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年間休日の最低ラインは105日?労働基準法の内容や休日休暇について解説!

年間休日の最低ラインは105日?労働基準法の内容や休日休暇について解説!

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年間休日の最低ラインについて正しく理解できると、労働基準法を遵守し、法律違反のリスクを抑えることにつながります。しかし、年間休日の正しい数え方やルールについて自信がないという方もいるでしょう。

そこで当記事は、労働基準法で定められている年間休日の最低ラインを解説しながら、そのほかのルールや違反してしまった場合についてもご紹介していきます。企業の経営層や現場責任者、人事労務担当者はぜひチェックしてみてください!

※当記事の内容は作成日または更新日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

目次(タップして開閉)

    労働基準法における休日のルール

    年間休日の最低ラインを把握する前に、労働基準法で規定されている休日や休暇について整理していきます。休日や休暇に関して、それぞれの意味や規定を正しく捉えるようにしましょう。

    休日とは

    企業は労働者に休日を与える義務があります。労働基準法では最低限の休日として法定休日を規定しています。

    企業としては労働時間の上限なども踏まえると、法定休暇だけでは付与すべき休日が足りず、法定外休日も設けることが一般的といえるでしょう。

    休暇とは

    休暇は、労働を免除される日として認識しましょう。

    法律で定められている「法定休暇」には、年次有給休暇や産前産後休暇、介護休暇などがあります。法定休暇は、法律で定められている権利として使える休暇です。

    また、法定外休暇を設定している場合もあります。法定外休暇とは、企業が独自に設定している休暇の種類であり、企業によって内容や種類は異なります。法定外休暇は特別休暇と呼ばれることも多いようです。

    振替休日と代休

    振替休日や代休という概念は、休日出勤をした場合に取得する休日です。

    振替休日とは、休日出勤する代わりにほかの出勤日を休日へあらかじめ振り替える場合の休日です。一方の代休とは、休日出勤をしたあとに、代わりの休日を与えるものを指しています。

    振替休日は通常の出勤日と同様の扱いですが、代休の場合は「休日にもかかわらず事前の手続きなしに働かせた」ということとなり、割増賃金の支払いが必要になります。

    休日出勤時の対応

    企業が休日として設定している日に従業員が働く場合、休日出勤に該当します。

    特に法定休日に休日出勤をさせる場合、35%の割増賃金を支払わなくてはならないため注意しましょう。また、同じ週で休日の振替もしくは4週間を通して4日間の休日を守れるような代休を取得して、法定休日の規定を守る必要があります。

    年間休日の最低ラインや数え方

    年間休日の最低ラインや年間休日については、労働基準法で定められています。労働基準法によると「法定休日」として毎週もしくは、4週間の中で4日間以上の休日を労働者に与えなくてはなりません。

    労働基準法で定められた休日を労働者に取得させていない場合、労働基準法違反に該当してしまうため、注意が必要です。そもそも大切な自社の従業員の心身の健康を守るためにも、十分な休日を取得させることが重要です。

    年間休日の最低ラインは105日

    労働基準法で定められている年間休日の最低ラインは、一般的な1日8時間勤務の場合、年間105日とされています。これは、法定休日(毎週もしくは4週間の中で4日間以上の休日)と、法定労働時間(週40時間まで、かつ1日最大8時間まで)をもとに算出されています。

    1年間は52週、週に40時間働いた場合、年間の総労働時間は2,080時間。そこから1日当たりの労働時間8時間で割ると、労働日数が260日です。365日から労働日数の260日を引くことで、年間休日の最低ラインが105日ということがわかるでしょう。

    法定休日だけで休日を設定すると52日となり、最低ラインには大きく足りていないことになります。また、一般的な所定労働時間である「1日8時間」を踏まえると、週40時間の上限へ達してしまうため、完全週休2日制や長期休暇などの法定外休日を設定して年間休日を増やしているといえるでしょう。

    参照:『労働基準法第三十五条』e-GOV法令検索

    年間休日に有給休暇や長期休暇は含まれる?

    年間休日はあくまでも企業全体として共通で設定された休日を指しているため、個人によって異なる有給休暇は含まれていません。しかし、最低ラインである105日に、ゴールデンウィークや夏季休暇、冬期休暇などを上乗せして調整する場合もあるでしょう。

    年間休日の平均日数は110日程度

    厚生労働省が公表しているデータによると、令和2年の1年間における年間休日総数(1企業平均)は110.5日。従業員1人当たりの平均休日総数は116.1日という結果になりました。

    また、企業規模別の年間休日数では
    ・1,000 人以上が 116.8日
    ・300~999 人が 115.2日
    ・100~299 人が 112.9日
    ・30~99 人が 109.0日
    という結果になり、企業規模が大きいほど年間休日総数が多いことがわかります。

    参照:『令和3年就労条件総合調査の概況』厚生労働省

    労働基準法の法定休日に違反したらどうなる?

    年間休日の最低ラインを守らずに、従業員に「法定休日の付与義務違反」となった場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

    そのため、まずは経営層はもちろんのこと、人事労務担当者や管理職、現場責任者が労働基準法に定められた法定休日や労働時間を正しく理解することが重要といえるでしょう。

    参照:『労働基準法第百十九条』e-GOV法令検索

    年間休日の最低ライン以下でも違法にならない場合

    年間休日の最低ラインは105日ですが、この最低ライン以下の休日でも労働基準法違反にならない場合についてご紹介します。

    労働時間が短い場合

    年間休日の最低ラインである105日は、法定休日と法定労働時間によって算出されています。そのため、そもそも法定労働時間を超えないような働き方をしている場合は、法定外休日を設ける必要もないため、法定休日が付与されていれば問題がないといえるでしょう。

    36協定を締結している場合

    年間休日の最低ラインが違法にならない場合として、36協定を締結している企業も該当します。

    36協定における時間外労働の上限である「月45時間、年間360時間」の範囲内であれば休日数が少なくなったとしても違法にはなりません。36協定自体は、労働組合の代表者または社員の過半数を代表する人と企業の協定後、届け出も必要とされる点を認識しておきましょう。

    参照:『労働時間・休日に関する主な制度』厚生労働省

    さまざまな労働形態を認めている場合

    年間休日の最低ライン以下でも違反にならないケースとして、変形労働制やフレックスタイム制、裁量労働制を採用している場合も該当します。こうした働き方はそもそも労働時間の換算の単位が違ったり、労働基準法における年間休日の適用外になったりするため、最低ラインを下回った場合でも違法にならないケースが多くあります。

    年間休日数の最低ラインで働くイメージ

    年間休日の最低ラインは105日?労働基準法の内容や休日休暇について解説!

    年間休日が最低ラインの105日である場合、どのような働き方や生活になるのかイメージしてみましょう。

    週2日の休み

    年間休日の最低ライン105日を休日とすると、毎月換算すると出勤数の平均が21日程度です。そのため、週に換算すると毎週2日程度は休める計算になるでしょう。

    長期休暇がない

    年間休日の最低ライン105日の休日を週休2日程度とする場合、長期休暇がないということになります。この場合、年間休日としては夏季休暇や年末年始の休みがとれないことになってしまうでしょう。

    年間休日の最低ラインで働くメリットとデメリット

    年間休日が最低ラインの状態で働く場合の、メリットやデメリットについて確認してみましょう。

    メリット

    年間休日が最低ラインの状態で働く場合は出勤日数が多くなるため、アルバイトやパートなど、日給の場合は給与が多くなる点がメリットとして挙げられます。

    デメリット

    年間休日が最低ラインの状態で働く場合、正社員は出勤日数が多くなっても給与額は変わりません。そのため、給与が変わらず出勤日数だけが多くなる正社員にとってはデメリットになってしまうでしょう。

    また、最低ラインの休日しかもらえない場合、長期休暇がとれないことや友人や家族との予定と合わせることが難しい場合もあるため、デメリットといえるでしょう。

    年間休日が最低ラインより少ない場合の対応策

    年間休日が、最低ラインで定められている日数よりも少ない場合の対応方法をご紹介します。

    最低ラインを下回っている場合、労働時間にもよりますが、労働基準法に違反している場合もあるかもしれません。また、法律にかかわらず十分な休日を取得できていない場合、心身の健康を脅かす恐れもあるため、早めに対応したいところです。

    代休を取得できるか相談

    年間休日の最低ラインを下回るような場合には、代休がもらえないか相談するのも方法の一つです。特に年間休日の少なさを感じていたり、代休を取得したいと考えていたりする従業員がほかにもいれば、一緒に交渉するのがよいでしょう。

    労働基準監督署に相談

    企業の年間休日が少ないと感じる場合には、労働基準監督署に相談するのも効果的でしょう。労働基準監督署が調査したうえで、労働基準法に違反していると認められた場合は、企業に対して勧告が行われます。

    労働基準法違反として勧告された企業が、違反事項を是正しない場合、刑事手続きに発展して捜査対象となる場合もあります。そのため、勧告された時点で企業側が休日数を改善する可能性が高まるでしょう。

    勤怠管理ならシステム活用がおすすめ

    年間休日の最低ラインを会社として理解することはもちろん、長時間労働や休日出勤、残業に対する正しい割増賃金の支払いにも注意しなくてはなりません。

    正しく適切な勤怠管理を行い、労働基準法違反や労使間のトラブルを防止するためにも、勤怠管理が行えるシステムの活用がおすすめです。

    勤怠管理に特化したものや人事システムの機能の一つとして勤怠管理が行えるものもあるので、自社に最適なシステムを比較検討してみましょう。

    まとめ

    年間休日の最低ラインは、法定休日と労働時間の上限を適用することで、年間105日とされています。しかし、年間休日に加えて祝日や長期休暇などを設定することで、年間休日は120日程度になることも珍しくありません。

    また、働き方や労働時間によっては年間休日の最低ラインを下回っても、労働基準法違反には該当しないケースもあります。そのため、年間休日の最低ラインがどれくらいなのかという点を担当者や責任者が正しく理解することが大切でしょう。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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