象だけでは適切な評価を下すことが難しいため、従業員側の意見も聞いて詳細な実態を知り、お互いの認識をすり合わせる必要があるのです。
人材育成
人事評価面談は適切に実施できれば、部下の人材育成を促す場となります。評価について話すとなれば、おのずと従業員の目標や課題の話にもなるでしょう。そこで当初の目標に対して何ができていて、何ができていないのか、今後どうしていくべきなのかを伝えることによって、従業員の成長につながります。
動機形成
人材育成と関連しますが、人事評価面談は、従業員のモチベーションを高める目的もあります。従業員が働いているうちに目先の作業へ意識が向いてしまい、仕事の意義を見失ってしまうこともあるでしょう。
人事評価面談を通して、長期的な視点でみずからの理想とする姿を再認識し、日々の仕事のモチベーションにつなげられるようにする機会が必要なのです。
人事評価面談の進め方・ポイント
それでは実際に人事評価面談をどう進めていけばいいのでしょうか。以下が人事評価面談の流れの一例です。
- 落ち着いて話せる場所を用意する
- 余裕を持って時間を確保する
- 事前に話す内容を準備する
- 気楽に話せる空気を作る
- 従業員の話に耳を傾ける
- 今後の期待を伝える
以上の人事評価面談の手順に沿って、各手順におけるポイントをご説明します。
落ち着いて話せる場所を用意する
人事評価面談では、静かな個室もしくはオンラインミーティングの環境を用意します。評価に関する内容は個人情報であり、ほかのメンバーに聞かれないようにしなければなりません。会話に集中するためにも、落ち着いて話せる場所が必要です。
余裕を持って時間を確保する
人事評価面談で話すべき内容はたくさんありますから、余裕を持って1時間以上は確保するといいでしょう。話が盛り上がって想定時間をオーバーする可能性もあるので、次の予定が詰まっていないかも確認しておきます。
事前に話す内容を準備する
限られた時間を有効活用するためにも、人事評価面談で話す内容は事前に準備するべきです。従業員には自己評価をまとめておくよう依頼し、その内容を当日までに確認してどんな話をするか考えておきましょう。
気楽に話せる空気を作る
従業員側からすると、人事評価面談はみずからの評価にかかわるため、緊張を強いられる場です。従業員が緊張していると、なかなか本音を引き出せません。いきなり本題に入るのではなく、雑談をするなどして空気を和ませてから始めると、従業員も気楽に話しやすくなります。
従業員の話に耳を傾ける
空気が和んだら人事評価面談の本題に入りますが、まずは従業員の自己評価を聞き、その上でお互いの認識をすり合わせます。一方的に会社からの評価を伝える場になってしまうと、従業員が納得できずに不満が残ってしまうかもしれません。
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今後の期待を伝える
人事評価面談の中では、従業員の課題や不足している部分についても話します。しかし、最後は今後の期待などポジティブな話をするようにしましょう。後ろ向きな雰囲気で終わるとモチベーションが下がってしまう可能性があります。
人事評価面談でよくある失敗
人事評価面談で陥りやすい失敗パターンを3つご紹介します。
十分な会話ができていない
そもそも人事評価面談の時間が短かったり、事前の準備が甘かったりすると、従業員の評価や育成につなげられるほどの十分な会話ができないことがあります。面談を実施する年度末は通常の業務も忙しくなる可能性がありますから、直前ではなく余裕を持ってスケジュールの確保と内容の準備を進めておきましょう。
限られた時間でも充実した人事評価面談にするには、日常的にコミュニケーションをとって、話しやすい関係性を築いておくことも重要です。
従業員が評価に納得できていない
評価に対して従業員が納得できていないまま終わってしまうのも、人事評価面談としては問題です。一方的に評価を伝えて従業員側の意見や質問を聞かない、評価が上司の主観や感覚によって決められていて具体的な根拠がない、という姿勢が見られると従業員は不満を感じやすくなります。しっかり従業員の主張にも耳を傾け、自身の評価に気になる点がないか確認する心持ちで面談に臨むといいでしょう。
やる気や成長につながっていない
人事評価面談は、従業員を叱責する場ではありません。評価について話す際に従業員の課題や不足している点が見つかったとしても、高圧的な態度で問い詰めるのはNGです。そうすると従業員のモチベーションが下がりますし、場合によってはパワハラになる可能性もあります。従業員側が感情的になることもあるかもしれませんが、上司は従業員の成長を促すために柔らかくポジティブな伝え方を心がけましょう。
人事評価面談が失敗する原因
人事評価面談が失敗してしまう原因は、大きく2つ考えられます。
面談の目的と重要性を理解していない
当事者は、何のために人事評価面談を実施するのか、人事評価面談にどのような意味があるのかを理解していないといけません。目的と重要性が明確でないと、時間をかけて事前に準備する気にならず、面談の場でも話が弾まないものです。また上司が理解していても、評価される従業員がわかっていなければ意味がありません。
人事評価面談が上手くいかないように感じたら、まず自分が面談の重要性を本当に理解しているのか振り返り、そのうえで従業員にも目的を丁寧に説明するようにしましょう。
フラットな目線に慣れていない
人事評価面談を自分なりに上手くやっているつもりでも、従業員からの納得が得られない場合、評価バイアスに捉われていてフラットな目線になれていない可能性があります。評価バイアスとは直観や先入観によって思考や判断に偏りが生まれてしまう自然現象です。たとえば、1つの優れた評価に関係ないほかの項目も引っ張られたり、少し前の出来事よりも最近の出来事への評価を高く見積もったり、ということが挙げられます。
人事評価面談や評価そのもので、認知バイアスを完全になくすのは難しいです。しかし、事前にどんなバイアスが起こりやすいか知っておくと、ある程度は対策できるはずです。
人事評価面談で使える質問
実際に人事評価面談で使える質問の一例をご紹介します。参考にしてみてください。
□ | 掲げていた目標に対して、どのような成果を出しましたか。 |
---|---|
□ | 成果を出すためにどのような努力や工夫をしましたか。 |
□ | 目標の中で達成できなかった内容はありますか。 |
□ | (目標達成できなかった場合)達成できなかった理由はなんだと思いますか。 |
□ | 自分の能力に対して目標は妥当だったと思いますか。 |
□ | 次はどのような目標に挑戦したいですか。 |
□ | 今期の中で最も頑張った・上手くいった仕事は何ですか。 |
□ | 逆に上手くいかなかった・苦戦した仕事は何ですか。 |
□ | 現在の業務の難易度や責任は適切だと思いますか。 |
□ | どのような点に仕事のやりがい・モチベーションを感じていいますか。 |
□ | 部署やチームにはどのような貢献をしましたか。 |
□ | 社内の人間関係で気になる点はないですか。 |
□ | 自分はどのような点を改善すべきだと考えていますか。 |
□ | 今後どのようなキャリアを目指していますか。 |
人事評価面談で使えるフィードバック
さらに、人事評価面談で部下に対して使えるフィードバックの一例をご紹介します。ポイントは、成長している部分を見つけて従業員のことをしっかり見ていることを伝えつつ、改善点については安易に答えを出さずに問いかけたり一緒に考えたりする姿勢を見せることです。
□ | この点は前期よりも成長しているね。 |
---|---|
□ | 〇〇を努力したことがこの成果につながったようですね。 |
□ | 何が課題になっているのか一緒に考えてみましょう。 |
□ | どうすればこの点をもっとよくできると思いますか。 |
□ | 気づいていないかもしれませんが、〇〇があなたの強みだと思います。 |
人事評価面談の効果を高めるには
最後に、人事評価面談の効果を高めるため、上司が気をつけたいポイントを3つご紹介します。
適切な目標設定を行う
人事評価面談を実施する前に、従業員が掲げている目標に問題がないかを確認しましょう。そもそも目標が高すぎて達成が困難だったり、逆に簡単すぎたりすると、丁寧な面談をしても従業員が納得できる評価をすることが難しい場合があります。
だからこそ、人事評価面談では従業員の現状を正確に把握することが重要なのです。その現状の能力に合わせて適切な目標を設定することが、次の面談の効果を高めることにつながります。
従業員を普段から観察する
人事評価面談の場だけで、従業員の評価を決めるのは不可能です。あくまでも人事評価面談は、従業員の働きぶりを普段から観察したうえで感じてきたことを整理して伝える機会として捉えましょう。日常的に従業員とコミュニケーションを取って関係性を築いておくと、評価面談の場でもお互い気楽に話しやすくなります。
人事評価面談とは別に、月1回の1on1ミーティングなどを実施して、定期的に目標の進捗を確認するのも効果的です。
コーチングスキルを身につける
人事評価面談では、どちらかといえば相手に正解を教えるというよりも、相手の話に耳を傾けて自分で考えてもらう場面が多いでしょう。そんなとき、評価者側のコーチングスキルが役立つかもしれません。
コーチングとは、対話を通して相手に気づきを与えたり、主体的な行動を促したりする手法。一方的にやり方を教える「ティーチング」とは異なり、相手が自分で答えを導けるようにサポートすることを目的としています。
人事評価面談で納得度を高めるには(まとめ)
人事評価面談とは、従業員の評価を決めるために上司と部下が対面で話す場のことです。評価を決める人事考課のほかにも、従業員の育成やモチベーション向上などの目的があります。
従業員が納得できる人事評価面談を行うには、その場で相手の話に対して真剣に耳を傾けることはもちろん、日頃の業務姿勢や成果を把握しておく、話す内容を整理しておくなどの事前準備が重要です。
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