- 2023.03.24
2023.05.22
- タレントマネジメント
- 人事戦略
従業員満足度(ES)とは|要素やメリット、向上させる方法を解説

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従業員満足度とは、従業員が働くうえで仕事や環境にどれくらい満足しているかをあらわす指標です。従業員満足度は従業員のモチベーションやパフォーマンスにも大きな影響を及ぼすため、できるだけ向上させたいという企業が多いのではないでしょうか。
しかし、従業員満足度の調べ方や従業員満足度を高める方法がわからないという企業も少なくありません。
そこで当記事では、従業員満足度とは何かについて解説しながら、従業員満足度のはかり方や高める方法をご紹介します。従業員満足度の向上を目指している企業や、人材の定着率に課題を感じている企業の経営層や人事担当者はぜひ最後までチェックしてみてください。
目次(タップして開閉)
従業員満足度(ES)とは?
従業員満足度とは、企業の従業員が仕事や職場環境に満足している度合いを示すものです。英語では「Employee Satisfaction」といい、頭文字をとって「ES」と呼ばれることもあります。
従業員満足度が高ければ、人材の定着率やパフォーマンスの向上が期待できます。反対に従業員満足度が低い場合は、離職率の悪化やパフォーマンス低下を招き、さまざまなコストがかかる要因にもなるでしょう。
そのため、企業における「従業員満足度」は、人材確保や生産性向上、コスト削減などあらゆる面で重要なポイントといえます。最終的には、従業員満足度が顧客満足度につながり、業績にも影響する可能性があります。
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従業員満足度=顧客満足度=業績につながる理由
従業員満足度と顧客満足度、業績の関係性について、厚生労働省の資料によると以下のように記載されています。
「従業員と顧客満足度の両方を重視する企業」は、「顧客満足度のみを重視する企業」と比べ、業績が向上し、人材確保ができている
引用:取り組みませんか?「魅力ある職場づくり」で生産性向上と人材確保|厚生労働省
なぜ、「従業員満足度と顧客満足度」「業績」の間にこのような相関関係が生まれるのでしょうか。
満足のピラミッド
従業員満足度が上がると、社員のモチベーションが高まり、優秀な人材が定着するため、業務の質や生産性が向上します。すると顧客に対してよりよいサービスを提供できるため、顧客満足度が上がり、結果的に業績向上につながるのです。
業績が向上すると、教育制度の充実や職場環境の改善など、従業員へ還元されることも多く、さらに従業員満足度が上がるという好循環が生まれるでしょう。この好循環は「満足度のピラミッド」と呼ばれ、総合シンクタンクの三菱総合研究所によって提唱されました。

従業員満足度(ES)なくして顧客満足度(CS)なし
業績が上がっている企業は、満足のピラミッドの好循環を上手に回せている企業といえるでしょう。ハーバードビジネススクールのヘスケット教授も「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」という同様のフレームワークを提唱しています。

「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」では、企業の活動を7ステップに分けています。


各ステップがうまく循環することで、従業員・顧客・企業の3者にとってメリットのある相関関係が生まれるのです。
以上の2つのフレームワークから、企業が業績を向上させたいなら、取り組みたいのは魅力ある職場づくりに取り組むのがいいでしょう。職場改善によって従業員満足度を向上させることこそが、顧客満足度向上の土台となり、業績向上につながるからです。
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従業員満足度(ES)を構成する要素とは?
従業員満足度は、企業にとって重要なポイントだということがわかりました。ここからは従業員満足度を構成する具体的な要素について、詳しく見ていきます。
企業理念や行動方針
従業員満足度における要素の1つめは、企業理念や経営方針です。
従業員が企業の考え方や進むべき方向性に共感していれば、本人が任された業務や、組織としてとるべき方針にも違和感なく取り組めます。納得感を持ちながら業務パフォーマンスにつなげられるでしょう。
反対に企業理念や経営方針に共感が得られていないと、納得できていない状態が続くため、ストレスが溜まり、従業員満足度の低下を招くかもしれません。
仕事内容
従業員満足度における要素の2つめは、仕事内容です。
従業員が個々の知識やスキルを活かして仕事ができていると、意欲の向上を促し、成果にもつながりやすいため、従業員満足度が向上します。しかし、仕事内容に不満があると、意欲やエンゲージメントの低下につながり、従業員満足度も低下してしまうでしょう。
マネジメントや評価
従業員満足度における要素の3つめは、従業員に対するマネジメントや評価です。
マネジメントや評価において、上司から適切な指示や指導を受け、信頼関係を構築することがポイントです。そのうえで適切な評価が行われていると、納得感も得られやすく、従業員満足度も向上しやすいでしょう。
反対にうまくマネジメントができていないと、評価に不信感を生み、納得感が得られない可能性があります。結果的に従業員満足度の低下にも起因するでしょう。
人間関係
従業員満足度における要素の4つめは、職場における人間関係です。
職場における人間関係が良好な場合、ストレスが少なく、安心して働けるため、従業員満足度にも大きく影響するでしょう。反対に人間関係がよくないと、不安やストレスを溜め込んでしまい、従業員満足度が低下してしまいます。
職場環境
従業員満足度における要素の5つめは、職場環境です。
働き方や仕事量、働く環境など従業員が働きやすい環境であればあるほど、従業員満足度も向上するでしょう。反対に、ワークライフバランスが保てないような働き方や仕事量、環境の場合、過重労働につながり、従業員満足度が低下する要因になります。
待遇
従業員満足度における要素の6つめは、待遇です。従業員満足度は、役職や成果に見合った賃金が支払われていることで、向上しやすいといえます。
一方で、見合った給与がもらえていない場合、意欲の低下を招き、従業員満足度の低下にもつながります。
福利厚生
従業員満足度における要素の7つめは、福利厚生です。各種手当や休暇制度・教育制度が充実していると、安心して働けるため、定着率の向上に影響します。従業員満足度も安定しやすいといえるでしょう。
一方で福利厚生が整っていないと、長期で働くことに不安を感じてしまい、従業員満足度が低下する恐れもあります。
従業員満足度(ES)を高めるメリット
従業員満足度を高めるメリットには、どのようなものがあるでしょう。具体的なメリットについてご紹介します。
人材の定着率向上
従業員満足度を高めると、人材の定着率が向上しやすくなるでしょう。
従業員満足度が高い状態は、仕事や職場環境に満足しているといえるため、従業員の定着につながります。人材の定着率が向上すると、人材確保に寄与し、採用における企業のイメージアップも期待できるでしょう。
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生産性の向上
従業員満足度が高まると、生産性向上が期待できるでしょう。
従業員満足度が高い状態では、意欲的に仕事に取り組むため、無駄のない行動につながります。生産性が高まると、さらなる成長意欲や成果にも結びつきやすくなり、好循環が生まれやすくなるでしょう。
顧客満足度の向上
従業員満足度が高まれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
従業員満足度が向上すると、従業員の業務パフォーマンスが向上し、新たなアイデアやサービスの質、顧客対応の向上が期待できます。その結果、サービスや商品を受け取る顧客の満足度に良い影響がもたらされるでしょう。
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従業員満足度(ES)を測定する方法
従業員満足度を高めるためには、現状の従業員満足度を測定する必要があります。しかし、従業員満足度を測定するには、どのような手順をとればよいのでしょうか。そこで、従業員満足度の測り方についてご紹介します。
目的を明確化する
従業員満足度を測定する際は、何のために測定するのか目的を明確にします。
・企業や人材課題としてどのような課題があるのか ・測定結果をどのように活用するのか |
また、目的を明確にしたあとは、測定に協力してもらう従業員に対しても説明しましょう。
設問を策定する
次に、従業員満足度を測定する目的に即した設問を設定しましょう。対象者の役職によって、設問内容も調整する必要があります。設問数も多くなりすぎないよう配慮しましょう。
測定を実施する
次に従業員満足度の測定を実施します。注意点として、測定を実施する前に、回答の共有範囲や測定結果の活用に関するルールを決めておきましょう。
測定結果を分析する
従業員満足度の測定が終了したら、測定結果を分析します。単純な測定結果だけを見て終わりにするのではなく、データを組み合わせたり比較したりしながら分析しましょう。
結果を踏まえた対策を立てる
測定結果や分析結果を踏まえたうえで、今後の対策案を立てましょう。測定結果によっても対策方法は異なりますが、
・待遇や労働条件面の見直しと改善 ・福利厚生の見直しと改善 ・職場環境の見直しと改善 ・人材育成に関する方向性の確認と見直し |
などが対策例として挙げられるでしょう。今後の対策において、これまでと変更点が生じた場合は、従業員にも共有するようにしましょう。
従業員満足度(ES)を高める具体的な方法

従業員満足度を高める方法にはどのようなものがあるのでしょうか。従業員満足度を高めるためには、各要素ごとに対策が必要な場合もあります。そこで、従業員満足度を高めるための具体的な方法をご紹介します。
企業理念やビジョンの浸透と共有
従業員満足度を高めるためには、要素の一つでもある企業理念や経営方針など「企業のビジョン」への理解と共感を得ることが重要です。
ビジョンを理解して共感されることで、組織として一体感が生まれやすくなるためです。ビジョンに共感してもらえると、会社のために取り組もうとするエンゲージメントの向上も期待できます。
「企業のビジョン」の浸透をはかるためには、全体共有や各部署ごとのミーティングなどの場を活用しながら、理解や共感を深められるようにしましょう。
適材適所の配置
従業員満足度を高めるためには、適材適所の配置を行い、従業員が仕事内容に納得して取り組めることが大切です。
本人のスキルや経験、希望を考慮したうえで適切な配属ができると、さらなる活躍や成長が期待でき、満足度やエンゲージメント向上につながるでしょう。
従業員のスキルや経験を理解したり、社内公募制度などを活用して希望を考慮するなど、さまざまな方法で適材適所の配置の実現に向けて取り組むとよいでしょう。
働き方や職場環境の見直し
従業員満足度を高めるためには、柔軟な働き方への対応や職場環境の見直しも方法の一つです。
育児や介護など従業員の家庭事情やワークライフバランスを整えることで、長期で働ける安心感につながります。
また、労働時間や仕事量の見直しなども含めて環境を改善できると、より一層、従業員満足度の向上が期待できるでしょう。
評価制度の見直し
従業員満足度を高めるには、適切な評価を行うことも重要です。
従来の評価制度を見直したうえで、公平で適切な評価制度を運用できると、納得感のある評価になり、従業員のエンゲージメントが向上しやすくなります。適切な評価は、給与や待遇にも反映されるため、より従業員満足度を向上させられるでしょう。
関連記事 人事評価制度の見直しポイント |
福利厚生の充実
従業員満足度を高めるには、企業における福利厚生の整備も大切です。金銭的な手当てや補助、特別休暇など、独自の福利厚生を用意すると、自社への満足度も向上します。
福利厚生は工夫によって独自の内容を整備できるため、従業員満足度調査やアンケートなどを活用して意見を募るのもよいでしょう。
ツールやシステムの活用
従業員満足度を高めるためには、従業員満足度の調査ができるツールや人材管理を行うシステムの活用も方法の一つです。従業員満足度調査に特化したツールなら、質問設計から集計、分析まで一連の流れを効率化しながら調査を進められ、従業員満足度の向上にも役立てられます。
また、人材管理システムを活用すれば、従業員のスキル管理を効率化したうえで、適材適所の人材配置にもつながるでしょう。
従業員満足度(ES)にはタレントマネジメントシステムも有効
タレントマネジメントシステムは、従業員データを一元管理しながら、さまざまな機能を活用して戦略的な人事施策の実行をサポートするシステムです。
従業員データではスキルや経験、特性なども管理できるため、適切な人材配置に役立てられるでしょう。さらに、アンケート機能やサーベイ機能が搭載されているシステムなら、従業員の声を拾い上げられます。
アンケート機能や従業員データ管理なら『スマカン』
『スマカン』は、人材データの一元管理や可視化、最適な人材配置、優秀な人材育成、納得感のある人事評価など、戦略的人事の実行をサポートするタレントマネジメントシステムです。
『スマカン』には、充実したアンケート機能も搭載されています。
従業員満足度、研修の感想、理解度テストなどさまざまなアンケートを自由に作成でき、回収ルートや記名の有無なども設定可能。アンケート結果の可視化も簡単なため、分析もしやすいでしょう。
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まとめ
従業員満足度は、仕事や組織への満足度を示すものです。人材定着や生産性向上にもつながるため、企業として従業員満足度の向上を目指したい企業も多いでしょう。
まずは現状の従業員満足度を測定したうえで、何を改善すべきなのかを抽出することが大切です。改善すべき点が抽出できたら、課題や要素に沿って対策を実施しましょう。
また、従業員満足度調査ツールや人材管理システム、タレントマネジメントシステムの活用もおすすめです。従業員満足度の向上を効率的に進めたい場合は、ぜひチェックしてみてください!

記事監修

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎
2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。
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