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タレマネって本当に必要? 目的と必要性、エクセルでやりにくい理由を解説

タレマネって本当に必要? 注目背景、市場規模、システム導入の必要性、エクセルではやりにくい理由について

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昨今、タレマネ(=タレントマネジメント)に注目が集まっており、タレントマネジメントシステムの導入を検討する企業も増えてきました。

しかし、すべての企業がタレントマネジメントを導入すべきなのでしょうか。また、システムを導入しなければタレントマネジメントは行えないのでしょうか。

当記事では、企業の人事担当者や経営者の方に向けて、タレントマネジメントの必要性や注目が高まっている背景、市場規模、システム導入の是非などについて解説いたします。

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目次(タップして開閉)

    タレマネの意味と目的

    タレマネ(タレントマネジメント)は耳にしたことがあるものの、まだ実戦には至っていない企業や、ある程度の知識はあるけれど、本当に自社に必要なのか懐疑的な企業もあるでしょう。ここではタレマネ(タレントマネジメント)の基本をおさらいします。

    タレマネとは

    タレマネとはタレントマネジメントのことを指します。タレントマネジメントは従業員の評価や能力、資質、才能などの情報を管理し、戦略的な人事配置や人材育成などを行うマネジメント手法です。実行によって、従業員と組織のパフォーマンスの最大化が期待できます。

    タレントマネジメントは、「タレマネ」「TM」などと略されることがあります。

    タレマネ(タレントマネジメント)は誰のため? 何のため?

    タレマネ(タレントマネジメント)を実施する目的は、最終的には売上や利益の向上、事業の拡大など経営目標の実現にあります。そこに至るまでには必要な人材の育成や効果的な採用、さまざまな施策を実行する必要があります。

    経営目標の実現において「企業の持続的な成長」は不可欠です。最終目標に向かって目標を都度達成するための経営戦略や人事戦略の一つがタレントマネジメントといえます。

    なぜ今、タレマネ(タレントマネジメント)が必要?

    2010年代以降の日本の企業では、タレマネ(タレントマネジメント)の導入が進んでいます。かつては年功序列が当たり前だった企業でも、現在ではいかに人材を活用していくかを考えるようになりました。ではなぜ現代の日本の企業ではタレントマネジメントを行う必要が出てきたのでしょうか。ここではタレマネ(タレントマネジメント)が必要とされる背景についてをご説明します。

    タレマネ(タレントマネジメント)への注目度が高まっている

    昨今の日本の企業は、生き残るために子会社の分社化、持株会社の設立など、組織の拡大を迫られる企業も少なくありません。そうなると、これまでのようなトップダウンによる人材管理は難しく、組織を横断的に捉える必要があります。企業グループ全体を網羅した人材管理が実現できるとして、タレマネ(タレントマネジメント)への注目が集まっているのです。

    特に日本では、ICT技術の発展に加え、企業のグローバル化が進んでいます。グローバル化の流れに素早く対処できる人材を採用して育成するためにタレントマネジメントを導入する企業も増えています。

    また少子高齢化が進む現在において、労働力人口は年々減りつつあります。これまでのように「人材が必要なら増やせばよい」といった考えは通用しなくなりました。現在は「既存の従業員のパフォーマンスを最大化して成果を出す」という時代になりました。このような時代背景からも、タレマネ(タレントマネジメント)は多くの企業から注目されています。

    タレマネ(タレントマネジメント)の市場規模が拡大している

    近年ではタレマネ(タレントマネジメント)の市場規模は拡大傾向にあります。上述したような企業の事情に加え、次のような背景も市場規模拡大の理由として挙げられます。

    働き方の多様化

    働き方改革以降、ワーク・ライフ・バランスの充実の実現を目指す企業は増えています。また新型コロナウイルスの影響でリモートワークの推進を行う企業も増加傾向にあります。働き方が多様化する中で、従業員の生産性を上げて経営目標を達成する必要があります。このような場合にも、タレントマネジメントは効果的です。

    転職市場のオープン化

    かつての日本では、入社したら定年まで勤め上げる「終身雇用」が一般的でした。そのため、自社に合った人材に育てるのには十分な時間がありました。しかし近年ではかつての年功序列・終身雇用制度は衰退し、労働者のタイミングで転職することが当たり前になってきました。

    転職市場がオープン化したことにより、人材が流動的になり、時間をかけて人材育成を行うのはますます難しくなりました。今いる人材に最大限活躍してもらうタレントマネジメントの考え方は、このような実情に適しているのでしょう。

    価値観の多様化

    ひと昔前の日本では「企業のために働く」という価値観を持った人が多くいました。しかし昨今では、「自分のために働く」「自分の時間を大切にしたい」という価値観を持った人も増えています。

    価値観が多様化した今、既存社員の価値観を尊重しつつ、企業が求める能力やスキルを伸ばすことが求められています。そのような背景から、タレントマネジメントが注目され、市場規模の拡大につながっているといえるのです。

    タレマネ(タレントマネジメント)はどの企業も必要?

    タレマネ(タレントマネジメント)が企業にとってさまざまなメリットを与えることは、ここまでで理解できたかもしれません。しかしすべての企業でタレントマネジメントが必要というわけではありません

    現在特に問題なく成長を続けており、従業員のパフォーマンスも遺憾なく発揮できていれば、タレントマネジメントの導入を急ぐ必要はないかもしれません。一方で、できるだけ早く導入を検討し、実行に移すべき企業もなかにはあります。特に次のような課題を抱えている企業は、タレントマネジメント導入により解決が見込まれるでしょう。

    慢性的に人材が不足している

    人材不足を課題としている企業では、採用だけに業務の重点を置かなければいけないこともあります。労働力人口が減少している現代は採用活動に苦労している企業は多いでしょう。

    タレントマネジメントで既存の従業員のスキルや能力、パフォーマンスを発揮してもらうことによって、人材不足が解決できる可能性があります。

    離職率が高い

    離職率が高い企業では、適材適所の人材配置が行われておらず、個々のスキルや能力が十分に発揮できていない可能性があります。そのような状態が続くと、従業員エンゲージメントが低下し、やがて離職につながる恐れもあります。

    タレントマネジメントを実施すれば、個々の能力を最大限に発揮できる人材配置が実現できるため、従業員エンゲージメントの向上にもつながります。適切な人材配置が行われることで従業員は生き生きと仕事を行うことができ、生産性の向上にも貢献するでしょう。

    リーダー候補を見つけられない

    企業が競争に勝ち抜くためには、優れたリーダーの存在は必要不可欠です。しかし社内でリーダー候補が見つからないのは、人材情報がバラバラに管理され集約されていないケースが考えられます。タレントマネジメントによって、条件に合った人材をすぐに見つけることができるほか、次期リーダーとなりうる人材の育成にも役立てることができます。

    人材情報を把握できていない

    国内外に複数の拠点がある企業の場合、すべての従業員を把握するのは非常に困難です。タレントマネジメントによって全従業員の情報を一元管理しておくことで、拠点が複数の場所にあっても、人材情報を把握しやすいです。

    地方や海外への転勤など、大きな異動がある企業では、タレントマネジメントで従業員を網羅的に把握することで課題を解決できるでしょう。

    効果的な人材育成ができていない

    人材育成のための施策を行っているものの、「いまいち効果が見えない」「非効率になっている」という企業では、タレントマネジメントによって解決する可能性があります。

    従業員一人ひとりの得手・不得手が把握できていれば、スキルを伸ばす施策だけでなく足りていないスキルを補うための施策も実行しやすくなります。

    公平な人事評価が行われていない

    管理者の主観による評価など不公平に感じられる人事評価が行われている企業は、従業員エンゲージメントが低下し、離職率を高めることにつながってしまいます。

    タレントマネジメントによって個々のスキルや能力が可視化されるため、従業員一人ひとりの目標が明確になり、人事評価制度と連動しやすくなります。結果的に公平性のある人事評価が実現でき、従業員エンゲージメントの向上にもつながります。

    効率的に業務が遂行されていない

    なかなか目標が達成できなかったり、長時間労働が当たり前になっている会社は、業務に必要な適切な人材配置が行われていないことが考えられます。

    タレマネ(タレントマネジメント)を行うことで、新規事業の立ち上げや人事異動の際に、適切な人員配置計画を立てやすくなります。従業員それぞれのスキルが可視化できるため、各部門で足りないスキルを補うことはもちろん、新規採用の際も企業が求める人材を見つけやすくなり、会社全体が効率的に業務遂行できる状態に改善できるでしょう。

    タレマネ(タレントマネジメント)は、何から始めればいいの?

    自社でもタレマネ(タレントマネジメント)を実行しようとする場合、どのような手順で進めていいのかわからない方もいるかもしれません。ここではタレントマネジメントの導入の方法をご説明します。

    手順1.目的を明確にする
    手順2.協力体制を確立する
    手順3.情報を一元化・可視化・分析をする
    手順4.採用や育成の施策を実行する
    手順5.評価と見直しを行う

    手順1.目的を明確にする

    まずはタレントマネジメントを実施する目的を明確化しましょう。自社がどのような課題を抱えているのかを洗い出します。たとえば「リーダー候補がいない」や「戦略的な育成計画が立てられていない」など自社がどのような問題に悩んでいるのかを明らかにすることで、タレントマネジメントを実行する目的が明確化します。

    手順2.協力体制を確立する

    タレントマネジメントは人事担当者だけが行うものではなく、全社的に取り組むものです。必要な人材情報を収集する場合、各部署の協力が必須となるはずです。

    タレントマネジメントを行う必要性や実行することで得られるメリットなども共有し、積極的に現場に協力してもらうことが望ましいです。人事と部署が横断的な体制を確立できていれば、より効果的な施策を実行しやすくなります。

    手順3.情報を一元化・可視化・分析をする

    従業員それぞれの保持している資格やスキル、経歴などの情報をデータとして活用できるよう集めます。どの従業員がどのような能力を持っているかや、どのような業務を得意としているかなど、さまざまな情報を整理し、見える化することが大切です。集めた情報をもとに、各従業員が補うべき部分や目指すべきところとのギャップなどを分析します。

    手順4.採用や育成の施策を実行する

    人材情報の分析結果をもとに、採用計画や育成計画などの施策を検討し、実行に移します。人材情報が一元管理・可視化できていればその従業員にどのような育成計画を立てるべきなのかがわかりやすくなります。必要に応じて研修などを実施するとよいでしょう。

    また、人材情報を管理することで「採用すべき人材」や「採用すべき時期」が明確になるため、効率的な採用計画を立てることが可能です。採用したい人物像が明確な状態であれば、採用基準も設定しやすく、ミスマッチも防げるはずです。

    手順5.評価と見直しを行う

    一連の運用を終えたあとは評価や見直しを行いましょう。施策が順調に進んでいるかや、施策がどのような影響を与えているかなどを検証・評価します。定期的に振り返りを行い、最初に明確にしたタレントマネジメントの導入目的から逸れていないかなどもチェックしましょう。

    状況に応じて育成や採用の施策を見直します。タレントマネジメントはPDCAを回しながら運用することが重要です。

    タレマネ(タレントマネジメント)システムは必要?

    タレマネ(タレントマネジメント)は、企業の経営目標の実現だけでなく従業員のモチベーション向上にも役立ちます。導入を始める企業も増えており、今後もさらに市場規模が拡大していくのではないでしょうか。

    しかし、実際に始めてみるとかなり労力を費やすことに気づかされるかもしれません。特に従業員数の多い企業や、複数に拠点を持つ企業は、一朝一夕でタレントマネジメントを推進するのは難しいといえます。上述したタレントマネジメントの手順を効率的に行うためには、タレントマネジメントシステムを活用すると便利です。

    タレントマネジメントシステムは、膨大な従業員情報の管理を簡単にするものです。検索したいデータをすぐに呼び出すことができ、組織変更や人事評価などさまざまな場面で活用できます。タレントマネジメントシステムの導入で、人事の業務効率化はもちろん、無駄のない人材育成や採用などが実現できるでしょう。

    タレマネ(タレントマネジメント)は、エクセルでできない?

    タレマネ(タレントマネジメント)をエクセルのような表計算ソフトを使って始めることは不可能ではありません。従業員数が少ない企業や、コストをかけずに始めてみたいという企業は、エクセルを使ったタレントマネジメントを実施してもよいかもしれません。

    しかしエクセルはあくまでも表計算ソフトです。情報管理するためのデータベースシステムではないため、管理が難しいでしょう。エクセルでタレントマネジメントを行うことが難しい考えられる理由を4点挙げます。

    1.シートの管理が大変になる
    2.人的ミスが起こりやすい
    3.閲覧権限を細かく設定できない
    4.操作性が悪い

    シートの管理が大変になる

    タレントマネジメントを導入するには、従業員のさまざまなデータを集約する必要があります。エクセルでタレントマネジメントを実施する場合、基本的に1従業員につき1シートを作成することになるでしょう。従業員数が10人程度なら管理できるかもしれませんが、100人以上となるとシートの数が膨大になり、管理するのが難しくなってしまいます。効率的なタレントマネジメントには不向きでしょう。

    人的なミスが起こりやすい

    エクセルで管理する場合、間違ってデータを削除してしまったり、評価の内容などを別の人のシートに誤入力してしまったりといった人的ミスが起こりやすいです。フィードバックが書かれた評価シートをを別の人に送ってしまうようなミスも起こるかもしれません。

    閲覧権限を細かく設定できない

    エクセルの場合、データごとの閲覧・編集権限が制御できないため、本来一部の人にしか見せてはいけない情報が、全従業員に見えてしまうなどのリスクも高まります。たとえば適切に管理しないと人事評価などの情報までほかの従業員に見られてしまう可能性があります。

    操作性が悪い

    エクセルは複数の人が同時に入力、編集することが難しいため、誰かが作業を終えるまでほかの人が操作できません。共有モードにしている場合でも、複数のファイルが作成されてしまうなど、最新情報がどのファイルなのかがわからなくなってしまいます。ほかの人が作業を終えるのを待つのはとても非効率です。

    タレマネ(タレントマネジメント)は、企業課題を解決する糸口

    タレマネ(タレントマネジメント)は人材不足や離職率の改善、リーダ候補の発掘など課題解決の糸口になります。適切な手順に沿って行うことで、経営目標の実現に寄与しますが、システムを活用しないと人事業務はますます煩雑化してしまいます。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    2008年より、一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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