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人事業務とは|仕事内容や必要スキル、やりがいまで徹底解説!

人事業務とは|仕事内容や必要スキル、やりがいまで徹底解説!

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人事の仕事内容としてイメージしやすいのは、採用業務ではないでしょうか。しかし、人事の仕事内容には、採用以外にも「評価」や「人事制度の運用」「教育」「労務管理」など多岐にわたります。

人事の仕事は、企業における大切な従業員にかかわり、重要な役割といえます。

そこで当記事は、人事の仕事内容を中心に解説しながら、企業の人事担当者が抱えやすい課題や業務効率化の方法もご紹介します。

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目次(タップして開閉)

    人事の仕事内容とは

    人事の仕事とはどのようなものなのでしょうか。まずは人事の仕事について、役割や年間スケジュールの目安、混同しやすい総務や労務との違いについて解説します。

    人事の役割

    人事の役割は、企業活動や経営目標を実現するために、人材に関するあらゆる業務を行うことです。企業の「人」に関して、入社から退社まで一連の業務を担っており、仕事内容は多岐にわたります。

    人事の仕事は採用のイメージが強いかもしれませんが「人材を採用したら終わり」ではありません。

    採用した人材が活躍できるように環境や制度を整えてサポートすること、退社にともなう手続きを問題なく遂行することも、人事の重要な仕事の一つといえるでしょう。

    人事の年間スケジュール

    人事の仕事内容は多岐にわたりますが、大まかな年間スケジュールはどのようなものでしょうか。

    一般的に人事の仕事の繁忙期は、春(3月~4月)と秋(10月頃)とされています。年度の変わりめである春は、人材にかかわる多くの業務やイベントが行われます。

    ・新卒社員の入社式準備や開催
    ・人事異動の準備や実施
    ・人事昇格の準備や実施
    ・下期の評価や面談
    ・上期の目標設定
    ・労使交渉関連の業務

    秋も新卒採用関連の業務や人事異動が行われる会社が多く、通常よりもさらに多忙なことが多いようです。

    ・内定者の内定式準備や開催
    ・人事異動の準備や実施
    ・上期評価と面談
    ・下期の目標設定

    このように、主な繁忙期は春(3月~4月)と秋(10月頃)ですが、人材に関するあらゆる業務を担う部署であるため、年間を通してさまざまな業務が発生します。

    総務や労務との違い

    人事の仕事は、同じバックオフィス業務にあたる総務や労務と混同しがちです。両者との違いについて、簡単に確認してみましょう。

    人事と総務の違いとして、人事は「人」にかかわる仕事内容である一方で、総務は企業活動を円滑にすることを目的として、より総合的で広い範囲の業務を担っています。事務手続きなど裏方業務だけでなく、社会貢献活動なども行いながら、株主総会運営にも携わる総務もいます。

    人事と労務の違いとして、労務は従業員が働くために安心できる環境や制度を整えたり、給与計算を行ったりします。どちらも企業に属する「人」に関する業務を担っていますが、人事は直接的、労務は間接的な業務とイメージするとよいかもしれません。

    企業によっては、労務を含めて「人事部」とする場合と、「人事」と「労務」で別々の部署を設けている場合があります。

    人事の仕事内容

    人事の仕事内容は多岐にわたりますが、ここでは以下の5種類に分けてご紹介します。

    1. 1.採用
    2. 2.評価
    3. 3.教育
    4. 4.人事制度運用
    5. 5.労務管理

    1.採用

    人事の仕事内容として「採用」は、企業で働く従業員を迎え入れる重要な仕事の一つといえるでしょう。

    採用では、欲しい人材を確保するために、事業計画に基づいて年間の採用計画や採用目標を決め、採用活動を行います。

    具体的な活動として、複数の採用媒体を活用して募集をかけたり、説明会やインターンシップなどのイベントを開催したりします。それによって、より多くの就活生や求職者と出会い、優秀な人材確保を目指します。

    優秀な人材や自社に価値観がマッチする人材に入社してもらうことは、経営目標の達成や業績にも影響する可能性があるため、採用を人事の仕事の中でも特に重要視している企業も多いかもしれません。

    2.評価

    人事の仕事内容の一つである「評価」は、従業員のモチベーションやエンゲージメントにも影響します。

    従業員の成果などの基準をもとに、自社で運用している評価制度に基づいてワークフローを回し、評価結果に応じて報酬や賞与、昇格・昇給の決定まで支援します。

    適切で納得感のある人事評価を行えると、従業員のモチベーションやエンゲージメントは向上しやすくなり、業務パフォーマンスに影響するため、評価も重要な仕事の一つといえます。そのため、評価そのものだけでなく、自社に適した評価制度の運用や評価を踏まえた処遇の管理も求められます。

    3.教育

    人事の仕事内容である「教育」は、従業員のスキルアップや知見を広げるために行われます。

    具体的には、研修の実施や専門的なスキルの習得促進、資格試験の取得促進と費用負担の手続きなどが挙げられるでしょう。企業によっては、外部企業から講師を招いたり、外部セミナーや研修の受講、オンライン学習などを取り入れたりしています。

    従業員の能力開発は、業務パフォーマンスや成果、最終的に全体の業績にも影響する可能性があるため、人事として採用した従業員の育成や教育を目指す必要があるでしょう。

    4.人事制度の運用

    人事の仕事内容として「人事制度」の構築や運用も挙げられます。

    各種人事制度は、評価や昇降格、給与など人事施策全般にかかわる土台となるため、人事の仕事の中でも非常に重要な仕事といえるでしょう。

    人事制度が効果的に運用されていないと、評価や処遇に不満が出たり、モチベーションの低下を招いたりする恐れがあります。

    適切な人事制度の構築と運用のためには、人事に関する専門的な知識と経営層との交渉も必要でしょう。

    5.労務管理

    人事の仕事内容には「労務管理」が含まれる場合があります。

    労務管理は、従業員の入退社に関する事務的な手続きや勤怠管理、健康管理や福利厚生面の整備、管理といった役割を担う仕事です。

    従業員にかかわる業務が多いため、一般的には人事部の領域ですが、総務や経理が兼任している企業も少なくありません。

    大企業と中小企業における人事機能や仕事の違い

    人事の仕事内容について、大企業や中小企業など、会社規模によって違いはあるのでしょうか。大企業と中小企業の人事について確認してみましょう。

    大企業における人事の仕事

    大企業における人事の仕事では、仕事内容が細分化されていることがあります。

    たとえば、教育業務の場合は「企画担当」「運用担当」「その他フォロー担当」などがあり、採用業務の場合は「PR担当」「面接担当」「応募者管理担当」「内定者管理担当」などに分けられます。

    一つひとつの業務に付随している業務を細分化し、チームを編成している組織です。

    中小企業における人事の仕事

    中小企業における人事の仕事では、1人が広く全般的に担うことが多いでしょう。

    企業によっては、人事労務だけでなく、総務なども含めてバックオフィス業務全体を管理している場合もあります。

    一般的には、大企業に比べて従業員数も人事担当者の数も少ない傾向にあるため、担当者が多岐にわたって業務範囲を担当することが多いことが理由といえます。

    人事の平均年収

    厚生労働省が管理する職業情報提供サイト『jobtag』に掲載されている『令和3年賃金構造基本統計調査』を加工した集計データによると、人事担当者の年収は全国で464.6万円、東京都では545万円です。

    また、同サイトのハローワーク求人統計データでは、全国の月額平均賃金は24.8万円(賃金中間値の平均)、東京都では23.4~31.1万円(賃金下限・上限の平均)と報告されています。

    どちらの統計データも年齢や勤務地、会社規模などの条件によって変動する場合もありますが、目安として把握しておくとよいでしょう。

    参照:『人事事務』job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

    人事の仕事はなぜ重要なのか?

    企業における人事の仕事はなぜ重要なのでしょうか。人事部の重要性についてご紹介します。

    企業経営や戦略のパートナー

    人事の仕事は、採用や給与、昇給・昇格、配属、福利厚生など、従業員にかかわるさまざまな制度を管理しています。企業の経営目標や戦略に基づきながら、従業員の生活や労働についても公平でなければなりません。

    人事によるさまざまな制度の運用や管理がなければ、企業の運営にも支障が出ることもあるため、重要な役割を担っているといえるでしょう。

    企業運営をサポート

    人事の仕事は、採用、給与、昇給昇格、配属、福利厚生など、従業員にかかわるさまざまな制度を管理しています。企業の経営目標や戦略に基づきながら、従業員の生活や労働についても公平でなければなりません。

    人事によるさまざまな制度の運用や管理がなければ、企業の運営にも支障が出ることもあるため、重要な役割を担っているといえるでしょう。

    組織開発

    人事の仕事は、企業の組織開発や組織強化においても重要です。組織開発では、自社の未来を担うリーダーの育成や、従業員一人ひとりのスキルアップ、エンゲージメントの向上などに着手します。

    人材の流動化や人材獲得競争が激化している昨今、今いる従業員の育成に注力する企業も増えてきました。企業目標を達成するために、自社に必要な人材や能力を洗い出したり、施策を打ち出したりする組織開発を行うことは、最終的に企業の業績に影響するでしょう。

    従業員を通して組織をよりよくする組織開発において、人事の仕事は重要といえます。

    人事の仕事のやりがい

    人事の仕事にはどのようなやりがいがあるのでしょうか。ここでは、具体的なやりがいをご紹介します。

    企業の顔として働ける

    人事の仕事では、企業の顔として働けることがやりがいの一つといえるでしょう。

    特に採用イベントや面接などにおいて、会社の代表者として応募者と接することになります。応募者にとっては、採用担当者が企業のイメージとして強く印象に残る場合もあるはずです。また、労務業務においては役所で手続きをする機会も多いでしょう。

    このように人事担当者は、さまざまなシーンで企業の顔として業務に従事することになります。企業イメージを左右するため責任もありますが、やりがいとともに重要な役割があるといえるでしょう。

    従業員の成長にかかわることができる

    人事の仕事において、従業員の成長にかかわれる点も大きなやりがいの一つです。

    自分が採用にかかわった人材が、コツコツと成長する姿を目にしたり、責任ある役職へとステップアップしたりする姿を見届けられるのは、人事の仕事の醍醐味でしょう。

    また、人事部が主催となって企画した教育プログラムや研修の成果が、従業員の成長につながった場合も、大きなやりがいを感じられるはずです。

    人事業務に向いている人や必要なスキル

    人事業務とは|仕事内容や必要スキル、やりがいまで徹底解説!

    人事の仕事は多岐にわたり、社内外の人とかかわる機会が多くあります。そのような業務特性を踏まえて、人事業務に向いている人の6つの特徴と必要なスキルをご紹介します。

    明るくコミュニケーション能力が高い人

    人事業務に必要なスキルの一つにコミュニケーション能力があります。

    人事の仕事として、かかわるのは従業員だけではありません。経営者とビジョンを話し合ったり、産業医や研修講師など外部の専門家と連絡を取り合ったり、採用活動で入社希望者と面接を行ったりします。

    このように社内外の多くの人たちとかかわるため、相手の立場を踏まえながら、明るく対応できるコミュニケーション能力が求められます。相手の意見に真摯に耳を傾け、伝えるべきことは確実に伝えられる人が適しているといえるでしょう。

    進捗管理能力の高い人

    人事の仕事では、業務における進捗管理能力が高い人も向いています。

    たとえば人材採用では、採用目標数をもとに採用計画を立て、選考スケジュールを管理していかなければなりません。企業説明会を開催する際は、日程の調整や会場の確保も必要です。

    このように、多くの人が関わるイベントを企画運営するための進捗管理能力が求められるでしょう。

    正確な業務遂行能力がある人

    人事の仕事では、正確な業務遂行能力がある人が重宝されます。

    たとえば社会保険手続きでは、不備のない書類を作成して期限までに提出しなければなりません。給料計算では、従業員とのトラブルに発展しかねないので、計算ミスがないように注意を払う必要もあります。

    人事の仕事の中で労務管理領域は、法律で義務として規定されている業務もあり、対応を怠ると罰則が課される恐れがあるため、正確性が求められるでしょう。

    そのため、事務作業や手続きにおいて、正確な業務遂行能力が求められます。

    機密情報を適切に管理できる人

    人事の仕事では、企業経営の根幹にかかわる情報や従業員一人ひとりの個人情報を扱います。

    これらの機密情報が漏えいすると、企業の社会的信用が失墜したり、従業員に不利益をもたらしたりするかもしれません。

    そのため、人事の仕事では機密情報を適切に管理し、他者へ口外しない人が向いています。

    論理的思考ができる人

    人事の仕事は、数字を扱ったり、規則や制度などを運用したりするうえで、客観的な見方や論理的思考力が必要です。感情に流されず、冷静な判断をしなければならないシーンもあるでしょう。

    福利厚生や評価に関する業務を行うときは、従業員に対する感情は脇に置き、公平で客観的な判断をしなければなりません。

    そのため、人事の仕事に向いているのは、基本的なコミュニケーション能力を持ちながら、冷静かつ論理的に業務に取り組める人といえるでしょう。

    柔軟な対応力がある人

    人事の仕事では、ときに柔軟な対応力も求められます。

    たとえば、人材の欠員が出たときは、急いで採用業務を行わなければならないでしょう。幅広い仕事をこなしながら、状況に合わせて業務の優先度を変更させるなど、的確な判断や柔軟な対応力が必要とされています。

    人事の仕事を通して身につくスキル

    人事の仕事を通して身につくスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的なスキルを確認してみましょう。

    法令の知識

    人事の仕事で身につくスキルには、法令の知識が挙げられます。労働関係や社会保障関連の法令は、頻繁に改正されるものも多く、常に法令順守を意識しなければなりません。

    労働基準法における労働時間や残業時間、労働環境などは、従業員の生活や健康、企業イメージにもかかわります。法令の知識を深めることは、従業員を守り、企業としての信頼を高めるためにも重要なスキルといえるでしょう。

    コミュニケーションスキル

    人事の仕事に従事することで、コミュニケーションスキルも身につきやすいでしょう。

    人事の仕事では、従業員だけでなく経営層や採用試験の応募者、労務手続きにおける役所の担当者や産業医など、社内外の人とかかわります。

    さまざまな立場の方と接する機会や経験が多くなると、状況や相手に合わせたコミュニケーション能力が身につくはずです。

    戦略的思考

    人事の仕事では、最終的に企業の経営目標や事業戦略の達成を目指して、各種人事施策を行います。

    目標を達成するための課題や解決策を発見するためには、客観的な視点や論理的思考力が重要です。その結果、企業のビジネスを成功させるための戦略的思考を育めるでしょう。

    機密情報の取り扱いスキル

    人事の仕事では、個人情報や企業の機密情報を扱うため、重要な情報を正しく扱うスキルが身につきます。

    たとえば、採用選考の応募者データが流出したり、企業の内部データが漏えいしてしまったりすると、企業イメージが損なわれるなど大きな問題に発展する可能性があるでしょう。

    このような事態に陥らないように、人事の仕事では細心の注意を払って業務を進めなければなりません。そのため、秘密保持に関する知識や取り扱いスキルを高められるでしょう。

    人事の仕事に有利な資格3選

    人事の仕事に従事するうえで、持っていると有利になる資格をご紹介します。

    社会保険労務士

    社会保険労務士は、社会保険や労働関連の法律の専門家として、人事や労務管理を行うために役立つ国家資格です。

    雇用や社会保険、労働問題、公的年金の分野に関する国家資格であり、企業において採用から退職までの労務管理や手続きに活かすことができます。

    人事担当者や労務管理担当者として、信頼性が増すだけでなく、実務にも大いに活かせるでしょう。

    キャリアコンサルタント

    キャリアコンサルタントとは、労働者の職業選択や能力開発などに関する助言や指導(=キャリアコンサルティング)を行う専門家であり、国家資格です。

    キャリアコンサルタントの資格があれば、従業員のキャリアアップに対して的確な助言ができたり、従業員の適性や能力を踏まえて、適材適所の配置を検討できたりするでしょう。

    メンタルヘルス・マネジメント検定

    メンタルヘルス・マネジメント検定は、職場環境を原因とする心の病などの対策に役立つ知識があることを証明する民間資格です。

    近年では、過重労働や人間関係のストレスから、従業員のメンタルヘルス不調の課題を抱えている企業も少なくありません。従業員のメンタルヘルスを守るために、適切な知識(資格)を持った人事担当者がいると、企業側も安心できるでしょう。

    人事業務の課題

    人事業務は、企業の規模が大きくなれば従業員数も増えるため、煩雑になりがちです。

    近年は社会状況や価値観の変化が著しく、多様な価値観を持った従業員一人ひとりに人事が向き合うのが難しくなりつつあります。

    ここでは、変化するビジネス環境の中で、浮き彫りになっている人事業務の課題をご紹介します。

    人材の確保

    人事業務の課題の1つめは、人材の確保ができていないことです。定期的に採用活動を行っていても、思うように必要な人材を確保できないことも多いでしょう。

    人材確保が進まない原因の一つとして、経営者の意向や現場のニーズを十分にくみ取れていない可能性があります。まずは企業に必要な人材像を明確にしたうえで、経営と密接にかかわりながら採用計画を策定し、採用活動を進める必要があるでしょう。

    求人サイトや人材紹介会社だけでなく、オウンドメディアやSNSなどを活用して、採用活動の幅を拡大することも検討してみるとよいかもしれません。

    人材流出に歯止めがかからない

    人事業務において、離職者が多く、人材流出が激しいという課題を抱えている企業も多いでしょう。離職者が多いことは人事だけの責任とは限りません。企業全体で取り組むべきことも多いはずです。

    従業員の過重労働やハラスメントなど、問題の発生原因を見極めたうえで、職場環境の改善に取り組みましょう。

    人材配置を適切に行えない

    人事業務の課題の3つめとして、適材適所の人材配置が行われていないことも挙げられます。

    従業員の異動や出向、新規プロジェクトメンバーの選出などの根拠が、客観的なデータによるものでなく、担当者の主観や感覚的な人間関係の調整の結果で行われてしまうこともあるといわれています。

    従業員の能力や意向を考慮しない配置は、従業員のモチベーションやエンゲージメントの低下につながります。そのまま放置すると、優秀な従業員の離職につながりかねません。

    人材配置を最適化するためにも、従業員のスキル管理や意向の把握を行うとよいでしょう。

    人材育成が十分に機能していない

    人事業務の課題の4つめは、人材育成が進まないことです。原因は、教育や人材開発が十分に機能していないことにあるでしょう。

    たとえば、未経験者に対するOJTではトレーナーになる上司の指導力が欠けていたり、繁忙期で指導に手が回らなかったりするケースです。

    従業員がスキルアップしないと、将来的に企業全体の成長も停滞することにつながりかねません。

    このような課題を解決するには、上司を対象にした研修を実施したり、外部の研修を取り入れたりするなど、課題に即した企画を立案して、実行する必要があるでしょう。

    人材のキャリアプランに対応しきれない

    人事業務の課題の5つめは、従業員一人ひとりが目指すキャリアプランに企業側が対応できないというものです。

    たとえば、MBO(目標管理制度)を導入したものの、個人目標と組織目標のギャップを埋められず、かえって従業員のモチベーション低下を招くケースです。

    近年は、従業員が望むキャリアプランは多様化しています。一人ひとりのキャリアプランの実現をサポートするためにも、適切な評価制度の導入や従業員との面談を強化しましょう。

    人事業務の負担が大きすぎる

    人事業務は広範囲であるため、業務量が多く、人事担当者の負担が大きくなることが課題として挙げられます。特に人事部が総務・労務まで担当している企業では、毎月の勤怠管理や給与計算などに時間と労力がかかります。

    人事担当者の負担を軽減させるためにも、人事業務の効率化が重要です。人事業務をサポートするシステムを導入すれば、事務作業やデータ管理を効率化でき、業務負担を大幅に削減できるでしょう。

    人事業務の効率化の手法

    近年はITの急速な発展にともなって、煩雑な人事業務を効率化するためのツールが次々と登場し、機能も進化しています。

    総務省が『自治体DX推進計画』を掲げて地方行政サービスのデジタル化を進めているように、日本社会全体で業務効率化を目指す流れになっているといえるでしょう。

    参照:『自治体DXの推進』総務省

    ここでは、人事業務の効率化の手法を2つ取り上げて解説します。

    人事DX

    人事DXとは、人事業務にデジタル技術を使って業務効率化やパフォーマンスの向上、データ分析などを実現することを指しています。そもそもDXとは、Digital Transformationの略で、デジタル技術の浸透によって人々の生活をよりよいものにしていくことを意味します。

    企業活動を支える人事業務でも、ICTやAIなどを活用したDX推進が急務とされ、ビジネスモデルや産業構造の変革が叫ばれています。そこで、人事管理システムやタレントマネジメントシステムをはじめとした人事DXと呼ばれる分野が急成長をしてきました。

    タレントマネジメントシステム

    タレントマネジメントシステムとは、社内に散らばった人材情報を集約して一元管理し、採用から育成、配置、評価データを連携して戦略的な人材管理を支援する人事DXの一種です。

    紙やエクセルからでの管理から脱却することで、人事業務の負担を軽減できるだけでなく、蓄積されたデータの有効活用を目指します。

    従業員の経歴やスキル、目標、研修履歴などあらゆるデータを可視化して活用し、人材育成や人事評価における客観性や公平性の担保につながるはずです。それにより、経営目標の達成や戦略的な人事施策の実行も支援するでしょう。

    Chat GPTで人事業務はどう変わる?

    最近はChat GPTがビジネスをより大きく変化させるとして注目を集めています。具体的にChatGPTを人事業務に活用することで、企業の人事にどのような変化が生じるのでしょうか。

    そもそもChat GPTとは

    Chat GPTとは、アメリカのOpen AI社が開発した、人工知能(AI)を使用したチャットサービスです。

    人間がインターネット上で質問したことに対して、Web上にある大量のデータをもとに、自然な言葉で質の高い回答をしてくれるもので、大きな注目を集めています。

    Chat GPTは、質問に対する回答ができるだけでなく、表計算ソフトの関数を作成できたり、プログラミングができたりなど、これまで人間が行ってきたさまざまな作業ができるといわれています。

    >>>【人事が変わる!】次世代の人事DX『One人事 ChatGAI』とは

    採用活動の業務効率化

    Chat GPTを人事業務に活用する例として、採用活動が挙げられます。

    たとえばChat GPTを採用活動に活用することで、SNSで発信する採用コンテンツの作成や応募者のスクリーニング、メールの作成などを自動化できるでしょう。

    特に採用活動では、膨大な数の応募者に関する事務作業が発生します。ChatGPTを活用すると、多くの業務で効率化が実現するでしょう。

    人材育成のサポート

    Chat GPTを人事業務に活用する例として、人材育成も挙げられます。

    たとえばChatGPTは、社内研修のプログラムのアイデア出しや、社内研修の資料作成にも役立ちます。

    職種や階層ごとに研修が必要な場合も、Chat GPTを活用することで、研修のサポートや効率化が見込めるでしょう。

    人事評価や職場環境の改善

    Chat GPTを人事業務で活用する例として、ほかにも人材評価や職場環境改善などさまざまなシーンがあります。

    Chat GPTは、人事評価や人材配置に役立つジョブディスクリプションの作成や、社内制度見直しの際における調査などで人事業務をサポートしてくれるでしょう。

    多岐にわたる業務を抱える人事だからこそ、Chat GPTの強みを活かして業務効率化をはかってみてはいかがでしょうか。

    人事業務のサポートには『スマカン』

    『スマカン』は、人材データの一元管理や可視化、最適な人材配置、優秀な人材育成、納得感のある人事評価など、戦略的人事の実行をサポートするタレントマネジメントシステムです。

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    まとめ

    人事の仕事内容は、人材にかかわるあらゆる業務を担当するため、内容が多岐にわたります。そのため、人事課題を抱えている企業も少なくありません。

    人事課題を解決することは、従業員の成長や組織強化につながり、最終的には企業戦略や業績にも影響するため、積極的に取り組みたいところです。

    人事担当者の負担を減らし、大幅な効率化を進めるためにも、DX化ツールを活用したり、人事関連システムを導入したりするのがおすすめです。

    さまざまなシステムやツールを比較し、自社に合ったツールやシステムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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    記事監修

    監修者

    スマカン株式会社 代表取締役社長 唐沢雄三郎

    一貫して現場に寄り添う人事システムの開発に注力している起業家。戦略人事情報・人材マネジメントシステム、マイナンバー管理システムをはじめ、近年はタレントマネジメントにまで専門領域を広げ、着実に実績を積み上げている。主力製品は公共機関など多くの団体・企業に支持され、その信頼と実績をもとに日本の人材課題の解決に貢献している。

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