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第二新卒とは|定義【いつまで?】既卒・中途との違いや採用メリット、成功ポイントを解説
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近年の人材不足などを背景に、第二新卒への注目が高まっています。しかし、新卒や中途と比較して、第二新卒を積極的に採用する企業はまだ多いとはいえません。
「第二新卒の定義では何歳までを指すのか」「採用の利点は何か」「採用にはどのような条件や待遇を設けるべきか」と疑問を持つ人事担当者もいるようです。
そこで当記事は、第二新卒の基礎知識をはじめ、採用のメリット・デメリット、採用の方法やコツなどを網羅的に解説します。事業計画と連動させて、第二新卒採用を成功させたい企業の担当者はぜひ参考にしてください。
目次(タップして開閉)
第二新卒の定義とは|いつまで?
第二新卒とは、学校を卒業して新卒で入社した企業を1〜3年以内に退職し、再び新たな企業に就職活動をする若手の求職者を指しています。
「いつまで」「何歳まで」という明確な基準はない
第二新卒に「いつまで」「何歳まで」という明確な基準や定義はありません。
しかし、最終学歴が4年制大学であれば25歳前後、高校であれば20歳前後の年齢を指す場合が多いでしょう。企業によっては「第二新卒」とは呼ばず「若手」と表現することもあります。
特徴
第二新卒は新卒としての経験がありながらまだ職歴が浅いため、教育制度や新人研修を必要とするでしょう。前職の影響が少ないため、自社の社風になじみやすいのも特徴です。
新卒、既卒、中途との違い
新卒、既卒、中途と第二新卒の違いは次の表の通りです。
第二新卒 | 新卒で入社した企業を1〜3年以内に退職した人。 |
---|---|
新卒 | 学校を卒業・修了してすぐに初めて社会人として就業する人。 |
既卒 | 一度学校を卒業したが、就職していないまたは新卒入社の機会を逃した人。 |
中途 | 社会人経験者。新卒入社以外の経路で企業に入社する者を指す。 |
第二新卒の採用市場の動向
近年、第二新卒の採用市場はどのような動きを見せているのでしょうか。また、第二新卒を採用する際、どのような点を重視して選考しているのでしょうか。
第二新卒者の採用動向について、調査をもとに解説します。
第二新卒採用を行う企業は増加傾向
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス『doda』が実施した調査によると、2023年下半期の転職市場は、15分野(※)すべてで求人が増加し、活性化が予測されています。
増加の背景には、新型コロナウイルスからの経済回復が考えられ、特に外食や旅行、冠婚葬祭などの業界で業績が上向きです。
また、転職の機会は、ベテランから若手まで門戸が開かれています。ベテランは知識や経験、専門性を重視され、若手は未来のリーダー候補に対するニーズがあるようです。
少子高齢化などを背景に、新卒の採用競争が厳しくなっているなか、企業は第二新卒の採用にも力を入れ始めており、未経験の業種・職種に挑戦したい若い世代にはチャンスといえるでしょう。
※営業、人事、経理、法務、企画・マーケティング、クリエイティブ、IT・通信、電気・機械、化学・素材、不動産・建設、販売・サービス、金融、メディカル、事務・アシスタント、食品
参考:『転職市場予測2023下半期【doda編集長とキャリアアドバイザーが動向を解説】』doda
第二新卒の採用基準
一般的に第二新卒を募集する場合、次の3つのパターンに分かれ、それぞれで採用基準が異なります。
新卒採用と同じ枠で募集
新卒採用枠での第二新卒採用は、学歴や大学での活動、成績などの基準を重視し、すでに就業経験がある点をプラスと見るため、短期間の前職在籍はあまりネガティブに取られない傾向にあります。
中途採用と同じ枠で募集
中途採用枠での採用は、具体的な職務経験や技術、前職での実績を評価の中心とし、特定の業界や職種の経験や特定のスキルが評価されることが多いでしょう。
第二新卒者に特化して募集
第二新卒に絞った募集の場合、ポテンシャルと経験のバランスが求められ、前職での短期の経験と再挑戦への意欲、そして離職理由や転職の動機が評価のポイントです。
いずれの場合も、多くの企業が学業成績や職務経験よりも「人間としての魅力」や「みずから考えて行動できる能力」など人柄を重視して人物本位の選考が行われているのが特徴です。
具体的には、次のような採用基準が挙げられます。
・コミュニケーション能力 ・リーダーシップ ・理解力 ・チャレンジ精神 ・好奇心旺盛 |
第二新卒が離職する主な理由
第二新卒が離職する理由はさまざまです。株式会社学情が2023年7月3日~2023年7月16日に実施した『第二新卒(社会人経験3年未満の20代)の転職意識』の調査結果をもとに、離職の理由を紹介します。
やりがい・達成感
36.2%の第二新卒者が「もっとやりがい・達成感のある仕事をしたい」と回答しています。
どのような仕事内容にやりがいを感じるかは人それぞれですが、達成を得られると、意欲が高まる人は多いでしょう。
上司からの高い評価や顧客からの感謝、数値目標を達成してチームに貢献するなど、業務を通じた成長の実感をもとに転職を検討するのかもしれません。
給与・年収
次に「給与・年収をアップさせたい」と考えて転職を考える第二新卒は35.8%を占めました。
新卒で入社後、会社の給与体系を知ると、将来の生活設計やキャリアを現実的に見直す機会も増えます。そのうえで、早いうちにより高い基本給や昇給率を持つ会社に移ろうと考える人もいるのかもしれません。
ワークライフバランス
調査では「残業を減らしたい・休日を確保したい」という理由を挙げた人が、26.8%と3位でした。
過度な残業や休日出勤が多いと、プライベートの時間を確保するのが難しく、ストレスが蓄積され、健康を害するリスクが生じます。
最近では、ワークライフバランスを優先する企業もあり、働き方を見直すために転職を考える人が増加しているのかもしれません。
会社の風土や考え方
次に回答者が多かったのが「会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」という理由です。
実際に働き始めたあとに、人間関係に悩みを抱えたり、会社の雰囲気が合わないと感じたりする人は少なくありません。
事前に念入りに企業リサーチを行っても、人事の変動や組織の変更などで会社の環境が変わってしまうこともあるでしょう。そのような変化によって違和感を覚え、転職を検討する人もいるようです。
第二新卒を採用するメリット
第二新卒を採用すると、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。
意欲が高い人材を採用できる
第二新卒者は一度就業した経験を持つため、職場環境や業務内容に対する具体的な期待や希望を持っています。
初めての仕事に対する不安や疑問を乗り越え、再び新しい職場で成功を求める強い意欲を持つ傾向にあるのが特徴です。そのため、成果を求めて、熱心に業務に取り組む姿勢が期待できます。
教育コストが少なくて済む
第二新卒者は、一度就職した経験から、業界や職種に関連する基礎知識や基本的なビジネスマナーを身につけていることが多いです。
新入社員よりも、自社での研修期間や教育時間が短縮できる可能性があるため、育成コストの削減が期待できます。
優秀な人材を確保しやすい
第二新卒に着目している企業は増えているものの、まだ多いとはいえないため、新卒や中途と比べると人材を確保しやすい傾向があるといわれています。
多くの第二新卒者は、自分のキャリアや価値観に合致する企業を厳選して転職活動を進めます。
第二新卒の獲得は、比較的競合が少ないため、自社が求職者の価値観と合致していれば、優秀な人材を獲得しやすいでしょう。
通年採用ができる
第二新卒者は新卒の入社時期に縛られず、年間を通じて転職活動をしています。そのため企業は通年採用を行い、人材が欲しいタイミングで採用できるでしょう。
将来を担うコア人材になりやすい
第二新卒者は前職の影響が少ないため、自社の企業文化や組織風土に、なじみやすいです。
新しい環境への適応能力や、異なる背景を持つ人々との協力を重視する姿勢があれば、会社の文化に溶け込みやすく、将来を担うコア人材へと育成できる可能性があります。
関連記事 コア人材とは|特徴や育成方法 |
第二新卒を採用するデメリット
一方、第二新卒を採用すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。2つご紹介します。
早期離職の懸念がある
第二新卒者が入社早々、不満を持ち、再び離職を考える可能性もゼロではありません。
入社後の環境や業務内容が自身の期待と異なると、一度離職を経験しているぶん、新卒者より容易に次の転職先を探し始める人もいるでしょう。
早期に辞められてしまうと、企業は採用コストや研修・教育の時間を無駄にすることになります。
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即戦力としての活用は期待できない
第二新卒者を採用する場合、職務経験やスキルよりもポテンシャルが重視され、すぐに戦力としての働きを期待するのは難しいでしょう。
特定のスキルや知識が求められる職種においては、一からの研修や教育が必要かもしれません。
関連記事 即戦力採用の採用基準とは? |
第二新卒を採用するプロセス(フロー)
一般的に、第二新卒を採用して部署に配置するまでのプロセスは以下の通りです。
1.採用戦略の策定
まずは採用戦略を策定し、中長期的なビジョンや人材ニーズを明確にすることが大切です。
・なぜ採用の必要があるのか ・いつまでに人材が必要なのか ・どのような方法で探すのか ・何人採用すればよいか ・どの部署にどのような人材が必要なのか |
以上のような内容を整理し、前職での経験を活かしつつ、新たな挑戦も求める第二新卒のニーズに応える戦略を決めましょう。
2.欲しい人材の要件定義
次に、欲しい人材の要件を定義します。第二新卒採用の場合、多くの企業ではポテンシャルを重要視します。
その場合でも、単に「やる気」だけを基準とするのではなく、人材の性格や価値観、成長意欲なども定義することが大切です。短期的な業務ニーズだけでなく、長期的な組織の成長や変革にも貢献できるような人材像を描きましょう。
関連記事 人材要件の作り方 |
3.募集要項、求人メッセージの作成
募集要項では、仕事内容や勤務地、給与、必要な資格・経験などを明確にします。
求人メッセージは、第二新卒者が感じるであろう不安や期待に対して、企業としてどのような価値を提供できるのかを伝える内容を考えましょう。具体的な業務内容やキャリアパス、育成体制など、第二新卒者が気になる点を明確に伝えることが大切です。
4.採用媒体(手法)の選定
予算や採用までの期間を念頭に、どのような手段で人材を募集するのか検討します。
最近は、第二新卒をターゲットとした転職サイトや合同企業説明会、大学のキャリアセンターなど、さまざまな媒体・手法があります。媒体を選択する際は、第二新卒の実際の求職活動の動向や情報収集手段を調査して、効果が出ている媒体を選ぶとよいでしょう。
このとき、手段を1つに絞るのではなく、多様な媒体を組み合わせると、幅広い層の第二新卒者にアプローチできます。
5.書類選考
職務経験が浅い第二新卒の場合、履歴書や職務経歴書の内容だけでなく、自己PRや志望動機など、ポテンシャルや今後の成長への意欲・アピールを読み取ることが大切です。
前職での短期間の経験や学び、新しい環境での挑戦意欲や成長意欲を評価ポイントとして設けるといいかもしれません。
また、重要なのは「なぜ前職を退職したのか」という理由です。辞める理由は本人の価値観や仕事に対する姿勢を読み取りやすい項目であるためです。
6.面接
面接では、あらかじめ設定した採用基準に沿って、転職の動機や新しい環境での挑戦意欲、成長意欲をしっかりと確認しましょう。
前職に限らず、過去の失敗経験や経験からの学びなど自己成長のエピソード、転職を希望する理由など面接官が深く掘り下げると、候補者の価値観や人となりを理解できるはずです。
7.適性検査
第二新卒採用でも新卒と同様に適性検査を行うのがおすすめです。
書類や面接だけでは把握できない応募者の特質やスキルを評価するためです。企業文化や業務内容に合致するかを判断するうえでは「性格検査」の結果が有効です。
候補者の「思考傾向」や「行動パターン」を数値化して分析しましょう。部署の選定などの判断材料としても利用できるため、能力検査とあわせて「性格検査」を導入しするのも一案です。
8.内定通知
転職希望者は、複数の企業へ同時に応募していることが少なくありません。
そのため第二新卒者への内定通知は、迅速かつていねいに行いましょう。入社の意思確認をしっかりと行い、必要な情報や質問に対して適切に対応すると、スムーズな採用プロセスを実現できます。
内定通知の際は、ほかの企業の選考状況やオファーの有無などもヒアリングし、候補者の状況をしっかりと把握します。
また、内定から入社までに期間が空いてしまう場合は、フォローアップも重要です。定期的にコミュニケーションを取り、相談は随時受け付け、入社までの不安や疑問などは可能な限り解消するように努めましょう。
9.入社手続き
第二新卒者の入社手続きは、前職との雇用契約解除や退職手続きの進行状況を考慮して、スケジュールの調整を行うことが必要です。
あらかじめ、手続きの流れや必要な書類など、入社に向けた具体的なステップを明確に伝えると、円滑な入社をサポートできるでしょう。
10.オンボーディング
入社後のオンボーディングでは、前職の経験を最大限に活用しつつ、新しい環境や業務内容への適応をサポートするプログラムを設計することが大切です。
第二新卒者の特有のニーズや期待に応える研修やフォローアップの体制を整えると、早い段階での業務適応や組織への同化を促進できるほか、早期離職リスクの低減にもつなげられるでしょう。
第二新卒はポテンシャルを見極めることが重要
第二新卒者は短期の社会人経験を持つものの、長いキャリアを持つ中途採用者とは異なるため、ポテンシャルや意欲、価値観の確認が選考のポイントです。
企業側の担当者は、第二新卒の過去の経験や知識だけに注目するのではなく、候補者の将来性や、学びの姿勢や柔軟性など潜在的な能力を見極めましょう。
具体的には、次の通りです。
・コミュニケーションスキル ・トラブル解決能力 ・トラブル解決への責任感 ・情報収集能力 ・理解力 ・一般常識に対するモラルや価値観 ・新しい環境や課題に対する適応性 |
短期間の社会人経験から、その人の成長速度や学習能力、考え方などをつかみ、企業文化に適しているかを判断材料とします。
第二新卒採用におすすめの媒体・手法
第二新卒を募集するには、さまざまな媒体・手法があります。それぞれの特徴を理解し、効果的に活用しましょう。
求人サイト
オンライン上で多くの求人情報が掲載されている転職サイトは、企業が掲載した求人情報を見た候補者がエントリーする仕組みです。
求人サイトの利点は、大量の求職者にアクセスでき、多くの履歴書やエントリーシートを集めやすいことです。ジョブカテゴリーや勤務地による絞り込み機能もあるため、希望に応じて絞り込みがしやすい特徴があります。
ただし、応募者の質にばらつきがあり、適切なスクリーニングが必要な場合もあります。求人情報の定期的な更新や管理も必要です。
転職エージェント
転職エージェントは、求職者と企業をマッチングさせるプロによる仲介サービスです。
エージェントが適切な候補者の紹介をサポートしてくれるため、自社にマッチした人材をピンポイントで獲得しやすいうえに、書類選考の手間を省略できるメリットがあります。
一方デメリットは、エージェントに対する紹介料や成功報酬が発生し、ほかの媒体よりも割高なコストがかかる点です。
また、採用プロセスを委託してしまうため、自社に採用に関するナレッジが蓄積されないという懸念もあります。
合同企業説明会
合同企業説明会とは、多くの会社が一堂に介し、求職者に自社の魅力を伝えるイベントを指します。
多くの第二新卒を一度にターゲットにできる点は魅力である一方、参加しているほかの企業との競争が激しくなる可能性がある点に注意が必要です。
ダイレクトリクルーティング
企業が直接、自社に合いそうな候補者を探しだし、スカウトする手法です。高いマッチング精度と効率的な採用が可能な点がメリットです。
ただし、スカウトメールの送信や作成が必要であるため、業務工数が増えるデメリットがあります。
さらに、候補者が自社への優先度が低い場合、興味を持ってもらえるようなアプローチが求められるでしょう。
SNS採用
近年ではソーシャルメディアを利用した採用活動も一般的になっています。
SNSは第二新卒などの若い世代の利用が多いため、コストをかけずにターゲット層に向けた情報発信を行えるメリットがあります。
また、自社の広報活動と組み合わせた施策も実施しやすいでしょう。ただし、炎上などSNS特有のトラブルや誤情報の拡散には注意が必要です。
大学のキャリアセンターとの連携
大学の就職支援部門であるキャリアセンターと連携して採用する方法です。
キャリアセンターは基本的に在学中の学生向けのサービスですが、大学によっては卒業後3年までは、卒業者でも活用できます。各大学が持つ特性を把握しておくと、質の高い候補者を紹介してもらえるでしょう。
ただし、日頃から大学と良好な関係を構築しておくことが必要です。
リファラル採用
リファラル採用は、従業員の紹介に基づく採用手法の一つです。
すでに自社で働いている従業員のネットワークを活用するため、同じような価値観を持っている可能性が高く、企業文化にフィットした人材を採用しやすいメリットがあります。
一方で、推薦者と候補者の間のトラブルや機密情報の漏えいなど注意すべき点もあります。
ハローワーク
ハローワークは、政府が運営する公的な求人情報提供サービスです。
一定の補助金や制度を活用すると、採用コストの削減も期待できます。しかし、ハローワークには多様な背景を持つ人々が利用するため、人物像の見極めが難しい傾向にあります。
まとめ
第二新卒は、1〜3年という短い期間であっても、一度は就職経験があります。そのため、新卒とは異なり、具体的な成長意欲がある場合が多く、自社にマッチすればコア人材の育成につながります。
また、初の職場選びでの失敗を経て、より自分に合った環境や職種を模索しているため、比較的マッチングが簡単といえるでしょう。一方で、一度の就職経験が早期離職のハードルを下げてしまっている懸念もあります。
第二新卒採用を成功させるには、しっかりと採用戦略を策定し、一つひとつのプロセスをていねいに実行することが大切です。そのなかで、候補者の経験や意欲を正確に評価し、適切な環境や育成を提供します。ポテンシャルや経験を最大限に活かし、長期的に活躍できる場を整備しましょう。
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