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従業員満足度と顧客満足度の相関とは? 業績や収益向上の仕組み満足のピラミッドをもとに解説

従業員満足度とは?顧客満足度の向上にもつながる施策やES調査の方法をチェック

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従業員満足度が高い企業は、前向きな業務姿勢が顧客サービスに反映され、結果として顧客満足度の向上に寄与するといわれています。この相関関係は、業績や収益の向上に直結し、企業の持続可能な成長を支えるでしょう。

しかし「本当に従業員満足度の向上に取り組むと、顧客満足度も高まるのか」「従業員を大切にしたところで、業績にまで影響するわけはない」という声も聞かれます。

そこで当記事は、従業員満足度と顧客満足度の正の相関関係についてご紹介します。満足のピラミッドやサービス・プロフィット・チェーン(SPC)などのモデルを用いて、互いにどのように影響し合い、最終的に企業の業績や収益にどのように寄与するかをご理解いただけるでしょう。

これから従業員満足度の向上に取り組む企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

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目次(タップして開閉)

    従業員満足度(ES)と顧客満足度(CS)とは

    まずは顧客満足度と従業員満足度は、どちらも企業の成長に欠かせない指標です。まずは2つの言葉の意味を確認しましょう。

    もう十分に理解しているという人は、この段落を飛ばし、「顧客満足度と従業員満足度の相関」の段落からお読みください。

    従業員満足度(ES)とは

    従業員満足度とは「従業員がその仕事や職場にどのくらい満足しているか」を測る指標です。es(employee satisfaction)とも表記され、仕事内容や職場環境、給与待遇だけでなく、人間関係や福利厚生、ワークライフバランスという要素もかかわります。

    アメリカの臨床心理学者、ハーズバーグが提唱した二要因理論(動機付け・衛生理論)によると、従業員満足度は「動機付け要因」と「衛生的要因」の2種類によって決定づけられます。

    動機付け要因は「満足度を引き上げる要因」です。

    ・上司からの承認
    ・昇進
    ・成長している実感

    衛生的要因は「満足度を低下させる要因」です。

    ・心身の健康状態
    ・会社での人間関係
    ・職場環境

    従業員満足度が上がると

    ・生産性の向上
    ・優秀な人材定着率の向上
    ・従業員エンゲージメントの向上

    というメリットが得られ、企業の成長につながるでしょう。

    顧客満足度(CS)とは

    顧客満足度とは、「企業から商品やサービスを購入した顧客がどのくらい満足したか」を測る指標です。cs(customer satisfaction)とも表記され、顧客の期待値が大きくかかわっています。

    顧客が商品やサービスを購入したときに、期待していた以上の効果や性能を感じると、その商品、サービスに対する顧客満足度は高まります。反対に、期待していたよりも不満点が多いと顧客満足度は下がります。

    顧客満足度が上がると

    ・競合優位性の獲得
    ・売上の増加
    ・新規顧客の獲得

    というメリットを得られるでしょう。顧客満足度は業績向上や利益率の向上に関係する大切な要素です。

    従業員満足度(ES)と顧客満足度(CS)の相関

    従業員満足度と顧客満足度には相関があるといわれています。つまり、従業員満足度が上がると顧客満足度も上がることによって、最終的に業績にも好影響が期待できるのです。

    従業員満足度が高い→顧客満足度も高い
    従業員満足度が高い→顧客満足度も高い

    その仕組みや2つの指標の関連について解説します。

    満足のピラミッド

    従業員満足度が上がると顧客満足度も上がる仕組みは、「満足のピラミッド」という概念で説明されています。

    まず従業員満足度が上がると、社員のモチベーションが高まることで、社内連携が強化されます。優秀な人材も定着しやすくなるでしょう。組織力が高まると、質の高い業務を効率的に遂行できるため、労働の生産性も向上します。

    結果的に顧客に対してよりよいサービスを提供できるため、顧客満足度が上がるとともに、業績向上を実現できるのです。

    満足のピラミッド

    業績が向上すると、教育制度の充実や職場環境の改善など、従業員へ還元されることも多く、従業員満足度はさらに上がっていく好循環が生まれるでしょう。

    このような好循環は「満足度のピラミッド」と呼ばれており、総合シンクタンクの三菱総合研究所が提唱しました。

    業績が上がっている企業は、満足のピラミッドの好循環を上手に回せている企業といえるかもしれません。

    サービス・プロフィット・チェーン(SPC)

    「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」も、従業員満足度と顧客満足度の相関を説明するモデルとして有名です。このモデルは、企業が今いる従業員を尊重することで、結果的に顧客満足度と企業収益の向上につながる仕組みを説明しています。

    ハーバードビジネススクールのヘスケット教授やサッサー教授によって提唱されました。基本のサイクルは次の通りです。

    サービス・プロフィット・チェーン(SPC)

    上記のステップはさらに細分化されて、7つのステップに分かれます。7つのステップは次の通りです。

    1.従業員へのサービス品質が従業員満足度を上げる
    2.従業員満足度が上がると生産性や貢献度も上がる
    3.生産性や貢献度が上がるとサービス品質が上がる
    4.サービス品質が上がると顧客満足度も上がる
    5.顧客満足度が上がると顧客ロイヤルティも上がる
    6.顧客ロイヤルティが収益性を高め、企業の成長につながる
    7.高い収益と企業の成長が、従業員に還元される

    企業の活動7つのステップ
    企業の活動7つのステップ

    各段階が順調に循環すると、従業員・顧客・企業の3者にとってメリットのある相関関係が生まれます。

    つまり収益を向上させたいなら、多くの従業員にとって魅力ある職場づくりに取り組むといいでしょう。従業員に対して手厚いサービスを提供し、従業員満足度を向上させることは、顧客満足度を向上させる土台となり、業績向上という結果につながる可能性があります。

    従業員満足度と顧客満足度の相関を示した資料・調査

    最近では「従業員満足度(ES)なくして顧客満足度(CS)なし」といわれるほど、2つの相関は強いという考えが広まってきました。両者の相関を示した資料や研究データをご紹介します。

    従業員満足度と顧客満足度の重視は人材確保につながる

    厚生労働省の資料では、従業員満足度と顧客満足度の相関を次のように紹介しています。

    「従業員と顧客満足度の両方を重視する企業」は、「顧客満足度のみを重視する企業」と比べ、業績が向上し、人材確保ができている

    引用:「魅力ある職場づくり」で生産性向上と人材確保 - 厚生労働省

    顧客満足度だけに注力しても従業員満足度や収益は上がらない

    Salesforceは、300名の経営幹部にアンケートを実施し、従業員の体験価値を重視して改善施策を行っている企業の成長スピードが速いことを導き出しています。一方で、顧客体験だけに注力している企業では、収益への影響が見られませんでした。

    参照:『従業員体験と顧客満足度の向上が増収スピードを1.8倍に高める理由』Salesforceブログ

    従業員満足度も顧客満足度も高い企業事例

    従業員満足度の向上に力を入れて顧客満足度や業績の向上に成功した企業の事例をご紹介します。

    株式会社セールスフォース・ドットコム

    セールスフォース・ドットコムの人事部門は、従業員を「社内のお客様」と位置づけ、その成功を支える部門として人事施策を展開しています。従業員を家族のように扱い、自己実現をサポートしたり互いに助け合う文化を醸成することで満足度を高めてきました。

    その結果同社は、2019年度に「働きがいのある会社ランキング」で1位を獲得し、安定的な成長を見せています。

    参考:『2019年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング 145社』 株式会社働きがいのある会社研究所

    スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

    スターバックス コーヒー ジャパンも、従業員満足度と顧客満足度の相関を重視している企業の一つです。同社が掲げる信条の中では、第一に「働きやすい環境を提供すること」を挙げています。

    同社のコーヒーショップを愛するがために、社員になった者もいるそうで、従業員満足度と顧客満足度の好循環が生まれている事例といえるでしょう。

    参考:『良い行動を習慣化させる、スターバックス流のフィードバック』

    従業員満足度を高めて顧客満足度・業績の向上へ(まとめ)

    当記事では、従業員満足度と顧客満足度の相関関係と、それが企業の業績や収益に与える影響について解説しました。

    従業員が満足していると、そのポジティブな態度が顧客サービスに反映され、顧客満足度が高まるという相関関係があります。そして最終的に企業全体の増収につながり、それらを従業員に還元することで、「従業員満足度」「顧客満足度」「業績」が上がる好循環が生まれるでしょう。

    自社の従業員満足度を高めるために、まずは現状の満足度を測るために従業員へのアンケート調査から始めてみてはいかがでしょうか。

    そのほか従業員満足度向上につながる具体的な施策例は、下記の記事でご確認いただけます。

    タレントマネジメントシステム『スマカン』は、従業員エンゲージメントの把握に役立つ機能を多数備え、社員に向けたストレスチェックや職場満足度調査、企業理念 の理解度テストなど、自社に合わせた運用が可能です。

    また、1on1や面談時のログを蓄積し、社員の意図を汲み取ったキャリア支援や適材適所が実践できます。目的に応じて欲しい機能だけを選べる料金プランでご利用いただけますので、多機能過ぎて使いこなせないといった無駄はありません。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。


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