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暗黙知と形式知の違いとは|身近な例とナレッジマネジメントのポイントを解説
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ナレッジマネジメントにおいて、暗黙知と形式知は重要な概念です。暗黙知とは、口に出して説明することが難しい個人の経験やノウハウ、形式知は文章やデータベースなどに記載しやすい明確な知識のことです。
自社でナレッジマネジメントを実施しているものの、うまくいかない場合、暗黙知と形式知についての理解が不足していることも考えられます。
当記事ではこの2つの知識の違いをわかりやすく解説するとともに、ナレッジマネジメントにおけるポイントについてご紹介します。
目次(タップして開閉)
暗黙知と形式知の意味や違いを解説
暗黙知と形式知は、知識(ナレッジ)に関する概念です。ハンガリー出身の学者であるマイケル・ポランニー氏が『暗黙知の次元』で提唱しました。
ポランニー氏は言語、数字、図表などで説明できない、あるいは説明しにくい知識を「暗黙知」と定義しています。一方で言語化できる、または言語化しやすい知識を「形式知」と分類しました。
この2つの意味をさらに詳しく説明し、両者の違いについても解説します。
暗黙知とは
暗黙知とは個人が持つ経験や直感、感覚など、言葉にしにくい知識を指し「コツ」「勘」「ノウハウ」などと言い換えられます。
暗黙知は明確な言語や数字などで表現しにくいため、伝えることが難しい一方、経験豊富な人々が持つ価値ある知識ともいえるでしょう。
暗黙知はその持ち主の行動に影響を与え、重要な判断材料となると考えられています。
形式知とは
形式知とは、言葉や数式など、明示的・客観的に表現できる知識を指します。つまり、言語化でき、他者へ共有できる知識です。
形式知は、明確に表現できるため伝達や共有が容易であり、学習や業務の効率化に役立ちます。
両者の違い
暗黙知と形式知の違いは、知識がどのように表現されるかという点にあります。
暗黙知は、個人の経験や勘に基づいて獲得された知識であり、言語化しにくく、他者への共有が難しい知識です。一方、形式知は言葉や数式などで誰でも意味を理解できる知識であり、マニュアル化やデータ化が可能です。
すなわち、勘やノウハウのような暗黙知でも言語化できる知識に変換できれば、形式知となるのです。
暗黙知と形式知の身近な例
暗黙知と形式知を、よりわかりやすく説明するために、身近な例をいくつか挙げてみます。
暗黙知の身近な例
以下の例は、言葉による説明が難しく、経験や直感に基づくものです。簡単に言葉化できない知識であるため、暗黙知として分類されます。
暗黙知の例 |
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・スポーツにおける状況判断や相手の動きを読む力 ・自転車に乗るときのバランス感覚や転倒回避能力 ・運転における直感的な判断力や視野の広さ ・職場での社交的なスキルやコミュニケーション能力 |
形式知の身近な例
以下の例は、言語化やデータ化することができ、多くの場合誰でも共通の認識を持てるはずです。他者へ共有しやすい知識であるため、形式知として分類されるのです。
形式知の例 |
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・学校で学ぶ数学や科学の公式や法則 ・取扱説明書やマニュアル ・業務マニュアルや手順書 ・会社のルールや規定、手続き、契約書 ・「アクセルやブレーキを踏む」などのマニュアル化された運転方法 |
暗黙知・形式知と混同されがちな言葉
暗黙知や形式知とよく混同されることが多い「実践知」と「集合知」について説明します。
実践知
実践知とは、経験に基づいて身につけた実践的な知識やスキルのことを指します。実際に現場で働いた経験から培われた知見や技能、ノウハウなどが含まれるでしょう。
理論や本から得られる知識とは異なり、実際に行動することでしか習得できないものであるため、共有が困難であるとされています。
集合知
集合知とは、複数の個人やグループの知識・経験・意見を結集し、集積された知識を指します。個人の持つ知識や経験に加え、情報共有のプラットフォームやコミュニティによってさまざまな意見を取り入れると、より高度な知識やアイデアが生み出されることがあります。
近年ではSNSやクラウドソーシングなど、インターネットの発展によって集合知が盛んになり、新しい技術やサービスの創造に大きく貢献しているといえます。
企業が暗黙知を放置するデメリット
暗黙知は共有することが難しい知識です。しかし、企業が暗黙知を放置してしまうと、次のようにさまざまなデメリットが生じる場合があります。
・業務の属人化 ・企業成長の鈍化 ・暗黙知を持つ従業員の生産性低下 ・イノベーションの失敗 |
業務の属人化
企業が暗黙知を放置していると、暗黙知を持った人物に依存した経営体制になってしまうでしょう。
たとえば、シニア人材は長年の経験を通じて蓄積された暗黙知を持っているはずです。しかしその知識を持つ人材が退職してしまうと、企業はその暗黙知を喪失することになるのです。
そうなれば、業務に支障が出て、業務効率や品質が低下してしまうかもしれません。
企業成長の鈍化
企業が暗黙知を放置することで、企業全体の成長が滞ってしまう恐れがあります。
暗黙知は個人の経験や勘に基づく知識であり、言葉や数式で表現しづらいため、共有が困難です。個人的な知識として閉じ込められたままになると、企業全体としてパフォーマンスが低下し、成長が鈍化してしまうかもしれません。
しかし暗黙知を形式知に変換し、さらに集合知にできれば、新たなアイデアを生み出したり業務の効率化につなげたりすることができるでしょう。
暗黙知を持つ従業員の生産性低下
暗黙知を持っている従業員は特定の業務に熟知していることが多いため、ほかの従業員に業務を教える機会が増える傾向にあります。
周囲に教えるために自分の業務を中断する必要があるため、その分生産性が低下してしまうでしょう。
そのような状況が続くと、暗黙知を持った従業員のモチベーションも下がり、退職のリスクにもつながりかねません。
イノベーションの失敗
暗黙知を放置し続けると、イノベーションの機会が失われる可能性があります。
暗黙知を個人だけにとどめてしまうと、ほかの知識との融合や新しい知識の創出が起こりにくく、自社の成長の妨げとなってしまうのです。
そうなれば競合他社との差別化も困難になり、業界の中で埋没してしまうかもしれません。
暗黙知を形式知に変えるメリット
暗黙知を放置することで、企業にはさまざまなリスクが起こり得ます。しかし、暗黙知を形式知に変えることができれば、主に次のようなメリットが得られます。
・業務効率化につながる ・迅速かつ効果的な育成が行える ・従業員のスキルアップが望める ・新たな知識の創出が見込める |
業務効率化につながる
暗黙知は個人の中にあり、共有化されていないことが多いため、同じ業務を行う人が同じ結果が得られるわけではありません。
しかし、暗黙知を形式知に変えることで組織全体で共有しやすくなるため、業務の効率化につながると考えられます。
たとえば業務フローをマニュアルにしてクラウドストレージに格納するなど、時間や場所を選ばずにいつでも形式知にアクセスできる状況を構築するのがおすすめです。
そうすると社内全体で効率よく知識を吸収でき、より効率的な業務遂行につなげられるでしょう。
属人化を防止できる
暗黙知を有する社員が退職などで組織を去ったとき、その暗黙知は失われてしまいます。
しかし、マニュアル化やナレッジ共有ツールなどを用いて暗黙知を形式知に変えておけば、組織の資産として知識が蓄積できるのです。
そうすれば、特定の人材の状況に左右されないため属人化を防げるでしょう。
迅速かつ効果的な育成が行える
暗黙知を形式知に変えることで、明確な手順やプロセスをほかの社員に共有できるのです。その形式知を活用すれば、新人教育や業務改善の際にも、迅速かつ効果的に行えるようになるでしょう。
育成研修にかかる時間やコストを削減できるだけでなく、スケジューリングなど人事担当者の負担も軽減できるはずです。
従業員のスキルアップが望める
共有化された形式知に基づいて業務を行うことで、全社的に従業員のスキル向上が期待できます。誰もが同じように知識を習得できれば、業務を平準化できるでしょう。
これにより、企業が提供するサービスや製品などの品質を均一化できるかもしれません。
また、形式知によって定型業務が自動化されると、従業員の負担軽減も実現でき、より高度な業務に取り組める可能性が高まるでしょう。
新たな知識の創出が見込める
暗黙知を形式知に変換することで、知識をより広範囲に共有しやすくなります。
従業員同士の知識が融合することで、さらに業務を効率化できる方法などの知識の発展や新たな発見が起こりやすくなるでしょう。
暗黙知の形式知化【ナレッジマネジメント】の方法
企業内で共有されるべき知識や技術を管理し、その価値を最大化する手法を「ナレッジマネジメント」といいます。
この手法を用いると暗黙知を形式知化し、形式知化した知識を業務に効果的に活用できるようになるでしょう。ナレッジマネジメントの具体的な方法について説明します。
・SECIモデルの活用 ・場のデザイン ・知識財産の引き継ぎ ・ナレッジの共有促進 |
SECIモデルの活用
チームの暗黙知を形式知化するには、経営学者の野中郁次郎氏らが提唱したナレッジマネジメントのフレームワーク「SECI(セキ)モデル」を活用する方法があります。
SECIモデルは、個人が持つ暗黙知を形式知化する4つのプロセスをモデル化したものです。各プロセスをぐるぐると絶えず繰り返し、組織的にナレッジやノウハウを蓄積して活用することを目的としています。
SECIモデルの各段階を解説します。
共同化(Socialization)暗黙知から暗黙知
個人の暗黙知を他者に暗黙知のまま共有する過程です。
経験豊富なメンバーが、言葉ではなく経験や体験によって新人や同僚に技術や知識を共有し、暗黙知を共同化します。
具体例 |
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・上司や先輩の仕事を見て覚える ・OJTで実務を通して経験する |
表出化(Externalization)暗黙知から形式知
個人が持つ暗黙知を形式知化する過程です。
経験豊富なメンバーが、言語化や図解化を行い、暗黙知を形式知に変換します。
具体例 |
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・業務フローをマニュアルにする ・ほかの従業員へ業務報告を行う |
連結化(Combination)形式知から形式知
形式知を組み合わせ、新たな形式知を創造する過程です。
複数の形式知を組み合わせることで、新たなアイデアや手法が生まれるでしょう。
具体例 |
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・上司や同僚に仕事のノウハウを聞いて、自分なりに実践する ・会議でそれぞれの知識を共有して、業務に活用する ・成功した企画をもとに、新しい企画案を考案する |
内面化(Internalization)形式知から暗黙知
新たに創造された形式知を反復練習などによって個人の暗黙知として取り込む過程です。
個人が形式知を体験し、暗黙知として取り込むことで、より深い理解が生まれます。
具体例 |
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・ソフトウェアを何度も触って、マニュアルなしで操作できるようになる ・同僚の仕事のコツを実践して業務効率化を実現し、さらに自分なりに工夫も加えた |
場のデザイン
SECI(セキ)モデルで提示した4つのプロセスをより加速化するには、場のデザインが必要です。「場」とは、組織内で知識や情報を共有するために必要な場所や状況を指します。
「場」は、直接会える場所である必要はなく、ネット上の仮想空間であっても構いません。それぞれのプロセスに適した「場」を紹介します。
創発場
創発場とは暗黙知を共有する共同化プロセスにおいて、他者と知識の交換を行う場のことです。
オープンなコミュニケーションを行うことができ、従業員同士が気軽に経験や意見を共有できる環境が好ましいとされています。
具体例 |
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・社内SNS ・ランチ会や社員食堂などの食事の場 ・休憩室など職場内での会話 ・フリーアドレスなどによるランダムな従業員との会話 |
対話場
対話場とは、暗黙知を形式知に変換する表出化プロセスにおいて活用される場のことです。
対話場は、プロジェクトチーム内で共通のミッションを軸にした共創環境を整えることが必要といわれています。
雑談やディベートだけで終わらせるのではなく、建設的対話やディスカッションを通して、暗黙知を形式知に変換できるような場にしましょう。
具体例 |
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・全社会議や部署会議 ・1on1ミーティング ・マニュアル作成や資料作成 ・社員合宿 |
システム場
システム場とは、形式知同士を組み合わせる連結化プロセスにおいて重要な役割を果たす場です。
形式知の社内共有ができる場として、オンライン会議やナレッジ共有ツールの利用が効率的でしょう。リアルタイムに情報を更新できるものや、蓄積した形式知を編集、検索できたりURLを共有できたりする機能を搭載したツールの活用をおすすめします。
具体例 |
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・オンラインミーティング ・社内チャットツール ・Googleドキュメントやスプレッドシートによる共有 ・ナレッジ共有ツール |
実践場
実践場とは、形式知を暗黙知として自分のものにする内面化プロセスで役立つ場を指します。
内面化プロセスでは、従業員個人が反復練習などによって形式知を習得するため、特定の場を設けなくてもよいとされています。
ただし企業内大学やプレゼンテーションルームなどの形式知を実践的に活用する環境を整えることで、より内面化を進めやすくなるでしょう。
具体例 |
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・従業員自身のデスクや作業スペース ・企業内大学 ・プレゼンテーションルーム |
知識財産の引き継ぎ
「場」で共有された知識は、企業にとって財産となります。より効果的にナレッジマネジメントを実践するためには、知識財産を蓄積して引き継ぐ仕組みを構築しなければなりません。
たとえば、以下のような構築方法で仕組みをつくるとよいでしょう。
・情報共有に関する評価制度を設け、知識共有に対する従業員のモチベーションを高める ・知識継承のための仕組みを整備し、組織内で知識の流れをスムーズにする ・情報の蓄積や管理を効率的に行うため、情報共有ツールなどのシステムを活用する |
ナレッジの共有促進
ナレッジマネジメントを成功させるためには、部署やチームにナレッジリーダーを配置することが重要です。
ナレッジリーダーは、知識の共有、SECIモデルの活用、場の活性化というプロセスを主導し、知識財産継承の環境整備を全社レベルで促進します。
リーダーシップが適切に発揮されると、従業員全員がナレッジマネジメントの重要性を認識しやすくなり、より効果的な結果を生み出すことができるでしょう。
暗黙知を形式知に変換するときの注意点
効果的に暗黙知を形式知に変換する場合、以下に挙げる注意点やポイントを意識しておくとよいでしょう。
・暗黙知を洗い出す ・積極的に情報共有しやすい制度をつくる ・紙以外の形式知化も検討する ・IT化する |
暗黙知を洗い出す
暗黙知を形式知に変換するためには、まずは組織内に存在する暗黙知を洗い出す必要があります。暗黙知は言葉であらわすことが難しいため、存在が見逃されがちです。
しかし、共有されなければ形式知に変換できません。
洗い出すためには、従業員へのアンケート調査や面談、ヒアリングなどを通じて、従業員が持つ暗黙知を発掘することが重要といえるでしょう。
積極的に情報共有しやすい制度をつくる
自身の業務時間を割いてまで、自分が持つ知識やノウハウを共有しようとは思わない人もいるでしょう。このような課題を解決するには、積極的に情報を共有しやすい環境を整備することが大切です。
たとえば、情報提供者にインセンティブをつけたり、情報共有に関する評価制度を設けたりすることが挙げられるでしょう。
ナレッジを共有・活用できる場を整える
暗黙知を形式知に変換するためには、ナレッジを共有し、それを活用できる場を整える必要があります。
たとえば、社内の情報共有システムやコミュニケーションツールの導入、定期的なミーティングや研修の実施、休憩室の設置などが挙げられます。
共有の場が整っていると、従業員は積極的に情報を伝えやすくなるでしょう。
紙以外の形式知化も検討する
暗黙知を形式知に変換する方法として、紙媒体での文書化が一般的です。
しかし、近年ではリモートワークを導入する企業も増えているため、紙以外の形式知化も考える必要があるといえます。
たとえば、動画や音声などのマルチメディアコンテンツでの知識共有が挙げられます。
また、デジタルデータでの共有によって、時間や場所に縛られずに情報を取得・共有できるため、形式知化の柔軟性が増します。
ただし、音声や動画のコンテンツが重くなりすぎると、視聴や配信に時間がかかるため注意しましょう。
IT化する
暗黙知を形式知に効率よく変換するためには、IT化するのも一案です。
たとえば、AIや機械学習などの技術を活用すれば、情報を分析・整理し、自動化できます。
また、クラウドを利用することで、従業員がいつでもどこでも知識や情報にアクセスできるようになります。形式知への変換だけでなく、そのほかの業務の効率化にもつながるでしょう。
ただし、情報セキュリティなどの問題にも注意しなければなりません。
暗黙知の形式知化に成功した企業事例
日本の企業でも、ナレッジマネジメントを実施している企業は少なくありません。最後に、暗黙知の形式知化に成功した2つの企業事例を紹介します。
ニチバン株式会社
文具や医療用テープを製造・販売するニチバン株式会社の「お客様相談室」には、かつて顧客対応に必要な知識やノウハウが各個人に分散しているという課題がありました。
その課題を解決するため、顧客対応に関する情報を一元管理するITツールを導入しました。
特に、個人がメモ書きでまとめていた内容をFAQとして管理したことで、新人でもスムーズに顧客対応ができるようになったそうです。
この取り組みにより、同社のお客様相談室では業務効率化が進みました。
参照:『お客様相談室で過去30年分のカタログ情報やFAQをナレッジベースで共有』アクセラテクノロジ株式会社
NTT東日本株式会社
1996年に開始された「東日本電信電話(NTT東日本)株式会社」によるナレッジ共有は、SECIモデルの先駆的な事例として広く知られています。
同社では、リアルな場とバーチャルな場の両方でナレッジ共有の場を設定しました。
リアルな場では、従業員が仕事場所を固定せずに、状況に応じて適切な場所を利用できるようにし、部署を超えたナレッジの共有を促進しました。
一方、バーチャルな場では、従業員が個人ホームページを社内で公開でき、個々の略歴や趣味などのプライベートな情報から、日報や提案書などのビジネスに関する情報まで、さまざまな情報を共有しています。
このようにリアルとバーチャルの両方の場を積極的に整備し、ナレッジの創出と共有を成功させているのです。
参照:『知識管理から知識経営へ-ナレッジマネジメントの最新動向-』国立研究開発法人 科学技術振興機構
まとめ
暗黙知と形式知は、ナレッジマネジメントにおいて重要な概念です。
暗黙知は個人の経験やノウハウであり、言語化が難しいため、共有されにくいという特徴があります。
しかし、企業が暗黙知を放置すると、さまざまなデメリットが生じます。暗黙知は明確に表現しやすい形式知に変換し、ほかの従業員にも共有することで業務効率化や生産性向上につながるのです。
暗黙知を形式知化し、ナレッジマネジメントを効果的に実施するには、社内コミュニケーションを促進したり、情報を共有しやすい環境をつくったりという準備が必要といえます。
当記事でご紹介したポイントや手順を理解し、自社の知識財産を長期にわたって蓄積・活用していく仕組みを構築してみてはいかがでしょうか。
記事監修
スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎
一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。
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