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エンプロイージャーニーとは? マップの作成ステップや従業員の体験価値を高めるメリットを解説

エンプロイージャーニーとは? マップの作成ステップと従業員体験を高めるメリット

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エンプロイージャーニーとは、従業員一人ひとりが入社から退職までに経験する一連の体験のことです。人事・HR領域におけるエンプロイーエクスペリエンス(従業員体験:EX)の注目度の高まりとともに、耳にすることも増えました。

当記事は、エンプロイージャーニーの基礎知識やエンプロイージャーニーマップの作成手順、効果、マップを活かして従業員エンゲージメントを高める方法について解説します。

「エンプロイージャーニーが具体的にどのようなものかよくわからない」「従業員エンゲージメントを高めるヒントが知りたい」とお考えの経営者や人事担当者はぜひご活用ください。

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目次(タップして開閉)

    エンプロイージャーニーとは

    エンプロイージャーニーとは、従業員が入社してから退職し、OB・OGになるまでの道のりのこと。エンプロイーはemployee=従業員、ジャーニーはjourney=旅を意味します。従業員が在籍中に社内で体験する経験の数々を、旅の道のりになぞらえています。

    エンプロイージャーニーの類義語

    エンプロイージャーニーの類義語にカスタマージャーニーという言葉があります。マーケティング用語であるカスタマージャーニーを、従業員に当てはめたのが、エンプロイージャーニーです。

    カスタマージャーニーは、購買における顧客の行動を図でまとめたものです。顧客が製品やサービスと出会って購入し、継続利用(または解約)に至るまでの道のりをあらわします。顧客をより深く理解するために、製品やサービスとの接点(タッチポイント)を洗い出し、より効果的なアプローチを検討します。

    エンプロイージャーニーの重要性

    エンプロイージャーニーは、昨今の企業経営において重要だと考えられています。退職するまでの間にさまざまな経験をして従業員に成長してもらうことによって、エンゲージメント向上につながります。経営者や人事部は、自社との接点を洗い出し、従業員の体験価値を改善することによって、エンゲージメントや従業員満足度の向上を目指す必要があります。

    エンプロイージャーニーを描く目的

    エンプロイージャーニーを描く目的は、従業員の体験価値を改善することです。エンプロイージャーニーを明確にするには、マップの作成が役立ちます。

    エンプロイージャーニーマップとは

    エンプロイージャーニーマップとは、エンプロイージャーニーを図にして見える化したものです。従業員と自社との接点を明確にし、従業員に対する施策の検討などに役立てます。

    エンプロイーエクスペリエンス(従業員体験:EX)とは

    エンプロイージャーニーと同じ文脈でしばしば使われるのが、エンプロイーエクスペリエンスです。

    エンプロイーエクスペリエンスとは、従業員が入社から退社までに経験する体験のこと。業務の実経験はもちろんのこと、スキルアップ研修やチーム内の人間関係などさまざまな体験を指します。

    昨今は人的資本経営の注目度の高まりなども相まって、人材は管理するものから投資するものという考え方が浸透してきました。人材に投資して、社員に心地よく価値のある経験をしてもらうことは、企業側の役割といえます。

    エンプロイーエクスペリエンスが高めることは、働きがいにもつながり、企業にも好影響をもたらします。

    エンプロイージャーニーを明確にするメリット

    エンプロイージャーニーを明確にすると、多くのメリットがあると考えられています。主なものを5つご紹介します。

    従業員の体験価値の向上

    従業員の体験価値を検討することによって、入社から退職までの一連のイベントが計画しやすくなるでしょう。また、人材育成に必要なフローや支援策の検討にお役立ていただけます。

    従業員満足度・エンゲージメントの向上

    エンプロイージャーニーをマッピングし、従業員の体験価値を高めると、従業員は企業から大切にされている印象を持つ傾向にあります。それにより、充実感をもって仕事ができ流でしょう。また、

    離職率の低下

    エンプロイージャーニーを明確にし、従業員の体験価値が改善されると、エンゲージメントが向上します。エンゲージメントの向上は、離職率の低下に直結すると考えられています。人材の定着率が高まると、新しく採用活動を実施する必要がないため、採用コストもカットできるでしょう。

    企業のイメージアップ

    エンプロイージャーニーを明確にして従業員満足度が高まれば、企業イメージの向上も期待できます。働き方の多様化により、個を尊重する企業風土が整っている企業には人気が集まりやすいです。結果的に、優秀で自社に適した人材を確保しやすくなるでしょう。

    企業文化の構築

    エンプロイージャーニーの明確化によって、従業員一人ひとりの生産性が上がり、経営力がアップすると考えられます。従業員が安心して仕事ができる文化が構築されるでしょう。職場自体の居心地もよくなり、従業員にとって働きやすさが増す可能性があります。

    エンプロイージャーニーを考えるための3つの視点

    エンプロイージャーニーを考えるうえで、重要な3つのポイントをご紹介します。これらはエンプロイーマップを作成する際にも持つべき視点といえます。

    従業員の個を尊重

    1つめは、従業員一人ひとりの「個」を尊重することです。

    エンプロイージャーニーを明確にすることは大切ですが、全従業員がその道のりをたどるわけではありません。

    エンプロイージャーニーに沿った指導方法などを事前に用意し、従業員一人ひとりに寄り添うことが大切です。企業側が描いたプロセスや方針を一方的に押しつけてはいけません。経営層や人事担当者は、従業員の旅の案内人のようなイメージです。

    働きがい

    2つめは、働きがいです。

    エンプロイージャーニーにおいて、会社が個人の働き方や働きがいを決めるものではありません。エンプロイージャーニーで従業員に提示するのは、あくまでも想定し得る役割やスキルなどです。企業側は、成長の機会を与えているに過ぎません。「何のために働くのか」という働きがいにもつながる答えは、従業員個人の自由意志によるものとなります。

    エンプロイーエクスペリエンス(従業員体験:EX)

    3つめは、先述したようにエンプロイーエクスペリエンス、従業員の体験です。

    エンプロイージャーニーにおいて想定できる困難な体験を踏まえ、あらかじめ準備をしておきます。注意すべきは、やはり押しつけにならないこと。一人ひとり価値のある体験は異なるということです。世代や個人の価値観によって、異なるジャーニーを歩むことを理解しましょう。

    エンプロイージャーニーマップの目的やメリットを解説

    エンプロイージャーニーを明確にするうえで、役立つのが前述したエンプロイージャーニーマップです。エンプロイージャーニーを図で可視化したものです。

    作成する目的

    エンプロイージャーニーマップを作成する目的は、エンプロイージャーニーの明確化と同じく、従業員の体験価値を改善し、向上させることです。昨今は従来の人事制度と考え方が大きく変わりつつあります。人は管理するものから投資するものへと価値観がアップデートし、従業員の立場から見て組織運営を改善していかなければいけなくなりました。

    エンプロイージャーニーマップでは、たとえば「入社直後はこういった壁に直面する」「こんな問題に対面した際は、どうサポートするか」といった内容を図に起こします。そして、それらに対して最適な施策を実施する必要があります。

    エンプロイージャーニーマップは、従業員目線で自社内での体験を価値あるものに変えていくために有効です。

    作成するメリット

    エンプロイージャーニーマップ作成するメリットは、従業員にとって価値のある体験を提供できる点です。一人ひとりにとって快適な職場を目指し、施策を検討できるでしょう。すべての要望を満たすことはできませんが、従業員の体験価値を高める取り組みを進められると考えられます。

    また、彼らが遭遇する体験を細かく想定していくことで、従来では見落としがちだった不備を見つけるのにも役立ちます。

    エンプロイージャーニーマップの各段階

    エンプロイージャーニーマップを作成するにあたって、道のりの各段階を整理しましょう。基本的に一人の従業員が入社して退社するまでの一連の流れに沿っています。

    獲得・入社

    採用に至るまでのすべてのステップです。採用コスト、期間、採用率などを含みます。獲得・入社段階を明確にすると、自社に必要な人材を採用するための施策の検討やミスマッチの原因などが特定できる可能性があります。

    オンボーディング

    新入社員に対して、業務のシステムやプロセスについて説明し、理解してもらう段階です。オンボーディングを充実させることは、これから始まる業務へのやる気を高め、持続的なものにします。

    配属

    各部署に配属され、仕事に取り組む段階です。配属後のキャリアイメージなども明確にしておくとよいでしょう。万一、希望に合わない仕事を担当することになったときは、エンゲージメント向上のための施策が必要です。

    業務・育成

    仕事に慣れて、スキルアップにも取り組める段階です。従業員と適切なコミュニケーションをとりながら、企業側はキャリアアップの手助けを行います。

    評価

    仕事内容を明確な基準で評価し、パフォーマンスに対して細やかなフィードバックを行います。企業の一員であると実感させることができれば、エンゲージメントの向上が期待できます。

    離職・退職

    何らかの理由で離職する際も、その後のネットワーク形成方法を決めておくといいでしょう。退職後、知人へ入社を勧められるような状態が好ましいといえます。

    エンプロイージャーニーマップの作成ステップ

    実際にエンプロイージャーニーマップを作成するにはどのように進めたらよいでしょうか。作成ステップをご紹介します。

    従業員へのヒアリング

    従業員に直接ヒアリングを行います。日常的にどんな悩みを抱えているかや、普段どんな感情を持って仕事に取り組んでいるか聞きとりましょう。なるべく多くの従業員から話を聞き、部署や職種、性別や年代などが偏りがないのが望ましいです。

    ペルソナの設定

    ペルソナとは、架空の社員像のことです。ヒアリングで得た情報をもとに、ペルソナが抱える問題やキャリアビジョン、行動傾向などを設定します。このとき、過去の経歴や趣味嗜好などをなるべく細かく設定しましょう。同時に企業側が思い描く理想像を、押しつけすぎないことも大切です。

    フェーズの分類

    入社から退職までのフェーズを、細分化して分類します。各フェーズにおいてペルソナが直面しそうな課題を洗い出し、対応策を考えていきます。必要に応じてさらに短い期間で段階を区切ることもあります。

    アクションプランの作成

    従業員経験を向上させるために必要な施策を決定します。その後、各フェーズごとにアクションプランへ落とし込み、実行します。

    エンプロイージャーニーマップの作成の注意点

    エンプロイージャーニーマップを作成する際は、以下の2点に注意しましょう。

    目的・目標を明確化する

    エンプロイージャーニーマップを作成する目的や目標を、事前に決めておきましょう。「従業員の定着」や「エンゲージメント向上」といった具体的な目標がなければ、思ったような効果が出ないこともあります。

    社内への周知を徹底する

    エンプロイージャーニーマップを作成後、可視化された内容を全従業員に周知します。「この会社で働くと手に入るキャリア」や「どんなプロセスを踏んで成長できるか」といった内容を伝えておくと、従業員がメリットや価値を感じやすくなるからです。

    エンプロイージャーニーを明確にして従業員の体験価値を高めるには

    ここまで、エンプロイージャーニーマップの作成について解説してきました。総合的に従業員の体験価値を高めるためには、下記の2つのポイントに気をつけましょう。

    従業員主体で考える

    エンプロイージャーニーマップを作成する際も、従業員側から見た視点を最優先に作業を進めましょう。

    透明性を意識する

    エンプロイージャーニーを明確にする際の話し合いや手続きを誰でも確認できるようにしましょう。閉じられたコミュニケーション内で作業を進めると、従業員に不信感を抱かせる可能性があります。

    まとめ

    エンプロイージャーニーとは、従業員が入社から退社までの自社内体験の道のりのこと。エンプロイージャーニーマップは、その道のりをわかりやすく図にしたものです。道のりを明確にすることによって、従業員の体験価値や職場環境を改善し、従業員エンゲージメント向上や組織力の強化につながるでしょう。

    エンゲージメント向上には、タレントマネジメントシステム活用も

    エンプロイージャーニーを描いてエンプロイーエクスペリエンスを高めるには、専用システムを活用するのも一案です。

    タレントマネジメントシステム『スマカン』は、人材情報を集約して一元管理し、データに基づいた人事施策をサポートするクラウドツールです。アンケート機能を使って、簡単にエンゲージメント調査ができるので、配布から回収までの手間が省けるでしょう。収集したデータを詳細に分析すれば、社内の状態を見える化でき、離職防止の手立てを考えるのにもお役立ていただけます。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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