• 2022.07.05
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MBO(目標管理制度)とは? 人事評価と連動するメリットや効果的に運用する方法を解説

MBO(目標管理制度)とは? 人事評価と連動するメリットや効果的に運用する方法を解説

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「MBO(目標管理制度)」は社員が自ら目標を決め、達成状況に応じて人事評価をする人材マネジメントの手法です。

当記事では、MBOの意味や目的、運用メリットやポイントをご紹介します。

目次(タップして開閉)

MBO(目標管理制度)とは

MBOとは、経営学の父と言われる有名な経営思想家、ピーター・ドラッカー氏が提唱したマネジメント手法「Management by Objectives(目標による管理)」です。グループや個人ごとに自ら目標を設定し、その達成度によって評価する目標管理手法です。

日本では1960年代半ばには知られていましたが、なかなか定着せず、バブル崩壊後の1990年後半になって再び注目されるようになりました。

MBOが注目され始めたきっかけ

なぜMBOは、バブル経済崩壊後に注目され始めたのでしょうか。

それは経済が低迷し始め、企業は業績悪化を食い止めるためのコストダウンを迫られたことにあります。人件費を減らしつつ業績を上げるために、成果によって評価する成果主義が注目されるようになり、MBOの導入を検討する企業が多くなったのです。

MBOは社員自らが決めた目標に向かってPDCAサイクルを回していく運用手法です。ここ数年で急速に浸透しているテレワークにおいて、上司によるマネジメントがしにくいため、自律的な姿勢を促すMBOはさらに注目が高まっています。

MBOの特徴

MBOには大きく2つの特徴があります。順にご紹介します。

1.個人目標と企業や組織目標がリンクしている
2.社員が自ら目標設定し、自己統制していく

1.個人目標と企業や組織目標がリンクしている

社員一人ひとりが自身で目標設定するMBOですが、その目標は企業・組織とリンクしているものでなければいけません。それぞれの目標を経営目標や部門目標と連動させることで、業績アップを目指します。

MBOは、個人目標の達成度を上司がしっかり確認して企業・組織目標とリンクさせながら、目標達成に向けて部下をサポートしていくマネジメント手法です。

2.社員が自ら目標設定し、自己統制していく

上司や組織から目標を押しつけられるのではなく、社員自らが目標を設定します。目標設定後、上司とも相談し、承認を得てから実行に移します。

個人の目標には、具体的に4つの目標があります。

・能力開発目標
・職務遂行目標
・業務改善目標
・業績目標

目標達成のプロセスにおいて、社員は自己統制しながら目標達成に向けて自走します。年度末に、目標達成度に対する自己評価と上司の評価によって人事評価を行います。

MBOとOKRの違い

MBOはよくOKR「Objectives and Key Result」(目標と成果指標)と混同されますが、似て非なるものです。MBOとOKRとで大きく異なる点として、「目標設定の違い」「評価の違い」が挙げられます。

目標設定の違い

前述したように、MBOは会社・組織の目標と個人の目標をそれぞれ設定し、リンクさせます。社員は個人目標の達成を目指して行動し、それに伴って会社や組織目標も達成することを目指します。

一方、OKRでは個人目標は設定しますが、あくまでも会社や組織目標を達成するためのものです。個人の目標の達成のために行動するというよりは、会社や組織の目標達成のために行動します。

個人評価の違い

MBOでは個人が達成可能な目標を設定するため、達成度は100%を目指します。年度末に、その目標達成度に応じて人事評価が行われます。MBOは個人を評価する人事評価制度という意味合いの強いものです。

一方、OKRでは達成可能なところよりも高いところに目標を設定するので、達成度は60~70%を目指します。目標達成度合いは人事評価とも無関係です。

OKRはあくまでも会社全体で取り組むものであり、個人においては、その能力を引き出すための人材育成制度という意味合いが強いものです。

MBO(目標管理制度)を運用する目的

会社がMBOを運用する目的は、前述したようにコストカットしながら業績を上げることです。

加えて会社が目指す経営理念や経営目標、部門目標と、社員が自身で設定した目標とをリンクさせ、その達成度に応じて評価をするという、人事評価と連動したマネジメントを行う目的もあります。個人の組織への貢献度を明確にしたうえで人事評価を行い、それによって従業員の処遇に反映させます。

MBO(目標管理制度)運用のメリット

ここでは企業がMBOを取り入れるメリットをご紹介いたします。

従業員の主体性が身につく

MBOの大きな特徴として、従業員自ら目標設定をし、その達成に向けて試行錯誤しながら動いていくことがあります。上司や会社にやらされるのではなく、自分で設定した目標達成のために動くので、従業員の主体性が育ちます。

最近は管理されながら働く人材よりも、自律して自ら仕事を進めていける人材が重宝される傾向が強くなってきています。MBOを取り入れることで、従業員の主体性を育てることができるでしょう。

業務管理を適切に行える

MBOは個人目標と組織の目標がリンクしており、目標とそのプロセスが明確なため、目標設定が適切であれば、評価者である上司は部下の業務管理がしやすいというメリットがあります。

ただ前述したように、部下は自ら設定した目標を達成するために主体的に行動します。上司は部下の主体性を育てるようなマネジメントをしながら業務管理を行う必要があります。

人事評価制度との連動

MBOは目標が明確なので、その達成度で評価しやすいという特徴があり、多くの企業で人事評価制度と連動させています。目標達成度という明確な評価基準があるので、上司や人事担当者の主観が入りづらく、評価の公平性も保てます。

目標達成を目指すことで、業績アップにも寄与する可能性があり、人事評価も効率的に運用できるというメリットがあります。

MBO(目標管理制度)運用のデメリット

MBOのデメリットとなる面をご紹介します。導入前に確認しておきましょう。

管理者や評価者の業務負担

MBOでは社員一人ひとりが自身で立てた目標に対して、評価とフィードバックを行わなければなりません。途中の進捗管理においても、定期的にコミュニケーションをとる必要があります。

そのため、評価対象の社員が多い評価者ほど、負担は大きくなるというデメリットがあります。評価とフィードバックは社員のキャリアにも関わる重要なものなので、評価する側の心理的負担も増します。

適切に管理できない場合、形骸化の恐れ

会社や組織目標と個人目標とが適切にリンクできていない状態でスタートしてしまうと、当然目標達成にも支障をきたします。

また、目標達成度と人事評価がリンクしているため、社員は簡単に達成できる低い目標設定をしてしまうこともあります。さらに、自分の目標が達成できれば評価を得られるということで、個人主義が蔓延してしまうこともあり得ます。そのような状態で運用しても社員の主体性は身につかず、適切な評価も行えません。

加えて経営環境の変化に合わせて、会社や組織目標を年度の途中で変更しなければならないことも考えられます。会社や組織目標の変更に合わせて個人目標も柔軟に変更できなければ、本来のMBOではありません。

このように、適切に目標管理と業務管理ができなければ、MBOの運用が形骸化してしまう恐れがあります。そのためMBOは、上司のマネジメント力が問われる制度といえます。

モチベーション、エンゲージメントの低下

評価やフィードバックの内容によっては、社員の不満が溜まり、モチベーションが下がってしまうという可能性があります。MBOでは社員一人ひとりが異なる目標設定をしているため、たとえばAさんとBさんを同じ達成基準ではかれない場合もあります。したがって評価者の評価スキルが問われることになります。

評価者研修などを利用し、評価する上司や人事担当者の評価スキルを上げていくことが求められます。

MBO(目標管理制度)の方法・運用の流れ

続いて、MBOの運用方法や流れを解説します。

1.目標を設定する
2.目標に基づいたアクションプランの実行
3.進捗管理
4.目標の達成状況に応じた人事評価

1.目標を設定する

最初に目標を設定します。会社や組織の目標と、社員個人の目標、それぞれを設定する必要があります。

会社・組織の目標を設定する

まずは会社、組織の目標を明確にする必要があります。設定する目標は企業理念やミッションに沿ったものであり、分かりやすさが求められます。

従業員が設定する目標は会社や組織の目標にリンクするものでなくてはなりません。そのため、会社や組織の目標があいまいだと、個人の目標も設定しにくいため、注意が必要です。

個人目標を設定する

個人の目標設定において、上司は以下の点を確認します。

・会社や組織目標とリンクした目標か
・社員の能力に対して適切か(低すぎたり高すぎたりすることはないか)

個人目標は、会社や組織目標にリンクした目標を設定します。その際、本人と上司とで目標達成のイメージを明確に共有できていることが重要です。

しっかり共有できていなければ、年度末の評価の際にMBOや上司に対する不信感やモチベーション低下を招くことになりかねません。

目標設定と本人の能力が合っているかどうかを判断するうえで、社員のスキルを可視化して一元管理しておくのも大切な準備です。社員のスキルや経験を管理できていれば、適切な目標レベルが判断しやすくなります。

2.目標に基づいたアクションプランの実行

目標設定を終えたら、目標達成までのプロセスをPDCAサイクルで回しながら実行していきます。

設定した目標達成のために、どのように行動していくのか、具体的な行動計画(アクションプラン)を立ててもらいます。このとき行動計画はできるだけ具体的に数値化するといいです。進捗状況について客観的に判断がしやすく、目標の修正も行いやすいからです。

数字で表すことが難しい職種の場合も、可能な限り具体的な計画を立てましょう。

3.進捗管理

目標の進捗確認は、部下に書いてもらう日報の確認や定期面談などで行います。

面談は上司と部下の1対1で1on1ミーティングを行うのが有効です。ミーティングは15〜30分程度の短い時間で行う場合が多く、週1回や月に1回など開催頻度は会社によってさまざまです。

定期的にコミュニケーションをとることで、部下の変化にいち早く気づくことができたり、目標達成に向けたフォローが随時できるので、信頼関係構築にも役立ちます。

進捗確認を踏まえて、修正が必要であればアクションプランの調整を促します。あくまでも部下が主体的に改善できるような働きかけをし、単純に指示をする、ということはしません。

4.目標の達成状況に応じた人事評価

人事評価においては、目標に対する達成度に対して評価を行います。まずは社員が自己評価を行い、その後上司がその自己評価も踏まえたうえで評価を行います。

客観的に評価を行い、目標達成のために足りていなかったところ、成長したところなどをフィードバックします。次年度以降、より部下が成長できるよう、考えさせ、モチベーションを上げていけるようなサポートをします。

MBO(目標管理制度)を効果的に運用するポイント

MBOの効果的な運用をするために、2つの大きなポイントがあります。

適切な進捗管理

社員一人ひとりが目標設定からPDCAを回しながら進めていくMBOですが、上司はその過程でアドバイザーとサポーターの役割に徹して伴走します。部下の自主性に任せながらも、プロセスはしっかり管理していきます。

目標設定においては、会社の目標と個人の目標とにズレがないかどうかを確認し、必要があれば調整を促します。スタート時点でズレがあると、あとに軌道修正が大変になるので、始めの段階で方向性が合っているのかどうかをチェックすることがポイントです。

立てたアクションプランを実行していく段階では、進捗を把握しながら、状況に合わせてきめ細やかなサポートを行います。あくまでも部下の自主性を尊重しながら、適切なフォローが必要です。

最後に評価・改善の段階では客観的な分析から、部下の成長を促すようなフィードバックを行います。

このように、評価者である上司のマネジメントスキルが重要なポイントになるのがMBOです。評価者への負担が大きく、より高いマネジメント能力が求められるといえるでしょう。

人事評価システムを活用した運用

人事評価システムを活用すると、より効率的に目標管理を行うことができます。多くのシステムは、自社に合わせてカスタマイズできるものが多いです。

たとえば以下のような機能です。

・MBOやOKRなどの手法に沿った目標管理機能
・人事情報の一元管理
・オリジナルデータベースの構築
・カスタマイズ自由な人事評価シート

このようなサービスをうまく活用することで、より効率的に目標管理を行うことができます。自社に合わせた人事評価システムを取り入れ、浮いた時間や労力、コストを別の業務に注力できれば、業務効率化が進み、業績アップにもつながるでしょう。

MBOの運用を効率化するなら

従業員が自身の目標を決め、達成状況に応じて評価をするマネジメント手法がMBO(目標管理制度)です。その目的は組織への貢献度を明確にし、本人の評価に反映させること。コストカットをしつつ、業績アップを目指すことにもつながります。

タレントマネジメントシステム『スマカン』は、MBO(目標管理制度)に即した評価シートのテンプレートがあらかじめ備わっています。簡単なマウス操作でカスタマイズも自由です。

目標管理に必要な進捗状況、スキル管理、1on1ミーティングの面談記録などもクラウド上で一元管理できます。MBO(目標管理制度)に基づく人事評価の導入や目標管理の運用見直しの際は、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

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