• 2022.08.17
  • タレントマネジメント
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インクルージョンの意味とは? ダイバーシティとの関連、目的や事例を簡単に解説

インクルージョンの意味とは? ダイバーシティとの関連、目的や事例を簡単に解説

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組織・企業には、多様な人種、国籍、障がい、価値観などを持つ方々が集まっています。そんな中、近年ますます注目が高まっているのがインクルージョンという考え方。

ビジネスシーンでは、ダイバーシティとセットで「ダイバーシティ&インクルージョン」と語られることも増えました。経営者や人事担当者、マネジメント層においても押さえておきたい概念です。

そこで当記事では、インクルージョンの意味をわかりやすく解説します。また関連の深いダイバーシティとの違いと共通点、インクルージョン推進の目的、事例を紹介します。インクルージョンについて詳しく知りたい方は、ぜひお役立てください。

目次(タップして開閉)

インクルージョンとは

インクルージョン(inclusion)とは、1つにまとめることです。直訳すると「包括」「包含」「一体性」を意味します。

ビジネスシーンでのインクルージョン

ビジネスにおけるインクルージョンとは、従業員の個性や価値観を互いに認め合ったうえで、それぞれが活躍できている状態です。一人ひとりに平等に活躍のチャンスが与えられているという側面があります。

インクルージョンの始まり

もともと、インクルージョンは、社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョン)から派生したとされています。

社会から排除された失業者やニート、アルコール依存症などの施設入居者など社会的弱者を社会が内包し支えるという考え方から生まれました。

インクルーシブ教育

インクルージョンは、1980年代にアメリカで障がい児教育の分野で広まりました。

その後日本でも、教育の分野で根づき始めています。十分な教育を受けられていない子どもや授業についていけない子どもに対して、分け隔てなく同じクラスで学ぶことをインクルーシブ教育と呼びます。

インクルージョンとダイバーシティの関係性

インクルージョンとダイバーシティは非常に関連性の高い言葉です。

ダイバーシティ(Diversity)は多様性と訳され、インクルージョンと混同されがちです。しかし、両者には以下のような以下のような違いがあります。

ダイバーシティ多様性を認める考え方
インクルージョン多様性を認めたうえで、それぞれの強みを活かす考え方

両者には「多様性を認める」という共通点がありますが、インクルージョンは一歩踏み込んで、強みを最大限発揮するという視点が加わっています。

インクルージョン推進の目的

インクルージョンの目的は、多様なバックグランド持つ人々が互いに認め合い、尊重しながら活躍できる社会を実現することです。

インクルージョンが実現できている環境では、さまざまな価値観を受け入れたうえで、個人と組織がともに最大限の力を発揮できています。

インクルージョンより以前からダイバーシティ(多様性)という考え方が、日本では広まってきました。しかし多様性を受け入れただけでは課題もあり、不十分です。

そこで、多様性を認めたうえで「強みを最大限発揮する」というインクルージョンの概念に発展していきました。

インクルージョンのメリットとは?

それではインクルージョンを実現すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを3点ご紹介します。

従業員満足度・エンゲージメントの向上

インクルージョンを実現すると、従業員満足度やエンゲージメントの向上が期待できます。

インクルージョンの実現には多様な人材の個性が認められていることが大前提です。個人が尊重され、各自の強みを発揮して働けることは、従業員の意欲向上につながります。

結果的に従業員満足度やエンゲージメントの向上に寄与するでしょう。

競合との差別化

インクルージョンが実現できていると、企業価値が高まり、競合他社との差別化がはかれます。

インクルージョンの実現に向けて積極的に取り組んでいる企業として対外的にアピールできるので、イメージアップにつながるでしょう。採用や市場においても有利に働きます。さらに投資家からも指示を得やすくなります。

離職防止・定着率向上

インクルージョンの実現によって、離職防止や定着率の向上も期待できます。

インクルージョンが実現できている職場では、多様な人材の個性が認められ、従業員一人ひとりの能力が最大限発揮できています。適材適所の人材配置はもちろんのこと、多様な働き方に適応した制度が整備されているでしょう。リモートワークや時短勤務がその一例です。

そのような職場は、従業員もやりがいを感じやすく、働きやすい職場といえます。そのため、インクルージョンの実現は、離職防止や定着率の向上につながります。

インクルージョンの企業事例

日本でもインクルージョンの実現を目指し、成功している企業があります。事例を5つご紹介します。

日立製作所

日立製作所ではグローバルリーダーを目指し多様性の尊重が不可欠だと考えました。

そこで多様な人材の活躍支援に取り掛かります。仕事と生活の双方における成功を目指し、インクルージョンを推進し始めます。

まずは専門部署である「アドバイザリー・コミッティ」および「日立グループダイバーシティ推進協議会」を立ち上げました。

2つの部署では、以下のような取り組みを実施しています。

・経営方針の徹底
・活動に関する意見交換
・女性の活躍支援を実施するプロジェクトの設置
・労働組合との意見交換

その結果、個人プレーに走りがちだった組織に変化が生まれます。お互いの能力を活用しつつ事業を進める協力関係が確立されました。

参考:『ダイバーシティ&インクルージョン戦略』株式会社日立製作所

三井住友カード

三井住友カードでは、目まぐるしく変化する時代において、幅広い支持が得られることを目的とし「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進しています。なかでも「上司の意識改革」を重視している点は特徴的です。

同社の「ダイバーシティ&インクルージョン」での取り組みは、以下の通りです。

・研修でコミュニケーションスキルやパフォーマンスの向上を目指す
・ワークライフバランスの実現
・同性パートナー制度の導入
・副業の解禁
・勤務時における服装の自由化

その結果、一人ひとりが個性を活かしつつ最大限の力を発揮する場が提供できるようになりました。顧客の多様なニーズにも対応できる環境が整えられています。

参考:『ダイバーシティ&インクルージョン推進』三井住友カード株式会社

パナソニック

パナソニックでは、「すべての経営活動は顧客と直結する」と考えています。また顧客が求める価値観も多様化しており、ニーズに対応するには、全従業員を光り輝かせる場が必要という結論に至りました。

そこで同社では、「ダイバーシティ&インクルージョン」への取り組みを実施しています。主な取り組みは以下の通りです。

・女性管理職者を増やす
・「育児や介護」「キャリア継続」支援制度の充実
・高齢者、障害者、LGBTへの理解を促進
・食の多様性に関するイベントの開催
・オリンピックとパラリンピックに向けた活動

その結果、女性の役職比率や育休後の復帰者が増えました。また各自がアイデアをぶつけ、革新的な価値を生み出せる環境が提供でき、チャレンジ精神を掻き立てる風土がつくられたそうです。

参考:『Diversity, Equity & Inclusion』パナソニックホールディングス株式会社

リクルート

リクルートでは「個の尊重」を経営理念として掲げています。そこで人材の定着および強化をするため、ダイバーシティ&インクルージョンの専任組織を設置しました。

主な取り組みは、以下の通りです。

・28歳前後の若手女性従業員用に向けた研修実施
・セクシャルマイノリティへの理解推進のためのeラーニングを実施
・同性パートナーにも配偶者としての福利厚生を適用
・保育施設の設置
・リモートワークの導入

その結果、自身のキャリアを前向きに捉える従業員が増えました。またセクシャルマイノリティに対する取り組みを評価する「PRIDE指標」において、4年連続で最高賞を受賞し、企業のさらなるブランド力の向上にも成功しています。

参考:『ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の推進』リクルートホールディングス

日本IBM

日本IBMでは、従業員の多様性を尊重する環境の実現が、「最高の人材を惹きつけ、顧客の成功にも寄与する」と考えています。そこで、5つの分野における「ダイバーシティ&インクルージョン」を実施しています。

5つの分野とは、女性の活躍推進、障害者の活躍支援、LGBTと当事者の活躍支援、子育て支援、ワークライフです。主な取り組みは、以下の通りです。

・在宅、時短、裁量勤務など柔軟な勤務制度の導入
・成果主義の徹底
・障害者向けのインターンシッププログラムを導入
・企業内保育園の設置
・キャリアをサポートするメンター制度の導入

その結果、従業員のモチベーションや定着率が向上し、やりがいを持って働ける環境を実現しているそうです。

参考:『ダイバーシティー&インクルージョン』IBM

インクルージョンに取り組む際のポイント

インクルージョンに取り組むにあたり、注意すべきポイントをご紹介します。以下の3点に意識的に取り組むことで、多様性が認められ、従業員一人ひとりが活躍できる組織がつくられるでしょう。

具体的なゴールを共有する

まず始めに具体的なゴールを従業員に共有することは、インクルージョンの推進に大切です。

インクルージョン導入の必要性、実現までの期日、実現イメージ(どのような状態がインクルージョン実現といえるのか)などゴールを明確に伝えましょう。具体的にイメージさせることで成功率も高まります。経営層と従業員がお互いに測定できるものとして認識しやすくなります。

現状を把握する

自社の現状を正しく理解して把握することも、インクルージョン推進の一歩です。

人材の活用状況、各々の個性の発揮度、性別や国籍など各属性が率直に感じている不利益な場面などインクルージョンの推進度合いを正しくチェックしましょう。

現状を把握するには、面談や社内アンケートの実施が考えられます。それによって効果的な施策を検討できるかもしれません。

定期的な見直し

インクルージョンの最終的な成功には、定期的な見直しも欠かせません。

昨今のビジネス環境は常に変化しています。企業を取り巻く環境や企業の立ち位置の変化によって、打つべき施策も絶えず変化します。

従業員満足度調査やエンゲージメントサーベイで従業員の声を見る化したり、離職率の推移を分析して、従業員の納得感を得られるようにしましょう。業績の変化や人材採用の成果なども指標になります。

また定期的に推進方法を見直し、状況を発信することで、従業員の当事者意識の向上も期待できます。

まとめ

インクルージョンとは包括・包含という意味です。個人のそれぞれの経験や能力、価値観が認められ活かされている状態です。ビジネスにおいては特に、多様な背景を持った従業員一人ひとりがお互いの価値観などを認め合ったうえで、能力を最大限に発揮して職務に取り掛かっている状態が理想です。

個人の価値観や働き方が多様化する中で、インクルージョンの考え方はますます重要性が高まるでしょう。人材確保や他社との差別化、離職防止のためにも、推進に向けた取り組みが不可欠です。

インクルージョンを推進するには

インクルージョン推進には、ゴールの明確化や自社の現状の把握が必要です。

タレントマネジメントシステム『スマカン』は、従業員のスキルや経験などの情報を可視化し、人材マネジメントをサポートするシステムです。従業員の声を見える化するためのアンケートやサーベイ機能も充実しております。インクルージョン推進に向けた取り組みや現状把握、効果検証でもお役立ていただけます。

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