• 2023.01.13  最終更新日2023.01.20
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福利厚生とは?最低限入れたい種類と事例、代行サービスも紹介

福利厚生とは?最低限入れたい種類と事例、代行サービスも紹介

福利厚生とは、企業が従業員とその家族の生活向上を目的として行う、給与やボーナス以外のサービス。昨今は働き方が多様化し、福利厚生で企業を選ぶ求職者もなかにはいるようです。労働環境を整えて優秀な人材を確保・定着させるには、福利厚生について最低限のことを知っておく必要があるでしょう。

そこで当記事は、福利厚生の基礎を中心に、企業が最低限入れておきたい福利厚生についてポイントを解説します。福利厚生そのもののメリット・デメリット、導入事例や代行サービスなどもヒントに、ぜひご活用ください。

目次(タップして開閉)

福利厚生とは【わかりやすく】

福利厚生とは、給与やボーナスといった労働対価とは別に、企業が従業員とその家族に提供するサービスを指します。導入が義務づけられている「法定福利厚生」と、任意で導入する「法定外福利厚生」の2種類があります。

まずは福利厚生の対象となる人物と上記2種類について解説します。

対象者

福利厚生の対象となる労働者は、すべての従業員です。正社員に限らず、契約社員、アルバイト、派遣社員も対象です。

以前は正社員だけを福利厚生の対象とする企業もありました。しかし、2020年4月に法改正された『パートタイム・有期雇用労働法』と『労働者派遣法』によって、福利厚生などの待遇において不当な差別が禁止されています。

また、福利厚生の種類によっては、従業員の家族にも認められた権利です。たとえば、保養所などを企業が保有する場合には、福利厚生として従業員の家族も利用できる場合があります。

種類

福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類があります。

法定福利厚生とは、企業に設置義務がある福利厚生です。労働基準法をはじめとした労働法規によって定められています。

一方、法定外福利厚生とは、法律では定められていない企業独自に設定できる福利厚生です。企業が自由かつ任意に内容を決められます。

福利厚生の最低ラインとは

福利厚生を導入するうえで、福利厚生の最低ラインについて知りたい方も多いでしょう。

企業が最低限において導入すべき福利厚生は、法律で設置が義務化されている「法定福利厚生」です。法定福利厚生には、以下の6種類があります。

厚生年金

厚生年金とは、老後の生活を支えるべく、国民年金に上乗せされる公的年金です。法定福利厚生では、会社が厚生年金保険料の半額分を負担します。

健康保険

健康保険とは、ケガや病気などの際に、医療費を一部負担してくれる公的な保険です。厚生年金と同様に、健康保険料の50%を会社が負担します。

介護保険

介護保険とは、要介護や要支援になった人に対して、かかる費用の一部を負担してくれる制度です。厚生年金や健康保険と同様に、介護保険料も会社が半額負担します。

雇用保険

雇用保険とは、従業員が失業した際などに給付を行い、生活の安定を目指すために設置された制度です。事業によって保険料の負担割合は異なりますが、会社は保険料の一部を負担します。負担率は、法律によって度々変動しています。

労災保険

労災保険とは、勤務中や通勤時のケガや病気に対し、必要な保障を実施する制度です。労災保険料については、会社が全額を負担します。 

子ども・子育て拠出金

子ども・子育て拠出金とは、子育て支援にかかる費用を負担する制度です。こちらは社会保険料である厚生年金と、一緒に徴収される税金です。従業員に子どもがいるかいないかは関係なく、会社が全額を納めます。

法定外福利厚生でも最低限入れたいのは?

法定外福利厚生は、法律的に導入しなくても会社が指導を受けることはありません。しかし、福利厚生は多くの労働者の関心ごとといえます。離職率や定着率にかかわり、働きやすい環境づくりにつながります。会社や事業主が、従業員を大切にしていると証明する要素にもなるでしょう。

そこで、法定外福利厚生であっても最低限入れておきたいものは何か? と考える方もいるかもしれません。最低限導入したい法定外福利厚生について、4つピックアップしました。

休暇

休暇はもともともともと法律で定められた従業員の権利です。法定休暇としては、年次有給休暇や産前産後休暇、育児介護休暇が挙げられます。

福利厚生として最低限導入しておきたい休暇は、慶弔休暇などが挙げられます。昨今はリフレッシュ休暇なども導入する企業が増えてきました。このような休暇を用意すると、従業員のモチベーション向上やコンディション維持につながるでしょう。

交通費(通勤費・通勤手当)

交通費も法定外福利厚生に該当しますが、多くの企業が採用しており、最低限入れておきたい福利厚生といえるでしょう。

交通費とは、通勤や営業活動などで発生する「電車代」や「バス代」の支給を指します。車通勤の従業員に対し、ガソリン代や駐車場代を支給するケースもあります。

交通費を福利厚生として支給できる限度額は、公共交通機関の利用者では15万円までです。それ以上だと所得と見なされ課税されます。ただし、車や自転車などの利用者は、距離に応じて限度額が変わります。

法定外健康診断への補助

健康経営が推進される時代背景もあり、法定外健康診断への補助も最低限押さえておきたい法定外福利厚生といえます。

企業には一定の条件を満たした従業員に、健康診断を受けさせる義務があります。正社員はもちろん、契約社員やアルバイトも同様です。

法定外健康診断の項目とは、法律で定められたもの一般健康診断以外のすべてです。たとえば、人間ドックや婦人科系の診断項目が該当します。

労働安全衛生法により、従業員のストレスチェックの実施は企業の義務となりました。従業員の心身の健康を保つことが、企業に求められてきています。

育児や介護への補助

働き方改革の推進やダイバーシティが叫ばれるなか、育児や介護に関する補助も、最低限入れておきたい福利厚生といえるかもしれません。

ベビーシッター代補助など金銭面に限らず、時短勤務やフレックスタイム制、リモートワークは喜ばれる制度です。労働力人口の減少が続くことが予想される今後、労働力の確保のためにも、多様な働き方を受け入れる体制が求められます。

人気の福利厚生の種類一覧

このほかにも、近年は多様な福利厚生が増えてきました。福利厚生によって独自性を打ち出す企業もあります。種類は、住まいにかかわるものや従業員の健康増進目的、生活全体をサポートするものなど、多種多様です。昨今は特に、医療や健康費用に関するものが人気のようです。

人気の福利厚生を、経団連の報告書をもとに表にまとめました。

住宅 住宅手当 住宅ローンや家賃の補助を目的とし、一定の金額を支給
引越し費用の補助 入職や転勤の際に、引越し業者代、住居探しでかかった交通費などを負担
住宅の提供 社員寮や社宅を設け、従業員に住宅を提供
医療・健康 健康診断の充実 法律で定められた健康診断項目以外の検査や、人間ドックを実施
健康相談窓口の設置 自身の健康、精神面に対する不安や、家族の健康相談などができる窓口の設置
スポーツ活動の補助 社内スポーツ活動への補助金支給や、外部コーチを招いてのスポーツ活動開催など
育児・介護 育児・介護休暇の増加 法律で決められた「育児休暇」や「介護休暇」の日数に対し、休暇期間を上乗せ
託児所の設置 施設内外に託児所を設置
ベビーシッター代の補助 仕事でベビーシッターに預けた際の金額を補助
慶弔・災害 慶弔金 自身や家族に「お祝いごと」や「お悔やみごと」があった際に金銭を支給
(例:結婚、出産、死亡、傷害)
災害見舞金 自宅が自然災害や火災で被害をうけた際に、金銭を支給
金融 財形貯蓄 給与の一部を金融機関で積み立て、退職後やまとまったお金が必要な際に使用できるよう準備
社内預金制度 希望者に対し、給与の一部を貯蓄する
持ち株制度 従業員が自社の株式を購入し、資産形成に役立てる制度

参照:『第64回福利厚生費調査結果報告 2019年度』日本経済団体連合会(2020)」

福利厚生を整備する必要性・メリット

福利厚生を整備すると、従業員はもちろん企業側にも多くのメリットが考えられます。福利厚生の必要性について、4つのメリットから解説します。

離職率が低下する

従業員や家族に合った福利厚生を導入すると、離職率が低下が期待できます。従業員満足度が高まり、モチベーションやエンゲージメントの向上にもつながるためです。

採用面でプラスの効果がある

人気の福利厚生が導入されている企業は、採用候補者からも人気が高いです。法定外福利厚生の導入は企業の判断に委ねられていますが、福利厚生が充実しているほど企業イメージの向上に寄与するのはメリットといえるでしょう。

節税ができる

福利厚生は節税対策になる点も、企業にはメリットです。法人税は、収入から経費を差し引いた金額で計算されます。福利厚生費は、経費として計上できるため、法人税を節約できる可能性があるのです。

福利厚生は人的資本情報の開示項目にもなっている

近年注目が高まっている人的資本経営においても、福利厚生は重要です。開示項目一例として、「福利厚生の種類や対象」が挙げられているからです。

福利厚生のデメリット

福利厚生を整備することは多くのメリットがありますが、反対にデメリットもあります。主なデメリットを3つご紹介します。

コストがかかる

福利厚生のデメリット1つめは、導入や運用時にコストがかかることです。少子高齢化の影響で、法定福利厚生に含まれる5つの社会保険料が増加傾向にあり、負担と考える企業は多いかもしれません。

管理が煩雑である

福利厚生が増えれば管理も煩雑になります。種類によって処理や運用が異なるため、担当者の負担になる点はデメリットといえます。時代背景に合わせて見直しが求められることもあります。

全員のニーズには応えられない

福利構成をいくら導入しても、すべての従業員全員のニーズには応えられません。多様な人がそろった組織の中で、価値観や好みはさまざまであり、すべてをかなえられないことは注意点として導入の際に意識しておくといいでしょう。

ユニークな福利厚生の例

ここまで福利厚生の種類やメリット・デメリットなどを紹介してきました。続いてユニークな福利厚生を実施する企業の事例を3社ご紹介します。

サイボウズ株式会社(妊娠判明時から産前休暇取得、退職後復帰OK)

サイボウズ株式会社はダイバーシティを推奨しており、多様性に対応できるユニークな福利厚生を用意しています。

たとえば、社員の妊娠が判明した時点から、産前休暇の取得ができます。また、退職後も6年間は復帰できるよう『育自分休暇制度』を設けているそうです。ほかにも『子連れ出勤制度』『副(複)業許可制度』といったユニークな施策があります。

ユニークな福利厚生のおかげもあってか、28%だった離職率が3%まで低下したそうです。

参考:『多様な働き方へのチャレンジ』サイボウズ株式会社

株式会社メルカリ(各種休暇、卵子凍結費補助)

株式会社メルカリは個人の価値を最大限に高めるために、多くのユニークな福利厚生を用意しています。

たとえば、家族のケガや病気でも休暇を取得できたり、自由なタイミングで『ユニーク休暇』が取得できたりするそうです。さらに高額な不妊治療費や卵子凍結費を補助するなど、少子高齢化も意識した制度を取り入れています。認可外保育園や病児保育の費用補助も、他社ではなかなか見られない内容でしょう。

参照:『ベネフィット』株式会社メルカリ

株式会社サニーサイドアップ(失恋休暇、フリマ、健康ボーナス)

株式会社サニーサイドアップは、一生懸命楽しく働けるよう、ユニークな福利厚生を豊富に整備している企業です。

具体的には、『失恋休暇』やプロポーズや告白といった勝負をかける日に休暇がとれる『恋愛勝負休暇』が挙げられます。ほかにも、従業員間で不要な服や家電を交換できる『サニカリ制度』、一定の基準を満たして痩せた人に健康ボーナス支給など、ユニークな福利厚生を展開しているそうです。

参照:『32 BENEFITS』株式会社サニーサイドアップ

福利厚生代行サービスについて

福利厚生の導入や管理の手間を省くには、代行サービスを利用するという手もあります。

福利厚生代行サービスとは

福利厚生代行サービスとは、人事や総務担当者などが行う福利厚生に関する業務を外部委託するサービスです。最低限入れるべき福利厚生について、アドバイスをもらえることもあります。

福利厚生代行サービスの内容

福利厚生代行サービスの種類は、パッケージ型とカフェテリア型が一般的です。

パッケージ型は、業者が厳選した福利厚生がセットになったものです。一つひとつ選択する手間暇がかからないため、すぐに利用したい企業に向いているかもしれません。

カフェテリア型は選択型ともいいます。従業員にポイントを付与し、各々が必要な福利厚生を選択してポイントを消費する形態です。

福利厚生代行サービスを利用するメリット

福利厚生代行サービスを利用する最大のメリットは、担当者の業務効率化です。導入から運用、見直しにかかる時間をすべて代行してくれるため、時間を有効に使えるでしょう。専門家目線で運用できるため、制度内容を充実できるといったメリットも考えられます。

福利厚生代行サービスの料金相場

福利厚生代行サービスの多くは月額料金制で、料金プランはサービスによってさまざまです。従業員1人当たりの、一般的な料金相場は以下の通りです。

パッケージ型300円~1,000円/月
カフェテリア型100円~300円/月

これとは別に、数万円ほどの初期費用が発生する場合もあります。カフェテリア型は、付与ポイントの原資が必要です。

まとめ

福利厚生には、導入が義務づけられている法定外福利厚生と、企業が任意で選べる法定外福利厚生があります。法定外福利厚生であっても、従業員の離職率や採用への効果を考えると、最低限のものは用意したいところでしょう。導入にはコストもかかるため、手当たり次第ではなく、自社にあった内容を選ぶのが大切です。

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記事監修

監修者

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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