- 2022.01.26
- タレントマネジメント
スキル管理の目的とは?従業員スキル管理が有効な理由を解説

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近年、多くの企業の施策として「スキル管理」が導入されています。
従業員のスキルを適切に管理すれば、人材を最大限に活用し、生産性を向上させ、企業の強みを最大限に発揮できます。
この記事では、企業の人材活用やマネジメントにおける施策として注目されているスキル管理について、その目的や必要性、方法について解説します。
目次
スキル管理とは
スキル管理とは、従業員のスキルを可視化して一元管理する仕組みです。
「スキル(skill)」はもともと「技能」「技術」などを表す言葉で、特に「教育や訓練を経て習得した能力」を指します。企業の人事で「スキル」という場合、従来の意味よりも幅広い意味で使われます。このスキルは、米国の経営学者ロバート・L・カッツが提唱した「カッツ・モデル」において、テクニカルスキル・ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルの3つに分類されます。
テクニカルスキル |
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テクニカルスキルは、業務を遂行する上で必要となる能力や技術です。販売職ならば接客能力・商品知識、事務職ならば事務処理能力・パソコン操作能力・資料作成能力、企画職ならば市場理解・情報収集力・分析力というように、それぞれの職種によって求められるスキルは異なります。 |
ヒューマンスキル |
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良好な人間関係の構築や維持に必要となるスキルです。コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力・チームワークなどは従業員全員に求められます。一方、管理職にはリーダーシップ・コーチング・傾聴などの調整や教育に関わるスキルも必須とされます。 |
コンセプチュアルスキル |
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物事を概念化してその本質を見極めるスキルです。 論理的に思考するロジカルシンキング、全体を見渡す俯瞰力、状況の変化に臨機応変に対応する柔軟性など、管理職のトップに強く求められるスキルといえます。 |
これらのスキルをデータ化すれば、マネジメントにおける人材配置、人材育成、業務のアサインメントなどで役立てられます。また、企業全体でスキルデータを共有することで、従業員にスキルアップへの意欲が湧いたり、他の従業員との競争心が芽生えたりと、モチベーションが向上する効果も期待できます。
スキル管理の目的、なぜ必要なのか?
スキル管理の目的は人材情報の可視化です。
従業員がどのような資格や能力を保有しているのか、どのような経験をしてきたのかを把握できれば、これらの情報を適切な人材配置や施策に活かせます。マネジメント管理職にとっては、施策の根拠となるデータとしても有効に利用できると同時に、人事評価を適切に実施するための参考資料となります。
また、IR担当者は資料を作成したり、投資家と対話する際、企業全体を俯瞰する視点が求められます。このとき、スキル管理によって得られたデータが客観性を裏付けるのに役立つこともあるでしょう。
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スキル管理ができていない場合・・・
スキル管理ができていないと、従業員が本来の能力を発揮できない可能性が高まります。
能力以上の業務を任せられた従業員は負担に苦しみ、エンゲージメントが低下し、場合によっては離職に繋がりかねません。
たとえば、営業職を新たに配置する際、顧客との商談を成功させるネゴシエーションスキルが求められます。しかし、情報処理能力は優秀であっても、事務職の経験しかなく、コミュニケーション能力に自信のない従業員が営業職に配置された場合、スキルを活かせないまま業績を上げられず苦しむこととなり、ミスマッチな配置となってしまいます。
このような従業員のスキルと業務とのミスマッチをスキル管理によって防ぎます。
また、有資格者を把握できないリスクもあります。
有資格者を把握していないと、コンプライアンス違反が生じかねません。
例えば、第一種電気工事士のように定期的な更新が必要な資格があります。こうした資格が失効しないように管理し、有資格者の不在による法令への抵触を防ぐこともスキル管理の重要な役割です。
スキル管理の方法
1on1では、上司が部下に一方的に質問したり指示したりするのではなく、対話を通して上司が部下から発言を引き出していく点に特徴があります。そのため、上司が部下に何を話すのかが重要です。どんな内容の話題が部下の成長を促すのに効果的なのかを解説していきます。
スキルマップを作成する
スキル管理を始める際に必要なスキルマップの基本的なフォーマットとしては、厚生労働省が公表している「職業能力評価シート」が参考になります。
営業・経理・総務・人事などの事務系職種だけでなく、エステティック業・葬祭業・ねじ製造業など専門性の高いあらゆる業種の職業能力評価シートがも充実しています。
● 職種別に必要な資格やスキルがわかる
職業能力評価シートにはそれぞれ「必要な知識」「基準一覧」「OJTコミュニケーションシート」も付属していて、国が各職種にどのようなスキルや知識を求めているのかを把握できます。
たとえば、ウェブコンテンツ制作のエンジニアの職業能力評価シートでは、共通能力ユニットとして
「インターネットに関する知識」「企業倫理とコンプライアンス」「業務の標準化」などの項目があり、
選択能力ユニットとして「画像・映像制作」「セキュリティテスト」などの項目が並びます。
ウェブコンテンツを制作する企業にとっては、これらのスキルや知識をエンジニアに習得させることが最低限満たすべき基準といえるでしょう。
このように、厚生労働省のサイトからダウンロードできる職業能力評価シートを参考にすれば、スキル管理をデータ化する際のイメージができるのではないでしょうか。
スキル項目を作成する
業種や職種によりスキル管理の項目は異なります。
企業の業種や職種に必要なスキル項目を設定しましょう。
代表的な項目例としては、経験職種・保有資格・語学スキルが挙げられます。
経験職種
経験職種とは、これまでに従事したことのある職務のことです。
IT企業ならば、次のような職種があります。
- システムエンジニア(SE)
- ITコンサルタント
- プロジェクトマネージャ
- セールスエンジニア
- WEBプロデューサー など
経験職種により、どのような業務を行なってきたか可視化でき、
同職種でも、幅広い領域での業務経験を積んでいるほど、スキルが高いと言えます。
保有資格
従業員の知識や技術のレベルを証明するものとして保有資格があります。
IT業界では次の資格が有名です。
《IT・インターネット業界 主な資格の例》
基本情報技術者 | 応用情報技術者 |
ITサービスマネージャ | データベーススペシャリスト |
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) | Javaプログラミング能力認定 |
資格には国家資格・民間資格・ベンダー資格があり、名称が似ている資格でも別物であることが少なくありません。区別して項目を設定しましょう。また、資格の中には、定期的な受験や講習参加を義務付ける更新制のものもあるので要注意です。
語学スキル
日常的に外国企業と取り引きする企業だけでなく、海外進出を視野に入れて事業展開する企業にとって、英語や中国語などが得意な従業員は貴重な人材です。
語学スキルは、次のようなレベルに分けて設定できます。
レベル | TOIEC | 英検 |
---|---|---|
日常会話レベル | 470〜730 | 英検2級 |
ビジネスレベル | 800〜 | 準1級 |
ネイティブレベル | 900〜 | 1級 |
英語だと、TOEICのスコアや実用英語技能検定(英検)の級から大体のレベルを把握できます。たとえば、日常会話レベルはTOEIC470~730点程度、英検2級程度が目安です。
レベルを設定する
項目の設定後は、各項目における従業員一人一人の力量を明確にするため、スキルレベルを設定しましょう。レベルは3~6段階程度が一般的です。4段階ならば、次のような基準が多いようです。
レベル1 | 補助できる |
---|---|
レベル2 | 指導のもと実施できる |
レベル3 | 一人で実施できる |
レベル4 | 指導できる |
世界規模で基準の統一を目指す「ISO規格」では、マネジメントシステムについても「ISO9001(品質マネジメントシステム)」や「ISO14001(環境マネジメントシステム)」などが制定されています。
これらの規格では力量を明確にすることが求められているため、ISO認証を取得した(もしくは取得を目指す)企業はスキルマップにレベルを設定することが望ましいとされます。
保有資格の項目には取得年月日や級を記載する欄を設けましょう。更新が必要な資格をチェックできて、資格の失効を防止できます。
例)
資格 | レベル・等級 | 資格取得年月日 | 次回更新 |
---|---|---|---|
DTPエキスパート | ー | 2021年6月 | 2023年6月 |
IT検証技術者 | レベル4 | 2017年11月 | 更新なし |
ー | ー | ー | ー |
たとえば、第二種電気工事士は更新が不要ですが、第一種電気工事士は5年ごとに講習を受けて資格を更新しなければなりません。このように、更新が必要かどうかが級によって異なる資格もあるので要注意です。
スキルデータを項目でグループ化
スキルデータを項目でグループ化して、スキルや資格を有する人材が社内に何人いるかを可視化しましょう。グループ化されたスキルデータを活用すれば、新規プロジェクトの発足や新たな部署の立ち上げに際して人材を選抜するのが容易です。
また、退職などで失われる可能性のある有用なスキルも明らかになるので、そのスキルを継承するための教育計画を立てるのにも役立ちます。
さまざまな人材データ管理として応用できる
人材データ管理の一部として、従業員が持っているスキルや資格の情報を入社時点でデータ化しておきます。中途採用者ならば、職務経歴書の内容をそのままデータ化するのがよいでしょう。数年後にその従業員がどのようにスキルアップして成長したか可視化できるので、人事異動や人事評価などの参考資料となります。資格取得や研修履歴を記録して管理する仕組みとしても機能します。
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スキル管理でピンポイント育成
スキル管理ができている組織・チームは適材適所の人材配置が可能で、従業員一人一人が能力を発揮します。これによって従業員のモチベーションやエンゲージメントが高まると同時に、組織・チームとしての生産性も向上するでしょう。
一方、スキルが求められるレベルに達していない従業員に対しては、ピンポイントで適切な人材育成を実施します。
個々人の特定のスキルを伸ばしにくい定期的な社員教育とは異なり、スキルデータを活用したOJTなどは高い効果が期待されます。スキル管理に基づいた人材配置や人材育成に力を入れることが、離職率が高い・必要人員を確保できないなど、企業が長期的に抱えてきた課題に対するソリューションにつながることもあります。
スキル管理を戦略的なタレントマネジメントに活用
タレントマネジメントシステム「スマカン」は従業員の経歴、スキル、評価などを一元管理できるため、スキル管理を効率的に行なうのに役立ちます。個人のスキル・能力、本人の志向を把握することで、個々人に最適な育成が可能です。
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