• 2022.06.21  最終更新日2022.11.01
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BPOとは【簡単に】業務例やアウトソーシングとの違い、メリット・デメリット

BPOとは? アウトソーシングとの違いや利用のメリット・デメリット

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昨今、BPOの活用を検討している企業が増加しています。人材不足への対策をはじめ、業務効率化や人件費の削減、コア業務への集中などを目的としたBPOサービス。

当記事ではBPOの意味、注目される背景、業務例、メリット・デメリットについて解説します。

目次(タップして開閉)

BPOとは

BPOとは、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business process outsourcing)の略です。業務プロセスの企画や設計から実施までを一括して外部委託して、業務改善をするアウトソーシングの一形態です。

アウトソーシングとの違い

BPOはアウトソーシングの一種です。しかし、BPOとアウトソーシングには明確な違いがあります。

通常のアウトソーシングは、業務の一部のみを一時的に外部委託することを意味します。たとえば、メルマガの配信業務やブログ記事の作成のみを外部委託する場合はアウトソーシングに該当します。

それに対し、BPOの目的は業務効率化だけでなく業務改善にあります。そのため、業務の企画や設計、施策の実行、分析、業務の改善実行などを一括して任せる場合が多いです。対象とする業務範囲が広くなるのが一つの特徴です。企業によってはある部門が担う業務を一括して外部委託することもあり、コールセンター業務や、チャットボットを活用した問い合わせ業務などが該当します。

BPOは企業が持つ、ヒト・モノ・金など限られた資源を有効に活用するための経営手法の一つと考えられています。

アウトソーシングは単一の業務や一時発生的な業務を委託し、業務改善のプロセスなどは含まれていませんが、BPOは外部の委託業者に一つの部署を設けるイメージです。

BPOアウトソーシング
・本質的には業務改善が目的
・総合的かつ継続的に外部委託
・業務効率化が目的
・単一業務や一時発生業務を外部委託

BPOが注目される背景

昨今はビジネスの変化が著しく、競争が激化しています。市場の変化や多様化する顧客のニーズに対応するためにはBPOによって、限られた資源をコア業務に集中させる必要があります。そのため、直接的に利益を生み出さないノンコア業務を外部委託するBPOに注目が集まっています。

さらにBPOに注目が高まったのは、新型コロナウイルスの流行もあるでしょう。コロナ禍でビジネス環境が大きく変化しました。企業はリモートワーク環境下での業務効率化や業務改善に取り組む必要性に迫られています。その結果、BPOを検討する企業が増えたと考えられています。

業務効率化や業務改善をしたい企業にとって、「自社にノウハウがない」「ノンコア業務を外部委託したい」という場合、BPOサービスの活用はメリットがあります。

また、BPOの活用は人材不足への対策となります。そして企業や組織の競争力の向上にもつながることが期待されています。

BPOできる具体的な業務例

BPOサービスを提供している事業者は、人事や総務、経理における事務作業、情報システムなどの間接業務、物流業務、製造業、人材採用や育成、受付業務、コールセンター業務など多岐にわたります。

最近では、行政手続きやIT、マーケティング領域におけるBPOサービスも登場し、対象業務が拡大する傾向にあるようです。各事業者にはその分野の専門家がいるため、適切なアドバイスが受けられる可能性があります。

BPOができる業務例は、以下の通りです。

部門BPOできる業務例
総務部門・受付
・文書管理
・備品管理
経理部門・請求書発行
・支払業務
・予算管理
・債務管理
・決算業務の集計
人事労務部門・給与計算
・社会保険、年末調整、などの手続き
・採用活動の代行
・労務管理

BPOの具体的な事例をご紹介します。

オフィスワークをBPO化

データや事務処理をBPOすることによって、業務効率の改善とコストカットが可能です。

リモート対応、ペーパーレス化支援、法改正への随時対応など、事業者によって特徴が異なるため、自社に合ったパートナー企業を選ぶようにしましょう。

コールセンター業務をBPO化して顧客満足度アップ

コロナ禍になってから、ネット通販やオンラインサービスの需要は高まっています。しかし、カスタマーサービスやコールセンター業務に追われてしまうと、コア業務に注力できなくなるというデメリットが生じます。

そこで、コールセンター業務をBPO化することにより、従業員はコア業務に専念でき、顧客満足度の向上も期待できます。

物流業務のBPO化で、コア業務の質をキープ

物流業務では、梱包や配送、在庫管理や配送状況の管理が欠かせません。これらを疎かにすると顧客満足度が低下してしまい、最悪の場合、財務状況を圧迫するまでに至る恐れもあります。これらをBPOで外部委託することによって、人材不足への対応あるいは人件費の削減に役立つでしょう。

また、システムを駆使してデータを管理することで、時間がかかっていた業務も効率化できるため、将来的に業績アップも見込めるかもしれません。

BPOできない業務

BPOの導入を検討している場合、事業者に依頼したい業務がBPOできる業務なのかを確認しなければいけません。また、BPOサービスを最大限に活用するためには、BPOでは処理できない業務を把握しておく必要があります。

BPOができない業務は、以下のように人間の判断や知見が求められる業務です。

・判断が求められる業務
・最終的な確認作業
・拡張業務

BPOサービスの多くは、基本的に定型的なフローチャート通りに業務が遂行されます。しかし、業務の処理中に課題やトラブルが発生した場合などは、意見交換をして依頼者が判断する必要があるでしょう。また、業務遂行後は確認作業をして最終的な責任を持つことも欠かせません。

そのほか拡張業務などにも適していません。拡張業務とは、従来の業務に新たな業務を追加することです。拡張業務が発生した場合、定型的なフローチャートをつくり直す必要があります。

BPOの効果を最大限発揮するためには、BPOでも難しい処理があることを理解しておきましょう。

BPOのメリット

BPOサービスを導入することでのメリットは、主に3つあります。

1.業務の質の向上
2.コスト削減による利益の向上
3.顧客満足度の改善

詳しく解説します。

1.業務の質の向上

BPOサービスを導入すると、ノンコア業務に追われていた従業員がコア業務に注力できる環境をつくり出せます。

それにより人材不足やノンコア業務などで業務過多となっていた従業員に、心身の余裕が生まれ、業務の質の向上も期待できます。従業員がコア業務に注力できるようになると、企業全体として利益を直接生み出す業務に集中でき、成長が見込めます。

人材不足などの課題を抱えている企業は、BPOを活用することで従業員のケアができるとともに、業務の質の改善が期待できる点は、BPOの大きなメリットです。

2.コスト削減による利益の向上

BPOサービスを導入すると、ノンコア業務を外部に委託して従業員がコア業務に集中できるので、ヒューマンリソースの確保やコストの削減になります。それにより経営資源をコア業務に注ぐことができます。

ノンコア業務にかけていた人件費などの固定費用を、BPOの利用に充てることも可能です。ノンコア業務の人件費を固定費から変動費へと変えられるため、経費削減という大きなメリットはもちろん、より柔軟な経営をしやすくなるという点も挙げられます。

3.顧客満足度の改善

人材不足が深刻化すると、場合によって顧客満足度が低下することがあります。自社にノウハウが少ない業務に従業員が追われてしまうため、非効率であるとともに、顧客に対する応対が疎かになりがちです。結果として悪い評判が広がってしまうなどの事態が考えられます。

しかし、BPOサービスでお客さま窓口業務などを外部委託することで、より早く対応が可能です。自社で行うよりも丁寧かつ柔軟に対応できる可能性も高まり、トラブルにも適切に対処でき、結果として顧客満足度の向上も期待できます。

顧客満足度を高めることは、将来的に企業の売上の拡大にもつながります。コンタクトセンターの体制を強化したい企業や、顧客満足度の改善をしたい企業にとって、BPOを活用することはメリットといえるでしょう。

BPOのデメリット

BPOサービスには、デメリットもあります。BPOの主なデメリットは以下の3つです。

1.外注費がかかる
2.社内にノウハウが蓄積しづらい
3.情報漏えいのリスクがある

詳しく解説します。

1.外注費用がかかる

BPOを導入するのであれば、当然ですが外注費用がかかってしまいます。そのため企業の財務状況が厳しい場合は、BPOの導入そのものが難しくなる可能性があります。

また、コスト面での課題を解決できたとしても、予算の範囲内に収めなければいけません。今までかかっていた人件費と外注費を比較して、どちらの方がメリットがあるのか、費用対効果を見極めて導入を検討するといいでしょう。

2.社内にノウハウが蓄積しづらい

BPOサービスの事業者に業務を丸投げしてしまうと、社内に業務ノウハウが蓄積しづらくなります。業務ノウハウが社内に蓄積しないのは、企業の発展という観点からすると、長期的に見てデメリットとなります。

たとえば、業務効率化や生産性向上を期待してBPOを導入したのであれば、業務を任せきりにするのではなく、企業とのコミュニケーションを積極的に取るようにするといいでしょう。

企業間の共有事項や適切な意見交換などを通じて、BPO導入で得られるノウハウやスキル、アイデアを蓄積できるようにするといいです。

3.情報漏えいのリスクがある

BPOは外部に業務を委託するため、情報漏えいのリスクがあります。BPOは通常のアウトソーシングにはとどまらず、業務の一部だけではなく全体を外部委託するため、顧客情報や企業機密を外部事業者に提示することも少なくありません。

自社の信用に関わるため、切り出す業務は慎重に選びましょう。同時に、BPOの実績があり、プライバシーマークなど情報管理に関する認証を取得している企業と取引を行うことも大切です。

BPOの活用で社内業務の改善を

BPOの活用により、業務が効率化でき、コア業務に注力できるという利点があります。社内業務を改善していけば、従業員のモチベーションが向上し、企業全体の活性化にもつながっていくでしょう。ただし、外注コストの増大やノウハウが蓄積していかない点など、注意事項を理解したうえで導入を検討してみてはいかがでしょうか。

社内にノウハウを蓄積していくのと同時に、業務効率化や業務改善を実現できるのが、システムツールの活用です。

タレントマネジメントシステム『スマカン』は、社内の従業員情報をクラウド上で一元管理し、煩雑な人事業務の効率化や業務改善に役立ちます。コア業務に専念して、コストの削減、生産性向上を目指す企業をサポートいたします。

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記事監修

監修者

スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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