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【例文】定性目標の書き方・立て方|達成基準や定量目標との使い分けまで解説

【例文】定性目標の書き方・立て方|達成基準や定量目標との使い分けまで解説

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定性目標とは数字であらわせない目標です。設定することで従業員のモチベーション向上などのメリットがあるため、設定している企業も多いのではないでしょうか。

しかし、定性目標は抽象的であるため、立て方がわからずに悩んでいる方もいるはずです。

そこで当記事では、定性目標の立て方や運用における達成基準の目安、定量目標との使い分けなどを解説します。具体例も交えてご紹介するため、参考にしてください。

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目次(タップして開閉)

    定性目標とは

    定性目標は、品質や特性、方向性などの質的な側面に焦点を当てた目標です。具体的な数値や量で評価する定量目標とは異なり、主観的な判断が求められます。具体的に以下の目標が挙げられます。

    ・従業員の満足度向上
    ・ブランドイメージの強化
    ・顧客満足度の向上

    定性目標は、結果よりも成果を得るまでのプロセスで行った行動が重視されるため、「行動目標」と呼ばれることもあります。数値化が難しいため、アンケート調査の結果やフィードバックを通じて評価されることが多いです。

    企業のマネジメントにおいて定性目標を設定する目的は、業務やプロジェクトの方向性を明確にし、量的には判断できない状態を評価することで、メンバーのモチベーションを高めることです。しかし、評価が感覚や主観的な価値観に左右されやすく、達成基準が設けにくいところがあります。

    定性目標の書き方例文【職種別】

    定性目標の書き方を以下の3つの業種に分けて例文をもとに解説します。

    ・営業職
    ・人事職
    ・エンジニア・クリエイティブ職
    ・事務職

    営業職

    売り上げなど数字に直結する営業部門の定量目標は立てやすいですが、定性目標はどのように設定すればいいでしょうか。

    営業職における定性目標は、数値化ではあらわせないものの、業務の質や効果を向上させる目標です。

    具体例
    顧客との信頼性構築主要な顧客5社との関係を強化するために、定期的なフォローアップを行う
    製品理解新しくリリースされる製品に理解を深め、顧客に説明できるようになる
    チームワークの強化営業チームメンバーとの協力体制を見直し、団結力を高め、効率的な連携方法を確立する

    上記の定性目標は、直接的な売上や利益といった数値では測定できませんが、営業職のパフォーマンスと顧客満足度の向上に影響します。定期的な評価とフィードバックを通じて、目標の達成度を確認するとよいでしょう。

    人事職

    人事部門の定性目標は、従業員満足度や採用活動・研修プログラムの質向上など、数値化しにくいものの組織の人材管理と発展に重要な要素を設定するとよいでしょう。オペレーション業務の効率化に重きを置いた目標を設定をする方法もあります。

    具体例
    従業員満足度の向上フィードバックをもとに、職場環境や福利厚生を改善して従業員満足度を向上させる
    採用プロセスの最適化候補者とのコミュニケーションをスムーズにし、より効率的な採用プロセスを構築する
    研修の質向上新入社員のオリエンテーションプログラムを見直し、より実践的な内容にする

    上記の定性目標は、直接的な業績には結びつきませんが、従業員のモチベーションを高め、職場の生産性と業務効率の向上につながるでしょう。

    エンジニア・クリエイティブ職

    エンジニアやクリエイティブ職の目標は、CV率など量的に設定できますが、外的な要因にも左右されやすいといえます。定性目標を設定する際は、技術力やデザインの品質、スケジュール管理など職務の質と効率を高めるものがよいでしょう。

    具体例
    資格取得専門的な資格を取得する
    デザインの品質デザインガイドラインを作成。チーム全体で一貫性を保つ
    スキルアップ新しい技術や言語、トレンドを学習してメンバーと共有する
    スケジュール管理スケジュール通りに進行し、期日漏れをなくす

    上記の定性目標は、 長期的にプロジェクト全体の品質が向上し、顧客の信頼性を高める効果が期待できるでしょう。

    事務職

    事務職は成果や実績を数値化しにくい職種の一つです。定性評価に比重を置いて人事評価を運用している企業も多いかもしれません。

    事務職における定性目標は、業務の精度や他部署への貢献度、業務フローの効率化などを設定するとよいでしょう。

    具体例
    精度の向上データ入力や書類作成におけるエラーを減らし、精度を高める
    営業サポート営業メンバーの意見を聞いて、提案書や見積もりの作成プロセスを改善する
    業務フローの効率化現在の業務フローを見直し、不必要な手順を削減または自動化することで、作業効率を向上させる

    事務の定性目標は、直接的な利益の向上に結びつかなくても、時間の浪費をなくして従業員の負担を軽減させます。業務に集中できる社内環境を整えるという意味で重要な要素です。

    定性目標の書き方例文【業種別】

    続いて、業種別に定性目標の書き方を例文を交えて解説します。

    ・製造業
    ・建設業
    ・飲食業

    製造業

    製造業界における定性目標は、製品品質の向上、生産プロセスの効率化、従業員の安全と満足度の向上などの項目で設定します。具体例は以下の通りです。

    具体例
    品質の向上製造工程を改善し、品質レベルを高める
    生産プロセスの効率化コスト削減とリソース最適化に注力し、生産効率を向上させる
    安全性の向上チーム間のコミュニケーションを強化し、安全管理体制を徹底する

    建設業

    建設業界は、一歩間違えれば大事故につながりかねません。現場で働いている従業員への安全配慮は特に重要です。

    定性目標は、安全管理や品質保証、環境への配慮などに重点を置いて設定しましょう。

    具体例
    安全管理作業場での安全研修を受講し、ミスなくプロジェクトを完遂する
    品質保証工程ごとの品質管理を徹底し、全体の品質向上をはかる
    環境への配慮環境影響を最小限に抑える建材を使用する

    飲食業

    飲食業はサービス業のため、食品の品質はもちろん、顧客対応の品質も大切です。内部だけでなく顧客対応にも配慮した定性目標を立てるのが重要といえるでしょう。

    具体例
    接客スキルの向上従業員に対する接客トレーニングを実施する
    メニューの多様性地元の食材を使った新しいメニューを開発する
    顧客サービスの向上クレームや要望に対して素早く真摯に対応する

    定性目標の書き方例文【社歴別】

    最後に社歴や階層別に定性目標の書き方を例文をもとに解説します。

    ・新卒社員
    ・中堅社員
    ・管理職・マネージャー職

    新卒社員

    新卒社員の定性目標は、仕事への取り組み方やソフトスキルに関するものを設定するとよいでしょう。

    具体例
    業務適応力の向上基本的な業務フローと社内制度を理解し、担当業務をスムーズに遂行できるようになる
    コミュニケーション能力の強化上司や同僚と円滑にコミュニケーションを取れるように報連相を徹底する
    自主性指示される前に問題を見つけて解決する

    中堅社員

    中堅社員の定性目標は、業種や職種に応じて本人のキャリア志向も踏まえて設定するとよいでしょう。管理職の昇進やマネジメントへの意欲があるならリーダーとして振る舞ったり、新入社員に対して指導したりすることが求められます。

    スペシャリストとして成長を目指すなら、ハードスキルに関するものがよいでしょう。

    具体例
    専門性の向上新たなハードスキルや知識を習得し、次のプロジェクトに活かす
    リーダーシップの発揮次のプロジェクトでリーダーシップを取り、チームを成功に導く
    部署を横断する行動他部署との連携を強化する

    管理職・マネージャー層

    管理職やマネージャー層の定性目標は、部署やチーム全体に対する設定が必要です。

    具体例
    全体の士気向上チームのモチベーションを高める施策を実施する
    戦略的な意思決定部門の戦略を策定し、意思決定を行う
    部下の育成次のリーダー候補を選出し、育成する

    定性目標を立てるメリット

    定性目標を立てるメリットは以下の2つです。

    ・従業員のモチベーションが向上する
    ・方向性が定まる

    それぞれ解説します。

    従業員のモチベーションが向上する

    定性目標の設定では、単に数字を追うのではなく、目指すべき姿を設定します。従業員が自身の仕事の価値をより深く理解する必要があり、より強い責任感と達成感を持つことを促せるため、結果としてモチベーションの向上につながります。

    従業員のモチベーションを保つために、上司は定期的に目標の進捗管理やフィードバックなどを実施して、現状から達成までの道筋を明確にする手助けをしましょう。

    方向性が定まる

    定性目標は、組織全体の目指すべき方向を明確に示す役割を果たします。定量目標だけでは捉えきれない組織のビジョンや価値観を反映させることができ、従業員一人ひとりと組織が共通認識を持てるためです。

    定性目標を立てるデメリット

    定性目標を立てるデメリットは、客観的な評価が難しいことです。定性目標は数値であらわせないので、達成基準が明確でなく、何を持って目標達成とするか判断しにくい傾向にあります。

    たとえば、定性目標に「ブランドイメージの向上」を掲げたとしましょう。目標達成に向けた具体的な行動として「丁寧な顧客対応」や「アフターサポートの充実」など考えられますが、主観や感覚で判断するしかありません。

    数字を使った定量目標なら「顧客満足度を90%以上」などの明確な基準を設定できます。定性目標は抽象的な表現になりがちなので客観的な評価が難しいのです。

    定性目標の達成基準とは?

    そもそも定性目標は達成基準が不明瞭になりがちなものです。達成に向けた行動は人によってさまざまなので、基本的に評価者の価値観によって判断されます。

    達成基準を設定しにくい場合は、目標の達成によって起こる人や品質の変化に着目することがポイントです。

    具体例変化するもの
    前期より速く資料を仕上げるスピード
    前期より多くの改善案を出す
    変化に着目するものの例
    人/製品/品質/量/コスト/時間/スピード/技術/情報

    定性目標と定量目標をバランスよく、職種や階層に応じて比重を変えて設定することも大切です。定性目標を定量化することも検討してもよいでしょう。

    定性目標の立て方・設定ポイント

    定性目標の立て方と設定ポイントを解説します。

    立て方

    定性目標を立てるには以下の3つのステップを踏みます。

    1. 社員の理想像を明確にする
    2. 短期的な定性目標を決める
    3. 定期的にフィードバックを実施する

    理想像を明確にする

    定性目標を立てるには、まずは理想を明確にする必要があります。その際のポイントは、企業の理念や課題と向き合うことです。

    企業理念や課題には自社に必要な人物像のヒントが隠れているため、向き合うことで必然と目指すべき姿を描けるでしょう。

    短期的な定性目標を決める

    理想像を達成するためには、短期的な定性目標を決める必要があります。定性目標が短いスパンで分けられているほど、達成までに要する時間が短くなるので、従業員のモチベーションを維持しやすいです。

    細かく定性目標を決めるにはゴールから逆算することが重要です。可能であれば、今日や明日からでも実践できる目標を選定しましょう。

    定期的にフィードバックを実施する

    定性目標を達成できたかどうかを客観的に判断するのは難しいです。現在地からゴールまでの距離を測るためには、上司は部下に対して定期的にフィードバックを実施する必要があります。

    設定ポイント

    定性目標の設定ポイントは、短期目標を行動可能なレベルにまで具体化することです。定性目標を立てても何から着手すればよいかが明確でない限り、目標達成のための行動を起こしにくいでしょう。そのため、短期目標に定量目標を取り入れてみるのもいいかもしれません。

    定性目標と定量目標の相違点

    定性目標と定量目標の相違点は「数字で評価できるかどうか」です。

    定性目標は数字であらわせない抽象的な目標で、定量目標は数値であらわせる具体的な目標です。

    定量目標はたとえば「アポイントを1日3件獲得する」「新規営業を1日10件かける」などで、客観的に評価しやすいことが特徴です。ただし、達成までのプロセスよりも結果が重視されます。結果を追い求めても目標を達成できなかった場合は、従業員のモチベーションが低下してしまうデメリットがあります。

    定性目標と定量目標は、どちらか一方ではなくバランスよく使い分けることが重要です。

    定性目標と定量目標を使い分けるには?

    定性目標と定量目標は、業務内容や短中長期でバランスよく使い分けることがポイントです。

    会社の利益に直結する営業など部門は定量目標の比重を高くし、サービス業などの顧客に与える価値が重要とされる業務では、定性目標の比重を高くするとよいでしょう。

    また、短期的で定量目標、中長期で定性目標を立てることもおすすめです。

    定量目標は具体的であるがゆえに、行動可能なレベルにまで目標を落とし込めるという特徴があります。定性目標は過程を重視するため、目標達成まで期間を要してもモチベーションを保ちやすいです。

    業務内容や目標達成までの期間に応じて、定性目標と定量目標を使い分けましょう。

    定性目標の具体例をもとに正しく使い分け(まとめ)

    定性目標とは数値であらわせない目標です。社員のあるべき姿が明確になり方向性が定まるため、従業員のモチベーション向上が期待できます。

    定性目標は、業務内容や目標達成までの期間に応じて定量目標との使い分けることが大切です。当記事でご紹介した設定ポイントを押さえて、具体例を参考に目標設定をしてみてください。

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