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人事に役立つ「見える化」システムとは? メリット・デメリット、業務改善事例を紹介

人事に役立つ「見える化」システムとは? メリット・デメリット、業務改善事例を紹介

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ビジネスシーンにおいて「見える化」という言葉が使われますが、「今更聞けないけど見える化とは具体的に何?」「見える化すると何がいいの?」と感じている方もいるでしょう。

これからの人事にとって「見える化」は重要なキーワードです。また昨今は、多くの見える化のためのツールやシステムがあります。

そこで当記事では、人事が「見える化」システムを使うメリット・デメリットをはじめ、見える化によって業務が改善した事例もご紹介します。

目次(タップして開閉)

見える化とは

見える化とは、業務におけるプロセスや細かい作業などを目に見える形で表現し、関係者で共有することです。共有する範囲は、上司と部下だけの場合もあれば、人事担当者や全社員など、企業の状況や見える化の目的によって異なります。

見える化を実施する背景には組織が抱える課題や問題の把握・改善があります。仕事の状況を見える形にすることで、問題が生じても迅速に対応ができ、日頃から問題が発生しにくい環境もつくりやすくなります

見える化と可視化との違い

見える化と混同されがちな言葉に可視化があります。

両方とも目に見えないものを見える状況にする点は共通していますが、異なる点もあります。大きな違いは以下の通りです。

見える化自らの意思に関係なく、目に入ってくる仕組み
可視化見たい人が意識すると、目に入ってくる仕組み

つまり可視化と無意識に目に入る仕組みを合わせることで、見える化が実現します。全従業員に知ってもらいたい内容は、可視化ではなく見える化しておくのが望ましいでしょう。

見える化の起源

ビジネスシーンで今では当たり前のように使用されている見える化は、トヨタ自動車株式会社が使い始めたのをきっかけに広まったといわれています。発端はトヨタの岡本渉氏が発表した論文『生産保全活動の実態の見える化』です。その中で「見える化」という表現が使用されたのです。

トヨタの生産ラインでは、異常を知らせるために「アンドン」というランプを設置しており、これが「見える化」の原点です。アンドンは、点灯した色によって異常の種類を把握できる装置です。

見える化するとよい人事情報

トヨタの論文をきっかけにビジネスシーンで広まった見える化。社内のさまざまな情報、特に人事において見える化すべき情報にはどのようなものがあるでしょうか。

・人材情報(スキルや経歴など)
・人事評価
・従業員の作業状況(業務プロセス/トラブル)

人材情報(スキルや経歴など)

人材情報、特に授業員のスキルや経歴、適性などを見える化しておくと配置や抜擢に役立ちます。

従業員のスキルを見える化することを、スキル管理といいます。スキル管理には、以下のようなメリットがあります。

・適材適所の人材配置
・従業員に不足するスキルの把握。最適な研修・教育の実施
・本人のスキルの把握。スキルアップへのモチベーション向上

従業員個々のスキルの見える化によって、必要な人材の採用や伸ばすべきスキルの明確化、それに伴う人材育成にもつながります。

人事評価

人事評価の見える化によって人事評価の途中経過や結果を共有できます。

人事評価を見える化すると、評価者同士で他者の提出状況が目に入るため、提出が早まる可能性があります。そうすると人事担当者の負担軽減につながります。

また、従業員にとってもメリットがあります。評価基準、評価結果に至るプロセスが明確になるため、評価に対する従業員の納得度が高まります。

作業状況(業務プロセス/トラブル)

従業員の日々の作業状況を見える化すると、業務の一連の流れが全社的に共有できます。従業員ごとの業務の偏りなども把握できて、ブラックボックス化や属人化を防止することができるでしょう。

さらに見える化は、トラブルの早期発見を助けます。納期や対応の漏れにも気づきやすくなるため、トラブルの発生も未然に防げるでしょう。

人事に役立つ「見える化」システムとは

見える化するには、さまざまなツールがあります。人事情報に関しては、紙やエクセルなどの表計算ソフトを使用する方法もありますが、特に便利なのはシステムを用いたやり方です。

人事業務の見える化を助けるシステムを4種類ご紹介します。

・タスク管理システム
・勤怠管理システム
・採用管理システム
・人事システム

タスク管理システム

タスクにおける進捗状況のチェックや共有ができるシステムです。

タスク管理システムは、スケジュールの開始を終了時間を設定し、進捗やスケジュールを視覚的・直感的に管理できます。アラームを設定するなど、タスクの漏れを防ぐこともできます。

またチームで共有することによって、効率的な業務の遂行に役立ちます。

勤怠管理システム

従業員の出勤や退勤などを管理するシステムです。正確な出退勤の時間を把握し、従業員の労働管理に役立ちます。

有給休暇や早退・遅刻などとまとめて管理ができ、業務量の把握や、勤務状況を集約して管理できます。

給与計算などと紐づけられるものもあり、業務効率化が期待できます。

採用管理システム

応募者情報を集約して、採用業務を管理するシステムです。スケジュールや選考状況を効率的に行うのに役立ちます。

人事システム

従業員に関わるさまざまな情報を一元管理したり、人材配置や人事評価といった人事業務を助けるシステムです。

上述の勤怠管理や採用管理などに特化したものも人事システムの一つですが、人事評価なども含めてあらゆる人事業務を集約したシステムの総称を人事システムと呼んでいます。

従業員に関わる情報を一元管理して、全社的に共有できるため、人材マネジメントの効率化や効果的な人事施策の実施を目指す企業で、導入が増えています。

「見える化」システムのメリット

人事業務において、見える化システムを活用するメリットは、以下の通りです。

・組織力の強化
・ミスの軽減と防止
・無駄の削減

組織力の強化

見える化によって、企業理念や方針を従業員に浸透させるのに役立ちます。

企業理念や方針が浸透していないと、各自の目指す方向がバラバラになり、企業として一体感がなくなりがちです。社内コミュニケーションにおいて行き違いなども発生しやすくなります。

企業理念や方針を浸透させて従業員同士である程度目指す方向を統一させると、組織の一体感が生まれ組織力の強化につながります。見える化システムを活用すると、中長期的な大きなビジョンから短期目標まで共有できます。

ミスの軽減と防止

見える化システムによって、ミスの傾向とパターンに関するデータを蓄積して分析できるとます。同時に、ミスをいち早く発見し、迅速に対処できるので、発生予防につながります。

無駄の削減

見える化システムの活用で、非効率な業務プロセスと不必要な人件費をカットできる可能性があります。

特に従業員の業務状況の進捗が遅れている場合、互いにフォローすることによって業務を効率的に回すことができるでしょう。

さらに、見える化システムによって今まで手間と時間をかけていていた業務を自動化でき、担当者の負担を大幅に削減できるでしょう。たとえば各従業員の残業時間の把握です。今まで見えていなかった残業時間を把握して残業削減に向けた取り組みを実施すれば、残業代の削減によって無駄を削減できます。

「見える化」システムのデメリット

見える化システムを活用すると、組織力の強化、ミスの予防、コストカットに役立ちますが、注意しないとデメリットが発生する場合もあります。見える化システムのデメリットは、以下の通りです。

・探究心がなくなる
・問題の本質を見失う

探求心がなくなる

見える化システムに頼りきってしまうと、業務において探求をしなくなるケースも見受けられます。探求心がなくなると自由な発想にブレーキをかけてしまうため、新しいアイデアが思いつかなかったり、イノベーションが起こりにくくなるでしょう。

そうならないように見える化した情報を定期的に見直す習慣をつけ、常に業務を改善する姿勢が求められます。

問題の本質を見失う

見える化システムを活用すると、さまざまな情報を全体で共有できますが、デメリットになる場合もあります。さまざまな情報が見える化すると、「見たら満足して終わり」という状況になる恐れがあるからです。

そうならないように、随時改善すべき点に目を向ける必要があります。

「見える化」システムの導入事例

ここでは、システムを活用して社内情報を見える化し、業務改善や効率化に至った事例をご紹介します。

事例1:物流センターA社

物流センターを運営するA社では、たびたび荷物の誤出荷があり、改善方法について悩んでいました。

そこで、「一定の手順を踏まないと出荷できない仕組みづくり」が重要だと考え、在庫数の見える化に向けてシステムを導入します。

それにより在庫数が自動的に目に入る仕組みができ、在庫確認が容易になったため、出荷ミスが減りました。また、システムで管理されたデータをチェックすることによって、顧客の要望を先回りし、あらかじめ在庫を補充をすることが可能になりました。

その結果、顧客にきめ細かい対応ができるようになり、受注の増加にもつながりました。

事例2:IT企業B社

IT企業B社では、エンジニアの作業効率が思わしくなく、特定の人に負担が大きくなる点が悩みでした。

そこで各エンジニアが抱える仕事の見える化を目指すべく、システムの導入を決意します。見える化システムの導入によってエンジニアの作業状況を把握しやすくなりました。そしてリーダーがシステムをチェックするだけで「作業効率が悪い部分」や「負担が大きい人の原因」がわかるようになります。

その結果、無駄な仕事の削減はもちろん、一人ひとりの仕事量を調整できるようになり、業務効率が大幅に改善しました。

「見える化」は手段。目的を明確にして効果的な人材マネジメントを

人事業務を見える化すると、認識の統一やミスと無駄の削減につながります。ただし、見える化は目的ではなく、企業の課題解決や業務改善のための一つの手段です。企業ごとに目的を適切に明確にし、問題の本質を見失わないように実施することで、はじめて効果があらわれます。

人事業務の見える化には、システムの活用が便利です。タレントマネジメントシステム『スマカン』は従業員のスキルや経歴を見える化し、効率的な人材マネジメントをサポートいたします。適材適所の人材配置、テレワーク下における業務プロセスの把握などにお役立ていただけます。

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記事監修

監修者

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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