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タレントマネジメントの項目を解説|基本の5つ、導入時に必要な情報とは?
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タレントマネジメントは従業員一人ひとりの情報を集約して一元管理し、さまざまな人事施策に活かすことで、自社の課題解決や経営目標の達成、企業の成長へとつなげていくものです。しかし、人材情報を集約するといっても「どんな項目が必要かわからない」「情報をどう活用すればいいのかわからない」という担当者もいるでしょう。
当記事ではタレントマネジメントにおいて必要となる基本項目5つと、導入時に必要な情報についてを詳しく解説します。タレントマネジメントを効果的な人員配置や人事評価につなげるための参考にしてみてください。
目次(タップして開閉)
タレントマネジメントに必要な情報とは
タレントマネジメントを実施する場合、自社の従業員に関する情報を集め、いくつかの指標で管理・評価します。この指標は一般的に「項目」と呼び、従業員それぞれのスキルや能力を最大限に発揮できるような人員配置、公平な評価に活用します。
タレントマネジメントを行う際は、さまざまな項目に沿って情報を収集しますが、とにかくたくさんの項目を設定し、やみくもに情報を集めればよいというわけではありません。
タレントマネジメントの項目設定は、自社の課題解決につながるかどうかで決める必要があります。たとえば自社の課題が「人材不足」なのか「既存社員のスキル不足」なのかでも、必要な情報は異なります。まずは自社でタレントマネジメントを導入する目的を明確にしたうえで、項目を設定することが重要です。
タレントマネジメントの項目【基本の5つ】
タレントマネジメントで設定する項目には、必須となるものもあります。下記の5つは基本項目といえるため、これらの情報は必ず収集するようにしましょう。
1 | 基本情報 |
---|---|
2 | 能力・スキル情報 |
3 | キャリア情報 |
4 | 行動・勤怠情報 |
5 | 価値観・志向性の情報 |
1.基本情報
従業員の属性に関する基本情報は必須項目です。属性とは主に氏名、年齢、性別、所属、役職や等級などを指します。タレントマネジメントを行う際に、一番使用頻度が高い項目ともいえるでしょう。基本情報は更新する可能性がもっとも多い項目の一つです。そのため、変更がある場合はすぐに対応し、最新状態を保持できるようにしておきましょう。
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能力・スキル情報
次に必須とされる項目は、従業員の能力やスキルに関する情報です。その従業員が何らかの資格を保有しているのであれば、それは能力やスキルを客観的に評価できる材料となります。しかし、資格は保有していないものの有資格者と同等レベルまたはそれ以上の能力・スキルを持つ従業員もいるかもしれません。そのようなケースにも対応できるよう、各部署やチームにおいて、能力の評価基準を設定しておくことがおすすめです。
3.キャリア情報
従業員のキャリアに関する項目も、タレントマネジメントには必要な情報です。これまでどのようなキャリアを歩んできたのかが把握できれば、従業員が今後どのようなキャリアパスを望むのかなどが見えてくるかもしれません。
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また、これまでに経験した社内表彰や、参加したことのある研修内容・回数などもキャリア情報として蓄積しておくとよいでしょう。キャリア情報を把握することで、従業員の希望する人員配置も実施でき、エンゲージメント向上にもつなげやすいといえます。
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4.行動・勤怠情報
従業員の行動や勤怠に関する項目も設定しておきましょう。これまで、目標達成に向けてどのような行動をしてきたのか、勤務態度はどうだったのか、などの情報を集めます。
たとえば、営業職であれば新規アポイントの回数や既存顧客へのアプローチ回数などが「行動」に当てはまります。さらに勤怠に関する情報では、遅刻・早退・欠勤・残業時間などを把握します。
スキル・能力が高い従業員でも、勤務態度に問題があれば、高評価とはならないでしょうし、目標達成度が高い従業員でも、残業ばかりしているようなら、能力があるとはいえないパターンもあります。行動・勤怠情報に関する項目では、こうした内容を精査するのに必須といえます。
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5.価値観・志向性の情報
働き方や仕事に対する考え方などが多様化する現代において、従業員の価値観や志向性について把握することはとても大切です。どのような仕事にやりがいを感じるか、どういった働き方を望むのか、自身が希望する将来とはどのようなものか、などは一人ひとり考えが異なります。価値観・志向性を把握することは、その従業員に適した人員配置・勤務条件の整備を実施できることにつながります。
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基本5項目以外に自社オリジナルで設定も可能
タレントマネジメントの項目で基本の5つのほかにも「自社独自の項目を設定したい」「自社の人材マネジメントに活かすために必要な項目がある」という項目があるのなら、それを組み合わせて情報収集するのは問題ありません。
先述の通り、タレントマネジメントの項目は、導入目的や経営目標の達成につながるかどうかを基準に設定するものです。近年重要視されている人的資本情報の可視化に向けて、社内の情報を収集するという企業も多いかもしれません。
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タレントマネジメントは企業ごとにやり方があるため、目的が明確であれば、基本項目のほかにも自社向けの項目を追加しましょう。
タレントマネジメントの項目設定が重要な理由
タレントマネジメントの項目設定は、自社の課題解決につながるかにも関わるものです。
タレントマネジメントの最終目的は、自社の人事課題を解決し、経営目標の実現です。その課題解決に必要な材料として、さまざまな項目に沿って従業員の情報を集めます。しかし、いくら多くの情報を集めたところで、自社の課題解決につながらなければ意味がありません。
そのため、タレントマネジメントにおける項目設定は非常に重要な意味を持っているといえます。
タレントマネジメントの目的は企業の成長
そもそもタレントマネジメントの大きな目的は「企業の成長」で、短期的な目的は「経営目標の達成」です。
しかし、適切なタレントマネジメントの項目設定を行ったにもかかわらず、上手に運用できていないというケースもあるかもしれません。その場合は、目的を見失っており、単なる情報収集で終わってしまっている可能性があります。
タレントマネジメント導入時に集めた必要情報をもとに人材育成や、ミスマッチの少ない採用などの施策を実施し、適材適所の人員配置を行うことで、従業員のパフォーマンスを最大化させます。そして、企業の目標を達成するところまでを視野にいれなければなりません。「企業の成長」という大きな目的を果たし、タレントマネジメントを成功させるには、人材情報の可視化が必須です。
タレントマネジメントには人材情報の可視化が必要
タレントマネジメントを成功させるには、人材情報の可視化が必要です。従業員個々の能力やスキル、キャリア志向、価値観などを可視化することで、一人ひとりに合わせた育成やキャリア開発の施策を実施できます。これにより、従業員は仕事に対するやりがいや自身のスキルアップなどを感じやすくなるでしょう。
また、組織が自分のためにさまざまな施策を実行してくれるということがわかれば、企業への愛着も湧くかもしれません。結果的に従業員エンゲージメントが向上し、組織の活性化、企業の成長へとつながるでしょう。
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タレントマネジメントの項目でわかること
タレントマネジメントの項目を設定し管理していくことで、組織は各従業員について以下のようなことを把握しやすくなります。
従業員の性格
集めたタレントマネジメントの項目によって、従業員がどのような性格・人間性なのかを把握することができます。たとえば、内向的・外交的、楽観的、几帳面などが見えてくるでしょう。従業員の性格を把握したうえでその人材に合った人員配置を実施する必要があります。
一方、これから伸ばしてほしい性格特性や考え方などは育成できる場合もあります。「将来的にリーダーを任せたい」「自律的なキャリアを切り開ける人であってほしい」という方針があれば、従業員にどのような施策が適しているのかを検討するヒントになります。
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従業員の行動特性
タレントマネジメントの項目からは、従業員の行動特性についても把握することができます。従業員がある課題に直面した際の対応で、優れた成果を出している人物の行動特性をモデル化し、データとして蓄積できるでしょう。
理想の行動モデルが明確化されると、企業として目指すべき育成すべき人物像が明確になり、従業員に周知しやすくなります。ほかの従業員が行動特性モデルに沿って行動し、成果を出すことで、結果的に企業全体の生産性や業績の向上にもつながるでしょう。
従業員のスキルや経験
従業員のスキルや経験もタレントマネジメントの項目によって把握することができます。保有資格によるスキルなどに限らず、社会人として身につけておくべき社会的スキルや業務上必須となる共通スキルのほか、専門スキルなどさまざまなスキルを可視化できます。それによって適材適所の人材配置につなげられるでしょう。これまでの経験を活かせるポジションに配置するなどの施策も有効です。
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従業員自身も、自身のスキルや経験を最大限に活かせると、業務へのモチベーションが向上し、意識的にさらなるスキルアップに注力できるでしょう。従業員エンゲージメントも高められ、離職率の低下につながれば、企業全体の価値も向上します。
タレントマネジメントの項目の集め方・ポイント
タレントマネジメントの導入にあたって項目を集める際は、次の3ポイントを意識するといいでしょう。
初めから完璧な情報収集を目指さない
タレントマネジメントで項目を集める際、最初から全ての情報をそろえようとすると非常に時間と手間がかかってしまいます。特に人事部だけで項目を集めようとなれば、大幅な工数がかかります。
最初から完璧な情報収集を目指すのではなく、まずはすでに管理している従業員の基本情報から集めるなど、収集対象となる情報の種類・範囲を決めておくといいかもしれません。例えば人事考課の際に、属性に関する情報を更新するなども一案です。
また、人事部だけですべてを行おうとするのではなく、各部署のマネージャー層の協力を仰ぎ、少しずつ情報を蓄積していくといいでしょう。
経営者や幹部候補には別の項目設定を行う
タレントマネジメントを活用して経営者・幹部候補者の選出を実施する場合は、新たに別の項目を用意しましょう。将来的に経営の後継者を選ぶなら、一般の従業員とは異なる判断指標が必要となるからです。まずは自社の経営課題を明確にし、後継者にはどのようなスキルや経験を求めるのかなどを検討しなければなりません。
タレントマネジメントの項目設定で、リーダーシップや決断力、長期課題の取り組みの有無など、将来経営者・幹部として自社を牽引できるかどうかを把握できるようにしましょう。
タレントマネジメントシステムの導入を検討する
タレントマネジメントの情報項目を効率的に集めるには、タレントマネジメントシステムの導入も検討するとよいでしょう。
タレントマネジメントシステムなら、一元管理で情報が把握しやすく、情報の検索や更新も簡単です。さらにクロス分析など、戦略人事を進める際に役立つ機能も搭載されています。今まで社員の情報管理を紙やエクセルで行っていた場合は、人事業務の効率化も進められ、担当者の負担を大幅に軽減することができるでしょう。
タレントマネジメントシステムにはさまざまな機能や種類があるので、自社に合ったものを比較検討してみましょう。
タレントマネジメントの進め方
タレントマネジメントは導入後、すぐに効果があらわれるものではありません。まずは自社における課題を洗い出し、実施の目的を明確化しましょう。項目の情報を収集して可視化し、現状を把握したうえで具体的な施策につなげます。
タレントマネジメントはPDCAを繰り返しながら定着をはかることが大切です。
STEP1 | タレントマネジメントの導入目的を明確にする |
---|---|
STEP2 | 人材情報を可視化・現状を把握する |
STEP3 | 人事施策の各フェーズで必要な人材などを明確にする |
STEP4 | 具体的な人事施策を実施し、PDCAをまわす ●採用・育成計画の策定(P) ●人材採用・人員配置(D) ●人事評価(C) ●配置転換・能力開発など(A) |
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タレントマネジメントの独自の項目設定で企業の成長へ
当記事はタレントマネジメント導入に必要な基本の情報項目を中心に解説してきました。人的資本経営への注目の高まりから、人材情報の可視化は年々重要性を増しています。
タレントマネジメントの項目設定で収集した情報をもとに、適切な人員配置や人事評価などに活用し、企業の成長を目指しましょう。経営者候補を選出する場合は、一般社員とは異なる情報項目を設定し、独自の育成・施策を実施することも大切です。
タレントマネジメントの項目収集にはシステムの活用が便利
効率的なタレントマネジメントの項目収集や情報の簡単把握には、システムの活用も一案です。
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記事監修
スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎
一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。
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