- 2022.03.18
2023.04.28
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人事面談とは?目的や効果的な手法

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企業の成長に関わる人材育成。
その人材育成にも欠かせない人事面談は、社員の強みや弱み、情報共有のために欠かせません。この記事では「人事面談」について取り上げ、《人事面談の目的》《人事面談の効果的な手法》について紹介します。
目次(タップして開閉)
人事面談とは?
人事面談は、上司もしくは人事担当者が社員と1on1で面談をすることで、人事評価や能力開発など人事的な施策のために行う面談です。
人事面談は、人材育成、開発を主軸とし、組織全体の活性化を目指すためにも欠かせません。人事面談で社員一人一人のモチベーション、不満、強みや弱みを具体的にあぶりだすことで、相互理解が深まり、コミュニケーションの円滑化や従業員エンゲージメントの向上が期待できます。
人事面談の目的
人事面談の目的は主に3つあります。
①社員のモチベーション向上 ②社員の能力を把握 ③育成計画を立てる |
1.社員のモチベーション向上
人事面談で社員一人ひとりに適切な評価を行うことで、社員のモチベーションを向上させるという目的があります。
ミレニアル世代をはじめとする若手社員は、仕事に見合った給料や賞与、福利厚生、職場環境をはじめ仕事に熱中のできない環境では転職を考える傾向があります。
こういった課題を解決するためには、人事面談などで社員の業務や精神的サポートを行うことが重要です。
早期離職を防ぎ、社員のモチベーションを向上させるためにも人事面談は欠かせません。
2.社員の能力を把握
人事面談の目的のひとつに、社員のスキルや能力を把握することが含まれています。
人事面談で社員の強みや弱みをあぶりだすことで、社員の能力やスキルを最大限活かせる人事配置へ活用できるといったメリットがあります。
3.育成計画を立てる
人事面談を行うことで、社員は自己の抱える課題や不満を再認識できます。
日々の業務を振り返る機会を人事面談で与えることによって、新たな目標を設定したり、改善点を見出せるなど、社員自身の成長につながるというメリットがあります。
人事面談の効果
人事面談を行うことで、社員一人ひとりの人事評価を適切に行えるようになるのはもちろん、他にも企業としてメリットがあります。
たとえば、
・社員の意見の可視化 ・ハラスメント対策 ・離職のリスク軽減 |
などです。
社員からの意見を見える化することで、社員の潜在的な要望が把握でき、企業としての改善点もあぶりだすことが可能になります。
さらに社内状況を見える化して記録に残すことで、部署移動などをした際にも引き継ぎがしやすく、1on1の面談を記録すれば、従業員エンゲージメントの変化や成長過程を把握できその後の施策に活かせます。
また、2022年4月から中小企業を対象に法制化される「パワーハラスメント対策」のためにも人事面談は有効です。
ハラスメントに対する相談体制の整備や、被害を受けた社員へのケアや再発防止のためにも、人事面談で社員の声を可視化し早急に対応をすることが重要となります。
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プラス効果をもたらす人事面談
人事面談は、正しい方法やで行わないとプラス効果を期待できません。
人事面談では、
・社員のパフォーマンス向上のサポート ・社員の話に傾聴する |
この2点を意識しましょう。
まず社員が普段どのような環境で業務を行い、どんなことにストレスを感じているかを把握し「社員がより良い状態で仕事をこなせるようサポートする」と言う意識が大切です。
また、社員が何かを話そうとしている時に、話を遮るのではなく「あなたの話を最後まで聴きますよ」という姿勢を見せることが大切です。
特に、普段から受け身な社員の場合、自分の話を聴いてもらえるという姿勢に信頼感を覚え、業務に対する不満や悩みなどを話しやすくなります。
聞き役に徹する姿勢を最後まで保ち、その上で目標達成できるような支援を行うことで人事面談にプラスの効果をもたらします。
マイナス効果をもたらす面談
人事面談を行うメリットはありますが、方法を間違えるとマイナス効果をもたらすこともあります。
たとえば、
・従業員エンゲージメント、モチベーションが下がる面談 ・目的のない面談 |
などです。
1on1の場合、通常の業務のように指示や指導ばかりする姿勢ではいけません。
しっかりと社員の話を聴くという傾聴姿勢を整えなければ、社員は不満を口にできず抱え込んでしまう可能性があるからです。
また話の途中で社員を否定するような言葉や、アドバイスが浮かんだとしても、まずは口を出さずにまずは聞き役に徹しましょう。
社員の話を遮って否定をしてしまったり、アドバイスをすることで、社員は「自分の話は聞いてもらえない。否定された」と思い、信頼が下がってしまったりモチベーションが下がる恐れがあるからです。
ほかに、目的のない面談もマイナスの効果を与える可能性があります。
人事面談を行うのであれば、目的を明確にして社員をサポートし、人事評価を適切に行えるようにしましょう。
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人事面談の種類
人事面談には、いくつか種類があります。
たとえば、
・人事評価、人事考課 ・従業員エンゲージメントチェック ・日々の業務、待遇、ハラスメントに関する面談 ・フィードバック面談 |
などです。
社員の評価を行い人員配置の見直しのために行う「人事評価・人事考課」とはじめ、社員のモチベーションや企業としての方向性を確かめるためにも重要な「従業員エンゲージメントチェック」、社員の業務量や職場環境をチェックする面談、目標達成が出来ているか会社の評価を本人へと伝える「フィードバック面談」などがあります。
人事面談の目的が、社員の意見の可視化なのであれば従業員エンゲージメントチェックや日々の業務、待遇、ハラスメントに関する面談が有効です。
人事面談は、その目的と実施するタイミングを考慮することで、プラスの効果をもたらします。
「誰と」「なにを」「話す」面談かということをあらかじめ明確にしてから面談を行うようにしましょう。
人事面談の手順
人事面談をする場合には、短い時間の中で的確な質問をしなければいけません。
ここでは、人事面談の手順について解説をします。
1.社員が話しやすい雰囲気作り
まずは、どのような面談でも社員が自ら話がしやすくなる雰囲気作りをすることが重要です。
受け身な社員や、口下手・緊張しやすい人の場合は、質問をしても黙り込んでしまうこともあるため、短時間でスムーズに面談をするためには、社員が話しやすい環境を用意しましょう。
たとえば、仕事とは無関係な雑談から始めたり、堅苦しい面談にならないような雰囲気作りをすることが必要です。
2.自己評価・課題点の確認
フィードバック面談、人事評価・人事考課面談の場合は、社員からの自己評価を確認しましょう。
一方的に評価を伝えるだけではなく、社員がどのように考えているのか・どのように行動をして自己を評価しているのかを確認することが重要です。
自己評価を話す機会を与えることで、自己肯定感の高さやどこに自信を持っているのかを把握できます。
実際に評価と自己評価に乖離がある場合には、矯正していく指導の必要性も把握できるため、自己評価をしっかりと聞くようにしましょう。
従業員エンゲージメントや日々の業務、待遇、ハラスメントに関する面談の場合にも同様に「社員の話を最後まで聞く」という姿勢が重要です。
「傾聴する」ということを心がけ、社員の話を最後まで聞くようにしましょう。
3.評価を伝える、社員の話を促して興味を持っていることを伝える
フィードバック面談、人事評価・人事考課面談の場合は、自己評価を確認したら評価を率直に伝えましょう。
まずは、
・目標達成度合い ・評価できるポイント ・達成できたポイント |
などを褒めて伝えるようにします。
その後、
・達成できなかったポイント ・未達成の部分 |
について伝えましょう。
この時に重要なのは「決して感情的にならない」ことです。
相手の心情や雰囲気を見ながら、客観的に冷静に伝えることが重要です。
一方、従業員エンゲージメントや日々の業務、待遇、ハラスメントに関する面談の場合は、社員の話を聴いていることを伝えるために、社員の不満を確認したり、見守る姿勢を続けましょう。
社員の不満を確認する際にも、決して相手を否定することは言わないように心がけてください。
4.評価について詳しく伝える、質問をする
フィードバック面談、人事評価・人事考課面談の場合は、評価の理由を伝えましょう。
この際、最初に訊ねた自己評価と会社からの評価に差が生じている場合は、面談の評価を聞いても納得できないことがあります。
自己評価が高く、社員が期待していたよりも評価が低い場合には、今後どのように改善をしていけばいいのか、今の課題は何かをしっかりと伝えることが重要です。
一方、従業員エンゲージメントや日々の業務、待遇、ハラスメントに関する面談の場合は、社員の話をすべて傾聴した後に質問をしましょう。
ハラスメントなどで悩んでいる場合には、具体的に訊ねることが重要です。
また、問題があまりにも深刻な場合には早急に対応できるよう、社員からより詳細な話を聞く、精神的な負担を考慮することが必要です。
5.目標や課題を組み立てる、今後の方向性を確認する
フィードバック面談、人事評価・人事考課面談の場合で評価を相手に伝え終えたら、来期の目標や課題について話します。
社員が実現可能な範囲で前向きに取り組める目標を組み立て、目標達成のために必要な具体的な取り組みや課題を決めましょう。
社員が上手く目標を設定できない場合には、
・数値の明確化 ・具体的なポイント |
についてサポートしながら、社員が自発的に解決策などを考えられるように返答を待つ姿勢を保つことが重要です。
一方、従業員エンゲージメントや日々の業務、待遇、ハラスメントに関する面談の場合、今後どのようにしたらよいかを相談しましょう。
たとえば、上司に問題を感じて業務のパフォーマンスが下がっている場合には、その社員が部署異動をしてもらうことを望んでいるのか、自分が異動をすることを望んでいるのかなどを確認することが大切です。
関連記事 目標の振り返りの書き方 |
人事面談のポイント
人事面談をする上でのポイントは、企業、従業員共にメリットのある面談にするということです。
そのためには、
・何を目的とした面談か ・誰が、何を、話す面談か |
という目的をしっかりと定めた上で、
1)話しのしやすい雰囲気作り 2)社員の話を最後まで聴く 3)目標達成できるよう、客観的な視点での支援 |
などを意識して進行することが重要です。
また、人事面談の場合は特に「他人と比較しない」ことを心がけましょう。
人事面談はあくまでも1on1のため、対象の社員がどのような成果を上げているか、業務量や精神的にサポートが必要なのかを把握するための面談です。
他の社員と比べて評価をしたり、Aが出来ているのだからBも出来るはずだといったように決めつけず、その社員個人の特性を把握し、改善策や育成サポートを行なっていくのがポイントです。
人事面談の効率化
人事面談を定期的に実施し業務向上に繋げるためには、面談内容から従業員の健康状態や成長過程の可視化など、人材データの適切な管理が求められます。
タレントマネジメントシステムの『スマカン』を活用することで、1on1ミーティングの管理などあらゆる人材管理業務が効率化されるため、人事担当者の負担削減サポートや人事面談の効率化を推進できます。

記事監修

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎
2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。
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