• 2022.02.10
  • タレントマネジメント

「顧客満足度」×「従業員満足度」の相乗効果が業績向上のカギ 理由とその関連性を調査

「顧客満足度」×「従業員満足度」の相乗効果が業績向上のカギ 理由とその関連性を調査

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顧客満足度と従業員満足度が業績に影響を与えることは分かっていても、どんな関連があるのか分からない、そんなマネジメント層の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、その関連性について具体的に説明します。

従業員満足度とは?

従業員満足度とは「従業員がその仕事、職場にどのくらい満足しているか」を測る指標です。es(employee satisfaction)とも言われており、仕事内容や職場環境、給与待遇だけでなく、人間関係や福利厚生、ワークライフバランスといった要素も関わってきます。

アメリカの臨床心理学者、ハーズバーグが提唱した二要因理論(動機付け・衛生理論)によると、従業員満足度は「動機付け要因」と「衛生的要因」という2種類の要因によって構成されます。

動機付け要因は「承認」「昇進」「成長」など「満足度を引き上げる要因」。
衛生的要因は「心身の健康状態」「会社での人間関係」「職場環境」といったように、
「満足度を低下させる要因」だとされています。

従業員満足度が上がることで、生産性の向上、人材定着率の向上、エンゲージメントの向上といったメリットが得られ、企業の成長やナレッジに大きく関わります。

顧客満足度とは?

顧客満足度とは、企業から商品やサービスを購入した顧客がどのくらい満足したか、を測る指標です。cs(customer satisfaction)とも言われており、顧客の期待値が大きく関わっています。
顧客が商品やサービスを購入した時に、期待していた以上の効果や性能を感じれば、その商品、サービスに対する顧客満足度は高まります。反対に、期待していたよりも不満点が多ければ顧客満足度は下がります。

顧客満足度が上がることで、競合優位性の獲得、売上増加、新規顧客の獲得といったメリットを得られます。顧客満足度は業績向上や利益率の向上に関係する大切な要素です。

従業員満足度が高い→顧客満足度も高い
従業員満足度が高い→顧客満足度も高い

従業員満足度=顧客満足度=業績につながる理由

2015年に厚生労働省が作成した「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」報告書によると、
「従業員と顧客満足度の両方を重視する企業」は、「顧客満足度のみを重視する企業」と比べ、業績が向上し、人材確保ができている。とされています。

引用:「魅力ある職場づくり」で生産性向上と人材確保 - 厚生労働省

ではなぜ、「従業員満足度と顧客満足度」「業績」の間にこのような相関関係が生まれるのでしょうか?

満足のピラミッド

従業員満足度が上がると、社員のモチベーションが高まり、優秀な人材が定着し、業務の質・生産性が上がります。すると顧客に対してより良いサービスを提供が可能となり、顧客満足度が上がり、競争優位性が得られ、結果的に業績が向上します。

業績が向上すれば従業員への還元、教育制度の充実、職場環境の改善ができ、さらに従業員満足度が上がる、という好循環が生まれます。

この好循環が生まれる仕組みは、総合シンクタンクの三菱総合研究所が提唱した「満足のピラミッド」というフレームワークによって示されています。

満足のピラミッド

業績が上がっている企業は、この好循環をうまく生み出せている企業だと言えます。
この好循環は、ハーバードビジネススクールのヘスケット教授等によって提唱された「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」のフレームワークにおいても確認することができます。

従業員満足度(ES)なくして顧客満足度(CS )なし

業績が上がっている企業は、この好循環をうまく生み出せている企業であると言えます。
この好循環は、ハーバードビジネススクールのヘスケット教授等によって提唱された「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」のフレームワークにおいても確認することができます。

サービス・プロフィット・チェーン(SPC)

「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」において、企業の活動は7つのステップに分けられます。

企業の活動7つのステップ
企業の活動7つのステップ

それぞれの段階がうまく機能し、循環することで従業員・顧客・企業の3者にとってメリットのある相関が生まれます。 

上述した2つのフレームワークから、業績を向上させたい企業がまず取り組むべき施策は、従業員にとって働きやすく働きがいのある魅力ある職場づくり=従業員満足度の向上、ということになるのではないでしょうか。

従業員満足度の向上こそが、顧客満足度・業績向上の源であり土台であるとも言えます。

従業員満足度の高い企業の特徴

それでは、従業員満足度の高い企業の特徴をいくつか見ていきましょう。

当事者意識が強い

「従業員が受動的」「指示以外のことはやろうとしない」「意見がない」といった従業員の主体性のなさを課題と感じる経営者・管理職の方も多いかと思います。

従業員満足度の高い企業では、従業員の当事者意識が強く、業務が「自分ごと」になっていて、積極的・自発的に業務に関わっています。その結果、新しいアイディアや、より良いサービスが生まれやすい環境が整っていると言えるでしょう。

働きやすい環境が整備されている

従業員が「仕事と家庭を両立しやすい」「ライフスタイルに合った働き方が出来る」と感じる企業と、残業過多で休みも取りづらい企業とでは、従業員満足度に差が出るのは明らかです。

従業員満足度の高い企業には、ワークライフバランスに配慮した制度改革や、従業員の声に沿った施策で、職場環境を改善した事例が多くあります。

経営理念や企業ビジョンへの理解が深い

従業員満足度の高い企業では、経営者が発した企業理念やビジョンに対する理解や関心が高い特徴があります。従業員が理念・ビジョンに共感していることで、企業に一体感が生まれ、一丸となって業務に取り組むことで生産性が高まります。

適切なコミュニケーション

従業員満足度の高い企業では、職場の風通しがよく、コミュニケーションが適切に行われています。
普段からコミュニケーションが活発であれば、互いに業務のフォローもしやすく、大きな間違いやトラブルを防ぐことができます。

また有益な意見交換から新しい知見が構築されるなど、生産性の向上や業務の改善が期待できます。

従業員満足度の低い企業の特徴

続いて、従業員満足度の低い企業の特徴を見ていきましょう。

自分の仕事にしか興味がない

従業員満足度の低い企業では、従業員が自分の担当業務にしか興味がなく、他部署の動向や企業理念やビジョンに関心がない、という特徴があります。

その場合、企業としての目標や他部署の動向が把握できず温度差が生じたり、例えば業務改善の指示が出ても、改善の必要性を理解できず、会社に対する不満が増すばかりで生産性が上がらない、ということにもなりかねません。

コミュニケーションが消極的

「上司・部下間の風通しが悪い」「職場の雰囲気が殺伐としている」
そんな職場では、従業員が互いにフォローし合う関係性が構築できず、ミスやトラブルが起こりやすくなります。チームとしての一体感が生まれず、業務効率の悪い状態が続いてしまう可能性もあるでしょう。

離職率が高い

仕事に対するモチベーションが上がらず、不満が多い会社に積極的に残りたいという人は少なく、人材が定着するのは難しいでしょう。採用・育成コストもかさみ、継続的な業務改善を見込めません。

従業員満足度調査(ES調査)で社内状況を把握

従業員満足度を上げるには、社内状況を把握し、従業員の個人的な状況を適切に知る必要があります。
定期的かつ適切な調査をすることによって、社内環境の整備や組織風土の見直しが可能となり、結果として離職率の改善や生産性向上など、企業・組織にプラスの効果をもたらします。

社内において効果が期待できる調査にはどういったものがあるのでしょうか。

従業員満足度調査の方法|アンケート作成方法や項目をチェック

従業員満足度調査(ES調査)の設計方法、やり方、具体的な例としてアンケートの項目をチェックしてみましょう。

従業員満足度調査|目的の設定

従業員満足度調査(ES調査)を設計する場合、まず初めに調査目的を設定します。調査の目的を明確にしていないと、調査することが目的となり調査自体が形骸化してしまう可能性があります。

「調査をしただけで満足」にならないためにも、目的を明確にすることが重要です。例として以下のような目的を設定します。

・職場環境の改善
・離職率の改善

・社内の生産性向上

アンケート項目の設定

アンケートの項目例をチェックしてみましょう。

調査項目は、調査の目的により適切なものを設定していきます。例えば、「従業員エンゲージメント向上」を目的として調査をおこなう場合には、下記のような項目を設定します。

・企業理念、企業目標への理解度
・人事評価制度への満足度
・業務内容に関する満足度
・育成制度に関する満足度
・給与、処遇への満足度

・福利厚生の満足度
・人間関係の満足度
・上司満足度
・キャリアプランへの満足度
・労働環境への満足度

回答方法・回答期間の設定

アンケートを行う際にはテンプレートなどを利用し質問や回答方法を設定し、回答期間は1週間〜10間前後に設定します。回答方法には以下のような方法があります。

回答率を上げるポイント
・回答数はなるべく少なめに設定する
・答えやすい質問にする
・無記名回答にする

集計・分析

アンケートの回答が終了したら、集計と分析をおこないます。

調査でできる分析
・項目の平均、偏差値を集計
・対象者全体の平均、組織、属性別の平均値の比較
・組織、属性別の割合、平均値の比較
・前回調査時との比較、変化

・項目間の相関関係

調査の集計・分析には複数の方法があります。

単純集計

「単純集計」とは、社内・組織全体の傾向を把握する際に用いられます。

単純集計は、アンケートの項目ごとにデータを集計し平均値を割り出します。その結果を相対的に見て数値が高い項目、低い項目を分析することで、社内の状況や課題点を把握する方法です。組織の課題が見つけられるだけでなく、定期的に実施することで半年前、一年前と現在を比較しどう変化したかがわかります。

クロス集計/クロス分析

「クロス集計/クロス分析」とは、単純集計をおこなったデータをもとに、特定の属性とアンケート項目をかけ合わせて、年齢や部署、職種ごとに傾向を調べる分析方法です。

クロス分析により、例えば新入社員のエンゲージメントを調べたり、各部署やチームごとの従業員の状況を把握することが可能となり、離職率の低減や従業員エンゲージメントの施策を打つための材料となります。

満足度構造分析

「満足度構造分析」は、自社への満足度が高い人の傾向を把握する方法です。自社へのエンゲージメントが高いなど、総合的な満足度が高い場合、何か1つに満足できているわけではなく、他の項目への満足度も高くなる傾向がわかります。そのため、従業員満足度の高い従業員の傾向を把握しやすくなるのです。

例えば、総合的に満足度の高い社員の多くが、給与などの待遇、処遇面で満足しているという結果なら、インセンティブや昇給制度をさらに充実させることで、組織全体としてさらなる従業員満足度の向上に繋がることが予測できます。

社員・従業員数が多いほど、アンケートの集計作業に多くの人員とや工数がかかりますが、現在ではシステム上でアンケートの実施や集計ができる人事管理システムなどを導入し効率化する企業が増えています。

施策の検討・立案

アンケートの回答、集計と分析を通して課題が把握できたら、次に対策や施策の検討に入ります。課題によって打つべき対策や施策はそれぞれ異なりますが、目的をもって調査が実施された場合には自ずと打つべき施策が見えてくるでしょう。施策例として、以下のようなものがあります。

・人事評価制度の見直し
・教育制度の設計、構築
・社内コミュニケーション方法の改善
・福利厚生の充実
・人員配置、人事異動
・新規採用計画

調査と分析の結果、人事評価制度への満足度が低いことが把握できたとします。この場合の施策例として、「評価基準の見直し」「評価の偏りの是正(甘辛調整の導入など)」「目標管理の設定」「スキル管理の実施」など、人事評価制度の抜本的な見直しや評価に関連する施策の検討が可能となります。

フィードバック

従業員満足度調査の実施に基づいて施策をした結果、社内環境や従業員の状況がどう変化したのか、といった振り返りも重要です。期間を定めて、半年前、一年前に実行した施策の効果を検証する必要があります。

その状況により、例えば「業績が上がった」「生産性が上がった」「業務効率化できた」「社内コミュニケーションが活発になった」「離職率が下がった」などの効果が出ているかを冷静に見極めることが大切です。

もしも施策を実施したにもかかわらず、効果が出ていなかったり、むしろ「生産性が下がった」「離職率が変わらない」「人事評価制度がうまく運用できていない」などの問題が続いてしまうこともあります。

逆を言えば、新たな課題が発見できることもあるため、従業員満足度調査(ES調査)を継続的に実施することで、組織や従業員にとって常により良い環境づくりをする意識が必要となります。

従業員満足度を上げるには?

従業員満足度を上げるには、どうしたらいいのでしょうか?
ハーズバーグの二要因理論によれば、従業員満足度は満足度を上げる要因である「動機付け要因」と満足度が下がる要因である「衛生的要因」という2種類の要因によって構成されると前述しました。

満足度を上げる「動機づけ要因」のみに力を入れても、満足度の下がる「衛生的要因」が改善されなければ、従業員満足度は上がらないでしょう。
つまり、まず「衛生的要因」への取り組みから従業員の不満を減らし、「動機付け要因」を高めることで従業員満足度を高めていく必要があります。

衛生的要因のポイント

従業員の不満に繋がりやすい「心身の健康状態」「会社での人間関係」「職場環境」といった従業員エンゲージメントを意識した取り組みがポイントです。衛生要因は具体的な課題が抽出しやすく、対策しやすい傾向があります。

ポイント① 企業理念・ビジョンへの共感

「いつの間にか理念が忘れ去られてしまう」「上司や同僚との間に、理念の解釈にズレを感じる」ということはよくあることです。企業理念やビジョンを共有しつつ、従業員と共に成長したいという旨を定期的に伝えていく場を設けましょう。

企業理念やビジョンに沿っている、と感じられる従業員の活躍や行動の実例を紹介するのもオススメです。

ポイント② 快適な職場環境

ワークライフバランス・福利厚生・社内インフラの整備を通して、「安心できる」「働きやすい」と感じられる職場環境を作りましょう。

「休みが取りづらい」「定時で上がれない」という声があれば、業務手順や優先順位、会議の必要性などを見直して改善点がないか確認してみましょう。テレワークを導入している企業であれば、試験導入とモニタリング調査を行ってみるのもオススメです。

ポイント③ 良好な人間関係

組織内の良好な人間関係は従業員の心理的安全・生産性の向上につながり、コミュニケーションが円滑・活発になります。そのため業務上の連携やフォローもスムーズになり、生産性を高めることになります。
個々の相性もあるので対応が難しいケースもありますが、社内SNSやチャットツールの活用、社内報の作成、1on1ミーティングでのヒアリングや座席のフリーアドレス制など、コミュニケーションが生まれる機会を創出する工夫が考えられます。

ポイント④ 適切な評価と給与

成果に見合った評価や給与はモチベーションに直結する大切な要素です。従業員が納得できるように、評価基準が明確で、評価者の感情に左右されない評価制度の構築が重要です。公平性や妥当性を高めるため、人事評価システムを使ってMBOや360度評価を取り入れるのもオススメです。

動機づけ要因のポイント

仕事に対する前向きな姿勢につながる「承認」「昇進」「成長」といったエンゲージメントを高める要素への取り組みが重要なポイントになります。
従業員が「仕事にやりがいがある」「適切な裁量権を与えられている」「成果がきちんと承認される」と感じられることが大切です。

ポイント① 適正な業務内容

従業員のスキル・能力・興味関心に沿った人材配置であれば、よりパフォーマンスを発揮しやすくなり、従業員の満足感も上がります。一人ひとりの強み・弱み、得意分野やスキル管理が難しい場合は、人材管理システムの活用によって補完することも可能です。

ポイント② 適切な責任・権限の付与

従業員のスキルに合った適切な権限、裁量が与えられると、仕事に対する姿勢がより主体的になり、従業員の自己肯定感・満足感の向上にもつながります。
「上司が取るべき責任を押し付けられた」「嫌な仕事を丸投げされた」と従業員が感じないよう、業務の方向性を事前に確認しておく、フォローは適宜行う、という姿勢を示すことは重要です。

ポイント③ 成長・昇進できる環境

「もっと成長したい」という従業員のポジティブな意欲を引き出す環境づくりは大切です。従業員一人ひとりの成長速度・レベルに合った業務やポジションを割り振り、従業員がより成長しやすい環境を作りましょう。客観的に自分自身の成長過程を見られるよう、スキルマップの活用・フィードバックも有効です。
数値化された目標を掲げることも重要です。目標が具体的に数値化されていることで、成果が見えやすくなります。

ポイント④ 業績の承認

組織内で業績を承認されることで、次のモチベーションにつながります。社内表彰や上司が言葉で直接言葉で伝えることはもちろん、メッセージカードやチャットツールなどを使って、社員同士が互いを承認するという文化を醸成している企業もあります。

まとめ

業績向上のカギとなるのは顧客満足度と従業員満足度の相乗効果であり、「ES(従業員満足度)なくしてCS(顧客満足度)なし」ということがお分かりいただけたかと思います。

自社の従業員満足度を高める取り組みに関して、まずは現状を把握するために従業員へのアンケート調査から始めてみてはいかがでしょうか。

タレントマネジメントシステム「スマカン」は、従業員エンゲージメントの把握に役立つ機能を多数備え、社員に向けたストレスチェックや職場満足度調査、企業理念 の理解度テストなど、自社に合わせた運用が可能です。
また、1on1や面談時のログを蓄積し、社員の意図を汲み取ったキャリア支援や適材適所が実践できます。

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