• 2022.03.16  最終更新日2023.04.21
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KGIの設定方法|数値化のコツ、適切な目標管理のやり方を解説

KGIとは?目標の数値化や管理の方法をリサーチ

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企業の経営戦略で重要となるのは具体的な目標です。目標が設定されていなかったり、目標が曖昧(あいまい)で多様な解釈ができたりすると、現場は混乱をきたして生産性が低下する恐れがあります。このような事態を防ぎ、業務を効率化を促進するのがKGIです。当記事では、KGIの意味や効果などを解説し、KGIの運用管理を効率化する方法をご紹介します。

目次(タップして開閉)

KGIとは?

KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」を意味します。「Goal」という言葉からもわかる通り、KGIは企業の経営戦略の最終目標を意味します。

KGIは「来月は売上5,000万円を達成する」のように定量的で達成可能であることが求められます。「いつまでに」「どれくらいの数字を」達成するかという明確化も必要です。「売上高を増やす」のような定性的な目標や、「来年度は売上を100倍にする」のような達成不可能な目標はKGIにふさわしくありません。

KPIとの違いと関係

KGIに至るプロセスで設定される中間目標がKPIです。

KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」を意味します。組織や個人がその中間目標をどの程度達成できているかを定量的に計測するための指標で、KGIと同じく具体的に数値化されていなければなりません。

KFSとの違いと関係

KGI達成につながる要因がKFSです。KFSは「Key Factor for Success」の略で、日本語では「重要成功要因」を意味します。ほぼ同じ意味を表す言葉にCSF(Critical Success Factor)があります。

KGI設定後にKSFを洗い出す作業を行いますが、その際に市場環境や自社・競合他社のビジネスモデルなどを分析する必要があります。分析手法としては、自社の状況を強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)の4項目で整理するSWOT分析などが有名です。競合他社の分析を外部の専門機関に委託する企業も少なくありません。

洗い出した要因の中から、特にKGI達成に不可欠な要因をKFSとします。たとえば、調査の結果リピート顧客数が減少していることが判明したなら、「CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)を実施して、顧客をリピーターに、リピーターをファンにする」がKFSとなります。

OKRとの違い

KGIとしばしば混同される目標管理マネジメントにOKRがあります。しかし、両者は全く異なります。

OKR(Objectives and Key Results)は、目標(Objectives)と主要な結果(Key Results)をリンクさせ、目標設定・進捗確認・結果を頻繁に評価するマネジメント手法です。数値化できない定性的な目標と数値化できる定量的な主要な結果の両方を設定する点で、定量的な数値目標だけを設定するKGIとは異なります。

また、OKRでは達成可能と考えられるよりも高めのレベルの目標を設定し、達成度は60~70%を目指します。これは従業員のモチベーションを向上させることが目的のためです。この点も、達成可能な目標を設定して100%の達成度を目指すKGIとの違いです。

KGIを設定する効果・メリット

KGIを設定すると組織目標が明確になり、企業の経営戦略がはっきりと方向付けられます。しかし、これ以外にも効果やメリットがあります。

組織目標の周知・理解

企業が具体的な組織目標を示さないと、従業員の間に不信感が広がり、現場が混乱するなどのトラブルが頻発します。しかし、KGIを設定して周知することで、従業員は組織としてのビジョンや利益目標を理解し、企業に対する信頼を深められます。KGI達成に向けて従業員が互いに協力し合い、一体感が生まれることもあるでしょう。

明確な行動目標の設定

KGIが設定されると、これに連動する形でKPIも設定されるため、部署・チームや従業員一人ひとりの行動目標も明確になります。企業がどの方向に進んでいくのかがわかれば、業務の優先順位が決まり、これを具体的なアクションプラン(行動計画)に落とし込めます。結果として、Plan(計画)→Do(実行)→Check (評価)→Act (改善)のPDCAサイクルが上手く回って生産性も向上します。

モチベーション・エンゲージメント向上

定量化されたKGIと現状を比較すれば、業務の進捗状況を客観的に把握することができます。現在の目標達成度が何%なのかがはっきりしていれば、これからどのような行動をしていけばよいのかを判断しやすくなることで、報告性を見直したり、不要な工数を削減したり、業務の効率化につながります。

また、KGIが人事評価と連携することで、評価者の主観が入らない客観的で公平な評価が実現され、評価される従業員の間に納得感が生まれます。このような積み重ねによって、従業員のモチベーションだけでなくエンゲージメントの向上も期待できます。

KGIの設定方法

KGIを設定し、そこからKPIを決定していく方法を紹介します。具体例として企業が自社製品を販売する場合を考えてみましょう。

具体的な数値目標を決める

KGIとして、四半期・半期・年次など中長期の具体的な数値目標を決めます。たとえば「来年度は売上30%増を達成する」のように、「いつまでに」「どれくらいの数字を」達成するかを明確にすると同時に、従業員全員が理解できる単純な目標であることが大切です。また、あくまでも達成可能であることが前提です。

KPIを決定する

KGIである「売上」をさらに「顧客数」「顧客単価」の指標に分解してそれぞれをKPIとします。このとき、「売上=顧客数×顧客単価」のように加減乗除できる形でKPIを設定するのがコツです。

また、KPIは現場でコントロールできる数値にする必要があります。たとえば、「売上=顧客数×商品単価」という指標に分解しても、「商品単価」を決定するのは経営陣であるとすると、営業部は「商品単価」をKPIに設定しても意味がありません。

この場合、営業部のKPIは「顧客数」だけですが、この「顧客数」も現状では増やせないとなれば、「売上」を別の指標に分解することが求められます。現場で運用できる現実的なKPIを考えましょう。

「売上→来年度は売上30%増を達成する」というKGIから、「顧客数→来月の顧客数を10%増やす」「顧客単価→来月は顧客1人あたり1万円以上の購入を実現する」といったKPIを設定します。

同様の手順で、「顧客数」は「新規顧客数」と「リピート顧客数」に分解し、「顧客単価」は「商品単価」と「購入数量」に分解します。このようにどんどんKPIを設定していき、「KPIツリー」と呼ばれる樹形図であらわします。

KPIツリーを作成することで企業の施策が具体化し、組織・チームや従業員一人ひとりがアクションプランを立てやすくなります。

KPIツリー
KPIツリー

KGIに欠かせない「SMARTの法則」

KGIの運用では「SMARTの法則」を意識しましょう。SMARTとは以下の5つの単語の頭文字の組み合わせです。

▶Specific (明確な)
 多様な解釈が入る余地のない客観的な評価基準であること。
 「顧客数」「商談化率」「クリック数」など。

▶Measurable (測定可能な)
 数値化できる定量的な指標であること。
 「率」「件数」「回数」など。

▶Achievable (達成可能な)
 従業員が正しい努力をすれば達成できること。

▶Relevant (関連性がある)
 KGI・KFS・KPIの間に関連性があること。

▶Time-bound (期限がある)
 期限を設けられていること。「来月」「上半期」「2年後まで」など。

いっぽう、KGIが以下の「逆SMART」になっていると、従業員の間に混乱が生じて、却って生産性が低下しかねません。

・Not Specific (不明確な)
 多様な解釈が可能な評価基準であること。「努力」「効率」「顧客満足度」など。

・Not Measurable (測定不能な)
 測定結果を定量的に把握できない指標であること。「高める」「増やす」など。

・Not Achievable (達成不可能な)
 従業員が正しい努力をしても達成できないこと。

・Not Relevant (関連性がない)
 KGI・KFS・KPIの間に関連性がないこと。

・Not Time-bound (期限がない)
 期限を設けられていないこと。

指標を数値化できない場合

一見すると数値化できない定性的な指標でも、工夫次第で数値化して定量的に把握することが可能です。

アンケート調査を実施する

「顧客満足度」は定性的な指標ですが、顧客アンケートを実施すれば集計結果から具体的な数値を得られます。具体的には「商品に対する満足度」は以下の5段階が考えられます。

5非常に満足
4やや満足
3どちらとも言えない
2やや不満
1非常に不満

ほかにも「ブランドイメージ」「認知度」などは、アンケートモニターサイトを通じた調査が頻繁に行われています。

課題解決の過程を評価する

人事・総務・法務・経理などの間接部門は、営業部や製造部などの直接部門とは異なり、定量的な指標を設定するのが困難です。

しかし、「業務を改善する」「ミスを減らす」などの定性的な目標設定では達成度を評価できませんし、直接部門から非難されかねません。そこで大切になるのは、課題解決の過程を分解して、タスクの一つ一つを数値化することです。

「業務を改善する」ならば、「6月までに業務マニュアルを作成して、総務部で共有する」「毎回ダブルチェックを行い、来月のミスの発生率を0%にする」などを目標とするとよいでしょう。

間接部門のKPIでもKGI・KFSとの関連性を意識することが大切です。「来年度は売上30%増を達成する」というKGIに対して、「来月の消耗品費を30%削減する」というKPIは不適切です。

KGI運用管理を効率化するには?

KGI運用ではKFS・KPI、アクションプラン、人事評価までが連動するため、人事担当者はこれらに関連するデータを適切に管理しなければなりません。紙やExcelでも管理できますが、手動で数字を入力したり、件数を集計したりすることになり、時間と手間がかかって他の人事業務に支障をきたす可能性もあります。このような非効率な状況を改善するのに役立つのがタレントマネジメントシステム「スマカン」です。スマカンを導入してKGI運用管理を効率化しましょう。

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