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ワークエンゲージメントとは? 意味や高める方法、尺度を解説

ワークエンゲージメントとは? 意味や高める方法、尺度を解説

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ワークエンゲージメントとは、仕事に対して積極的で充実した心理状態のこと。働き方の多様化が進む中、個人の仕事に対する姿勢が問われるようになり、ワークエンゲージメントも注目されています。しかし具体的に「ワークエンゲージメントがどんなものかわからない」「どうしたら測定できるのか」「高める方法を知りたい」という方もいるでしょう。

当記事では、ワークエンゲージメントの意味や高める方法、尺度について解説しています。ワークエンゲージメント向上に取り組みたい方は、ぜひご活用ください。

目次(タップして開閉)

    ワークエンゲージメントとは

    ワークエンゲージメントの意味や特徴を解説します。

    ワークエンゲージメントの意味・定義

    ワークエンゲージメントとは「仕事に対して積極的で充実した心理状態」をいいます。

    ワークエンゲージメントの概念を提唱したユトレヒト大学シャウフェリ教授は、ワークエンゲージメントを以下のように定義づけています。

    ワークエンゲージメントとは、 仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる。ワークエンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である

    引用:産業・組織心理学研究 2018 年,第 32 巻,第 1 号,55-78
    『ワーク・エンゲイジメント向上の実践的取組に向けた知見の整理と今後の展望』

    ワークエンゲージメントの特徴

    ワークエンゲージメントは一般的に年齢が上がっていくと高まる傾向があります。

    これは、年齢が上がって仕事における経験が蓄積されると、ワークエンゲージメントを高める組織資源(裁量権・信頼関係など)や個人資源(自己効力感・レジリエンスなど)が蓄積されるからです。

    また、ワークエンゲージメントは、スピルオーバーとクロスオーバーという特徴もあります。

    スピルオーバーは個人のライフからワークへ、ワークからライフへとよい感情が移ることです。クロスオーバーは上司や同僚の高いワークエンゲージメントが伝染するということです。

    これらは世界共通で見られる傾向です。

    海外のワークエンゲージメントの特徴

    一方、ワークエンゲージメントは国や文化によって異なる特徴もあります。欧米人は日本人に比べて自己高揚バイアスが高く、自分を高く評価してモチベーションを高める傾向があります。ただ実際には、ワークエンゲージメントが本当に高い人と、高いと見せかけている人とが混在しているといわれています。

    日本のワークエンゲージメントの特徴

    日本人のワークエンゲージメントは、海外と比べると圧倒的に低い傾向にあります。日本人は自己批判バイアスが強く、自分に厳しい傾向があるためです。また日本人は周囲との関係性の中で自己を定義する「相互協調的自己」を持っているため、周囲に気を遣って自分がイキイキと働いている姿を見せないようにする性質も作用していると考えられます。

    ワークエンゲージメントが注目される背景

    ワークエンゲージメントが注目される背景として、労働力人口の減少と人材流動化があります。人口減少に伴う労働人口の減少は進行しており、人材不足が企業の倒産の原因になりうるといわれているほどです。また終身雇用制度の崩壊、フリーランスの増加、副業の解禁もあり、企業と労働者との関係性はより流動的になっています。

    このような背景から、従業員のワークエンゲージメントを高めて優秀な労働者をつなぎ止めることは、企業にとって重要な課題となっているといえるでしょう。

    ワークエンゲージメントを構成する3要素

    ワークエンゲージメントは以下の3つの要素がそろった状態です。

    1. 1.熱意
    2. 2.没頭
    3. 3.活力

    すなわち「仕事に誇り・やりがいを感じながら(熱意)、仕事に熱心に取り組んでいて(没頭)、仕事から活力を得て生き生きとしている(活力)」という状態です。

    熱意・没頭・活力の3つの要素について、それぞれ解説します。

    熱意

    熱意とは「仕事に強い関心を持ち、意味を見つけて誇りを持って熱中しながら挑戦しようという意欲のある状態」です。従業員に熱意があると仕事に対する興味・知識欲が増すため、新商品を開発したり、キャリアアップのための努力を継続することができます。

    没頭

    没頭とは「仕事に幸福感を持って取り組んでいて、時間が早く経過する感覚があり、仕事が終わっても切り替えが難しい状態」です。従業員が仕事に没頭していると業務の質やスピードが向上し、業務効率化や人的ミスの削減につながります。

    活力

    活力とは「仕事に高い水準のエネルギーで取り組み、努力をいとわず、心理的な回復力があって困難な状況でも粘り強く取り組める状況」です。従業員が活力を持って仕事に取り組んでいると、ストレスを感じにくく、楽しみながら業務を行うことができます。

    ワークエンゲージメントに関連する概念

    ここではワークエンゲージメントに関連する言葉を紹介します。

    ワーカホリック(仕事中毒)

    ワーカホリック(仕事中毒)は活動水準が高く(仕事に対するエネルギー量が多く)、仕事への態度・認知が否定的(強迫的に働いている)な状態です。

    活動水準が高い点はワークエンゲージメントと同じですが、仕事に対して否定的で後ろ向きな点が異なります。

    バーンアウト(燃え尽き症候群)

    バーンアウト(燃え尽き症候群)は活動水準が低く(仕事にエネルギーを注げず)、仕事への態度・認知も否定的な状態です。

    活動水準が高く、仕事への態度・認知も肯定的なワークエンゲージメントとは対極にある状態です。

    リラックス(職務満足感)

    リラックス(職務満足感)は活動水準は低いが、仕事への態度・認知は肯定的で楽しく働いている状態です。

    仕事に対して肯定的な点はワークエンゲージメントと同じですが、活動水準が低い点でワークエンゲージメントと異なります。

    ワークエンゲージメント

    参照:『令和元年版労働経済の分析』第二部第3章(厚生労働省)より作成

    従業員満足度

    従業員満足度はワークエンゲージメントと混同されがちな言葉です。従業員満足度とは、従業員が勤務先の業務内容、働きがい、職場環境、人間関係などにどのくらい満足しているかを示す指標です。

    ワークエンゲージメントと似た概念ですが、ワークエンゲージメントが企業の業績向上を目的としているのに対し、従業員満足度は単なる従業員に対するアンケートであり企業の業績向上につなげるものではない、という点が異なります。

    従業員エンゲージメント

    従業員エンゲージメントも、ワークエンゲージメントとの違いがわかりにくい言葉です。従業員エンゲージメントとは、仕事に対する意欲以外に、愛社精神や会社への貢献欲、仕事へのやりがいなどを含めたもので、主にビジネスシーンで使われます。学術的に定義されているワークエンゲージメントと異なり、従業員エンゲージメントは明確に定義されていません。

    ワークエンゲージメントは、個人の仕事に対する意欲や心理状態を指していますが、従業員エンゲージメントはもっと広範囲を指している点で異なっています。

    ワークエンゲージメント尺度と測定方法

    続いて、ワークエンゲージメントを測るための尺度と測定方法を紹介します。

    MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)

    MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)とは、ワークエンゲージメントそのものではなく、対極にある概念のバーンアウトを測定するものです。

    MBI-GSの数値が低いほど、ワークエンゲージメントの数値が高いということになります。「消耗感(疲労感)」「冷笑的態度(シニシズム)」「職務効力感」の3点について、計16項目の質問に対する回答から測定します。

    OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)

    OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)もMBI-GSと同じく、バーンアウトを測定する方法です。「消耗感」「冷笑的態度」という2点について、ネガティブな要素とポジティブな要素で構成されている質問に対する回答から測定します。

    UWES(Utrecht Work Engagement Scales)

    UWES(Utrecht Work Engagement Scales)は、ワークエンゲージメントの高さを直接測定する方法です。「熱意」「没頭」「活力」の3点について、17項目の質問に対する回答から測定します。

    ワークエンゲージメントの測定方法として安定性が高く、最も活用されている方法です。

    ワークエンゲージメントを高めるメリット・効果

    企業側から見て、従業員のワークエンゲージメントを高めることによるメリットや効果をご紹介します。

    メンタルヘルスの向上

    ワークエンゲージメントを高めることは従業員のメンタルヘルス向上にも良い影響を与えます。

    ワークエンゲージメントの高い従業員は、業務におけるストレスが少ないことが分かっています。また身体の不調を感じる度合いも低い傾向があります。

    ワークエンゲージメントを高めることで、ストレスが少ない職場環境をつくることができます。

    生産性の向上

    従業員のワークエンゲージメントが高くなることで、生産性の向上が見込めます。

    ワークエンゲージメントの高い従業員は職務に対して積極的に取り組み、自発的に学ぶようになります。知識やスキルを伸ばして高いパフォーマンスを発揮する従業員が増え、企業全体の生産性の向上が期待できます。

    CS(顧客満足度)の向上

    ワークエンゲージメントを高めることで、CS(顧客満足度)の向上が見込めます。

    ワークエンゲージメントの高い従業員がやりがいを持ってイキイキと働くことで、パフォーマンスは向上、サービスの質向上につながり、顧客の満足度も高まります。

    ワークエンゲージメントは社内だけでなく顧客にも影響するものであり、企業の信頼にもつながる重要なものです。

    離職率・採用コストの低下

    ワークエンゲージメントが高まることは離職率や採用コストの低下につながります。

    ワークエンゲージメントの高い従業員は仕事そのものだけでなく、同僚や会社全体に対してもポジティブな思いを持ち、満足感を覚えます。そのため離職率が低下し、長期的な育成計画を遂行しやすくなります。

    ワークエンゲージメントを高めることで、離職率や採用コストの低下を見込めます。

    ワークエンゲージメントを高める方法・ポイント

    ワークエンゲージメントを高めるために、ポイントとなる「仕事の資源」「個人の資源」について解説します。

    仕事の資源

    仕事の資源とは、仕事の量的な負担を減らし、モチベーションを高める要因のことです。具体的には、以下の通りです。

    1. 上司や同僚のサポート
    2. 仕事に対する裁量権
    3. パフォーマンスに対するフィードバック
    4. トレーニングの機会
    5. コーチング
    6. ミッションの多様性

    仕事の資源が充実することで、ワークエンゲージメントが高まることが分かっています。仕事の資源を充実させるためには、働き手の充足や人材育成など、従業員の負担を軽くする取り組みが必要です。このような人事施策に加えて、有給休暇の取得のしやすさ、労働時間の短縮、柔軟な雇用管理体制など、従業員にとって働きやすい職場環境を整えている企業ではワークエンゲージメントが高い傾向があります。

    個人の資源

    個人の資源とは、心理的ストレスを減らし、モチベーションをアップさせるための、労働者自身の内的要因です。具体的には、以下の通りです。

    1. 自己効力感
    2. 自尊心
    3. ポジティブ思考
    4. 仕事や組織に対する楽観性

    個人の資源を充実させるための手段として、ジョブ・クラフティングがあります。ジョブ・クラフティングとは、従業員が仕事を「やらされている」のではなく「みずからやっている」と捉え直し、やりがいを持って働けるよう促すことです。

    仕事の資源が増えていくと個人の資源も増えるという関係があります。特に密接な関係があるのがフィードバックです。フィードバックはポジティブとネガティブの2種類がありますが、ポジティブフィードバックを心掛けるとよいでしょう。ネガティブフィードバックを行ったときには、上司や同僚のフォローやサポートが大切です。

    まとめ

    従業員のワークエンゲージメントが高まれば、企業の生産性・顧客満足度の向上、離職率の低下などにつながります。そのため、ワークエンゲージメントを高める取り組みを継続的に行うことが重要です。

    ワークエンゲージメントの測定にはいくつかの方法がありますが、人材情報を効果的に運用できるタレントマネジメントシステムの活用がおすすめです。

    タレントマネジメントシステム『スマカン』は、社内アンケートやサーベイを活用してワークエンゲージメントを測定し、人材情報に紐づけられます。定期的にエンゲージメントを調査することで、従業員のモチベーションや心身のコンディションを把握し、離職防止・社員の定着率向上のアクションに役立てることができます。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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