• 2022.08.18  最終更新日2022.10.24
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1on1ミーティングとは|意味や効果と高めるポイントを解説

1on1ミーティングとは|意味や効果と高めるポイントを解説

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1on1ミーティングは、1対1で上司と部下がコミュニケーションを取るためのミーティングです。

しかし1on1ミーティングの導入方法や効果がよくわからない、そもそも1on1ミーティングは意味がないのではないかと感じている場合もあるでしょう。

1on1ミーティングを導入することで、これまで頻繁にはなかった上司や幹部との接点がコンスタントに持てるようになります。お互いの新たな一面を知ることができたり業務にもよい影響を与える可能性も秘めています。

今回は1on1ミーティングの意味や効果、進め方にも注目しながら効果的な1on1ミーティングについてご紹介していきます。

目次(タップして開閉)

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングは、1対1で上司と部下がコミュニケーションを取り、部下の成長を促すためのミーティングです。

会社でおこなう1対1のミーティングというと、人事面談のような「かたい面談」の印象を受けがちですが、1on1ミーティングでの内容は必ずしも仕事に関するトピックだけではありません。

1on1ミーティングを通して、業務やキャリアについてだけでなく、プライベートな話も共有しあい、お互いを知ることで信頼関係を深めていくことができるとされています。

また、1on1ミーティングの時間としては15分や30分と短時間の場合が多く、定期的に実施する点も特徴です。

1on1ミーティングと人事面談との違い

1on1ミーティングと人事面談の違いは、ミーティングの内容や目的、実施頻度に大きな差があります。

1on1ミーティングの場合、ミーティングの目的は部下の成長を促進することです。また、対話をすることで信頼関係を築き、業務へ生かすことも目的のひとつとなります。実施頻度も隔週や月に1回など、定期的に行うものとしています。

一方で人事面談の場合、ミーティングの目的は部下の管理や人事評価に関して情報を共有しあうためのものが一般的でしょう。実施頻度も四半期や半期に1回、もしくは年に1回と長い期間があくことが特徴として挙げられます。

1on1ミーティングが部下の成長のために実施されるものとすると、人事面談は上司が部下を管理したり評価するために実施するものとイメージするとわかりやすいでしょう。

1on1ミーティングの意味や実施目的

  1. 部下の成長
  2. コミュニケーション
  3. モチベーションアップ

1on1ミーティングを実施する意味や目的としては、定期的なコミュニケーションで信頼関係を築き、部下の成長を促進することにあります。

目標や自己の課題について相談したり、プライベートな面の雑談をすることでお互いに話しやすくなるでしょう。困った際にも適宜相談しやすくなることで問題解決をしやすくなります。

また、1on1ミーティングにおいてフィードバックをおこない、部下の良い点と課題点を示すことで部下のモチベーションが向上し、さらなる成長に繋げることができるでしょう。

1on1ミーティングは意味がないと言われる理由

1on1ミーティングは意味がないという意見を耳にしたことがある方もいるかもしれません。実は、1on1ミーティングは運用の仕方によって、効果的なものになる場合とそうでない結果になる場合もあるのです。

1on1ミーティングを実施する場合は1対1で実施するため、上司の負担が大きいことや30分のミーティングで変化が起こりにくいと感じる場合もあるでしょう。

意味をもたらせるためにも、上司が一方的に喋り続けることや話すトピックがないというようなことがないように、1on1ミーティングで重要なことを準備の段階から意識しましょう。

1on1ミーティングが必要とされている背景

1on1ミーティングが必要とされているのはなぜでしょうか。

ヤフーの1on1ミーティング

日本で1on1ミーティングが注目されるようになったのは、大企業であるヤフーが1on1ミーティングを導入したことも大きな理由のひとつです。

ヤフーでは人材育成として部下のためのミーティングであることに主眼をおき、1on1ミーティングを実施。継続的な1on1ミーティングによるコミュニケーションを通じてお互いを知り、社員の潜在能力を引き出すことにも重要な役割を果たしたそうです。

VUCAの時代

  1. Volatility(変動性)
  2. Uncertainty(不確実性)
  3. Complexity(複雑性)
  4. Ambiguity(曖昧性)

VUCAはそれぞれの英語の頭文字をとった言葉ですが、VUCAのように、現代は環境や時代の変化により、ビジネスにおける予測や確実な展望が難しい時代となりました。

しかし1on1ミーティングを活用することで、どのような場合にも対応できる従業員の育成や、流動しやすい人材の定着にも繋がります。

成果主義

バブル崩壊以降では、年功序列での評価から成果主義へと変化しつつあります。

成果主義が浸透することで、成果を出せる人材が重宝されやすくなります。

また、成果主義の台頭により様々な意味で人材の流動化も激しくなりつつあるでしょう。しかし労働人口が減少している昨今、人材の流動化を防がなくてはなりません。

成果主義であるため、成果に見合った評価や待遇をおこなうことはもちろんですが、成果が出せていない従業員の離職や流動をふせぐためにも、1on1ミーティングで対話をおこなうなかで、良い部分に目を向け、自信を持たせることも必要とされています。

テレワーク時代

1on1は、発祥のシリコンバレーでは週に数回行っていたり、日本でも有名企業が早くから取り入れて業績向上につながっているなど、実績に結びつく施策として話題です。

調査によると、現在約4割の企業が1on1ミーティングを実施している状況で、そのうち95%は「継続したい」と回答しています。一定以上の効果や、今後効果が期待できると実施を継続する企業・組織が多く見られます。

またコロナ禍のテレワーク推進に伴い、コミュニケーションの構築や活性化の一環として1on1が活用されており、今後も需要は拡大していく見込みです。

1on1ミーティングの効果

1on1ミーティングの効果を4つご紹介します。

部下との信頼関係が構築される

1on1ミーティングをおこない、部下と上司で対話をすることにより信頼関係を構築しやすくなるでしょう。

信頼関係を築ければ、業務の本質について相談したり、より深い話もできるようになります。そのことが会社や組織の成長にもつながります。

部下の成長を促進する

1on1ミーティングを実施することで、部下は自己の課題を考えたり、自らさらなる成長のために考えるようになります。

自主性や能動的な動きができるようになり、結果的に成果にもつながる可能性があります。1on1ミーティングは、部下の成長を促すきっかけにもなるのです。

納得感の高い評価になりやすい

1on1ミーティングを実施することで、常に上司と部下で進捗共有や課題について考える機会が生まれます。お互いの信頼関係を築きながら細かく状況を把握していることで、最終的な結果に対する評価にも納得感が高まりやすくなるでしょう。

部下のモチベーション、エンゲージメントが向上する

1on1ミーティングでは会社や部署の状況を上司から伝えられる場合もあるでしょう。また、従業員のやる気がでるような1on1ミーティングになれば、部下のモチベーションやエンゲージメントも向上します。

モチベーションやエンゲージメントが向上することで、離職防止にも繋がるでしょう。

1on1ミーティングの効果を高めるポイント

1on1ミーティングの効果を最大化するためには、面談前の準備や面談における心構え、育成に向け適切な運用が重要となります。社員に面談の主導権があることを前提と捉えるあまり、上司が受け身の姿勢で臨んでしまうと、面談の質は向上しません。社員のモチベーション向上をイメージし、面談を設計しましょう。

1.社員の性格・強み・実績を把握

上司が部下の情報を把握せず面談に臨んでしまうと、話が深化せず課題の根本解決に至らない可能性があります。

日々の仕事ぶりや姿勢を把握した上で、強みを活かすにはどんな仕事が向いているか考えるなど、キャリアステップを見据えた準備が必要になります。

また、一人一人の性格に合わせ、伝え方を工夫すると良いでしょう。
部下の本音を引き出すには、相手に寄り添った表現をすることも重要です。

2.面談中は部下の話に耳を傾けることを最優先に

面談中は、部下が8割話し、上司は2割程度を目安に話すことが望ましいでしょう。

上司は、部下が積極的にできるだけ本音で話せる雰囲気を作り、途中で割り込まず傾聴し、部下自身が気づきや解決に向けで思考できる流れを目指しましょう。

話を前向きに受け入れることで、部下も安心し、内容の濃い1on1が実践できるでしょう。

3.業務向上につながる会話で社員の目標意識を高める

上司は部下の話を聞き、良質な質問を投げかけることにより、課題や悩みの本質が明確化できます。

大切なのは非難や命令ではなく、考えや本音を引き出すアプローチをすることです。本質を捉えたアドバイスこそ、次のアクションを促し、目標達成に向けた意欲をかき立てます。

上司は面談の最後に、部下が面談前後で起きた意識の変化を感じられるようにまとめ、加えて目標達成のために必要なサポートをすることも伝えましょう。

4.1on1で話した内容は必ず記録する

部下の話した内容、面談中に起きた部下の変化などを記録に残しましょう。

複数の部下と面談をする中で記憶が混同してしまったり、時間の経過とともに記憶が薄れてしまうことを防ぎます。

面談ログに残すことで、過去からの成長や変化を見落とさず可視化でき、人事評価や人材活用の効率化にも繋がります。

5.継続的な実施が1on1の質を上げる

面談で課題の目線合わせをしても、状況に応じて課題は変化します。部下の悩みや課題を蓄積させないよう、継続的な1on1を実施し、こまめにキャッチアップすることが望ましいでしょう。

徐々に改善していけるよう繰り返し面談を実施し、部下のモチベーションを持続させることが大切です。上司の継続的かつ親身な対応こそ、部下との関係に良い効果が期待でき、円滑な情報共有や業務におけるコミュニケーションの活性化にも繋がるでしょう。

1on1ミーティングは、習慣化することで効果を発揮する長期的な取り組みです。数回おこなっただけで「効果がない」と判断しやめてしまうと、意味のない施策になってしまいます。

長い目で、上司と部下間のコミュニケーションと成長機会と捉え、取り組んでいきましょう。

6.1on1ミーティングの名前を設定

1on1ミーティングをそのまま使用してもよいですが、ポジティブで意欲が高まるようなMTG名を設定するのもよいでしょう。

目標に対する進捗が芳しくない場合でも、ポジティブなものであれば参加しやすくなりますし、硬いMTGの印象のままだと気が重くなりがちです。

どのような状況でも1on1ミーティングへの参加を心待ちにできるような設定をしておくのが理想です。

7.1on1ミーティングに適した場所を決める

1on1ミーティングを実施する場所を決めましょう。2人でおこなうMTGであるため、他者へ内容が聞こえてしまうような場所はよくありません。

また、ざっくばらんに話したい場合にはカフェや明るい場所へ移動して行うのもよいでしょう。1on1ミーティングは必ずしも毎回同じ場所、会議室だけに拘る必要はないということも認識しておきましょう。

8.日程は部下と一緒に決める

1on1ミーティングの時間や日程は部下と一緒に決めるようにしましょう。上司が勝手に日にちを指定してしまうと、強制されているように感じたり、余計に緊張させてしまう場合もあります。

リラックスして1on1ミーティングをおこなうためにも、部下と一緒に最適な日にちや時間を設定するのが理想的です。

9.時間の管理はしっかりおこなう

1on1ミーティングをする際も決められた時間内で満足できるミーティングにするよう意識しておきたいところです。

予定の終了時間を大幅に過ぎたりしないよう、時間を計っておくことや時間を意識して話を進めることも重要です。

1on1ミーティングの実施方法と流れ

  1. ステップ1:部下に1on1ミーティングの目的を伝える
  2. ステップ2:会議を設定する
  3. ステップ3:1on1ミーティングの実施と記録
  4. ステップ4:継続的な1on1ミーティングの実施

1on1ミーティングは上記のようなステップで実施する流れになります。流れのなかで注意したいのは、突如1on1ミーティングの実施を言い渡すのではなく、「部下の成長のために実施する価値あるミーティングをしたい」ということをしっかりと伝えることです。

何のためにどのような話をしたいかということもあらかじめ伝えておくと、部下も安心して1on1ミーティングに臨めるでしょう。

1on1ミーティングでのトピック例

実際の1on1ミーティングでは、話す話題やテーマに困ってしまう方も多いでしょう。主なテーマをご紹介します。

業務や目標関連

1on1ミーティングでは、業務に関する相談や目標関連についてアドバイスをもらうこともできます。

結果を出すだけでなく、従業員が成長していくためには、本人が自分で考えたり能動的に動けるように背中を押すようなスタンスでもよいでしょう。

プライベート

1on1ミーティングで信頼関係を深めるために重要なのが、業務外であるプライベートな話をしてみることです。

仕事で見せる顔とはまた違った一面を持っている場合もあり、プライベートの話はコミュニケーションを深めやすいトピックでもあります。

健康確認

業務を進めるうえで、健康面での不安がないかという点も配慮するようにしましょう。昨今では働きすぎや疲れの蓄積で、体調を崩すケースも少なくありません。

とくにメンタル面での不調がないかどうか、自然なかたちで聞き出せるとよいでしょう。

今後のキャリアについて

1on1ミーティングでは、将来のキャリアについて話したり方向性を決めていくことで、従業員のモチベーション向上に繋がる可能性も大いにあります。

実は昇進願望やマネジメントに興味があるというケースもあります。こうしら本人の希望を聞き出す場としても1on1ミーティングは重宝するでしょう。

企業や組織の方向性

1on1ミーティングでは、会社や組織の動きや今後の方向性について、説明することもできます。会社全体の込み入った情報や組織のリアルな動きについて耳にすることのない従業員もいるはずなので1on1ミーティングを利用して共有するのもよいでしょう。

しかし、1on1ミーティングの時間を会社や組織の話で使い切ってしまわないよう、時間配分には注意したいところです。

1on1ミーティングで部下の本音を聞き出すコツ

実際の1on1ミーティングで、部下の本音が聞きたいと思う上司も多いでしょう。本音を聞き出すコツをご紹介します。

コーチングとティーチングの違い

コーチングは、相手に質問と傾聴しながら、相手の主体性を大切にするコミュニケーション手法です。

一方のティーチングとは、相手の主体性を尊重することよりも「理想とされる答え」に相手を導くようなコミュニケーションの手法とされています。

1on1ミーティングの相手の年齢や立場によっても異なりますが、使い分けをしながら実施していきましょう。

部下の話に傾聴する

1on1ミーティングでは、相手の話に耳を傾けることが大切です。話をさえぎったり、否定してしまった場合、相手は恐縮してしまい、本音で話すこともできなくなります。

1on1ミーティングでは、とにかく相手の話を聞く姿勢を忘れず、肯定的に話を聞き入れ、進めていくようにしましょう。

上司も自己開示する

1on1ミーティングでは、従業員の話を聞くことはもちろんですが、上司自身も話をしたり、相手に知ってもらうスタンスでいることが重要です。

信頼関係を築く際には、どちらかの一方的なアクションではなく、双方が自分を開示して話すように心がけましょう。

話しやすい雰囲気を作る

1on1ミーティングでは、相手が話しやすい雰囲気を作るのも重要です。上司と1対1でのミーティングで、過度に緊張してしまうケースもあるため、堅苦しくないような気軽に話ができる雰囲気作りに努めましょう。

1on1ミーティングシートの活用

1on1ミーティングを行う場合は、話した内容を議事録のようにシートを活用することをおすすめします。前回の1on1ミーティングの内容を振り返る際や、上司からのアドバイスなどを改めて確認したい場合、記録してあると安心です。

また、シートを活用することで上司にもそのまま共有でき、お互いの1on1ミーティングの履歴としていつでも確認できるでしょう。

タレントマネジメントツールでの管理もおすすめ

現在ではクラウド上に1on1ミーティングについて管理できるサービスもあります。異動や引継ぎの際にも重宝しますので、チェックしてみるとよいでしょう。

タレントマネジメントシステムのスマカンは、人材データの一元管理、戦略的人事の実行をサポートしながら、各目標制度や1on1ミーティングの管理にも役立つツールです。

目標の管理においては、クラウド上で効率化可能です。進捗管理や集計、データの可視化なども魅力のひとつ。1on1ミーティングの内容も管理できるようになっています。

また、評価シートを自由に設計できるため、評価や1on1ミーティングの際にも、テンプレートを使用して簡単に行えるようになります。

スマカンは、多くの官公庁や大学法人、様々な規模の民間企業への導入実績を誇ります。業種や業態を問わず幅広い企業や公的機関で、人事業務の効率化や人材情報の一元管理、データ分析から組織強化につなげることができるでしょう。

用途に合わせた柔軟なプランでお使いいただけるのも魅力のひとつ。自社の人事課題や目的に合わせて必要なものをご利用いただけます。

スマカンでは、サービス資料はもちろん、様々な人事労務のノウハウに関する資料を無料でダウンロードいただけます。また、30日間の無料トライアルもご提供していますのでお気軽にお問い合わせください。

まとめ

1on1ミーティングは部下の成長を促進するために重要な上司との1対1のミーティングです。コミュニケーションをとるなかで、上司との信頼関係を深めながら主体的な行動や考えを育む重要な機会です。

従業員一人ひとりの成長は、企業や組織を強化し、業績にもよい影響がもたらされるため、積極的に導入・運用をしていくとよいでしょう。

1on1ミーティングを効率よく運用していくためには、ツールを活用するのがおすすめです。

1on1ミーティングの目的に沿った便利な機能やサービスを搭載した1on1ツールをチェックしてみましょう。

また、1on1ミーティングだけに特化したツールではないものの、タレントマネジメントシステムのひとつの機能として、人事戦略とも連動させながら1on1ミーティングを部分的にでも効率化していくという使い方もおすすめです。

最終的な目的をふまえ、効率的な1on1ミーティングの導入・運用を検討してみてはいかがでしょうか。

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