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タレントマネジメントのデメリット|解消法や導入ポイント、メリットを最大化するには?
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タレントマネジメントの導入で、従業員の情報を集約・一元管理し、多様な人材の活躍を後押しできます。しかし一方で「タレントマネジメントはメリットばかりでデメリットはないのか」「タレントマネジメントを上手く運用できていない」と感じている方もいるでしょう。
タレントマネジメントを効果を得るには、注意すべき点を把握し、それらを解消する必要があります。
当記事ではタレントマネジメント導入によるデメリット、それを解消するためのポイント、メリットを最大化する方法を解説します。
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目次(タップして開閉)
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは、自社の従業員(タレント)について、さまざまな情報を集め、その情報をもとに採用や人材配置、評価、育成などの人事施策を実施するマネジメントです。少子高齢化によって人材不足を課題とする企業が増える中で、新たな人材採用に頼るのではなく、既存の従業員一人ひとりの能力を高めながら個人・組織ともにパフォーマンスを最大化させることを目的としています。それによって最終的な経営目標の達成や企業の成長を目指します。
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タレントマネジメントのデメリット
タレントマネジメントをうまく運用できれば、従業員が最大限のパフォーマンスを発揮でき、企業の成長につなげられます。しかし、実際に自社でタレントマネジメントを導入する場合、すぐに効果が出るものではありません。
ここでは、タレントマネジメントを実施する際に懸念となるポイントを紹介します。これらの懸念点は、ときにデメリットに感じられてしまうこともあります。しかし解決していくことで、自社に適したタレントマネジメントを取り入れられるでしょう。
目的がすり替わってしまう
タレントマネジメントを導入する目的が不明確なまま導入を進めてしまうとうまく運用することはできません。本来タレントマネジメントのゴールは「企業の成長」です。企業の成長に何が必要なのかも明確になっていないまま、始めてしまうと、いつの間にか「上手にタレントマネジメントできること」が目的にすり替わってしまいます。まずは自社の導入目的を明確にしましょう。
データを集めるのに時間がかかる
タレントマネジメントには「情報」が必要です。従業員一人ひとりの情報を集め、それをもとにさまざまな人事施策を行っていきます。しかし、集める情報が多ければ多いほど集約には時間がかかります。とにかく多くの情報を集約することを目指した結果、いつまで経ってもデータが完成しないという事例も聞かれます。
タレントマネジメントを実施する際はいきなり「完璧」を目指すのではなく、最低限必要な情報から集約していくことが大切です。
タレントマネジメントが社内に浸透しにくい
集める情報の種類は必要最低限に絞ったとしても、なかなかデータが集まらないという場合は、社内の理解を得られていないケースが考えられます。ある日突然タレントマネジメントの導入を決めても、従業員の理解はなかなか得られないでしょう。
まずはタレントマネジメントについて、従業員に周知しなければなりません。タレントマネジメントはどのような施策で、なんのために実施するのか、どのようなことが期待できるのかを明確にしましょう。そのうえで、情報収集のルールを設定したり、システムを導入するなどの手順に進むことができます。
システムを導入する場合コストがかかる
システムを導入してタレントマネジメントを行う場合、導入コストがかかります。最近ではさまざまなタレントマネジメントシステムがあります。
システムには大きく分けて2種類あり、オンプレミス型とクラウド型があります。オンプレミス型のシステムでは最大で数千万円という高額な費用がかかることもあります。一方クラウド型は、低コストで抑えられる利点はありますが、初期費用はかかる傾向にあります。
タレントマネジメントシステム導入後にうまく活用できない場合はコストの無駄になってしまいます。そうならないためにも、自社に合ったシステムをしっかり比較検討することが大切です。
人材の管理しかできずうまく運用できない
タレントマネジメントでは人材情報をもとに、さまざまな分析を行い戦略人事を推進します。しかし分析には知識や時間が必要となるため、着手までに時間がかかってしまうでしょう。人材情報を収集・管理するだけで手一杯となってしまい、うまく運用できないケースは少なくありません。
タレントマネジメントシステムを導入すると、分析にかかる時間や手間を省けます。効率化できた分、自社の人事戦略に活かしましょう。
データを活かしきれない
せっかく集めた従業員のデータも、活かせなければタレントマネジメント導入の意味がありません。現場と連携できておらず適切なデータ活用が行われていないケースも多いといいます。
従業員にタレントマネジメントについてを周知する際、管理職はより詳細な説明が必要です。実際にデータを活用した内容を共有したり、人事部門からのフィードバックも積極的に行い、各事業部と密な連携をはかることが、成功につながるでしょう。
定期的なアップデートが必要
タレントマネジメント導入開始後も、従業員の情報は定期的にアップデートする必要があります。昇進・昇格のタイミングはもちろん、従業員が資格を取得した際や家族構成が変更になった際などは、データを更新しなけしましょう。
適切なタレントマネジメントを実施できるよう、情報のアップデートのタイミングはあらかじめ決めておく必要があります。
タレントマネジメントのデメリットを解消するには(導入ポイント)
タレントマネジメントがうまく運用できていない場合、発生するデメリットを解消するには何に気をつければいいでしょうか。導入のポイントを4つご紹介します。
事前に目的を明確にしておく
タレントマネジメントを自社に導入することで、何を解決したいのかを明確にしておきましょう。「人材育成」なのか「人材採用」なのか、現時点での課題を明確にしましょう。そして、最終的な企業の成長を目指して、収集データの管理方法も決めておくといいでしょう。
取得する情報の項目を洗い出す
タレントマネジメント導入前に「自社の課題解決に必要な情報」を洗い出すことが大切です。集める情報が多ければ多いほど、いいわけではありません。自社にとって知っておくべき情報が何かを見極め、項目を洗い出したうえで情報収集を実施しましょう。それによって無駄に時間をかけたり、情報過多で整理に時間がかかったりすることを避けられます。
従業員の情報は適切に整理・活用する
単に情報を集めるだけで終わることがないよう、従業員一人ひとりの情報を適切に整理・分析し、人事施策に活かすことが大切です。
適材適所の人材配置、公正な人事評価などタレントマネジメントを実施するために、情報を活かしましょう。
従業員の協力を仰ぐ
タレントマネジメントは従業員の協力がなければ運用できません。必要性を説明し、全員の協力が得られる体制を整えましょう。
タレントマネジメントの導入前研修や、広報活動を実施するなどし、理解を深める場を設けるのも一案です。従業員の協力が得られれば、定期的なアップデートも円滑に進めることができるでしょう。
タレントマネジメントのメリット
ここまではタレントマネジメントのデメリットをご説明しました。もちろんタレントマネジメントにはメリットもたくさんあります。デメリットを解消すれば、次のようなメリットを得ることができるでしょう。
適材適所の配置
タレントマネジメントでは、従業員一人ひとりの能力や業務経験、行動特性などさまざまな情報を集約し管理します。表面的には見えなかった個性なども可視化できるため、その従業員にとって適材適所といえる環境も見えてくるでしょう。本人が持つ能力を最大限に発揮できる部署への異動なども行いやすくなるため、企業全体のパフォーマンス向上も期待できます。
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人材発掘に役立つ
タレントマネジメントによって、これまで見えなかった個人の潜在的なスキルや才能を見だしやすくなるのもメリットです。データからはリーダー特性がある人材なども見つけやすくなるため、人材配置の参考として活用することができるでしょう。自社が求める人材を社内で見つけたというケースも少なくありません。
採用基準が明確になる
タレントマネジメントによって、社内のハイパフォーマーに共通する行動特性を可視化することができます。好成績を収めている従業員を分析することで、自社が採用すべき人物像を明確化することができます。また離職者の傾向も把握できるため、採用のミスマッチを防ぐことにもつながります。
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個々に合わせた育成ができる
従業員それぞれの伸ばすべきスキル・補うべきスキルも明確になるため、個々に合わせた人材育成が実施できます。たとえば、リーダー特性を持った従業員に絞って、育成研修を実施するなどが考えられます。効率的かつ効果的な教育施策を行えるでしょう。
客観的な評価ができる
タレントマネジメントでは、従業員一人ひとりの情報をデータ化・分析します。これにより客観的かつ定量的な人事評価を運用できるでしょう。それぞれの能力やスキル、成果、行動などを総合的に評価できるため、従業員からも納得感を得られやすくなるでしょう。
モチベーションの維持や向上につながる
タレントマネジメントによって、適材適所の人材配置や透明性のある人事評価ができれば、従業員のモチベーション維持や向上にもつながります。自分の能力を最大限に発揮できることで仕事への意欲も高まるでしょう。公平な評価は次のステップへのやる気にもつながります。従業員エンゲージメントが向上しやすくなり、離職率の低下も見込めるでしょう。
キャリアパスを自身で構築できる
タレントマネジメントによって可視化されたスキルや、補うべきスキルは、従業員自身も確認できます。キャリア開発の視点から、今後「どのようなキャリアパスを構築していくか」を判断する材料にもなるでしょう。
タレントマネジメントは、従業員自身が自分の成長を見つめるきっかけにもなるのです。
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タレントマネジメントのメリットを得るには
タレントマネジメントの導入には、先述のような多様なメリットがあります。ただし、事前準備が行われていなかったり、データ収集で終わってしまえば、メリットを得ることは難しいです。
タレントマネジメントで人材情報を集約・可視化したあとに、どのように活用するかによって得られる効果も変わります。自社が求める人材像をはっきりさせたうえで、現場とも密な連携を取り、能力・経験にマッチした人材を配置することが大切です。
また、自社が求めるスキル・能力に満たない従業員がいる場合は、適切な育成プログラムを準備し、一人ひとりが確実に成長するような仕組みを構築する必要があります。
タレントマネジメントによって期待できることを把握し、情報を最大限に活かせる施策を実施することで、自然とメリットを得られるようになるでしょう。
タレントマネジメントシステムの基本機能
タレントマネジメント導入のメリットを得て、効率的に進めるには、システムの活用も一案です。ここではタレントマネジメントシステムの主な基本機能4つをご紹介します。
人材データベース
タレントマネジメントシステムの最も基本機能が、人材データベースです。従業員の名前や所属部署などの基本情報に加え、保有資格や経歴、これまでの評価、面談の記録などさまざまな情報を蓄積していけます。1箇所に集約していれば、情報を簡単に検索して抽出することができるでしょう。
アンケート機能
タレントマネジメントシステムの中には、アンケート機能を備えているものもあります。従業員満足度調査や研修後の理解度アンケートなどの結果を、人材情報と紐づけることで活用することで、人事戦略の立案などにも役立ちます。
データ分析機能
タレントマネジメントシステムでは、集約した情報をもとにさまざまな分析を行えるものもあります。エクセルでは時間と手間がかかる分析も簡単に行えるので、人事業務の効率化につながるでしょう。スキル情報をグラフや表にすれば、見える化が実現します。また、レポートで抽出すれば報告書作成も短縮できます。
目標管理・人事評価機能
タレントマネジメントシステムでは、従業員の目標を管理し人事評価と紐づける機能が搭載されているものもあります。目標管理と連動させることで、評価の客観性や透明性を高め、納得感のある評価運用へつなげられます。MBOやOKRなどの評価シートは、あらかじめ構築されているものが多く、煩雑な管理の手間も省けるでしょう。
さらに目標の達成度と評価・実績をシステム上で管理すると、フィードバックの際に役立ち、的確なアドバイスを行いやすくなります。1on1ミーティングの面談記録も残すことができるので、継続的な人材育成にも効果的といえるでしょう。
まとめ
タレントマネジメントを成功させるには、まずは入念な準備が必要です。目的の明確化とともに、その後の「企業の成長」も見越して判断することが大切です。そして、全従業員の理解と協力を得ることも、タレントマネジメントを進めるうえで重要なポイントです。定期的にデータを更新しつつ、適切な運用をしていきましょう。
タレントマネジメントの導入効果を最大化
タレントマネジメントの導入効果を最大化させるには、システムの導入も一案です。紙やエクセルなどの煩雑な管理の手間を省き、組織の情報を見える化するのに役立ちます。ただし、自社に最適なものを選べないと、無駄なコストや余計な工数が発生する恐れがあります。タレントマネジメントシステムを導入する際は、費用面だけでなく、自社に必要な機能・操作性などをトライアルで比較検討するようにしましょう。
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記事監修
スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎
一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。
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