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人材育成の方法|具体的手法と階層別ポイントを徹底紹介
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人材育成の方法には、さまざまな種類があります。社内の育成状況や階層によって取り組みたい人材育成の方法は異なり、どんなやり方でも効果が出るというわけではありません。
状況に合わせた方法を理解して適切に実施することで、より高い人材育成の効果が得られるでしょう。
当記事は、人材育成の具体的な方法や種類についてご紹介します。若手や中堅など階層別に適したおすすめの方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次(タップして開閉)
人材育成の方法や種類
まずは人材育成に使える一般的な方法を9つご紹介します。
これから人材育成に取り組む際は、どの方法を採用すべきか、特徴やメリットを理解しておきましょう。
・OJT(On-the-Job Training) ・Off-JT(Off-the-Job Training) ・自己啓発 ・eラーニング ・目標管理制度(MBO) ・ティーチング ・コーチング ・メンター制度 ・ジョブローテーション制度 |
OJT(On-the-Job Training)
OJTは「On the Job Training」の略です。OJTは、新卒社員や新入社員、新規配属者に必要な知識や技術などを実務を通して教える育成方法を指します。
現場で活躍する上司や先輩トレーナーがマンツーマンで指導し、実務を習得させます。OJTのメリットは、比較的相談しやすい環境で、個人の特性やスピードに合わせて育成できるところです。
職種や部署における基本的なルールや、知識を得るために実施するのが一般的でしょう。
Off-JT(Off-the-Job Training)
Off-JTは「Off-the-Job Training」の略です。通常業務を通して指導するOJTに対して、Off-JTは職場や日常的な業務から離れた環境で実施する育成方法を指します。
Off-JTの具体例としては、オンラインスクールの受講や外部セミナーへの参加、外部講師への依頼などの方法があります。Off-JTで発生する費用は、企業側で負担するのが一般的です。
より専門的な内容の研修で、ノウハウやスキルを磨き、実務に反映させることを目的としています。また、一度に多くの従業員に受講してもらえるため、効率的な人材育成の方法といえるでしょう。
自己啓発
自己啓発とは、休日など業務外に従業員がみずから学んで能力を高めていく育成手法です。
企業が直接的に実施する人材育成ではないものの、従業員の主体的な成長を促すために自己啓発にかかる費用を負担する制度を設ける企業もあります。
具体的には、書籍による学習やセミナーへの参加などが挙げられるでしょう。
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eラーニング
eラーニングは、インターネット上の学習を活用した育成方法です。インターネット上で講義などを受講し、知識の習得を目指します。
eラーニングはインターネットという特徴を活かして、いつでもどこでも学習でき、休憩中や通勤中などの隙間時間を利用できる点が魅力といえるでしょう。
目標管理制度(MBO)
目標管理制度(MBO)は、従業員一人ひとりがみずからの目標を立て、その達成度に応じて評価する制度です。
企業側が一方的に目標を設定して従業員を評価するのではなく、個人が設定した目標を、企業に共有するのがポイントです。
目標管理制度では「どれだけ達成できたか」を定期的に評価し、目標の進捗を企業側が管理します。
従業員は自分が立てた目標に対して「どうしたら達成できるか」を考え、工夫して業務に取り組むようになるため、自律型人材へ成長することが期待できるでしょう。
ティーチング
ティーチングとは、未経験者や経験の浅い若手社員を対象として、経験豊富な人材が知識やノウハウを伝授する育成方法です。
ティーチングの特徴は、指導者から受講者へ一方的に教えること。マンツーマンの場合も、複数の受講者を対象に実施する場合もあります。
コーチング
コーチングとは、対話を通して受講者が自分で答えを見つけられるようにサポートする育成方法です。
ティーチングと異なり、教える側と教わる側双方がコミュニケーションを取りながら行い、基本的にマンツーマンで育成します。
指導者と受講者でお互いにコミュニケーションを取りながら進めていくため、信頼関係を構築しやすいというメリットがあります。
メンター制度
メンター制度は、後輩「メンティー」に対して社内の先輩である「メンター」をつけ、幅広くサポートする人材育成の一つです。
メンターには、他部署の先輩社員が選ばれやすい傾向があります。メンターが他部署の先輩であると、仕事のキャリアや業務についてより相談しやすいと考えられているためです。
また、メンティーと比較的年齢や社歴が近い社員が選ばれることが多く、スキルの伝達はもちろん、精神的なケアやキャリア形成に関する相談までする場合もあります。
さらにメンターにはメンティーのロールモデルとしての役割もあります。年齢や社歴の近い先輩社員(メンター)から、将来の成長イメージを描けるため、意欲の向上にもつながるでしょう。
ジョブローテーション制度
ジョブローテーション制度は、定期的に従業員の所属部署を異動させ、さまざまな職務経験を積ませる人事制度です。ジョブローテーションは、広義における人材育成の一つと考えられています。
多種多様な部署で経験を積み、さまざまな分野で活躍できる人材を育成することを目的としています。
さまざまな部署を経験すると、従業員は企業内の仕事を多角的に捉えられるはずです。経験豊富なゼネラリストを育てるのに効果的といえるでしょう。
人材育成における階層別取り組み方法
人材育成の方法にはさまざまなものがあり、階層ごとに適切な方法は異なります。
ここでは階層別におすすめの人材育成の方法をご紹介します。
若手社員の育成方法
若手社員向けの人材育成では、育成対象者の経験や知識が浅いため、丁寧に指導することが大切です。指導する際は、曖昧(あいまい)な表現や教え方はできるだけ避けるようにしましょう。
育成方法としては、OJTやOff-JTをバランスよく取り入れつつ、新人研修やスキルアップ研修などを中心に、体系的な教育プログラムを用意します。
相手の経験が浅いため、ときに厳しい指導になってしまうケースもあるため、指導後は丁寧にフォローしましょう。定期的な面談を通して、コミュニケーションを重ね、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高められるように注意してください。
中堅社員の育成方法
中堅社員の人材育成では、本人の専門性に磨きをかけるとともに、後輩や部下を育成するスキルまで習得してもらうことを目的としましょう。
育成方法としては、eラーニングを活用して学習機会を設けたり、社内研修としてマネジメント研修を用意したりするのがおすすめです。
中堅社員の中には、後輩や部下を育成する自覚が薄く、責任感が物足りない人もいるかもしれません。そのような従業員はOJTやティーチングの講師に抜擢したり、プロジェクト責任者やリーダー職など、責任のあるポジションに任命したりして、育成の効果について様子を見てみましょう。
管理職の育成方法
管理職の人材育成では、部署やチーム全体をリードしたり、成果を出すことが育成目的といえます。
管理職には、マネジメントや経営視点の考え方が重要です。社内外における管理職研修の受講機会を設けたうえで、幅広い学びができるよう環境を整備しましょう。
そもそも人材育成とは
そもそも人材育成とは、企業が成長するために取り組む人事施策です。
人材育成の目的は、経営目標の達成や業績向上に貢献できる人材を育成することであり、企業が成長するための手段の一つと捉えるとわかりやすいでしょう。
人材教育や人材開発との違い
人材育成と似ている言葉に「人材教育」や「人材開発」があります。
人材教育は、人材育成の手段の一つであり、従業員がスキルや能力を習得するために教えたり経験させたりするものです。
人材開発は、人材を経営資源として有効活用するために、従業員の本来の能力を伸ばすことを指す言葉として理解するとわかりやすいでしょう。
人材育成に取り組む手順
人材育成は、どのような手順で進めればよいのでしょうか。
一般的な人材育成の手順について、ご紹介します。
1.人材状況の把握と課題の明確化 2.目標の設定 3.人材育成計画の立案 4.目標の共有と実行 5.効果測定 |
1.人材状況の把握と課題の明確化
人材育成手順として、まずは社内の人材状況の把握と課題を明確にしましょう。
人材状況の把握では、従業員のスキルマップなどを活用するのが効率的です。さらに、会社の経営目標達成のために、どのような人材育成課題があるかを明確にします。
人材育成に取り組む最初のステップでは、現状を把握したうえで、目標から逆算して解決すべき課題を抽出することが重要です。
2.目標の設定
人材育成における次の手順では、目標設定を行います。目標はできるだけ数値化したり、定量的なもので設定し、成果を測定しやすいものにしましょう。
会社の経営目標や経営戦略を達成するためには、各部署が担う課題や目標を正しく理解する必要があります。
3.人材育成計画の立案
中長期的に取り組む人材育成では、見通しを立てるために人材育成計画を立てます。
人材育成計画の中には、どのような人材を育成するかを明記します。前のステップで明らかになった人材課題と目標をもとに、目標の達成に必要な人材像を定義しましょう。
このステップでは、取り組むべき内容や採用する育成方法の決定、育成担当者の選定も行います。
4.目標の共有と実行
人材育成計画を策定したら、企業全体に人材育成計画や目標を共有しましょう。
人材育成に取り組むには企業全体の理解が必要です。人材育成の目的や具体的に実施する方法を詳しく説明し、従業員の理解や共感を深めましょう。
5.効果測定
人材育成に取り組み始めたら、定期的に効果測定を行い、常に改善に努めます。
人材育成の結果として「従業員一人ひとりのスキルがどれくらい向上したか」や「利益や業績につながっているか」などを確認し、PDCAを回すのが大切です。
効果測定は、定量的な数値を用いて業績への影響を測る必要がありますが、人材のモチベーションや積極性、育成能力など、必ずしも数値化できない定性的な基準も設けて総合的に判断しましょう。
人材育成にはスキル管理が重要
人材育成でどの方法を採用したとしても、進めるうえでは前提として、従業員のスキル管理が求められます。
スキル管理とは、従業員のスキルや経験を可視化して管理する仕組みのこと。スキル管理を行うと、誰がどのようなスキルや経験を持っているかを把握できるため、人材育成の対象者を選定したり、一人ひとりに適した研修内容を考えたりする際に役立つでしょう。
人材育成におけるスキル管理の方法の一つとしてスキルマップの作成が挙げられます。
関連記事 スキル管理の目的と効果を解説 |
スキルマップとは
スキルマップとは、階層や職種に求めるスキルとその到達レベルを定義し、従業員の現状のスキルレベルを表にまとめて視覚化したものです。
現状のスキルを明確にして体系的に捉えられるため、ゴールから逆算して教育するなど育成目標の目安として役立ちます。効率的な人材育成をサポートするツールとして活用している企業も多いかもしれません。
人事担当者がスキルマップを作成するときは、現場の管理職に協力してもらい、組織全体が求める教育と現場教育との差が生まれないように配慮しましょう。
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まとめ
人材育成の方法には、いくつもの種類があります。会社の人材状況や課題、階層に応じて実施すべき人材育成方法は異なるため、むやみやたらに取り組むのはおすすめしません。
適切なタイミングに効果的な育成方法で人材育成に取り組めるよう、自社の状況と課題を正しく理解することから始めましょう。特に自社の人材状況を適切に把握するためには、従業員のスキル管理が重要です。
スキル管理を行うには、タレントマネジメントシステムなど、従業員のスキルデータを適切に管理できるツールを活用するとより効率的です。ぜひさまざまなシステムやツールをチェックしてみてください。
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