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コア人材とは|特徴や育成方法と退職理由・防止策を解説
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コア人材とは、企業の中核(コア)となって事業を支える人材のことをいいます。変化の激しいビジネス環境に企業が対応していくには、みずから率先して行動できるコア人材が必要不可欠です。しかし、労働力人口が減少している昨今、コア人材の確保と定着が課題となっています。
当記事では、コア人材の特徴や年代別の育成方法、よくあるコア人材の退職理由とその防止策について解説します。コア人材の育成や定着に課題を抱えている人事担当者はぜひ参考にしてみてください。
目次(タップして開閉)
組織の成長に貢献するコア人材とは
コア人材とは企業の中核となって事業を支え、組織の成長に貢献する人材のことをいいます。
企業や業種によって求めるコア人材の要件は異なり「資格を持っているからコア人材」のような定義はありません。しかし、どの企業にも共通していえるのは、コア人材は企業のさらなる発展のために必要不可欠であるということです。
たとえば、創業したての企業であれば、何も整備されていない環境の中で指示を待つのではなく、みずから考えて主体的に行動できる人材がコア人材といえるでしょう。また企業が事業拡大に向けて動き出したときには、周囲と連携して動ける、協調性のある人物が求められるでしょう。
コア人材の要件は、企業の成長段階や社風によって異なりますが、事業の発展・継続にはコア人材の存在が欠かせないといえます。
コア人材の反対はフロー人材
コア人材と対になる言葉として、フロー人材が挙げられます。フロー人材とは、アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、契約社員など流動的な労働者を指します。
働き方が多様化したことで、正規雇用でも短期間で退職する人が多く、フロー人材は増加しているといえるでしょう。フロー人材の中には優秀な人材が含まれていることもあり、短期的な戦力として求められる可能性もあります。
そのため、人事担当者にとって「フロー人材をどのように活用して定着させるか」が課題となっています。
コア人材が求められる理由
IT技術の急激な発達によって市場ニーズの変化が速くなり、企業は経営のスピード化が求められるようになりました。刻々と変化する市場や競合企業に対応するには、状況の判断・意思決定・実行までを迅速に回さなければなりません。
こうした変化に対して素早く確実に対応するには、事業に精通したコア人材の存在が必要といえます。企業を発展させて、よりよい方向へ導くためには、コア人材の確保がカギとなるでしょう。
コア人材の特徴
事業を成長させていくうえでキーパーソンともいえるコア人材は、具体的にどのような人物を指すのでしょうか。
野村総合研究所は、コア人材について以下のように定義しています
企業において役職などに関わらず、企業競争上、他者との差別化を図る上でも不可欠となるコアとなる業務を担う、他の社員・職員では代替の効かない人物で、原則、代表者以外の者
引用:『コア人材の確保・定着のための戦略』株式会社野村総合研究所
このほかにもコア人材といわれる人は、
・右に出る者がいないほど高いスキルを持っている ・給与より仕事のやりがいを求める ・経営マインドを持っている |
などの価値観を持っているといわれています。事業の中核を担うコア人材は、自分の考えを持って発信でき、実際に行動に移せる人物であるといえるでしょう。
コア人材の役割【企業の成長フェーズ別】
企業が成長段階のどの位置にいるかによって、求められるコア人材の要件は変わってきます。企業の成長フェーズごとに、コア人材の役割をみていきましょう。
創業期:リーダーとして引っ張る役割
創業期は企業の方向性や組織体系、社内制度も整備されていない状態です。
社員もそれぞれ何をしていいのかわからず、業務が停滞しやすい創業期には、組織をまとめられるリーダー的役割がコア人材に求められます。また企業の基盤を創り上げるために、即戦力として貢献できる人物であることも重要です。
成長期:組織を強化する役割
成長期は、組織や制度などの会社の基盤が完成され、業績も上がり始めている時期です。
事業拡大に向けて新規事業も視野に入ってくる成長期は、業務や組織体系の見直しに貢献できるコア人材が求められます。マネジメント能力に長けたコア人材を配置することにより、組織をより強固なものにできるでしょう。
発展期:戦略を立てて実行する役割
企業の業績が順調になってきたら、新たな分野への進出や市場開拓など、事業のさらなる発展を目指す必要があります。
そこで他社と差別化をはかるために、自社の現状を正確に把握し、他社に差をつけられる戦略を立てることができるコア人材が求められます。マーケティング能力が高い人材や、率先して行動できる人材が重宝されるでしょう。
変革期:新たな価値を生み出す役割
変革期は今までの事業とは違う、新たな事業を展開していく時期です。
第二の創業期ともいえる変革期には、事業の新たな可能性を見出し、提案力を持ったコア人材が求められるでしょう。また、自社サービスの見直しや、市場の変化の再調査で活かせる分析力も求められるでしょう。
コア人材の育成メリット
コア人材は事業継続や発展を担う重要な存在といえます。新たな人材の確保が難しくなっている今、コア人材の候補を自社で育成することが重要になってきました。
ここでは、自社でコア人材を育成するメリットをみていきましょう。
生産性アップにつながる
社内で課題や問題が発生したとしても、コア人材は状況にあわせて最適な解決策を見出して行動に移す傾向にあります。コア人材は1人で解決しようとせず、リーダーシップを発揮して、周囲と協力しながら問題を解決へと導いていきます。
このようなコア人材のリーダーシップは、業務効率化にもつながり、企業全体の生産性アップが期待できるでしょう。
将来の幹部候補を確保できる
将来の幹部候補として、人材を採用するのは非常に難しいといわれています。
経営マインドを持ったコア人材を幹部候補として育成できれば、理念やビジョンを熟知した有望な人材に育つかもしれません。コア人材は重要な決断にもかかわることがあります。適切な判断ができるコア人材は、将来の幹部候補として貴重な存在といえるでしょう。
組織の安定化をはかれる
企業力を向上させるには、組織の安定化をはかることが重要です。
コア人材は、組織の改善に着手しながら、まとめ役として力を発揮します。何かしらの問題が発生しても、優れた統率力で場をまとめて安定化をはかり、社員が安心して業務に集中できる環境へと改善していきます。
他社に差をつけられる
自社の状況を正しく分析できるコア人材は、客観的に戦略を練る能力にも長けています。
提案力のあるコア人材がいる組織では、新しい商品やサービスが生まれやすいのが特徴です。競合他社との差別化をはかれるのも、コア人材を育成するメリットといえます。
コア人材の発掘と育成の方法
長期的に事業を継続させるためには、コア人材を確保できるか否かが重要かもしれません。
しかし、コア人材となる人物を採用するのは非常に難しく、企業は人材採用と並行して、コア人材の育成に力を入れる必要があります。
ここでは、コア人材候補を発掘するためのポイントと、育成方法をご紹介します。
候補者を発掘にはスキルの可視化が重要
コア人材候補を発掘するには、自社がコア人材に求めるスキルを可視化することが重要です。
コア人材に特徴的な「知識」「能力」「ポテンシャル」「性格」の4つの要素を可視化し、自社に必要な人材であるかを見極めます。4つの要素の中で、特にポテンシャルと性格は採用後に変化しづらい要素とされています。これらは自社の理念やビジョンをもとに、より具体的に定義しておくのがよいでしょう。
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若手コア人材の育成方法
若手コア人材を育成するには、経営者の声をダイレクトに届けることが大切です。会社の経営方針や将来のビジョンを伝え、事業成長のために何をしたらよいかなど、会社の色が伝わる研修を実施するとよいでしょう。
また、配属先以外の部署の事業内容を説明し、体験させることも有効です。会社全体を見る目が養われ、経営マインドが育つでしょう。
中堅コア人材の育成方法
業務を一通り経験している中堅コア人材は、研修による育成が効果的です。より広い視野で、物事を捉えられる人材を育成することを前提に役割を認識させ、リーダーシップをとってもらうように働きかけます。
コア人材の退職理由と退職を回避する方法
コア人材は仕事にやりがいを感じることや、自分の能力を活かせる環境を重要視する傾向があります。そのため、やりがいを達成できない企業には定着せず、退職してしまうことも多いです。
ここでは、コア人材のよくある退職理由とその防止策についてご紹介します。
退職理由1.成果に対する給料に納得できない
コア人材の退職理由で最も多いのが、成果に対する給料に納得できないことです。また給料が上がる見込みがないと、退職の意思を助長させてしまいかねません。
退職理由2.希望の仕事が与えられていない
仕事にやりがいや楽しみを求めるコア人材にとって、能力を活かせない環境は不本意といえます。自身の能力の発揮やキャリアアップができる環境へ移ることを望み、退職を考えてしまうコア人材もいるでしょう。
退職理由3.社長や経営陣と考え方が合わない
経営マインドを持つコア人材は、社長や経営陣と考え方が食い違うことがあります。話し合いを重ねても解決できないと、退職に至ってしまうケースもあるでしょう。不満を抱えていると、業務に支障をきたすこともあるため、防止策を講じる必要があります。
退職防止策1.評価に見合った賃金制度を整備する
コア人材の働きを正しく評価する「人事評価制度」を設け、評価に見合った賃金制度を整備する必要があります。さらに評価基準を1つに絞らず、成果に至ったプロセスを評価する制度を設けることも有効でしょう。
退職防止策2.重要なポジションに配置する
仕事へのモチベーションが下がっているコア人材には、新規事業の立ち上げやプロジェクトの推進、経営者とともに働くなど、フレキシブルに働けるポジションに配置するのが効果的といえます。業務を任せた際は、成果を適正に評価することを忘れないようにしましょう。
また研修や勉強会を設けて、成長の機会を与えるとモチベーションの低下を防げるはずです。
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退職防止策3.コミュニケーションできる機会を設ける
同じ企業で働く者同士であっても価値観は異なるため、考え方が合わないことは当然あるでしょう。そこで、経営陣側とコミュニケーションが取れる機会を設け、一方的に考えを押しつけないように、譲歩し合える環境をつくりましょう。
参照:『コア人材の確保・定着のための戦略』株式会社野村総合研究所
まとめ
コア人材とは企業の中核を担う人材であり、長期的に事業を継続していくうえで、必要不可欠な存在です。しかし、人材確保が難しくなっている昨今、コア人材の確保と定着が課題となっています。
能力の高いコア人材は、キャリアアップのために退職を選ぶことも多く、退職を防止する取り組みを行うことが重要といえます。コア人材を適正に評価するシステムの導入や、スキルの可視化を実施し、企業の未来を担うコア人材育成に力を入れていくとよいでしょう。
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