• 2022.10.20
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ミスマッチとは? よくある事例や原因と対策、対処法を解説

ミスマッチとは? よくある事例や原因と対策、対処法を解説

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企業における「ミスマッチ」とは、企業側のニーズと従業員側のニーズが合っていないことを指す場合が多いです。

ミスマッチが起きていると、従業員の生産性やモチベーションの低下、人間関係の悪化などにつながってしまう可能性があります。

当記事では、ミスマッチとは何か、それによって引き起こされるデメリット、原因と対策などを解説します。従業員との関係性に悩みを抱えている企業の方は、ぜひ参考にしてください。

>>>ミスマッチ防止にも役立つタレントマネジメントシステム活用法

目次(タップして開閉)

ミスマッチとは

「ミスマッチ(mismatch)」とは、「不釣り合い」もしくは「釣り合っていないものを組み合わせる」という意味の英語です。そのような状況はさまざまな場面で考えられますが、ビジネスにおいては「企業が求める内容と従業員が求める内容が釣り合わない」ときによく使われます。

企業ニーズと従業員のニーズのミスマッチは、離職の原因になります。厚生労働省の発表によると、新卒入社後3年以内の離職率は、高卒で36.9%、大卒で31.2%です。つまり約3人に1人が、入社して3年も経たずに早期離職しているということになります。

ミスマッチをできるだけ避けることが採用においては企業の課題となっています。

出典:『新規学卒就職者の離職状況を公表します』厚生労働省HP

アンマッチとの違い

ミスマッチとよく似た言葉に「アンマッチ(unmatch)」というものがあります。アンマッチとは、「一致しない」「対応しない」という意味です。

ミスマッチが組み合わせたうえで釣り合わない状態を指しているのに対して、アンマッチはそもそも組み合わせることができない状態を指しています。

ミスマッチは、採用後に企業と従業員との間に生じるズレのこと。条件が合わず採用できる人が見つからないようなズレがアンマッチということです。同じような意味で使われることもありますが、厳密にはニュアンスの違う言葉になりますので注意しましょう。

ミスマッチの例(種類)

企業と従業員の間のミスマッチには、パターンがあります。主なものを5つご紹介します。

人間関係のミスマッチ

入社後、人間関係のミスマッチが起きてしまうことはよくあります。

エン・ジャパンの調査によると、退職理由の本音として最も多かったのは「人間関係が悪かった」でした。選考の段階では採用担当者としか話さない場合も多く、入社してみたら上司や同僚との相性が合わないということはあるでしょう。企業側としても、面接では好印象で採用したところ、実際に働き始めたら周囲と問題を起こしてしまったというケースもあります。

出典:『退職理由のホンネと建前[2022年版]』

待遇や働き方のミスマッチ

待遇や働き方のミスマッチは、人間関係の次に多いとされています。たとえば「思っていたよりも賞与の額が少なかった」「聞いていた内容より残業時間が多かった」などがあります。

ミスマッチの原因は、入社前に人事担当者から伝える情報が不足していたり、求職者側が勘違いしていたりする場合が多いです。人間関係は入社してみないとわからない部分もありますが、待遇や働き方については気をつければ比較的に防げるものでしょう。

企業風土や文化のミスマッチ

企業風土や文化のミスマッチも、よく起こります。例としては「経営層の権力が強くトップダウンな組織だった」「成果主義・個人主義の考え方でプレッシャーが大きい」などが挙げられます。企業文化や風土そのものが一概に悪いとはいえませんが、入社前に抱いていた印象と実態が異なる場合には、退職につながってしまいます。

企業風土や文化のミスマッチに関しては、入社後でも丁寧に説明すれば、わだかまりが解消されるケースもあります。

業務内容やキャリアのミスマッチ

業務内容やキャリアに関するミスマッチは、たとえば「自分がやりたかった仕事ができない」「思い描いていたキャリアを歩めなさそう」といったものです。

特に新卒や未経験で起こりやすいミスマッチといえます。中途入社に比べて業界や仕事の内容に関する理解が浅いことが多いためです。従業員側の自己分析や企業研究の不十分さによるものもありますが、企業側としても業務や将来のキャリアについて理解や想像しやすくなるようサポートすることで、避けられる可能性はあるでしょう。

業務内容やキャリアのミスマッチは、異動や配置転換によって起きることもあるので注意が必要です。

能力や適性のミスマッチ

能力や適性のミスマッチは、「そもそも従業員の能力や性格が業務内容と合っていない」というケースです。企業が求めるレベルに従業員が達していない場合、業務がスムーズに進まないうえに従業員のモチベーションも下がりかねません。まずは選考の段階でスキルや適性が不十分な人を採用しないということが重要です。

ただし能力や適性のミスマッチは、入社後、教育によって従業員のスキルを企業が求める水準まで伸ばしたり、本来の能力が発揮できる部署に配置転換したりすることでカバーできる場合もあるでしょう。

ミスマッチによる企業側のデメリット

実際にミスマッチが起きると、企業側にどのようなデメリットがあるのでしょうか。主なものを4つご紹介します。

従業員のモチベーションの低下

ミスマッチを感じた従業員は、働くモチベーションが低下してしまいます。「自分の求めている待遇や働き方が叶わない」「自分の適性やスキルに合っていない仕事を求められる」といった状態では、生産性も落ちますし、十分な成果も出せないでしょう。より深刻な場合は、従業員が心身に不調をきたして、さらにパフォーマンスを落としてしまうこともあります。結果的に、業績や会社の成長は伸び悩むことにもつながります。

従業員にミスマッチを感じさせてしまうことが、最終的に企業側の損害になるのです。

社内の人間関係の悪化

ミスマッチを感じてモチベーションが低下している従業員は、周りの同僚にもマイナスの影響を与えることがあります。これまでは会社に対して不満を抱いていなかった従業員も愚痴や相談を聞くことで、だんだん不信感が芽生えていくかもしれません。また、従業員の中でモチベーションに大きな差が生まれると、足並みが揃わなくなって衝突が起こりやすくなります。

ミスマッチは従業員個人の問題ではなく、会社全体のチームワークの乱れや生産性低下にもつながるということです。

早期離職による採用コストの損失

入社後にミスマッチを感じ、それが解消されることはないと考えた従業員は、働いた期間にかかわらず退職してしまう可能性があります。そうすると従業員の採用と教育にかけたコストはすべて無駄になってしまうでしょう。

エン・ジャパンの調査では、社員1名が入社後3か月で離職した場合には、概算で187.5万円もの損失が出るという試算がされています。

出典:『なぜ人は辞めるのか? 退職を科学する』

ミスマッチの原因と対策

企業と従業員のミスマッチが起きてしまう原因と対策を、3つのポイントに分けて解説します。

募集段階でミスマッチが起きる原因

ミスマッチを防ぐうえで、まず重要なのが募集の段階です。募集する際に、業務内容や待遇、働き方などに関する情報の開示が不足していると、従業員との認識のズレが生まれる原因になります。マイナスな印象を与えそうな情報を隠し、よいところだけ見せようとする姿勢も大いに影響するでしょう。

またミスマッチの原因としてよく起こるのが、経営陣と現場の認識の相違です。経営陣や人事が設定した人材要件が現場が求めているスキルや適性と一致しておらず、結果的にズレが発生するパターンです。

面接でミスマッチが起きる原因

ミスマッチは、採用での面接の段階で、候補者と綿密にコミュニケーションをとり、お互いに理解を深めておくことを怠ると発生します。応募者のアピールを鵜呑みにしてしまったり、経歴やスキルばかりに気をとられてしまうなど、適性を見極められていないケースが原因の一つでしょう。ほかには、業務内容や待遇の話に終始してしまい、企業の理念や文化についての理解を得られない場合も同様です。

入社後にミスマッチが起きる原因

徐々にミスマッチを感じてしまうケースもあります。たとえば入社した直後はそこまで不満はなかったものの、会社の制度変更や配置転換による上司や業務内容の変更が、不満の火種になるのです。

ミスマッチを防ぐには、入社後に認識のズレや不安をなくすようフォローすることが大切です。募集や面接の段階で、企業理念や風土、働き方について伝えておくことも大事ですが、従業員が入社したあとには改めて丁寧な説明が必要になるでしょう。

ミスマッチが起こってしまったら

最後にミスマッチが起こってしまった場合の対処法をお伝えします。

できるだけ募集段階でミスマッチを防ぐ

ミスマッチが起こってしまったあとに対処するのは、非常に難しいことを理解しておきましょう。会社に対して不信感を抱いている従業員の気持ちを変えるのは、そう簡単ではありません。すでに退職の意思が固まっているとすれば、なおさら難しいでしょう。逆にスキルや適性が求める基準に達していない従業員がいたとしても、企業側の一方的な都合で辞めさせることはできません。

ミスマッチが起こらないように、できるだけ採用の段階で注意しておくことが何より重要なのです。

ミスマッチが起きてしまったら原因を究明する

それでもミスマッチが起きて企業と従業員の認識にズレが発生したら、どうするべきなのでしょうか。まずは可能な限り丁寧な説明やフォローをしましょう。それで両者の溝が埋まるなら一番です。

ただしミスマッチの原因を検討することを忘れてはいけません。それがわかっていなければ、同じようなことを繰り返してしまいます。

ミスマッチが起きてしまったら、原因を究明して次に活かしていくことが大切です。

タレントマネジメントシステムの活用も

ミスマッチが起こる前に、タレントマネジメントシステムを活用するのも一案として検討するといいでしょう。

タレントマネジメントシステムとは、経歴やスキルなどの人材情報を一元管理して、人事業務の効率化や人事施策への活用をサポートするツールです。社内で活躍している人材の特徴を分析して採用基準を明確にしたり、人材データをもとに希望や適性にあわせた人材配置を実施するなど、活用方法は企業課題によってさまざまです。

従業員アンケートを使って、ミスマッチにつながる予兆を見つけるなどの活用方法もあります。

ミスマッチを防ぐにはタレントマネジメント導入も

ミスマッチとは、企業側のニーズと従業員側のニーズが合っていない状態のことです。

採用ミスマッチが起きると、従業員のモチベーションや生産性が低下したり、早期離職によって採用・教育コストの損失につながったりしてしまいます。挽回は大変なので、タレントマネジメントシステムを活用するなど、できるだけ事前に対処しておきましょう。

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