• 2022.12.22  最終更新日2023.06.05
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人事評価は好き嫌いで決まるのか?|理由と対処法を紹介

人事評価は好き嫌いで決まるのか?|理由と対処法を紹介

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人事評価が評価者の好き嫌いで決められていると従業員に感じさせてしまうと、不満がたまってしまいます。

人事評価に明確な基準がないと主観が混じってしまいがちですが、好き嫌いによる評価をできるだけ排除するにはどのようにしたらいいでしょうか。

当記事では、人事評価が好き嫌いに影響される理由、好き嫌いによる評価を放置するデメリット、可能な限り公平な評価をするためのヒントをご紹介します。

「人事評価の運用がうまくいっていない」「人事評価に対して従業員の不満がたまっている」という企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

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目次(タップして開閉)

人事評価の好き嫌いに関する調査

20〜50代のビジネスパーソンを対象にした「人事評価に関する意識」アンケート調査によると、回答者の37.8%が評価の仕組みに不満があると答えていています。

その理由は、41%が「評価基準が明確に示されていない」を挙げ、次いで38.7%が「評価者の好き嫌いで評価されてしまうため」を挙げています。

参照:『人事評価に関する調査』日本経済新聞社/NTTコムリサーチ

人事評価と好き嫌いは切り離せない?

人事評価において、すべてを数値などの定量的な指標で判断するのは難しく、客観的に判断しようとするほど仕組みは複雑になる傾向にあります。

そうすると結局、どこかの段階で評価者の勘や経験が必要になり、好き嫌いの感情と切り離せないと思われがちです。

人事評価において、好き嫌いを完全に排除しようとするのではなく、好き嫌いによる評価が発生する原因とデメリットを理解したうえで調整し、従業員に納得してもらう意識が大切といえます。

人事評価が好き嫌いに影響される理由

なぜ人事評価は好き嫌いに影響されてしまうのでしょうか。主な理由を4つご紹介します。

明確な評価基準がない

好き嫌いで人事評価を決めてしまう理由の1つめは、上司が何を基準に評価すればいいのかわかっていないからかもしれません。明確な評価基準がないと上司が自分の主観に頼るようになるため、人によって評価のばらつきも出やすくなってしまうのでしょう。

情意評価のウエイトが大きい

2つめの理由は、情意評価を重視しすぎるからかもしれません。

情意評価では仕事への姿勢や勤務態度のほか、それに伴う行動などを評価します。従業員の働きぶりを評価するうえで情意評価は重要な要素です。

しかし明確な基準が設けにくく、評価者の主観に偏りがちな評価ともいえます。ウェイトが高すぎると、好き嫌いで人事評価が判断されてしまうので注意が必要です。

人事評価エラーが発生している

人事評価エラーという無意識に発生する心理傾向も、人事評価に好き嫌いが影響される理由の一つといえます。

人事評価エラーとは、先入観や認知のゆがみによって、実態とは異なる評価をしてしまうことを指します。

人事評価エラーを理解しておかないと、好き嫌いの感情的判断に偏ってしまう恐れがあるでしょう。

評価者のスキル不足

人事評価が好き嫌いと切り離せない4つめの理由は、そもそも上司が評価に慣れていないからかもしれません。

評価者研修などで評価スキルを向上させないと、好き嫌いで人事評価が決まってしまう状態を解決するのは難しいといえるでしょう。

好き嫌いによる人事評価を放置するデメリット

人事評価が好き嫌いに大きく影響される状態が続くと、さまざまなデメリットやリスクが考えられます。主なものを3つご紹介します。

モチベーションが低下する

1つめのデメリットは、好き嫌いによる人事評価を放置すると、従業員のモチベーションが低下する恐れがあることです。

実績とかけ離れた好き嫌いによる評価のもとでは、頑張っても報われない従業員が出てくるかもしれません。そのような状態はやる気を削ぎ、結果的に業務スピードや質は低下、ゆくゆくは企業全体にまで影響する可能性も否定できません。

人間関係が悪化する

好き嫌いによる人事評価では、評価の高い人と低い人の間で対立関係が生まれるリスクがあり、2つめのデメリットといえます。

上司に嫌われているから評価が低くなったと考える社員にとっては、高評価の社員に対していい印象は持たないでしょう。反対に高評価の社員は「好き嫌いによる評価」だと考えていない可能性もあります。

お互いに理解が得られない状態が続くと、人間関係の悪化につながり、職場の雰囲気にも影響するかもしれません。

離職率が高まる

3つめのデメリットは、離職者を増やしてしまうリスクです。

好き嫌いによる人事評価に対して何も対処しないままでいると、従業員の不満がたまり、人材の流出は免れないでしょう。

成果を出しても昇進や昇給につながらなければ、転職を考える社員があらわれてもおかしくありません。そうすると採用・育成コストが無駄になり、会社にとっては非常に大きなデメリットといえます。

好き嫌いによる人事評価への対処法

人事評価が好き嫌いに左右されてしまっている状況は、どのように対処すればよいのでしょうか。主なポイントを4つご紹介します。

評価の基準を明確にする

好き嫌いによる人事評価に対処するには、評価の基準を明確にする必要があります。全社的的に統一的な基準で人事評価を運用できれば、あいまいな判断が軽減されて公平な評価に近づくでしょう。また、評価者による評価のばらつきも緩和され、従業員の納得度も高まるはずです。

多面的な評価を取り入れる

2つめは、多面的な評価視点を取り入れることです。

360度評価など多面評価を同時に運用すると、好き嫌いによる人事評価の影響を少なくできるでしょう。評価者の感情が入ってしまうことは、ある程度は仕方のないことといえます。1人の評価者による評価だけで決めてしまうことが、不満につながってしまうのです。

多様な視点と多様な評価項目を取り入れてバランスを取れば、好き嫌いによる評価の不公平性を緩和できるでしょう。

評価者のスキルアップをはかる

3つめは、評価者研修などを行い、評価スキルの底上げを行うことです。

会社として明確で統一的な基準を設けたとしても、実際に行う評価者が理解と経験値を積まないと、主観を排除するのは難しいでしょう。

甘辛調整をする

事後的に甘辛調整をするのも、好き嫌いによる人事評価の影響を減らすのに有効といえるでしょう。

甘辛調整とは、最終評価者の評価終了後に、部署やフェーズごとに「甘すぎる」「厳しすぎる」といった評価の偏りのバランスをとる方法です。

甘辛調整の方法には、平均点を基準にする調整や正規分布に合わせる調整などがあります。自社の運用に合わせて必要な方法を検討するといいかもしれません。

人事評価から好き嫌いを取り除く評価手法

人事評価から好き嫌いをできるだけ排除するために、基準となる評価手法を4つご紹介します。

MBO(目標管理制度)

MBO(目標管理制度)は、著名な経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱した人材マネジメントの仕組みです。あらかじめ設定した目標に対する達成度によって評価を決めるため、主観が入り込む余地が少なく、客観的に判断しやすくなります。

目標を従業員との話し合いによって決めるので、評価に対してお互いの納得度が高まりやすいのもメリットといえます。

OKR

OKRは、世界的な半導体メーカーであるインテルで考案された目標管理の仕組みです。GoogleやMeta(旧Facebook)など海外の有名企業が取り入れたことで注目を集め、日本でも導入する企業が増えています。

1つの定性的な目標(Objects)に対して、複数の定量的な指標(Key Results)を設定し、1か月から四半期程度で評価サイクルを回していきます。

数字で測れる結果と測れない結果をバランスよく評価できるのがメリットですが、一般的にOKRは人事評価と切り離すべきと考えられています。

コンピテンシー評価

コンピテンシー評価では、コミュニケーション能力や業務遂行能力などに関する理想的な行動特性を定義し、それに近い行動ができているか否かを評価します。

コンピテンシーとは、ハーバード大学のマクレランド教授が提唱した「優れた成果を出す人に共通している行動特性」のことです。

数値化しにくい従業員の行動は主観で判断されがちですが、あらかじめコンピテンシーを定義しておけば、評価の公平性が高まるでしょう。

360度評価

360度評価は、直属の上司だけでなく、他部署の上司や同僚、部下など幅広い立場の人の評価を取り入れる多面的手法です。結局のところ、人事評価において主観を完全に排除するのは難しとされています。

しかし、さまざまな立場から見た評価を取り入れれば、極端な偏りを減らし、公平な評価へと近づいていくでしょう。

まとめ

人事評価から好き嫌いの影響を完全に排除するのは難しいと考えられています。

しかし、好き嫌いによる人事評価に不満を感じている従業員が多いことは調査結果からもわかっており、放置すると企業にとってさまざまなリスクが考えられます。

モチベーション低下や離職率の上昇などデメリットが生じないように、明確な評価基準を設け、評価項目の調整などを行うといいでしょう。

好き嫌いだけで人事評価が決まってしまわないようバランスをとることが重要です。

好き嫌いによる人事評価の影響を減らすには

人事評価から好き嫌いをできるだけ取り除くためにも、システムの活用で納得度を高める評価運用を検討してみてはいかがでしょうか。

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