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【例文】定量目標とは?書き方や設定方法を事務など職種別に解説|定性目標との違い

【例文】定量目標とは?書き方や設定方法を事務など職種別に解説|定性目標との違い

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企業や従業員の成長に目標設定は欠かせません。しかし設定の方法がわからないと、いつまでたってもゴールにたどり着けません。目標には「定量目標」と「定性目標」の2種類があります。

当記事では定量目標の書き方を例文を交えて職種や業種、社歴別に解説しています。設定のメリット・デメリット、定性目標との違いについてもご紹介していますので、目標を立てる際の参考にお役立てください。

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目次(タップして開閉)

    定量目標とは

    定量目標とは、数値で測定できる目標です。

    1日5件のアポイントを獲得する
    月間売上1500万円を達成する

    定量目標は明確な数値で達成度を客観的に評価できるため、評価者が判断しやすいうえに被評価者も納得しやすく、マネジメントや人事評価に取り入れている企業もあるでしょう。

    定量目標|事務ほか職種別の記入例

    目標の内容は職種によってさまざまです。当記事では事務職をはじめ、一般的な職種における定量目標の記入例をご紹介します。

    事務職

    事務職は定量的な目標を立てにくい職種の一つです。主に業務効率化に関する目標を意識するとよいでしょう。

    例文
    ・メールの処理時間を1通あたり5分以内に短縮する
    ・1日に処理できる書類の枚数を10%増加させる
    ・月末締めの帳票作成を翌月5日までに100%完了する
    ・1か月のデータ入力のエラーを5%以下にする
    ・3か月以内に書類の処理速度を20%向上させる

    営業職

    営業職など売り上げに関与する職種は定量目標を立てやすい職種です。受注件数などを目標にするとよいでしょう。

    例文
    ・新規顧客との商談を週に5回行い、そのうち新規契約を1件獲得する
    ・既存顧客からのリピート注文を月に3回以上増やす
    ・月間売上目標を前月比で5%以上増加させる
    ・次の四半期で新規顧客を15社獲得する
    ・月に1回相談会を実施し、商談化率を10%向上させる

    人事職

    人事の定量目標は、採用や定着率の向上など、自社の経営目標と連動させることを意識しましょう。

    例文
    ・新卒採用の選考プロセスを短縮し、採用決定までの期間を2週間以内にする
    ・社員の定着率を年間で5%向上させる
    ・社内トレーニングの受講率を年間90%以上維持する
    ・来期の採用コストを10%削減する
    ・6月に中途向けの採用イベントを実施し、10名以上とのカジュアル面談を実現する

    エンジニア

    エンジニアは外的要因により、目標達成が困難になることもある職種です。個人のスキルアップや業務効率化に焦点を当てた目標を立てるとよいでしょう。

    例文
    ・3か月でプログラミング勉強会の参加率を90%以上にする
    ・次のリリースまでにバグ発生率を10%減少させる
    ・新技術の導入により、プロジェクトの開発効率を20%向上させる
    ・1年以内に、2つ以上の新しいプログラミング言語をプロジェクトに導入する
    ・既存のコードベースで処理速度を3か月で10%向上させる

    デザイナー

    デザイナーは新しい技術やクオリティが求められるため、それに付随した定量目標を設定するとよいでしょう。

    例文
    ・Webデザイン案件のクライアント満足度を90%以上にする
    ・制作したWebサイトのページの読み込み速度を10%向上させる
    ・新しいツールを導入し、デザインの作業効率を15%向上させる
    ・プロジェクトごとのデザインの修正回数を平均で20%減少させる
    ・次のUI/UXアップデートでサイト訪問者の平均滞在時間を10%増加させる

    定量目標|業種別の記入例

    続いて業種別の定量目標の記入例をご紹介します。

    製造業

    製造業では、生産数だけでなく品質向上やSDGsに関連する目標設定も大切です。

    例文
    ・月間生産量を10%増加させる
    ・不良品回収率を年間で3%以下にする
    ・生産ラインの稼働率を95%以上にする
    ・原材料の在庫回転率を2倍に改善する
    ・3か月以内に廃棄物量を10%削減する

    建設業

    建設業においては、従業員の労働環境やDX推進なども視野に入れた目標を設定することも重要です。

    例文
    ・プロジェクトの完工日程を10%短縮する
    ・安全対策の遵守率を100%に向上させる
    ・進捗管理やデータ可視化を強化し、1年で現場作業の電子化率を30%向上させる
    ・建築コストを予算内に収め、コスト効率を10%改善する
    ・1年で従業員の安全教育受講率を90%以上に向上させ、労働災害発生率を10%削減する

    飲食業

    飲食業の定量目標は、売り上げのほかサービスの品質や顧客満足度も視野に入れて設定するとよいでしょう。

    例文
    ・月間売上目標を前年比で5%増加させる
    ・注文から提供までのサービス時間を10分以内に短縮する
    ・顧客のリピート率を15%向上させる
    ・1年で新規メニューの販売数を5000食以上にする
    ・従業員の接客トレーニングを実施し、顧客満足度を85%以上に維持する

    コンサルタント業

    コンサル業では顧客評価や新規顧客獲得数など、サービス品質と成果の向上を追求した定量目標を立てる場合が多いでしょう。

    例文
    ・顧客からの評価を平均で4.5以上に向上させる
    ・新規顧客獲得数を月平均で3件以上増加させる
    ・プロジェクトの納期を100%遵守する
    ・顧客のニーズに対応する提案書の受注率を20%向上させる
    ・コンサルタントの育成を強化し、プロジェクト成功率を95%以上で維持する

    定量目標|社歴別の記入例

    目標設定は個々の経験によって内容、難易度が変わります。続いて社歴別の定量目標の記入例をご紹介します。

    新卒社員

    経験の浅い新卒社員の定量目標は、主にプロセスや意欲に焦点を当てるとよいでしょう。

    例文
    ・3か月で業務手順を完全に習得し、単独でプロジェクトに参加する
    ・月次タスク完了率を90%以上にする
    ・新規企画のアイデア提案件数を1年で5回以上行う
    ・半期の社内研修参加率を100%達成する
    ・1年以内に社内評価で平均以上のスコアを獲得する

    中堅社員

    中堅社員の場合、マネジメント志向、スペシャリスト志向など個々のキャリアプランに応じた目標設定を意識するとよいでしょう。

    例文
    ・他部署との協業プロジェクト参加率を年間で3回以上にする
    ・1年で3つ以上の新しいスキルまたは資格を習得する
    ・6か月以内に部署内で1つ以上の改善提案を実施する
    ・指導を強化し、3か月で後輩の業務習得率を100%にする
    ・次の四半期で業績を前四半期比で10%向上させる

    管理職・マネージャー層

    管理職やマネージャー層の場合、個人だけでなく部門全体の結果を意識した目標が必要です。

    例文
    ・四半期でチームの業績を前年同期比で15%向上させる
    ・部門予算管理で年間10%の節約を達成する
    ・従業員の定着率を年間で5%向上させる
    ・上司・部下からの評価平均を4.7以上にする
    ・年に2回以上社内研修講師を務める

    定量目標を書くメリット

    定量目標を設定することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

    進捗・達成度が明確になる

    定量目標のメリットは、数値によって目標の進捗や達成度を明確化できることです。一定期間中の数値目標が設定されていると、途中で達成率の確認をすることが可能です。それにより、目標の見直しやアクションプランの変更など、目標達成に向けた軌道修正もしやすくなります。

    ゴールに向けた行動をとりやすい

    具体的な数値目標を立てることでゴールが見えやすくなります。これにより、従業員は自身の役割や責任を理解し、目標達成に向けた方針や戦略を立てやすくなります。たとえば、「1か月の商談数を10件にする」という目標なら、実現のための架電件数を「1週間◯件」「1日◯件」と具体的に落とし込めるでしょう。

    公平な人事評価制度につなげやすい

    定量目標は達成度合いを数値であらわせるため、客観的な評価が実施できます。定量目標の結果を人事評価に取り入れる場合、実績や成果を明確に示せるため、個々の貢献を評価しやすくなります。その結果、業績に応じた報酬や昇進の判断ができるため、公平な人事評価の実現につながるでしょう。

    定量目標を書くデメリット

    一方で定量目標を重視しすぎると、デメリットとなる側面もあります。

    クオリティ低下や不正行為のリスクが起こりやすい

    数値目標の達成ばかりに意識が向くと、従業員はクオリティや目標達成までのプロセスなど、数値ではあらわせない部分を軽視してしまう可能性があります。従業員は大事なものを見失い、不正行為やメンバー同士の足の引っ張り合いが起こるリスクも否定できません。

    モチベーションが低下しやすい

    高い数値目標により達成が難しい場合や、達成までの過程が評価されない場合、従業員のモチベーションやエンゲージメントを低下させる可能性があります。たとえば、人一倍努力したにもかかわらず、目標未達となってしまうと、従業員は挫折を感じ、業務への意欲を失ってしまうでしょう。また、結果だけを重視するメンバーが増えると、自分中心の考えが広がり、社内の人間関係が悪化するかもしれません。

    創造性の低下

    定量目標だけを重視してしまうと、従業員は既存の成功法に固執し、確実に達成する道を選ぼうとするかもしれません。そのような状況では、新しいアイデアが生まれにくくなってしまいます。目標達成のためにリスクを取ることを避けてしまうと、イノベーションや新しい視点が創出されず、企業全体の成長を妨げることにもつながるでしょう。

    定量目標の設定方法

    定量目標の設定においては、結果の数字だけでなく

    ・達成までの期間
    ・具体的なアクションプラン
    ・達成可能か否か

    なども意識しなければなりません。

    また、部署やチームの全体目標を起点に、従業員一人ひとりに具体的な定量目標を分配して落とし込むことがポイントです。

    全体目標部門の月間成約率を5%向上させる
    個人目標1日に10件架電し、アポイントを1件獲得する

    SMARTの法則でチェックする

    定量目標を設定する際は「SMARTの法則」を活用するのがおすすめです。

    SMARTの法則とは、ビジネスマネジメントの専門家ジョージ・T・ドラン氏が提唱したフレームワークです。以下の5つの要素から構成されており、目標が具体的で達成可能かをチェックするために役立ちます。

    SSpecific(具体的な)
    MMeasurable(測定可能な)
    AAchievable(達成可能な)
    RRelevant(関連性のある)
    TTime-bound(期限が明確な)

    Specific(具体的な)

    目標は具体的でなければなりません。何を達成したいのか、何が望ましい結果なのかを具体的に定義しましょう。例えば、「売上を増加させる」といった抽象的な目標ではなく「1か月の売上を1000万円にする」といった具体的な数値目標にします。これにより、ゴールが明確になり、達成に向けたアクションプランを立てやすくなります。「何を達成するために、何を行うのか」を意識しましょう。

    Measurable(測定可能な)

    測定可能な目標であるかどうかも重要です。例えば、「毎月の訪問者数を10%増加させる」など測定可能な基準で設定した目標は、進捗を把握するのも簡単です。必要に応じて最終目標の修正もできます。「達成・未達」が数値で把握できれば、次に起こすべき具体的なアクションプランを考えやすくなるでしょう。

    Achievable(達成可能な)

    目標は現実的かつ達成可能であることも大切です。あまりにも無謀な目標を設定してしまうと、達成は非現実的となりモチベーションの低下や挫折感を生んでしまいます。反対に、簡単すぎる目標もモチベーション向上にはつながりません。目標は挑戦的でありつつも、現実的な範囲で設定することが重要です。

    Relevant(関連性のある)

    個人目標は組織の目標やビジョンと関連性があり、戦略や目的に寄与するかどうかもチェックが必要です。個人目標が組織全体の目標と合致していないと、効果的な成果を生むことが難しくなってしまいます。

    Time-bound(期限が明確な)

    目標には必ず期限を設定しましょう。いつまでに達成すべきかが明確であれば、スケジュール管理がしやすくなり、行動計画も具体的になります。例えば、「3か月で新規顧客を50件獲得する」といった目標は期限が明確です。

    定量目標と定性目標の違い・使い分け

    最後に定量目標と定性目標の違いと使い分けを整理しましょう。

    違い

    定量目標は具体的な数値に基づいて設定するため、成果も数値で測定可能です。一方で定性目標は、主に質的な要素に焦点を当てて設定します。人間関係やクリエイティブな成果など数値で表現が難しい目標が該当します。

    定量目標定性目標
    特徴数値で測定できる数値であらわせない、目指す状態
    売上を10%増加させる毎週5回、取引先とミーティングを実施するチームワークを向上させる製品のブランドイメージを強化する

    使い分け

    目標設定の際は、定量目標と定性目標のバランスを取りながら設定することが大切です。

    たとえば、売り上げに直接的に関与する営業部門は定量目標に偏りがちですが、「クライアントと強固な信頼関係を構築する」という定性目標も立てられます。顧客との関係性を数値で評価することは難しいでしょう。営業担当者は、クライアントとの円滑なコミュニケーションに焦点を当て、長期的なパートナーシップを築くアクションプランを検討する必要があります。

    一方で事務職は、定性目標の方が立てやすいかもしれません。しかし定性的な指標に偏ってしまうと、会社の全体への利益に貢献しているかが不透明です。たとえば「Webデザインの納期を10%短縮する」という目標なら、プロジェクトの効率向上に貢献していることがわかりやすく、評価しやすいでしょう。

    また、業務の品質向上やチームワークの強化など、達成までに期間が必要な目標については、定性目標の方がより適しているといえます。反対に「1か月の売り上げ」など短期的な目標には「20%増加」のような定量的な指標を設定すると、具体的なアクションプランが立てやすくなります。

    定量目標と定性目標は上手に組み合わせを

    定量目標は数値で測定できる目標です。進捗・達成度も可視化できるため、人事評価の判断基準に取り入れている企業もあるでしょう。

    しかし定量目標だけを重視してしまうと、従業員が結果主義になってしまったり、プロセスを評価されないことへの不満が募ったりするリスクも生じます。

    目標設定を行う際は、数値で測定できない部分にも注視し、定性目標も取り入れることが大切です。定量目標と定性目標を、業務内容や達成期間に合わせて上手に組み合わせることで、企業全体の成長が望めるでしょう。

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    従業員の定量目標に課題を感じている場合は、システムの導入も検討するとよいでしょう。

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