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テレワークマネージャーとは? 厚生労働省と総務省が推進する相談事業を紹介

テレワークマネージャーとは? 総務省が推進する相談事業も紹介

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テレワークマネージャーとは、企業や団体のテレワーク導入を支援する専門家のこと。総務省が2022年3月まで実施していた「テレワークマネージャー相談事業」で設けられた役割です。2022年4月からは厚生労働省が運用する「テレワーク・ワンストップ・サポート事業」と一体化されています。

当記事では、テレワークマネージャーの概要、支援内容、事例、テレワークを成功させるポイントなどを紹介します。テレワークの導入や運用に課題を抱えている企業の方は、ぜひ参考にしてください。

当記事の内容は作成日または更新日現在のものであり、紹介内容が変更されている場合がございます。

目次(タップして開閉)

    テレワークマネージャーとは

    テレワークマネージャーとは、企業や団体のテレワーク導入を支援する専門家のことです。総務省が進めるテレワーク推進事業に協力しています。

    政府はテレワークの普及を進めるためにさまざまな支援事業を運用しており、テレワークマネージャーの設置もその一つです。2022年4月より、テレワークマネージャーは総務省が進めるテレワーク・ワンストップ・サポート事業の中の一部として、運用されています。

    テレワークマネージャーが求められた背景

    新型コロナウイルスの感染防止策として政府が「出勤者数の7割削減」を目標にしたことなどの影響から、この数年でテレワークを導入する企業は急激に増加しました。政府がその方針を取り下げてからもテレワークの推進自体は継続しており、感染防止策としてだけでなく働き方改革や多様性への配慮といった側面でも注目が集まっています。

    そのような社会の変化の中で、テレワークマネージャーは設置されました。

    テレワークマネージャー相談事業とは

    テレワークマネージャー相談事業とは総務省が2022年3月まで実施していた、企業のテレワーク導入を支援する事業のことです。テレワークの導入を検討している企業に対して、政府が認定したテレワークマネージャーが無料で情報提供やアドバイスを行います。

    テレワークマネージャーは、企業それぞれの状況や抱えている課題に合わせて、導入に必要なツールや情報セキュリティなどについても相談に乗っています。

    テレワーク・ワンストップ・サポート事業とは

    テレワーク・ワンストップ・サポート事業とは、厚生労働省が総務省と連携して進めている、テレワークの導入を検討している企業に対して総合的な支援を行う事業のことです。総務省が実施していたテレワークマネージャー相談事業は、現在このテレワーク・ワンストップ・サポート事業の一環として統合されました。

    テレワーク・ワンストップ・サポート事業では、テレワークマネージャーによるコンサルティングのほか、電話やメールでのテレワークの導入や実施に関する相談の対応も行っています。

    テレワークマネージャーの支援内容

    テレワークマネージャーでは、専門家がテレワークにおけるIT技術の活用や人事・労務管理についてオンラインでコンサルティングを行ってくれます。具体的には以下のような支援内容が想定されているようです。

    1. テレワークの概要やモデルケースの動向等を知りたい
    2. テレワーク導入の目的と効果を明確にしたい
    3. 導入プロセスを明確化し、テレワークの実行計画を策定したい
    4. テレワークに関する経営層と現場の認識をすり合わせ、方針をまとめたい
    5. 労務規則、人事評価等のルールを見直したい
    6. テレワークを実現するICT環境・ツールについて知りたい
    7. 情報セキュリティ対策について知りたい
    8. テレワークのトライアル(試行)を実施したい
    9. 導入済みテレワーク制度の評価・改善アドバイスがほしい
    10. テレワーク導入と一緒に業務プロセス改善をはかりたい

    参考:『相談センター』厚生労働省|総務省
    『テレワーク相談センターのご案内』厚生労働省・総務省|テレワーク相談センターのご案内
    参考:『令和3年度「テレワークマネージャー相談事業」申請の受付開始』総務省

     テレワーク・ワンストップ・サポート事業の概要

    テレワーク・ワンストップ・サポート事業の中でテレワークマネージャーのサポートは、どのように受けられるのでしょうか。事業の概要をご紹介します。

    費用

    テレワークマネージャーから、テレワークについての相談を受けるのに費用はかかりません。コンサルティングは無料です。ただし電話代やWeb会議の利用による通信費などは依頼する企業側の負担となります。

    対象企業、団体

    テレワークマネージャーが支援してくれる対象は、 民間企業(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社等又は特定非営利活動法人)、もしくは都道府県・市町村等の地方公共団体及びそれに準ずる団体等とされています。つまりは業種や会社の規模、所在地にかかわらず支援を受けることが可能です。

    申し込み方法

    現在テレワークマネージャーは、厚生労働省が運営するテレワーク相談センターにてコンサルティングの申込みを受け付けています。以前のテレワークマネージャーは総務省の専用フォームから申込みを受け付けていましたが、変更になりました。

    ▼テレワーク相談センター

    電 話:0120-260-090
    メール:telework_sodan@lec.co.jp
    住 所:東京都中野区中野4-11-10アーバンネット中野ビル1F

    支援の実施方法

    テレワークマネージャーの支援の実施方法は、2022年総務省テレワーク・ワンストップ・サポート事業に統合されてから少し変わりました。コンサルティングは最大3回までになり、テレワーク導入にあたっての課題の把握、対応策と具体案を提示(約1か月後)、導入後のフォロー(約2か月後)という流れで進みます。

    実施期間

    現在はテレワーク相談センターで特に期間の定めがなく、常に相談を受け付けているようです。以前、テレワークマネージャー相談事業として運用していた頃は、年度ごとに期間が決められていました。

    テレワークマネージャーの相談・解決事例

    実際に、テレワークマネージャーからの相談を受けた企業の事例を3つご紹介します。

    小規模の建設会社でのテレワーク環境の構築事例

    とある神奈川の建設会社では、事務所に勤務している3名のテレワーク環境構築を検討していました。しかし、どのような環境がベストかわからず、テレワークマネージャーに相談します。

    ITツールに慣れていない従業員が多く、現場が忙しくて研修に時間がとれないこともあり、Office 365やLINEなど既存のツールを活用したテレワークの導入を進めました。それによって大掛かりな費用を支出をすることなくテレワーク環境の構築が実現できています。

    地域密着型スーパーでのテレワーク導入事例

    広島県にある地域密着型のスーパーでは、今後の事業拡大に向けてテレワークの導入を検討していました。しかし、対面での接客が主となる小売業ということで、どこからスタートすればいいかわからない状況です。

    相談を受けたテレワークマネージャーは従業員へのヒアリングを実施し、テレワークとして業務が可能な業務を切り出して提案。それによって小売業には不向きと思われていたテレワークの導入を現実的に考えられるようになりました。

    すでにテレワークを導入している不動産会社での事例

    ある東京都の不動産会社ではテレワークを導入しており、事務職の出社を原則週1回に、賃貸物件を回る担当者も直行直帰の働き方にしていました。しかし、就業規則がテレワークの実態に即しておらず、セキュリティにも不安を抱えていたため、テレワークマネージャーへ相談。情報漏えいへの対策、テレワーク規定の整備、人事評価のあり方などについて情報提供を受けたそうです。

    テレワークマネージャーへの相談が有効な企業

    テレワークマネージャーへの相談が有効なのは、テレワークの導入や運用に課題を感じている企業です。テレワーク導入で陥りがちな課題を3点ご紹介します。これらに当てはまる企業の方はテレワークマネージャーへの相談を検討してみてもいいかもしれません。

    オンラインでのコミュニケーションが上手くいかない

    テレワークだと必然的にチャットやメール、もしくはウェブ会議ツールなど非対面コミュニケーションが増えます。オンラインでのコミュニケーションは、実際に対面して話すのに比べて細かいニュアンスや感情が読みとりにくく、気軽に雑談をするのも難しいことが多いでしょう。それによって組織の一体感が失われたり、従業員のモチベーションが下がってしまう恐れもあります。また、通信環境が悪くて会話がままならなかったり、高齢世代の従業員がITツールの利用に手間取ってしまうのも課題になりがちです。

    テレワークマネージャーに相談すると、コミュニケーション課題も解決のヒントが得られるかもしれません。

    従業員の勤務状況が把握できない

    オフィスで働いているときは従業員の働いている様子を上司が確認できますが、テレワークでは基本的に自宅などで働くため、どのように働いているのか見えません。従業員が真面目に勤務していないこともあれば、逆に仕事を抱えすぎてサービス残業をしてしまっている可能性もあります。仕事とプライベートの境界があいまいになり、心身に不調をきたす従業員も多いです。仕事ぶりを直接見れないことから、評価も難しくなります。

    テレワークマネージャーは労務管理の効率化やICTの活用などについて情報を提供してくれるので、業務の可視化などに役立つでしょう。

    情報漏えいなどセキュリティのリスクが不安

    従業員がテレワークによって自宅などで働くようになると、会社のデータに社外からアクセスされたり、社外にデータを持ち出されたりすることが増えます。それによって情報漏えいのリスクも高まりますが、セキュリティ対策について十分な知識を持っている企業はそこまで多くありません。セキュリティのレベルを上げすぎると、データが扱いにくくなって従業員の業務効率が落ちてしまうことも考えられるため、適切な対策が必要になります。

    テレワークマネージャーを利用することで、セキュリティ対策の情報提供などのアドバイスが受けられるかもしれません。

    テレワーク下の人材マネジメントに課題を感じたら

    テレワークが定着し始めて早数年、人材マネジメントは年々難易度が上がっているといえます。テレワーク・リモートワークで人材マネジメントに課題を感じている企業も多いことでしょう。

    テレワークマネージャーに相談する前に、気をつけたい、人材マネジメントのポイントについてご紹介します。

    チャットやウェブ会議での会話に慣れる

    オンラインでのコミュニケーションに最初は戸惑うかもしれませんが、ウェブ会議を上手く使えば遠隔でもリアルタイムで会話ができたり、チャットでは非同期で気軽な連絡を取り合うことができます。むしろこれまで対面コミュニケーションでは当たり前とされていた形式やマナーを守ろうとすると、オンラインならではの利点を失うことにもなりかねません。そのため新しいコミュニケーションの形に慣れて、メリットを活かすことを考えたほうがよいでしょう。

    情報共有を徹底する

    テレワークではお互いが何をしているのか見えにくく、それによって不信感が生まれやすくなることもあるでしょう。そのため、経営方針や事業目標、どの部署の誰がどんな仕事をしているか、日々のスケジュールなどを共有して見える化することが重要です。仕事に使うデータなどもクラウドの共有フォルダなどに置いておくと、業務効率化につながります。

    心理的安全性を確保する

    心理的安全性とは、組織の中で自分の考えを誰に対しても安心して発言できる状態のことです。テレワークでは雑談など気軽に発言できる機会が失われやすいため、上司と部下の1on1ミーティングを定期的に実施するなど、信頼関係を築くための時間を意図的に設ける必要があります。また、従業員を過度に監視するような仕組みは結果的にモチベーションを落としてしまうことがあるため、会社が従業員を信用するという姿勢も大切です。

    まとめ

    テレワークマネージャーは、政府がテレワークの普及を進めている支援事業の中で設けられた役割です。テレワークワンストップサービスの中で運用され、テレワーク相談センターから申し込めば、どんな企業や組織も専門家に無料で相談できます。テレワークの導入や運用に課題を感じている企業の人事労務管理ご担当者は、活用してみるのも一案です。

    テレワーク下の人材管理にタレントマネジメントシステム活用も

    テレワーク・リモートワークなどの環境下では、コミュニケーションや業務の進捗など人材マネジメントにおいて何かと課題を抱えることも多いでしょう。テレワークにおける課題解決には、人事業務を支援するITツールの活用をおすすめいたします。

    タレントマネジメントシステム『スマカン』は、社内の人材情報の見える化、1on1の継続的な実施などをサポートする機能が搭載されています。テレワークにおけるコミュニケーションやマネジメントの課題の解決にもお役立ていただけます。自社の人事課題や目的に応じて欲しい機能だけを選べる、柔軟な料金プランでご利用いただけますので、多機能過ぎて使いこなせない…といった無駄はありません。

    テレワークマネージャーへの相談とあわせてご検討いただくことで、よりテレワークの導入や定着を後押しすることができるでしょう。

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