• 2022.03.01
  • タレントマネジメント

コンピテンシー評価のメリット、デメリットとは?職能資格制度との違いを解説

コンピテンシー評価のメリット、デメリットとは?職能資格制度との違いを解説

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人事評価の1つであるコンピテンシー評価に注目が集まっています。

人事制度を「年功序列」から「成果主義」に移行する企業が増えるなかで、成果主義との相性が良く、少子高齢化でも適切な人材を確保できるからです。

時代の変化に対応すべく、コンピテンシー評価を導入する企業が増えていることから、当記事ではコンピテンシー評価の具体的な活用方法をはじめ、メリット・デメリットや職能資格制度との違いも解説します。

職能資格制度やスキルとの違い

コンピテンシー評価とは、各職務において高い成果をうみだす行動特性(=コンピテンシーモデル)にそって実施する評価のことです。

まずは、コンピテンシー評価と混同しやすい「職能資格制度」や「スキル」などについて、違いを解説します。

職能資格制度

職能資格制度とは、日本で独自に導入している等級制度です。
従業員の能力に応じた等級を用意し、各等級にそって賃金やボーナスを決めます。

コンピテンシー評価と職能資格制度の大きな違いは、以下の通りです。

評価項目評価の対象
コンピテンシー評価●具体性がある
(例:積極的に新卒社員の教育に関わった)
実際の業務に必要な能力
職能資格制度●曖昧になりがち
(例:積極性がある)
ゼネラリストに必要な能力

また「コンピテンシー評価」は成果主義と相性が良く、職能資格制度は「年功序列制」と相性が良いことも特徴です。

スキル

スキルとは、各従業員が経験や学習によって得た「能力」や「技術」を指します。スキルはコンピテンシー(=実際に行動をおこす力)があることで、効果を発揮します。

つまり、コンピテンシーとは「スキルを使い、どのように行動したか?」だと言えます。

コア・コンピタンス

コア・コンピタンスは、企業のコア(=中核・中心)となる強みを指します。

「コンピテンシー」と「コア・コンピタンス」は、言葉が似ているものの、対象とするモノや目的が異なります。両者の違いを、以下の表にまとめました。

対象とするモノ使用する目的
コンピテンシー人(従業員)●人事評価
●人材育成
コア・コンピタンス組織●経営戦略や方向性を決める
●他社との差別化をはかる

以上のように、コンピテンシーとコア・コンピタンスは異なる特徴を持つものの、企業を発展させるために欠かせない要素と言えます。

ハイパフォーマー

ハイパフォーマーとは、優れたパフォーマンスができる優秀な従業員を指します。
またコンピテンシー評価のモデルが、ハイパフォーマーです。

つまり、ハイパフォーマーを分析・抽出し、評価方法として落とし込んだものが「コンピテンシー評価」と言えます。

コンピテンシーの活用方法

ここでは、コンピテンシーを実際に活用する方法について解説します。
大きく分けると「人事評価」「スキル管理・キャリア開発」「採用」の3つです。

以下に順を追って説明します。

人事評価

コンピテンシーを人事評価に組み込むと、適切な評価につながります。コンピテンシー(=実際に行動をおこす力)を基準とした評価が「コンピテンシー評価」です。

人事評価は他にも、MBO(目標管理制度)や360度評価などが存在します。3つの評価を比較すると、以下の通りです。

評価の進め方評価結果
コンピテンシー評価評価基準である「コンピテンシーモデル」と比較する評価者の評価スキルや感情に左右されにくい
MBO設定した目標への達成度合いで評価する評価者が異なると、「達成度への認識」が変わるため、評価にブレが出やすい
360度評価複数人からの評価で判断する評価担当者からの「好き嫌い」の影響を受けやすい

以上のことから、コンピテンシーを人事評価で活用することで、評価担当者による主観的な評価を防止し、公平性のある客観的な人事評価が実現できます。

スキル管理・キャリア開発

コンピテンシーは「コンピテンシー研修」などを通じて、従業員の「スキル管理」や「キャリア開発」への活用が可能です。

コンピテンシー研修とは?
●会社の業績アップを目標とし、実施される研修制度
●コンピテンシーモデルをもとに、仕事ができる人の行動などを解説
●各自に「どのように行動したいか?」や「身につけたい思考」の設定を依頼

以上のことから、コンピテンシーを活用した研修などを行うことで「コンピテンシーモデルの行動特性への理解」や「自主性・積極性」が促進されます。

そのため、従業員のスキル管理やキャリア開発にもつながります。

採用

コンピテンシーは、人材を獲得する「採用」での活用も可能です。

そもそも採用を実施する際には、採用基準が必要になります。

会社によって人材に求める内容は異なるため、採用基準を設定する際には、自社にとってベストな採用基準を設けます。

そこで採用基準に対し、コンピテンシー評価で使う「行動特性=コンピテンシーモデル」を当てはめることで、自社に合う人材かの判断が可能です。

コンピテンシー面接とは

ここでは、従来の面接とは異なる「コンピテンシー面接」について解説します。
コンピテンシー面接は、応募者のコンピテンシー(=行動特性)を重視し、展開する面接です。

行動特性であるコンピテンシーモデルを基準とし、面接で質疑応答を繰り返しながら、応募者が物事に対して「どういった行動を取るか?」をチェックします。

従来の面接では、学歴や自己PRなどで判断をするため、表面的な部分や面接官との相性で合否が決まる傾向にありました。

一方コンピテンシー面接では、コンピテンシーをもとに面接を展開するため、応募者の「本質」で判断することから採用のミスマッチを防止できます。

コンピテンシー評価のメリット・デメリット

コンピテンシー評価にはメリットがある反面、デメリットも存在します。両者をチェックし、コンピテンシー評価を導入する際の参考にしてください。

メリット

コンピテンシー評価のメリットは、以下の通りです。

効率的に人材育成ができる

コンピテンシー評価は、高い成果を出すハイパフォーマーの行動を基準とし、評価項目を設定しています。

具体的な評価基準を指標とすることで、従業員も「どうしたら評価につながるか」といったイメージを持てるため、行動に移しやすいことが特徴です。

また具体的な行動に移しやすいことは、従業員のモチベーション自体にもつながり、業務の効率化も期待できます。

さらに評価する側も、具体的な行動特性をもとに評価できることから、日頃の指導も的確になりやすく、効率的な人材育成が可能です。

評価結果に対する納得度が上がる

コンピテンシー評価は、成果やプロセスを基準とする「能力評価」と異なり、評価基準が具体的です。

たとえばリーダーシップを評価する場合に、能力評価では「リーダーシップがあるか?といった評価基準になります。一方コンピテンシー評価では「メンバーを信頼し、各自に適切な仕事を任せている」など、分かりやすい評価基準であることが特徴です。

そのため、評価する側の主観が入りにくく、評価結果に対する納得度が上がります。納得度が上がると、従業員のモチベーションやエンゲージメントも高まるため、従業員・企業の双方にとって成長につながります。

経営ビジョンの浸透で業績向上につながる

コンピテンシー評価で使用するコンピテンシーモデルは、企業が理想とする社員の姿だと言えます。理想の人物像をひもとくと、企業の経営ビジョンにつながっています。

そのため、コンピテンシー評価の実施によって、従業員に経営ビジョンを浸透させることが可能です。

また従業員に経営ビジョンが浸透すると、企業の目標達成に向かう力が強くなり、業績向上にもつながります。

デメリット

コンピテンシー評価のデメリットは、以下の通りです。

導入すること自体にハードルがある

コンピテンシー評価を導入するためには、以下の手順を踏みます。

1.ハイパフォーマーを抽出・分析
2.行動特性(=コンピテンシーモデル)の作成
3.各種の調整や検証を実施
4.実際に導入する

とくに、評価基準となる行動特性の作成は容易ではありません。なぜなら企業の数だけ行動特性が存在するため、テンプレートの使用や他社のマネができず、自社オリジナルの行動特性を用意する必要があるからです。

また行動特性の作成には、既存社員たちの特性を抽出し、分析しなければいけません。

さらに行動特性は1つだけ用意するのではなく、職種ごとに準備する必要があります。

以上のことから導入までに多くの時間が必要であり、導入を決めてから実際に稼働するまでに、1年ほどの時間を要するケースも珍しくありません。

コンピテンシーモデルが正しくないこともある

作成したコンピテンシーモデルが、実は正しくないこともあります。

ここで言う「正しくない」とは、業績に直結するようなコンピテンシーモデルではないことを指します。

コンピテンシーモデルの正解は、実際に評価を実施し、数回の検証を行わないと分かりません。そのため、試行錯誤を繰り返しつつ、正しいコンピテンシーモデルを見つける必要があります。

メンテナンスに手がかかる

コンピテンシー評価は「評価項目」が具体的であるため、環境の変化に弱く柔軟性に欠けることが特徴です。

たとえば、現段階において正しいコンピテンシーモデルが設定されていても、企業の成長による「立ち位置の変化」や「時代の流れ」とともに、正しく機能しなくなるケースもあります。

そのため、状況の変化とともに、コンピテンシーモデルを設定し直さなければいけません。

またコンピテンシーモデルの再設定によって、社内に新たなコンピテンシーを浸透させる必要があるなど、各種のメンテナンスが必要です。

コンピテンシー評価運用のポイント

コンピテンシー評価を賢く運用するために、以下3つのポイントを押さえましょう。

ポイント1:最終目的は「成果」だと理解する

コンピテンシー評価は、人事評価の1つであるため、最終的な目的を人材育成や人材配置などと捉える人もいるでしょう。

しかし、コンピテンシー評価の最終目的は「成果」です。
実際に設定するコンピテンシーモデルにフォーカスしても、成果を上げられる社員像であるため、最終目的が「成果」であることが想像しやすいでしょう。

最終目的の認識にズレがある状態で「コンピテンシー評価」を運営すると、評価結果にもズレが生じ、適切な評価ができません。

そのため、人事・経営層などの評価実施者には「コンピテンシー評価の最終目的は【成果】である」と、認識を統一させると良いでしょう。

ポイント2:従業員に完ぺきを求めない

コンピテンシー評価のコンピテンシーモデルは、高い能力・スキルを持つものの、コンピテンシーモデルのすべてに該当する人物は皆無だと言えます。

また従業員に完ぺきを求めると、理想を押し付けがちになり、息苦しさを感じる人も出てくるでしょう。

そのため、コンピテンシー評価を賢く運用するには、従業員に対して完ぺきを求めないことが大切です。

ポイント3:定期的に見直しをする

コンピテンシー評価の内容は、定期的に見直しをしましょう。
なぜなら、時の経過とともに、企業や従業員の周辺環境は変わるからです。

見直しをするタイミングは、以下を参考にしてください。

●大規模な事業改革を行った時
●自社の立ち位置に変化が生じた時
●従業員から参考にすべき意見が出た時
●その他、見直しが必要だと判断した時

見直しをする際には、現在の環境に対し、コンピテンシーがマッチするかを確認しながら実施しましょう。

コンピテンシー評価の効率化

コンピテンシー評価の運用は、紙やExcelなどを使っても行えますが、部署や現場ごとにデータが分散してしまいがちです。その結果、データを回収して管理する人事担当者の負担が重くなり、他の業務に悪影響を及ぼしかねません。こうした問題を解決するのがタレントマネジメントシステムです。
タレントマネジメントシステム「スマカン」では従業員一人ひとりの能力・スキル、経験、希望などのデータを一元管理できるだけでなく、1on1ミーティングの管理や従業員の行動特性の把握、分析する機能も備えており、コンピテンシー評価運用の最適化にも役立ちます。

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