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SXとは? 重要性やDX、SDGsとの違いも徹底解説!

SXとは?重要性やDX、SDGsとの違いも徹底解説!

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SX(サステイナビリティー・トランスフォーメーション)とは、絶え間なく変化が起こり得る環境の中で、社会と企業のサステナビリティを重視した経営への取り組み方です。

しかしSXという単語は聞いたことがあるものの、詳しい内容を知らないという方も少なくありません。また、DXやSDGsという言葉と混同してしまうケースもあるでしょう。

そこで当記事では、SXとは何かを解説するとともに、DXやSDGsとの関係性、SXの重要性についてご紹介します。

企業として社会貢献にも取り組みたいと考えている経営者や、人事担当者はぜひ参考にしてみてください。

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目次(タップして開閉)

    SX(サステイナビリティー・トランスフォーメーション)とは

    SXとは、サステイナビリティー・トランスフォーメーションの略で、変化が多く不確実性が高まる環境において、社会と企業のサステナビリティ(持続可能性)を重視して経営を行うという概念です。

    経済産業省は、SXを以下のように定義しています。

    社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを同期化させ、そのために必要な経営・事業変革を行い、長期的かつ持続的な企業価値向上を図っていくための取組

    引用:「SX銘柄」を創設します|経済産業省

    企業のサステナビリティとは

    企業のサステナビリティとは、稼ぐ力の継続性を指します。ビジネスにおいて稼ぐ力は重要で、企業は利益を上げ続けなければなりません。

    しかし、社会情勢や技術の進歩などの変化に対応できず、稼ぐ力を維持できない可能性もあるでしょう。変化の絶えない社会の中でも将来に向けて、継続的に利益を上げる力が求められます。

    企業がサステナビリティを強化すると、企業イメージも向上し、自社のステークホルダー(利害関係者)にも信頼されやすくなります。結果的に、資金調達や業績向上にもつながるでしょう。

    社会のサステナビリティとは

    社会のサステナビリティとは、将来的な社会の姿や状態から逆算して継続的にビジネスを進めていくことを指します。

    社会は常に変化があり、情勢が大きく変わることも珍しくないでしょう。近年は、新型コロナウイルスの流行や気候の変動など、事前に予測できないことも発生しています。

    このように誰もが予測できないような変化が起こる可能性がある、不確実性の高い状況下において、将来を具体的にイメージして持続可能なビジネスを進めていくことが重要といえるでしょう。

    SXとSDGsの関係性

    SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」を指しています。

    2030年までに持続可能で、よりよい世界を目指す国際目標として2015年9月の国連サミットにおいて採択されました。

    SDGsは、17のゴールと169のターゲット達成による「誰一人取り残さない」社会の実現に向け、途上国および先進国で取り組むものとして目指されています。

    SDGsは世界中から大きな注目を集めており、SDGsに取り組む企業は世界で急速に増えています。日本政府としても『SDGsアクションプラン2023』を公表し、17のゴールと169のターゲットの中でも特に重点的に取り組む具体策を公表しています。

    持続可能な世界や社会を目指すために、多くの企業にSDGsの取り組みが求められています。SDGsを実現するためにも、社会と企業のサステナビリティを意識した経営戦略を実行する「SX」が重要となるでしょう。

    参照:『SDGsアクションプラン2023』外務省

    伊藤レポートとは

    SXについて経済産業省が立ち上げた研究会やグループにおいて、SX実現のための検討を行っています。この研究会の内容を取りまとめたのが『伊藤レポート3.0』です。

    『伊藤レポート3.0』では、SXの実現に向けた課題や具体的な取り組みとして、

    ・社会のサステナビリティも踏まえ、自社が長期的に目指す姿を明確化
    ・企業の価値創造に向けた短期、中期、長期それぞれの戦略構築
    ・持続的な企業価値向上のために、KPI設定とガバナンス体制の整備、変化に応じた見直し

    などが必要だとしています。

    具体的なSXの課題や、今後SXをどのように進めていけばよいか知りたい企業は、ぜひ参考にしてみましょう。

    参照:『伊藤レポート3.0』経済産業省(2022)

    SXの重要性や注目されている背景

    SXとは?重要性やDX、SDGsとの違いも徹底解説!

    SXが注目されている背景にはどのような点があるのでしょうか。代表的な背景についてご紹介します。

    ・予測不可能な変化
    ・ステークホルダーからの信頼
    ・企業価値の向上

    予測不可能な変化

    SXが注目されている背景の一つは、世界中で予測不可能な変化が起きており、企業は変化に対応できる経営を目指す必要があるためです。

    新型コロナウイルスや、ロシア・ウクライナの戦争などをはじめとして、世界では大きな変化が起きています。予測できない大きな変化が起こると、世界的に経済の混乱を招きかねません。

    特にわかりやすい例として、新型コロナウイルスでは働き方や市場の変化など、ビジネスや社会に求められるものが大きく変化しました。

    どのような事態が起きても継続的に成長し、持続可能な経営を目指す必要性を自覚した企業も多いでしょう。そのため、SXが注目されているのです。

    ステークホルダーからの信頼

    SXが注目される背景には、SXへの取り組みが株主や金融機関などのステークホルダーからの信用や関心が高まる可能性があるという点も挙げられます。

    持続可能な取り組みや「SDGs」という言葉自体が注目されやすくなっている昨今、SXを推進すると、ステークホルダーからの注目や信頼を集めることにつながるかもしれません。

    このような点も、SXが注目されている理由の一つなのです。

    企業価値の向上

    SXが注目される背景には、企業価値やイメージの向上にもつながりやすいという点もあります。社会全体で、企業の社会貢献活動に関心が寄せられています。

    企業が社会貢献を見据えてSXに取り組むと、企業イメージが向上し、信頼感を高めるきっかけにもなるため、SXが注目されているのです。

    SXとDXの違い

    SXとDXの違いは、それぞれ言葉通りに解釈すると目的が異なります。

    また、SXは長期的な取り組みを目指す一方、DXでは特に「2025年の崖」への危機感に対して、短期的かつ集中的に取り組み、成果を目指している点に違いがあるでしょう。

    しかし、SXとDXのどちらか一方に取り組むのではなく、両者を実現するためにはそれぞれを組み合わせて進めていくことが大切です。

    SXとDXの関係性は、SXという目的を果たすためにDXという手段を活用し、DXの価値を高めるためにSXの取り組みが必要と捉えるとわかりやすいかもしれません。

    DXとは

    DXはDigital Trans formation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。直訳すると、デジタルの変形(変革)、交差するという意味のTransを英語圏で「X」とあらわすため、DXと表記されます。

    DXはもともと、スウェーデンにあるウメオ大学の教授エリック・ストルターマン氏が提唱した概念です。

    デジタル技術やIT技術を駆使して、ビジネスに限らず人々の生活のあらゆる面をよりよいものに変革させていくという意味合いが含まれています。

    経済産業省が2018年に発行した『DXレポート』では「今後DXが進まないと2025年までに最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警鐘が鳴らされました。

    このいわゆる「2025年の崖」は、国の重要課題の一つとして叫ばれています。

    参照:『DXレポート』経済産業省

    DXの価値を高めるのがSX

    SXに取り組むと、DXの価値をさらに高めることが期待できます。

    企業におけるDXへの取り組みでは、まず第一にデジタルツールの活用で、自社や自社にかかわる人の利便性や生活の豊かさを目指していくことになります。

    なかには新たなデジタルツールを導入したら満足してしまい、継続的に取り組まれないケースも少なくありません。

    しかし、SXで社会と企業のサステナビリティを目指していけば、どのような環境下においても、DXによって新たな価値や変革を提供していけるようになるでしょう。

    SXで自社だけでなく社会にも目を向けると、より便利で豊かな状態を提供できる可能性が高まります。

    SXとダイナミック・ケイパビリティの関係

    SXと一緒に理解しておきたいのが、ダイナミック・ケイパビリティという言葉です。企業としてSXを推進する際に重要とされているため、正しく理解しましょう。

    ダイナミック・ケイパビリティとは

    ダイナミック・ケイパビリティとは、経済産業省によって

    環境や状況が激しく変化する中で、企業が、その変化に対応して自己を変革する能力のことである。

    引用:『2020年版ものづくり白書』経済産業省

    と定義されています。

    ダイナミック・ケイパビリティは、カリフォルニア大学のデイヴィット・J・ティース教授が提唱しました。デイヴィット氏は、ダイナミック・ケイパビリティについて「感知」と「捕捉」「変容」の要素を持つとしています。

    感知脅威やトラブルを感知する能力
    捕捉適切なタイミングで所有する資源を再構築して競争力をつけたり対応する能力
    変容競争力を継続するために組織を変容させる能力

    ダイナミック・ケイパビリティとは、脅威や危機に気づき、よいタイミングで組織が持つ資源を活用して再編成し、組織を変容させて競争力を維持することと捉えられるでしょう。

    SXに取り組むうえでダイナミック・ケイパビリティが必要

    SXを推進するうえでは、ダイナミック・ケイパビリティの考え方が重要です。

    社会や企業のサステナビリティのためには、感知力や捕捉力、変容力を示すダイナミック・ケイパビリティをどれだけ実践できているかが肝になるためです。

    また、さらにダイナミック・ケイパビリティに取り組むためには、デジタル技術を駆使したデータ活用が不可欠であり、DXの推進も必要とされます。

    このように、SXを推進するうえでダイナミック・ケイパビリティが求められ、DXとも密接にかかわっているといえるでしょう。

    SXに取り組む際のポイント

    SXへの取り組みを効果的なものにするためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。企業が意識すべきポイントについて、ご紹介します。

    ・サステナブルな視点で経営を捉える
    ・リスクに対応できる経営を行う
    ・長期的視点で取り組む

    サステナブルな視点で経営を捉える

    SXに取り組む際は、サステナビリティを経営に反映させることが重要です。

    特に社会のサステナビリティを意識して社会の変化や課題を感知し、自社で解決できるような取り組みや事業を展開する必要があります。そうすると企業価値や認知度が向上するきっかけにもなるかもしれません。

    さらにビジネス情勢だけでなく社会情勢に敏感でいることは、将来どのような変化が起こるかの予測にも役立つため、あらゆる可能性を意識して経営を行うこともできるでしょう。

    リスクに対応できる経営を行う

    SXを推進する際は、さまざまな脅威やリスクに対応できる経営を目指しましょう。SXは、変化が多く不確実性が高まる環境において、持続可能な経営を目指すものです。

    頻繁に変化が起きると将来の予測も立てにくいため、さまざまなリスクに備えた戦略や行動が重要になるでしょう。経営戦略を検討する際も、あらゆるリスクを想定した対応や環境整備を進めることが大切です。

    長期的視点で取り組む

    SXは、企業が稼ぐ力を継続できるような長期的な取り組みとして認識しなければなりません。

    そのためSXでは、短期的に利益を出すのではなく、どのような事態になっても将来的に持続して企業が稼ぎ続けられるような戦略が必要とされます。

    さまざまなリスクや外的要因に、企業の経営が左右されないような取り組みや経営戦略を検討することが大切です。

    SXを長期的な視点で捉え、DX化によって

    ・最新デジタル技術を駆使したデータ活用
    ・業務効率化
    ・最適な人材配置
    ・優秀な人材採用

    を進めておくことがポイントとなるでしょう。

    まとめ

    SXとは、変化が多く不確実性が高まる環境において、社会と企業のサステナビリティ(持続可能性)を重視して経営を行うという概念です。

    SXを推進するためには、SXそのものだけでなく、DXやSDGs、ダイナミック・ケイパビリティについても理解したうえで取り組むことが大切です。

    社会や経済、ビジネス情勢は、日々目まぐるしく変化しています。どのような変化や状況下になったとしても、対応できるような体制を構築しておくことが大切です。

    SXへの注目をきっかけにさまざまなリスクや脅威を見据えて、あらためて経営戦略を検討するのもよいかもしれません。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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