• 2022.11.18
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心理的安全性を高める方法| 施策や事例などを解説

心理的安全性を高める方法| 施策や事例などを解説

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組織のメンバーが人間関係などをおそれず、思っていることを率直に伝えたり、行動したりできる状態にあるかどうかはとても大切なことです。気兼ねなく発言し、動くことができる状態が保たれているチームや職場は「心理的安全性が高い」組織といえるでしょう。


心理的安全性は、チームパフォーマンスや生産性の向上などに大きな影響を及ぼします。一方で「心理」は明確に測定が難しい部分でもあります。心理的安全性の大切さを理解してはいるものの、確保する方法については何となくわからない……という方も多いのではないでしょうか。

そこで当記事ではチームの心理的安全性を高め、向上するための効果的な方法をご紹介します。実際の施策と事例を絡めてご紹介しますので、自社のチームづくりにお役立てください。

目次(タップして開閉)

心理的安全性とは

心理的安全性とは、組織の中で遠慮なく、自らの考えや意見を安心して発言できる状態が保たれていることをいいます。誰かに拒絶されたり、発言によって罰せられたりするなどの対人関係や人間関係への心配をする必要がないことを意味します。

組織行動学の研究者であるエイミー・C・エドモンドソン氏が “psychological safety”として提唱したことを契機に、組織マネジメントにおいて頻繁に用いられるようになりました。加えてエドモンドソン氏の研究をベースにGoogle社が「効果的なチーム」の共通点として心理的安全性が関連していると分析したことで、より注目が集まりました。メンバー個人、また全体のパフォーマンスを高めるうえで、心理的安全性の向上の重要性がより強調されてきています。

安心して意見が言い合える状態

心理的安全性の高い組織では、チーム内で誰がどのような発言をしても非難されたり、拒絶されたりする状態にはなりません。つまり、誰もが安心して発言や行動を行える場が維持されているチームであることを意味します。

たとえ異論や新しい考えであっても、ポジティブに意見を出し合える、話し合える環境があってこそ、心理的安全性が高いチームが成立しているといえるのです。心理的安全性が高い組織は、結果的にチーム内で互いをフォローし合える、いい関係性を築くことができる場として機能していくことがわかっています。

心理的安全性がビジネスで注目される理由

チームにおける「心理的安全性」の重要さに着目し、研究に取り組んだのがハーバード大学教授エイミー・C・エドモンドソン氏です。「率直な意見交換をしても、対人関係を悪くするような心配をしなくてもいい」という概念=「心理的安全性」が保たれている組織と定義づけました。

そして心理的安全性がより注目されるようになったのは、2012年にGoogle社がスタートした実験「プロジェクト・アリストテレス」の結果が発表されたことによるものです。そもそもGoogle社では、よいチームの条件において重要だと考えられてきたのは「人員の構成」部分でした。

しかし4年にわたる分析と研究の結果、人員の構成内容は無関係に、チーム全体で「心理的安全性」が共有されている組織こそ、実績を上げているというデータを得たのです。Google社は高い生産性を上げるチームの条件として心理的安全性が土台になっていると発表します。そこで「心理的安全性」がビジネスにおいても脚光を浴び、注目されることとなりました。

心理的安全性が低い職場の課題

組織での心理的安全性が低いと、思いや考えを明かせなくなります。たとえば業務上の疑問が生じても、上司や同僚に尋ねられず、そのまま進めざるを得ません。結果として大きなミスへとつながる可能性も出てきます。

実際にミスが生じた際も報告が遅れたり、ミス自体を隠してしまったりするかもしれません。心理的安全性が保たれていないため、ミスや過ちを素直に報告すれば、非難を受けたり、罰せられたりするという「不安」が先立ってしまうのです。

同様にせっかくのアイデアや新しい企画についても、「話しても否定される」「受け入れられない」との心理は働いてしまいがちです。メンバーのモチベーションも低下し、組織としての成長も望めない職場になるリスクが生じます。心理的安全性が低く、風通しの悪い職場では、多くの課題が山積みになってしまうでしょう。

心理的安全性を高める効果・メリット

心理的安全性が高く、対人関係における配慮をしなくてもいい組織では、意見交換が活発になります。自分の発言が業務内容にいい影響を及ぼすため、個々人のモチベーションアップにもつながるでしょう。結果としてチームや自社へのエンゲージメントも高まる効果が期待できます。各々のスキル・パフォーマンスが向上した結果、チーム全体の生産性の底上げにもつなげられます。

遠慮することのなく意見交換ができる職場や組織には、人材も定着します。心理的安全性が高いことで離職率を下げるメリットもあるでしょう。また、疑問点などが質問しやすいため、業務上のミスも減り、仮に問題が生じても隠すような風土ではなくなるはずです。

心理的安全性の高いチームでは人材育成の面でも、大きな効果を発揮すると考えられます。コミュニケーションがとりやすく、新しいアイデアなども採用されやすいため、多彩なスキルを持った人材が集まってくる点にも期待できます。

心理的安全性を高める方法

企業において、心理的安全性がもたらすメリットは多岐にわたるとご理解いただけたと思います。組織やチームのメンバーが「心理的に安心感を抱ける」環境を実現できるかどうかが到達点です。

メンバーの発言や行動で人間関係の悪化が生じることのない風通しのいい職場づくりを目指さなければなりません。では実際に心理的安全性を高めるためには、どのような方法で取り組めばいいのでしょうか。心理的安全性を高めるための具体的な方法について解説します。

互いの価値観を認め合うこと


第一に相手を尊重し、それぞれの価値観を認め合うことです。ごく基本的な事項のようですが、心理的安全性を高めるためには不可欠なポイントです。ただ、日常の忙しさにかまけておろそかにしがちな部分でもあります。日々の挨拶を返す、メールは迅速に返信する、目を見て話すなど互いの信頼関係を築くことで、安心感が醸成されます。感謝の気持ちを忘れず、チームメンバーに向き合うよう心掛けていきましょう。

チームとして思いや目標など共通認識を持つ

心理的安全性を確保しようと尽力しても、チーム全員の理解を得られないケースもあるかもしれません。

特に発言するのが苦手なメンバーは、発言することそのものに意義が見出せないと感じているかもしれません。何のために自由な発言を求めているのかを明らかにし、チームとしての共通認識を持つのも大切です。「新しいアイデアを求めている」「ユーザーに自社商品の新たな魅力を発見してほしい」などチームに合った共通認識を用意するといいでしょう。加えてメンバーが、「発言してよかった」と感じるような成功体験を実現できるような工夫も必要です。

誰もが発言しやすい雰囲気づくりに配慮する

心理的安全性を高めるために、誰もが発言しやすい状況をつくる必要があります。とはいえ、チームメンバー皆が活発な意見交換を行うためには、時間がかかります。たとえばミーティングでも、はじめは1人1回、順に発言できるよう進行する側が采配するのも一案です。また上司やリーダー自身がメンバーに歩み寄るのも一つの方法です。常に皆を引っ張っていくだけでなく、人間としての弱い部分、率直な本音をさらけ出す部下や他のメンバーも意見を出しやすくなります。

業務内容以外の会話も行うようにする


立場が異なる関係性にあっては、なかなか心理的に発言がしがたい部分があるのも事実です。そこで場の雰囲気を和ますアイスブレイクも時には必要となります。業務とは関係の薄い会話をきっかけにして、緊張感や威圧感をほぐすのもおすすめです。雑談や世間話、業界の関連ニュースなどが会話の糸口となるはずです。ただ、個人的な事情に立ち入ったり、相手に無理強いをしたりしないよう心掛ける必要もあります。心理的にリラックスできるような適度な会話をすることが肝心です。

心理的安全性を高める施策

心理的安全性を維持できる環境が整ったら、具体的な施策に移ります。心理的安全性を高める方法の実践です。

明確な評価基準を設け、定期的に見直す

企業において、チームメンバーが活発に意見を出せないのは、発言によって評価が下がるリスクを予測しているからでもあります。心理的安全性が確保されたチームであれば、実績につなげることも可能でしょう。

ですから、個人として評価するのではなく、チームの働きや実績に応じた評価システムに変えるのも一つの方法です。評価基準やシステムに不満を感じていることが、率直に発言できない理由にもなり得ます。公平な評価基準に見直すなど、評価基準を明確にし、時期ごとに見直すよう企業として取り組む姿勢が重要です。

1on1やメンター制度などを取り入れる

心理的安全性を高めていくには、立場の違いが壁になる場合もあります。新入社員や若手がチームで発言するのは、とても勇気がいることです。一方、1対1でなら本音を明らかにできるメンバーもいます。1on1を積極的に取り入れ、「味方になってくれる、信頼できる上司がいる」と理解してもらうのも大切です。

社歴の近い先輩社員が若手をフォローするメンター制度も同様です。発言しても大丈夫なんだという安心感をもたらすフォローやサポートを実施しましょう。

ピアボーナスの実施

チームの構成員同士で、感謝や評価を行うピアボーナスを実施するのも効果的です。「この人の気遣いで職場が明るくなった」「細やかなサポートで体系立てて業務をこなせた」など、従業員同士での称賛点を実際のポイントとして付与するシステムです。

お互いに認め合う関係を築ける職場は、心理的安全性が高い職場と言い換えることもできます。従業員同士が対話を通して学びを深め、協力し合うピアラーニングを取り入れるのも有効な方法です。

心理的安全性を高める施策の事例

心理的安全性を高めるため、さまざまな企業が実際に施策を導入しています。

具体的な施策を取り入れることで、心理的安全性を確かなものにした企業の事例をご紹介します。

お互いをメルチップで称えるメルカリ

「限りある資源を循環させ、より豊かな社会をつくりたい」をスタンスにフリマアプリを運営するメルカリ。株式会社メルカリではピアボーナス制度として「メルチップ」を導入しています。「メルチップ」は従業員同士でお互いを褒め合い、感謝の気持ちをこめて報酬を送るシステムとなっています。

感謝や称賛のメッセージと共に、ポイントを添えられ、1ポイントを1円としてインセンティブを贈り合えるのです。メルチップを送り合うことで新しいコミュニケーションが生まれるなど、心理的安全性向上に役立っているといいます。

参考:『贈りあえるピアボーナス(成果給)制度『mertip(メルチップ)』を導入しました。』

立場を気にせず自由に発言できるカヤック

役職など上下関係があると、率直な意見はなかなか言えないのも事実です。株式会社カヤックでは、社長や幹部だけでなく若手も含めた従業員皆がそれぞれを評価する「360度フィードバック」を取り入れています。

誰もが自由な意見を書き込めるほか、閲覧も自由にしているということです。給料や報酬に影響することも一切なく、一社員が幹部に意見できるオープンな場を設けています。Web制作・企画においてユニークな業務内容を有する同社ならではの施策であり、風通しのよさの証でもあるといえます。

参考:『制度・行事』面白法人カヤック

心理的安全性を高めるために必要なこと・注意点

心理的安全性を高めるためには、さまざまな方法や施策を取り入れなければなりません。取り組みを行う大前提として、次のポイントに注意する必要があります。

心理的安全性を高めるのは馴れ合いではない

居心地のいい、発言しやすい組織にするのは大変重要なポイントです。ただ、本来は会社の生産性を高めたり、業務を円滑に進めたりするのが目的です。チーム内が仲良くあることは素晴らしいですが、単なる居心地のいい職場、「ぬるま湯」の状況になるのは本末転倒です。仕事上必要な意見を伝え合い、業務に活用できるような環境を整えるよう留意しておきましょう。

対人リスクの排除に努める

心理的安全性において、一番の懸念となるのが人間関係、つまり対人リスクです。対人リスクをなくすためには、①無知だと思われる不安、②無能だと思われる不安、③ネガティブだと思われる不安、④邪魔をする人だと思われる不安の「4つの不安」を取り除く必要があります。

多様性を受け入れ、誰もが平等に発言できるよう環境を整える、お互いに感謝し助け合う関係であると伝えるなどの取り組みでこの不安を排除しなければなりません。

まとめ

組織の中で自らの主張を安心して発言できる心理的安全性は、チーム内での学びの機会も増え、多彩な人材が集まるなど業績向上などにも大きく影響します。心理的安全性を高めることができれば、チームや組織、ひいては会社全体に大きなメリットをもたらします。

今回ご紹介した方法や施策を実践し、対人リスクの排除などに努め、決してぬるま湯的な状況ではない心理的安全性の維持を目指しましょう。

心理的安全性を高めるために、タレントマネジメントシステムの活用も

タレントマネジメントシステム『スマカン』は、社員の顔が見える形で人材情報を一元管理するクラウドツールです。社員一人ひとりのスキルや経歴が一目でわかると、組織やチームのコミュニケーションのを促進し、心理的安全性を高めることにもつながるでしょう。

また、心理的安全性向上に効果的な施策である1on1の記録管理など、継続的な実施を促進する機能も搭載されています。

自社の人事課題や目的に応じて欲しい機能だけを選べる、柔軟な料金プランでご利用いただけますので、多機能過ぎて使いこなせない…といった無駄はありません。

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記事監修

監修者

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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