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OKRの失敗理由とは【原因と対策】成功ポイント

OKRの失敗理由とは【原因と対策】成功ポイント

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近年、さまざまな企業がOKRによる目標管理に注目しています。しかし、OKRを導入してみたものの「思うような成果が得られなかった」「かえって生産性が落ちた」と悩む企業も少なくないでしょう。

OKRを最初から成功させるのは簡単ではありません。とはいえ、OKRの導入を検討する企業や一度失敗した企業は「できるだけ失敗を避けたい」「自社が失敗した理由を知りたい」と考えるでしょう。

当記事では、OKRが失敗する原因とその対策方法を解説します。また、OKRを成功させるためのポイントも紹介しているので、これからOKRを実施する企業はぜひ参考にしてみてください。

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目次(タップして開閉)

    OKRとは

    OKRとは「ひとつの目標(O:組織が目指すゴール)」と「主な結果(KR:具体的な数値目標)」で成り立つ目標管理方法です。目標を達成するために必要な結果を設定し、その内容に従って各部署や個人レベルに必要な業務や役割を割り振ります。

    年間目標・四半期の明確な目標を設定し、部署や従業員が一丸となって行動するのが特徴です。また、目標に対する進捗確認やフィードバックも定期的に行うため、最終的な結果も公平で納得感のあるものになりやすくなります。

    OKRは失敗しやすい? 向いていない組織の特徴

    OKRは組織が一体となって目標達成に向けた行動をとるという特徴があります。そのため、進めなければならないことが多く、リソースが限られているスタートアップ企業などでは効果を発揮しやすいといえます。

    一方で、達成必須の目標を特に必要としない組織や目標を全社に公開していない組織などは、OKRに向いていません。そのような企業でOKRを導入しても、うまく運用できない可能性が高いといえるでしょう。OKRにはさまざまなメリットがありますが、すべての組織でその効果を得られるとは限らないのです。

    次の項では「OKRを導入したものの、うまくいかない」「自社でOKRを取り入れたいけど、失敗したらどうしよう」と悩む人事担当者のために、OKRが失敗してしまう原因とその対策を7つご紹介します。

    OKRが失敗する原因【1】経営層だけで目標を決めている

    経営層だけで「O(組織目標)」を決め、トップダウンでOKRを運用しようとすると失敗につながります。

    OKRでは、従業員が組織の目標とリンクした個人目標を設定する必要があります。しかし、従業員は「自社がどこを目指しているのか」「会社は何を達成させたいのか」を理解していなければ、自分の目標や役割がわかりません。

    また、上から行動を押しつけられるような体制では、当然従業員のモチベーションや生産性は上がらず、OKRを運用する意味がなくなるでしょう。

    対策

    OKRを運用する前に、必ず組織の目標を全従業員に周知しましょう。従業員自身がOKRを設定するには、企業としてのOKRを知っておく必要があります。

    本格的なOKR運用を始める前に、研修を行ったり、経営層から企業目標や従業員に求める要素を通達したりして、全社にOKRを浸透させることが大切です。OKRを浸透させるには、OKRツールの導入も有効といえます。

    OKRが失敗する原因【2】挑戦的な「O(目標)」がない

    OKRにおける「O(目標)」は、挑戦的でストレッチの効いたものが必要です。すぐに達成することは難しいけれど、チャレンジしたいという目標も考えなければなりません。

    また、OKRが失敗するケースではそもそも「O」を設定していない場合があります。KRだけを先に設定し、適当にOを考えるようなOKRでは、企業の本当のゴールは見えなくなってしまいます。

    対策

    組織が最終的にどのような状態を目指しているのかを明確にしましょう。たとえば企業のミッション・バリュー・ビジョンなどをしっかりと設定し、そのうえで最終的に目指すゴールを明らかにします。

    ゴールが明確化されていれば、適切な「O」を設定できるでしょう。また「ムーンショット」と呼ばれる達成困難なストレッチ目標も必ず設定します。個人だけに求めるのではなく、企業全体として挑戦的な目標を掲げることが大切です。

    OKRが失敗する原因【3】「KR(具体的な数値目標)」が多すぎる

    OKRが失敗に終わる原因の一つに、KR(具体的な数値目標)を設定しすぎている場合があります。いくら適切な目標を立てたとしても、達成に向けての行動指標が多すぎてしまうと、従業員は何を優先すべきかがわからなくなってしまいます。

    特にチームやプロジェクトを兼務している場合、目標が複数となるため、すべてが中途半端な行動しか取れなくなる恐れがあります。

    対策

    達成したい目標に優先順位をつけることが大切です。組織の方針に合わせ、どの目標を第一に考えるべきなのかを整理します。もちろん、重要度が低いからといって手を抜いてよいわけではありませんが、業務の生産性を考慮し、重要な指標を減らすことも考慮しなければなりません。

    OKRが失敗する原因【4】OKRが共有されていない

    自社のOKRが周知されていても、チームや従業員単位のOKRが共有されていなければ失敗しやすくなります。どのチームが何を目指すのか、誰がどのような役割を担うのかがわからないままOKRを始めてしまうと、組織全体の一体感にはつながらず、本来のOKRの効果が期待できません。

    対策

    OKRが持つメリットを最大限に発揮させるには、会社・各部署・従業員のOKRを全社で共有する必要があります。目標に向けた行動やそのスケジュール、成果指標を可視化し、定期的なチェックを行うようにしましょう。

    OKRが共有されることで、チームの垣根を超えた協力体制も敷かれやすくなり、組織力の強化にもつながります。OKRを全社で共有するにも、OKRツールが役立ちます。

    OKRが失敗する原因【5】MBOと混同している・人事評価に結びつけている

    OKRとよく混同されがちな目標管理方法に「MBO」がありますが、両者は似て非なるものです。

    MBOは設定した目標の達成度によって従業員の評価を行うものであり、目標達成度は100%を目指す必要があります。

    一方、OKRは従業員を評価するためのものではありません。達成度も60%〜70%を目指すものです。

    ところがOKRが失敗する企業では、この2つを混同しており、OKRのはずなのに100%の目標達成を求めたり、人事評価や報酬に直接結びつけたりしているケースが少なくありません。

    対策

    OKRとMBOの違いを明確に把握する必要があります。

    OKRは100%の達成度を求めるものではないことや、人事評価に直結させるものではないことを、まずは理解しましょう。それにより、従業員はより大きな目標に挑戦する意欲がわきやすくなります。

    OKRの目的や効果への理解にブレが生じないよう、OKR運用中でも定期的に再確認の場を設ける必要があります。

    OKRが失敗する原因【6】フィードバックに工数をかけすぎている

    OKRの運用で必須となるフィードバックに工数をかけすぎていることも、失敗の原因に挙げられます。

    マネジメント層は従業員のOKRを定期的にフィードバックしなければなりませんが、メンバーが多ければ多いほど面談にかかる工数は増えてしまいます。通常業務に加えて従業員との面談を実施するとなると、その分業務の生産性は落ちてしまうでしょう。また、マネージャーの精神的負担や労働時間の増加にもつながってしまいます。

    対策

    フィードバックの工数を減らすには、ツールやシステムの導入を検討するとよいでしょう。目標管理が行えるシステムでは、各従業員の目標内容・進捗状況を可視化ができます。面談でヒアリングしなければならない内容をシステム上で確認できるため、1人に対する面談の所要時間を減らすことも可能でしょう。

    OKRが失敗する原因【7】OKRが形骸化している

    OKRが失敗する原因として、導入したことで満足してしまい、いつのまにか形骸化しているケースもあります。

    OKRを適切に管理する体制が整っていないと、定期面談がなく、目標の見直しや振り返りが行われずに終わることがあります。そのような場合、目指すべきゴールから外れた行動をとっていることに気づけず、目標の達成は遠のいてしまうでしょう。

    対策

    OKRは導入してからが本番です。定期的にフィードバックの場を設けましょう。単にこれまでの進捗を振り返るだけでなく、必要に応じてOKRの見直しなども実施することが大切です。また、メンバー同士で達成したことをたたえ合うウィンセッションなども実施し、モチベーションを高めながらOKRを進める体制を整えましょう。

    OKRで失敗しないための成功ポイント

    自社でOKRを導入する場合、できるかぎり失敗は避けたいものです。先に紹介した失敗の原因を把握するとともに、以下のポイントも押さえ、OKRを成功に導きましょう。

    OKRが自社に向いているかを再確認する

    OKRは挑戦的な姿勢で大きな目標に向かうことを前提としています。そのため、そのような姿勢が自社とマッチしているかどうかを考えることはとても大切です。

    自社の風習や経営方針などと照らし合わせ、本当にOKRの導入が自社にとってよいことなのかを確認しましょう。OKRが自社に向いていないと判断した場合は、MBOなどそのほかの方法で目標管理を行うことも検討しましょう。

    プロジェクト単位でOKRを実施してみる

    規模の大きな企業では、OKRが自社に合っているかどうかを判断するのは簡単ではありません。まずは、プロジェクト単位でOKRを実施してみるとよいでしょう。

    スモールスタートで試すと、自社に適しているかが確認しやすいです。同時によりよい運用を行うための改善策も見つかるかもしれません。

    プロジェクト単位のOKRで成果が出れば、少しずつ実施の範囲を広げていくといいでしょう。

    シンプルにスタートさせる

    基本的にOKRは、人事評価と直結させるものではありませんが、取り入れ方によっては評価に活用できます。

    しかし、初めてOKRを導入する企業で、いきなり人事評価と結びつけたり、OKRとMBOを同時に導入したりすると混乱や勘違いを引き起こしかねません。まずはシンプルに少しずつ始めましょう。

    OKRを報酬の決定に直結させない

    上記で述べたように、基本的にOKRは人事評価と直結させるものではありません。特に報酬の決定指標にOKRを用いない方がよいとされています。

    OKRは達成が難しい挑戦的な目標も設定する必要があります。しかし、OKRの結果で報酬を決めようとすると、従業員は失敗するリスクを恐れ、チャレンジする意欲を失ってしまいます。報酬の指標には、MBOなどのほかの方法を用いることをおすすめいたします。

    適切な方法で目標を設定する

    OKRを導入する際は、目標設定の項目数が多くなりすぎないよう注意します。たとえば「O(目標)は、定性的なものを1つ設定し「KR(具体的な数値指標)」は、定量的なものを3〜5つ程度設定するのが望ましいとされています。

    また、以下ようにさまざまな観点から適切な目標設定になっているかチェックしましょう。

    ・従業員のモチベーションが上がるような目標設定ができているか
    ・目標達成の状態が明確な数値で示されているか
    ・ほかのメンバーと連携が取れた目標になっているか

    OKRの必要性や導入の背景などを経営層から従業員に伝える

    OKRは組織全体が一丸となって目標達成を目指すものです。

    ・なぜ自社でOKRを実施する必要があるのか
    ・会社はどのようなことを目指すのか
    ・どのようなことを従業員に求めるのか

    などを経営層から従業員に伝え、OKR導入の理解を促しましょう。従業員が前向きにOKRに取り組めるような体制を整え、全員が同じ方向を目指して行動できる運用を目指すのが大切です。

    フィードバックや振り返りを定期的に実施する

    OKRは短いスパンでフィードバックや振り返りを実施する必要があります。

    ・チーム全体の進捗を確認するチェックインミーティング
    ・目標達成をたたえるウィンセッション
    ・一人ひとりの目標の進捗確認や振り返りを行う1on1ミーティング

    などを定期的に行いましょう。

    OKRを成功に導くには、適宜目標を見直して修正することもポイントです。目標の内容や進捗などはシステムを導入し、いつでも確認できる体制にしておくと、フィードバックや振り返りの時間を効率化できるでしょう。

    PDCAを回しながらOKRを運用する

    いきなり完璧なOKRを目指すのは非常に難しいことです。ポイントを押さえながらOKRを進めても、トラブルが発生したり、なかなかうまく運用できなかったりすることもあるでしょう。

    一度決めた運用ルールを、永遠に続けなければいけないというわけではありません。1回目のOKRを終えたあとは、課題を洗い出し、ブラッシュアップしたうえで2回目のOKRをスタートさせましょう。PDCAを回しながら運用することが、OKRの成功へとつながります。

    まとめ

    OKRは成功すれば、生産性や従業員のモチベーション、チャレンジ精神の向上、組織力の強化などにつなげられます。まずは、自社がOKRに適した経営方針なのかを見極めましょう。そして導入する場合、全従業員への周知と理解を促すことが大切です。

    OKRに失敗する原因とその対策をあらかじめ理解したうえでスタートし、PDCAを回しながら進めて、成功に導きましょう。効率的にOKRを実施するには、専用システムの導入も一案です。同時に検討することをおすすめします。

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