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クラウドソーシングの活用例とは? 仕事内容やメリット・デメリットを発注者・受注者側に分けて解説
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社内業務の効率化のために、アウトソーシングを考えている企業は多いでしょう。 そのときに選択肢の1つとなるのが、クラウドソーシングです。働き方の多様化やフリーランスの増加にともなって、クラウドソーシングを活用する企業や個人は増えています。
当記事では、クラウドソーシングの活用事例、発注者・受注者それぞれのメリットとデメリットを解説します。
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目次(タップして開閉)
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、不特定多数の人に業務委託するという意味の造語で、群衆を意味するCrowdと 業務委託を意味するSourcingを組み合わせたものです。
仕事を依頼したい企業や個人が、インターネット上で不特定多数の人に発注したり、デザインなどを募集したりするサービスです。外部企業や個人に業務を外注する仕組みは昔からありましたが、インターネットの普及とともにクラウドソーシングのサイトを介したやり取りが多く生まれてきました。
もともとはシステム開発関連の業務がメインでしたが、今ではさまざまな業務領域に広がっています。業務の一部からプロジェクト全体まで、比較的安価に発注できるため、利用が進んでいます。
クラウドソーシングの活用例と仕事内容
現在、さまざまな仕事がクラウドソーシングで発注されています。ここでは、主なクラウドソーシングの活用事例と仕事内容をご紹介します。
プログラミング
システム開発やアプリ開発など、JavaやC言語といったプログラミングの専門スキルが必要な仕事を発注できます。
プロジェクトの規模に合わせて、必要なスキルを持った外部人材に依頼することができ、自社でプログラマーやエンジニアを抱えることなく開発に取り組むことができます。
デザイン
Webデザインやロゴ、バナー、イラスト作成まで、大小問わずさまざまな案件を発注できます。
受注者はHTMLやCSSの知識、IllustratorやPhotoshopといったアプリケーションのスキルを問われることが多いです。初心者から高いスキルを持った人材まで、必要に応じて発注することで、求めるクオリティのデザインを制作できます。
動画編集・音楽制作
YouTubeなどの動画コンテンツがより身近になり、企業が商品PRに動画を使用する機会も増え、動画編集を発注することも増えています。
動画編集の場合、受注者は一定の動画編集スキルを求められ、Premireというアプリケーションのスキルを問われる案件が多いです。動画に使う音楽も、フリー音源ではなくオリジナル音源を外注することで、より自社に合った動画をつくることができます。
ライティング
自社HPや運営メディアに載せるコラムやブログの執筆を外注できます。
受注者は基本的にタイピングと文章作成のスキルがあればよく、初心者から高いスキルを持ったプロレベルのライターまで、必要に応じたレベルで発注できます。記事構成、キーワード選定、写真選定まで含めて発注するのか、ライティングのみ発注するのか、発注者によってさまざまです。
アンケート・モニター調査・口コミ投稿
商品PRのためのモニタリングやアンケート、口コミ投稿を外注できます。
業務にかかる時間が少ないものが多く、受注者は隙間時間を使って作業できます。とくにスキルを求められない仕事がほとんどで、その分1案件あたりの単価が安いです。そのため、大量に発注して多くのデータを集めることができます。
クラウドソーシング【受注者】側から見たメリット・デメリット
クラウドソーシングでは主に個人が受注しますが、受注者側から見たメリット・デメリットをご紹介します。
クラウドソーシング【受注者】側から見たメリット
まずは受注者側から見たメリットを解説します。
時間に縛られない
クラウドソーシングにおいて、ほとんどの仕事は成果の品質に対して報酬が設定されています。会社員のように管理されることなく、「いつまでに、どれくらいのものを」という納期があるだけです。合意した納期までに納品すればいいので、業務スケジュールは受注者に任されています。
業務によっては、通勤中や家事の合間など、隙間時間を使って進められるというメリットがあります。
仕事を自由に選べる
会社員だと、意に沿わない部署に配属され、希望しない仕事をしなければいけないこともあるでしょう。クラウドソーシングでは自分がやりたい仕事、気に入ったクライアントとの取引を選べます。
自分の能力や経験を最大限活かすことができ、趣味など好きな仕事をできる範囲で始めたり、挑戦したい仕事にチャレンジしやすいのも大きなメリットです。
営業活動・打ち合わせに時間を取られない
クラウドソーシングを利用すれば、場所に縛られず日本全国の仕事を選ぶことができ、クライアントのところに出向いて営業や打ち合わせをする必要がありません。
打ち合わせも対面ではなく、メールやチャットでのやり取りがほとんどなので、対面で行うよりも大幅に時間を短縮できます。その分、業務にかける時間を増やすことができ、複数の仕事を掛け持つことも可能です。
クラウドソーシング【受注者】側から見たデメリット
続いて受注者側から見たデメリットを解説します。
単価が低い案件が多い
ばらつきはありますが、クラウドソーシングの単価は低いものが多いです。時間単価で考えると、自分のスキルや時間を提供するのをためらう仕事も多くあります。
自分がスキルアップし、納品物の品質も向上することによって、単価を上げてもらったり、より単価の高い仕事を獲得できる可能性もあります。
慣れていない発注者とのトラブル
さまざまな企業や個人が登録しているため、なかには慣れていない発注者もいます。
いざ受注してみると、「聞いていた業務内容と変わってきてしまう」「報酬の支払いが遅れる」「必要のない修正を求められる」などのトラブルが起こりがちです。
受注者が安心して仕事を受注できるよう、クラウドソーシングの運営側も監視をしてサービスの品質を保っていますが、受注する際には発注者の実績や評価、本人確認状況などを見て判断する必要があります。
コミュニケーション不足になりがち
クラウドソーシングは対面でのやり取りが少ないため、意思の疎通が不十分になり、互いの認識に食い違いが生まれてしまうこともあります。オフィスでなら声を掛けて質問すれば解決することも、「きっとこうだろうな」と憶測で作業を進めてしまいがちになります。そうすると、あとから無駄な修正が必要になることもあります。
インターネット上でのやり取りだからこそ、発注者・受注者ともに綿密なコミュニケーションを心掛けたいものです。
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クラウドソーシング【発注者】側から見たメリット・デメリット
次に、クラウドソーシングでの発注者側から見た、メリット・デメリットを見ていきましょう。
クラウドソーシング【発注者】側から見たメリット
まずは発注者側から見たメリットを解説します。
コストを抑えられる
該当業務を行うために直接社員を雇用すると、多大な金銭コスト、教育コストが発生することもあります。クラウドソーシングを活用すれば、コストを抑えて専門スキルを持った人材にアウトソーシングできる可能性が高まります。
人を直接雇用する必要がなく、一人前の仕事ができるまでに教育する時間をカットでき、大幅にコストカットをはかれます。長期継続して発注する案件において受注者との信頼関係ができれば、業務のやり取りや確認にかかるコストも短縮できます。
高い専門スキルを持ったプロに依頼できる
クラウドソーシングのサイトには、高い専門スキルを持つフリーランス人材が多く登録してる可能性があります。社内にはいない、高いスキルを持った人材にアプローチできるため、「これは」という人材に依頼できるのはクラウドソーシングならではのメリットです。
コア業務に集中できる
クラウドソーシングで専門スキルを持った人材にアウトソーシングすることで、自社の社員はコア業務に集中することができ、業務効率化を進めることができます。発注前には「社内のどの業務がコア業務なのか」「どの業務をアウトソーシングしたらいいのか」という事前の見極めが重要になります。
関連記事 コア業務・ノンコア業務とは? |
クラウドソーシング【発注者】側から見たデメリット
続いて発注者側から見たデメリットを解説します。
自社のノウハウが流出する可能性がある
社外の人材にアウトソーシングするため、業務に関する自社のノウハウが流出する可能性があります。また、機密情報の流出にも最大限の注意が必要です。
自社のノウハウを流出させたくなければ、事前にNDA(秘密保持契約書)を締結するなどして、自衛する必要があるでしょう。
自社にノウハウが蓄積しない
クラウドソーシングでアウトソーシングすると、業務のノウハウが自社に蓄積していかないというデメリットがあります。業務を任せている優秀な人材が自社の従業員であれば社内で独占できますが、アウトソーシングであれば独占できません。
社内にノウハウを蓄積したい業務はアウトソーシングせずに、システムツールを導入するなど、ほかの方法で業務効率化を目指すといいでしょう。
求める提案や人材が見つからない場合がある
業務によっては、求める提案や人材がなかなか見つからない場合があります。
クラウドソーシングのサイトによって特徴があり、さまざまな業種を総合的に扱っているサイトや、専門的な業種に特化しているサイトもあります。アウトソーシングしたい業務の取り扱いが多いクラウドソーシングのサイトを選ぶことがポイントです。
クラウドソーシング【発注者】依頼の仕方
クラウドソーシングでは、仕事の依頼方法は1つではありません。大きく分けて3種類あり、タスク方式、コンペ方式、プロジェクト方式と、発注内容に適した発注形態を選択できます。
タスク方式
タスク方式は、受注者の選定や交渉を行うことなく、クラウド上で作業してもらう発注形態です。作業内容に問題がなければ、報酬を支払います。アンケートなど、単純作業を大量に発注したいときに向いています。
コンペ方式
コンペ方式は、報酬と求める成果内容を提示して募集し、集まった成果物の中から気に入ったものを選ぶ発注形態です。ロゴやデザインなど、複数の中から気に入ったものを選びたいときに向いています。
プロジェクト方式
求める成果や予算を提示したうえで提案(見積もり)を募集し、気に入った提案者を選ぶ発注形態です。受注者選定後に、報酬や計画を相談しながら進めたい仕事に向いています。
クラウドソーシング【発注者】よくある失敗例
クラウドソーシングを活用する時によくある、発注者側の失敗例をご紹介します。事前に知っているだけでも対策が打てるので、参考にしてみててください。
応募がない
仕事の募集をしても応募がなく、アウトソーシングが進まないことがあります。その理由は「業務内容が不明確」「報酬が安い」「発注者についての情報が少なく、不安にさせる」などが考えられます。
クラウドソーシングサイトを利用する場合、他社の案件を参考に、業務内容や会社情報はなるべく詳しく、分かりやすく記載しましょう。受注者はほかの案件と比較して決めることが多く、不安要素が多いと応募に至らない結果となります。
提示する報酬も、相場内で適正な価格を提示した方がよいでしょう。高すぎても低すぎても、「何か裏があるのでは?」 と不審に思われやすいです。
受注者と連絡が取れない
プロジェクトの途中で受注者と連絡が取れなくなってしまう場合もあります。受注者がメッセージに気づいていない場合もあるので、数回メッセージを送ってみましょう。
それでも返事がなければ、クラウドソーシングサイトのサポートを受けて対処することもできます。期日を設けて連絡の催促を行い、それでも連絡がつかなければ、プロジェクトがキャンセルとなります。
受注者とトラブルになる
業務内容や報酬などについて、受注者とトラブルになることもあります。話し合って解決できればよいのですが、難しければクラウドソーシングサイトのサポートを受けて解決することもできます。
トラブルが発生しても、第三者のサポートを得られると安心です。
自社に適したクラウドソーシングの活用を
社会情勢の変化や業務の効率化を進めるにあたって、クラウドソーシングを活用するのは、今や一般的になりつつあります。これから活用を考えている企業は、クラウドソーシングサイトに問い合わせ、実際の依頼の流れなどを無料で相談もできます。
業務効率化や社内の課題解決には、クラウドソーシングのほか、自社に適したシステムツールを導入するのも一案です。
記事監修
スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎
2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。
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