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パフォーマンスマネジメントとは? 目的や導入効果、進め方などを紹介

パフォーマンスマネジメントとは? 目的や導入効果、進め方などを紹介

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パフォーマンスマネジメントとは、従来の手法に代わって注目されている比較的新しい人材マネジメントの考え方です。

当記事では、パフォーマンスマネジメントを実施する目的や導入によって得られる効果、具体的な進め方などを紹介します。「現在のマネジメントに限界を感じている」「そもそも印材マネジメントがうまくいっていない」という管理職や企業の経営者は、ぜひご活用ください。

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目次(タップして開閉)

    パフォーマンスマネジメントとは

    パフォーマンスマネジメントとは、目標達成に向けて従業員一人ひとりの能力やモチベーションを最大限に引き出しつつ、行動へのフィードバックをするマネジメント手法です。近年では、MBO(目標管理制度)に代わるマネジメント手法として多くの企業から注目されているようです。

    パフォーマンスマネジメントの特徴

    パフォーマンスマネジメントには、主に4つの特徴があります。

    上司と部下による高頻度のコミュニケーション

    パフォーマンスマネジメントでは、トップダウンによる一方的な評価や指示ではなく、上司と部下が密にコミュニケーションをはかりながら進めます。目標達成に向けた行動計画を立て、都度フィードバックを行いながら進めていくため、上司と部下の対話の頻度が高いことが特徴です。

    未来に向けたアドバイス

    パフォーマンスマネジメントでは、過去の評価ではなく「今後どうすればベストか」という評価方法を特徴としています。上司は部下に対し、目標を達成するためにはどのような行動をとればよいかなどをコーチングすることで、部下はモチベーションを維持し高めながら次に向けて行動します。

    リアルタイムのフィードバック

    パフォーマンスマネジメントでは、可能な限りリアルタイムなフィードバックの実施を特徴としています。具体的には半年や1年に1回などの少ない頻度ではなく、数週間〜1か月ごとにフィードバックを行います。リアルタイムにフィードバックを重ねることで、部下本人が細かな軌道修正ができるので成長を促進できるとされています。

    特性や強みを重視

    パフォーマンスマネジメントは、従業員一人ひとりの特性や強みを重視することも特徴の一つです。従業員が持つ特性や強みにスポットを当てることで、未来に向けたアドバイスができるでしょう。これにより、本人が今まで気づかなかった強みなどを把握できるので、上司はより的確な助言を行えるでしょう。

    パフォーマンスマネジメントの目的

    パフォーマンスマネジメントは、従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大化し、モチベーションを高めながら業務を遂行することを目的としています。目標達成に向けたアクションプランを上司・部下が一緒になって考えることで、より具体的かつ効果的な行動が明確化され、質の高いパフォーマンスが期待できるでしょう。

    こうした状況は従業員のエンゲージメントを高める効果もあるため、企業への定着率や貢献度を高めることも目的として挙げられます。

    パフォーマンスマネジメント以外の管理手法

    パフォーマンスマネジメント以外の管理手法としては「年次評価」「目標管理制度(MBO)」などが挙げられます。年次評価では上司が会社の目標を細分化して個人の数値目標を設定し、その進捗を管理します。そして目標の達成率をもとに年に1回の業績評価を出します。

    目標管理制度(MBO)は、従業員本人が目標を設定する手法ではありますが、パフォーマンスマネジメントとは異なります。詳細は次の項で説明します。

    パフォーマンスマネジメントと目標管理制度(MBO)との違い

    MBOは1年ごとに「目標・行動・結果・評価」を繰り返すマネジメント手法です。年度の初めに従業員本人が目標と行動計画を設定し、達成に向けて行動します。上司は進捗を確認しながら定期的な面談で部下にフィードバックを行い、年度の終わりに目標達成度合いによる評価を実施します。

    一方のパフォーマンスマネジメントでも「目標・行動・結果・評価」を実施します。MBOとの大きな違いは「従業員のモチベーションを上げること」「結果に至るまでのプロセス」に着目する点が挙げられます。また、評価面談は1年に1回に限らず、一定の結果が出た時点ですぐに評価・フィードバックを行う場合もあります。

    パフォーマンスマネジメントが必要となった背景

    近年7〜8割の企業が導入しているMBOですが、うまく運用できずに効果を感じられないという企業も少なくありません。たとえば、評価と給与が連動するために、従業員は高い評価を得ることだけに注力してしまい、モチベーションが上がらない・パフォーマンスが下がるという状況に陥りやすくなってしまいます。

    また、グローバル時代に突入した現代では、その時々に応じた臨機応変な行動が必要となります。1年に1回の評価となる年次評価やMBOは柔軟性やスピード感に欠け、時代に合わない管理手法となってきています。そのため、リアルタイムに評価を行えるパフォーマンスマネジメントが必要とされてきているのです。

    パフォーマンスマネジメントの導入効果

    パフォーマンスマネジメントを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、パフォーマンスマネジメントによる効果について説明します。

    従業員エンゲージメントが向上する

    パフォーマンスマネジメントは従業員一人ひとりの特性や強みを重視したマネジメント手法です。従業員が得意とする点を評価したり、不安や不満を感じる点に適切なアドバイスを行ったりすることで、本人は上司から得た情報を有効活用できるでしょう。目標達成に向けた効果的な振る舞いができれば、従業員のモチベーション・エンゲージメントは向上し、仕事への意欲的な姿勢へつながります。こうした状況が社内全体に広がれば、離職率の低下、生産性向上も期待できるでしょう。

    部下の強みや弱みを把握できる

    パフォーマンスマネジメントでは、頻繁に上司・部下とコミュニケーションをはかります。お互いが顔を合わせて対話することで、上司は部下の強みや弱み、性格などを把握することができるでしょう。それにより、適材適所に業務を振り分けられるはずです。また、部下は自分のことを把握してくれている上司に対して信頼感が芽生えやすくなるでしょう。

    従業員の主体性が向上する

    パフォーマンスマネジメントでは、従業員みずからが目標やアクションプランを設定します。上司がそれについて適切なアドバイスを行うことで、従業員は安心感を持ちながら主体的に行動できるでしょう。「自分にはサポートしてくれる味方がいる」と感じられると、部下は、より積極的にチャレンジするようになるでしょう。

    組織全体の帰属意識が高まる

    高いモチベーションで業務遂行できる環境は、会社へ貢献したい気持ちも育むめるでしょう。定期的なフィードバックにより、適切なアドバイスをすることで「会社は自分のことを理解してくれている」「もっと会社に貢献したい」という気持ちにつながります。

    全従業員が同じような気持ちになれば、当然企業の成長にも大きく影響するでしょう。パフォーマンスマネジメントは、組織全体の帰属意識を高める効果もあるのです。

    パフォーマンスマネジメントの進め方

    パフォーマンスマネジメントは、主に次のような流れで進めていきます。

    目指すべき方向を明確化する

    パフォーマンスマネジメントを進める前に、まずは現時点での業務の進行状況を把握します。現状が把握できていなければ適切な目標設定が行えません。個人だけでなく、チーム全体の状況も把握することで、どこを目指せばよいのか方向が定まり、最適な目標設定が行えるようになるでしょう。

    目標や評価基準を共有する

    従業員が設定する目標は、企業目標に沿った内容にしなければなりません。またチームにも貢献できるような目標も取り入れる必要があります。そのためには、上司と部下がコミュニケーションを取り、目標が適切かどうかをしっかりとチェックします。このときに、どのような基準で、どのようなことが評価の対象になるのかを明確にすることも大切です。パフォーマンスマネジメントでは、目標や評価基準について上司・部下が共通認識を持つことが求められます。

    コーチングを実施する

    上司はコーチングの技法で、部下が目標達成できるようにサポートしていきます。適切にコーチングすることで、部下のモチベーションを高めたり、主体性を持った行動を促したりすることができるでしょう。従業員の状況に応じて、都度1on1などの機会を設け、頻繁にコミュニケーションをはかることが大切です。

    フィードバックを行う

    部下が目標達成に向けた行動を起こしたら、リアルタイムにフィードバックを行います。このときに、上司の主観に頼ったフィードバックを行うのではなく、数値やデータなどの根拠を用いた客観的な助言を行いましょう。先にも述べた通り、パフォーマンスマネジメントでは、過去を評価しません。未来に向けた行動についてをテーマとし、目標を達成するためにはどうすればよいかを考えます。場合によっては、目標を変更することもあるでしょう。

    パフォーマンスマネジメントの課題

    パフォーマンスマネジメントには課題となる点も存在します。

    評価されること・することに不満を持つ人もいる

    なかには評価されることへの不満、評価することへの苦手意識などを持つ人も少なくありません。こうした人たちへは、なぜパフォーマンスマネジメントが必要なのか、どのような効果が期待できるのかなどをしっかりと説明しなければなりません。

    コストと効果が釣り合わない場合がある

    従業員一人ひとりを適切に評価するには時間がかかります。しかも必ずしも組織への成果に直結するわけではないため、評価にかかるコストと成果が釣り合わないことも課題として挙げられます。最低でも評価基準の設定方法や、部下へのフィードバック方法などをしっかり定めておかなければ、非効率なマネジメントとなってしまいます。

    組織強化につながらないこともある

    パフォーマンスマネジメントでは、従業員一人ひとりが個人目標を設定するため、自分の評価だけに向けた行動をとってしまうこともあります。個人プレーばかり行うメンバーが増えてしまうと、チームメンバー同士の関係性は悪くなってしまうでしょう。結果的に組織力が弱まってしまうことにもつながりかねません。目標には必ずチームメンバーに協力しなければ達成できないものも入れるようアドバイスが必要です。

    円滑な運用までには時間がかかる

    パフォーマンスマネジメントでは、上司によるコーチングが必要です。コーチングの知識や経験を身につけるには時間が必要です。そのため、長期的な視点でパフォーマンスマネジメント導入を検討する必要があるでしょう。

    パフォーマンスマネジメントの導入ポイント

    パフォーマンスマネジメントの課題を踏まえたうえで、導入する際のポイントを押さえておきましょう。

    実施する目的を周知する

    パフォーマンスマネジメントを実施する目的や、どのような効果があるのかを全従業員に周知することが大切です。全員が共通認識を持ち、導入への理解が深まれば円滑なパフォーマンスマネジメントを実現できるはずです。パフォーマンスマネジメントの運用に対する協力を仰ぎましょう。

    上司のマネジメントスキルを向上させる

    マネジメントを実施する上司の教育も必要です。パフォーマンスマネジメントでは、部下との頻繁なコミュニケーションが必須といえます。面談の際に単なる世間話で終わってしまったり、時代にそぐわない不適切なフィードバックとならないようにしましょう。パフォーマンスマネジメントの深い理解と、コミュニケーションスキル習得を目的とした研修を実施するといいです。

    組織全体で取り組む

    パフォーマンスマネジメントで設定する従業員の目標は、企業目標と連動している必要があります。そのため、まずは企業の目標、理念を全従業員に周知しなければなりません。経営層自らが従業員に向けて伝えることが大切です。自社がどのようなことを目指しているのか、どのようなことを従業員に期待しているのかなどを丁寧に説明しましょう。組織の目標や理念が理解できれば、従業員は目標を設定しやすくなります。パフォーマンスマネジメントを成功に導くには、組織全体での取り組みが重要です。

    長期的な視点で運用する

    パフォーマンスマネジメントによる管理が定着するまでには時間がかかります。全従業員が制度を理解することはもちろん、マネジメントする上司たちのスキル習得も必要です。地道なフィードバックやコミュニケーションの積み重ねでようやく効果が見えてくるものと捉えましょう。運用には長期的な視点を持つことが大切です。

    パフォーマンスマネジメントで求められる人事の対応

    パフォーマンスマネジメントを導入するにあたり、人事部門では次のような対応が求められます。

    人事評価制度の見直し

    やみくもに新しい人事制度を設けると、かえって非効率となってしまうこともあります。まずは自社の人事制度がどの程度機能しているのかを見極めることも大切です。現行の評価制度に多くの課題があることが明確化されて初めて新制度の導入を検討しましょう。まずは自社の人事評価制度を見直してみることをおすすめします。

    環境整備や人材育成

    パフォーマンスマネジメントでは、個々の強みを活かした行動促進を目的の一つとしています。人事部門は従業員が自分の強みを最大限発揮できる環境を整える必要があります。働きやすいオフィス環境へと改善したり、スキルを強化するための教育制度を取り入れたりするなどのバックアップを実施しましょう。

    マネジメント研修の実施

    マネジメントを担当する上司への教育制度も必要です。目標管理のプロセスや基本的な考え方、効果的なコミュニケーションスキルなど管理者としての知識や心構えを学ぶ機会をつくりましょう。たとえばこれまで、MBOを導入していた企業であれば、MBOとパフォーマンスマネジメントの違いを理解したり、フィードバックの仕方、評価基準の設定方法などを理解する必要があるでしょう。

    上司・部下のフォローアップ

    パフォーマンスマネジメントを上司と部下だけに一任するのではなく、人事部門も積極的にかかわることが大切です。従業員が設定した目標に対し人事部門がフォローに入ることで、企業目標に沿った内容になっているか、自社の理念が理解できているかなどをチェックするといいかもしれません。また、上司が適切なフィードバックを行えているかも確認し、より円滑で効果的なパフォーマンスマネジメントの実現を目指しましょう。

    パフォーマンスマネジメントに使えるツール

    パフォーマンスマネジメントをより円滑に進めるには、ツールを用いて管理するのもおすすめです。活用できるツールを2点ご紹介します。

    1on1ツール

    高頻度でコミュニケーションをとる必要があるパフォーマンスマネジメントでは、1on1ミーティングの記録を残せるツールがあると便利です。どのような対話が行われたのかが把握できるため、パフォーマンスマネジメントの運用に効果的といえるでしょう。上司・部下間の「言った、言わない」を防ぐだけでなく、適切なフィードバックが行えているかを人事部門が把握できるのも利点です。

    目標管理ツール

    目標管理ツールもパフォーマンスマネジメントで活用できるでしょう。目標管理ツールは設定した目標を可視化できるため、従業員は自身の目標を日常的に意識しやすくなります。目標を見える化できれば、達成に向けて行動しやすくなるため、モチベーションも維持しやすくなるでしょう。クラウド型の目標管理ツールなら、リアルタイムの更新・データの共有ができるため、より便利です。

    まとめ

    パフォーマンスマネジメントは、リアルタイムでフィードバックを重ね、従業員のパフォーマンスの最大化が期待できる手法です。これからの時代に合った人材マネジメントの考え方といえるでしょう。これまでのマネジメント手法では効果が出ていない企業では、導入を検討してみるとよいかもしれません。

    しかし、導入後すぐに効果があらわれるわけではないことも理解しておく必要があります。従業員への周知や、上司の理解促進など、さまざまな準備を行わなければなりません。少しでも効率的にパフォーマンスマネジメントを進めるためには、システムを活用するなどの工夫も検討するといいでしょう。

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    パフォーマンスマネジメントを円滑に進めるためにも、タレントマネジメントシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。

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